2015年6月

第3082号 2015年6月24日号


豊島区政のさらなる発展
 高野区長、議会招集あいさつ
 5期目の決意披れき


 平成27年度第2回豊島区議会定例会(村上宇一議長)は6月19日に開会され、初日召集あいさつに立った高野区長は、「区民の皆さんの信託に応え、これまでの4期16年の総仕上げと位置づけている5期目における、私の施政方針の一端を申し上げます」として決意を披歴。新庁舎での業務開始、旧庁舎跡地の開発、持続発展都市に向けて、安全・安心、福祉・教育――について語った。招集あいさつ(要旨)次の通り。

   1.5期目の施政方針

 はじめに、区民の皆さんの信託に応え、これまでの4期16年の総仕上げと位置づけている5期目における、私の施政方針の一端を申し上げます。

 (1)豊島区新時代を力強く牽引

 今、我が国は超少子高齢化、人口減少社会に急速に進みつつあり、本区においても危機的社会の到来を直視し、対応を急がなければなりません。

 本区の人口は、今年の6月1日現在で279,473人にまで増加し、あと500人余りで28万人を超える見込みとなっていますが、これは昭和55年以来35年ぶりのことであります。

 ただし、同じ28万人と申しましても、その中味は全く違っております。昭和55年1月1日現在の本区の年少人口、すなわち15歳未満の人口は、46,936人と全体の16.8%を占めておりましたが、平成27年1月1日では、23,873人、8.7%とおよそ半分にまで減ってしまいました。

 そして65歳以上の老年人口は、昭和55年当時は25,685人、高齢化率は9.2%にすぎなかったものが、平成27年には56,214人、20.4%と倍以上に伸びているのであります。本区の人口構成は、この35年間でこのように劇的に変化してきており、ことに急激な高齢化への対応が、今後、最大の課題になることは間違いありません。

 消滅可能性都市の指摘を受けたのちの、すばやい対応が大変高い評価をいただいたように、こうした問題を先取りして、いち早くスピード感を持って、効果的な政策を打ち出していくことが、今期の私に課せられた極めて重要な使命であると考えております。

 私は、昨年「豊島区基本構想」の改定を行いましたが、すでに検討に着手している次期基本計画の中で、人口減少など、かつてない厳しい事態が進行しつつある中にあって、様々な課題を正面から受け止め、きちんと対応できる具体的な都市の姿を示す必要があると考えており、活力ある都市のグランドビジョンを描く考え方の柱は3つあります。

 今期の第一の柱は、豊島区新時代を切り開く積極的・重点的な都市の活動をどう創り出すかということであります。

 先般、東京都は、池袋駅周辺地域の都市再生に着手すべく、国に対して国際競争力の強化を図る特定都市再生緊急整備地域への指定を申請いたしました。

 東京都は、指定による特例を活用して、歩行者中心の空間の拡大や木密地域解消の一層の推進、エリアマネジメントによる賑わい創出、国際アート・カルチャー都市の形成などを進めるとしております。緊急整備地域は、国際拠点として、緊急かつ重点的に整備推進する地域と位置付けられているのであります。積年の課題でありました特定都市再生緊急整備地域の指定が、ついに現実のものとなろうとしております。

 緊急整備地域の指定に向けて、区議会をはじめ関連する地域の皆さんと共に歩んでまいりました道のりは決して平たんではなく、平成18年第三回定例会で指定を受けることを目指すと表明して以来、実に足掛け9年に及ぶ長丁場の仕事でありました。

 当初は、具体的な進展が見られない時期が続きましたが、平成23年の東日本大震災が転機となって、安全・安心なまちづくりの機運が高まり、新庁舎整備、旧庁舎跡地開発、造幣局周辺まちづくりなどが連鎖的に進み、民間レベルでのまちづくりの機運がさらに高まる中、東京の国際競争力の強化に向けて池袋が果たす役割が評価され、ようやく特定都市再生緊急整備地域指定の申し入れに至ったのであります。

 143ヘクタールの緊急整備地域の中には、本区の地域特性を反映して、これまでの指定地域では例のない木密地域が含まれています。池袋駅の東西で賑わいのある副都心を形成する一方で、木密地域の解消に取り組み、地震などの災害に負けない、区民の命、財産を守れる安全・安心なまちづくりを進めることになります。

 7月には、「池袋駅周辺地域再生委員会」を設置し、まちづくりルールの検討をスタートいたします。日本大学の岸井隆幸先生をはじめとする日本を代表する都市計画の専門家に加え、豊島区参与の隈研吾先生も特別委員として参画していただき、皆さんからご意見をいただきながら、緊急整備地域指定のメリットを最大限に活用した官民連携による歩行者優先の回遊性の高い魅力的なまちづくりを加速してまいります。

 この度の池袋駅周辺の地域指定は、都市の国際競争力強化に特に有効な地域が指定される「特定都市再生緊急整備地域」であります。行き着くところ、本区が誇る多様な文化資源や文化発信の拠点施設を国際アート・カルチャー都市として世界に向けて発信していく舞台となるのが、この特定地域の指定であります。

 これに加え、間もなく東京全体に地域が拡大指定される見通しとなっている国家戦略特区による規制緩和メニューを活かして、社会実験で好評を博しているグリーン大通りのオープンカフェ、マルシェなどの常設化に向けた検討を本格化してまいります。そして、みどり豊かで広幅員の道路の良さが十分に生かされていないグリーン大通りをおしゃれなカフェやショップ、さらにはアーティストたちに開放し、地域の文化の中心地となり、明るく楽しい歩行者空間に生まれ変わらせてまいります。

 また、附属機関として条例で定めた「豊島区国際アート・カルチャー都市懇話会」において、11人の国際アート・カルチャー都市プロデューサーのアドバイスを受けながら、東京オリンピック・パラリンピックの文化プログラムへの参画を目指し、豊島区がアート・カルチャーの魅力で文化プログラムを牽引できるよう、具体的な検討を開始してまいります。

 東京オリンピック・パラリンピックという国際的なビッグイベントの開催を契機として、その後も世界中から人や産業を惹き付けられる魅力的な国際都市づくりを進め、観光立国の一翼を本区が担えるよう積極的に推進してまいります。

 それが、国際競争力の強化を視野に入れた特定都市再生緊急整備地域の指定に応えることであります。

 第二の柱は、人口減少社会の到来に対応した地方創生への挑戦であります。

 昨年5月の日本創成会議による消滅可能性都市の発表は、大変衝撃的でありましたが、その解決策が、今や日本全体の重要な政策課題として認識されております。

 消滅可能性都市の発表を受け、本区では、人口減少問題を正面から捉え、スピード感をもって対策を打ち出してまいりました。

 その中で、少子化以上に高齢化が都市部の大きな課題になってくることは、今回の発表を待つまでもなく十分認識しております。例えば、本区の特養待機者は306人、うち施設入所の必要性が高いAランクは102人であります。今年度、新たに2つの特養の開設により192床のベッドが整備され、現在の待機状態は、ほぼ解消できるものと考えておりますが、後期高齢者の増加に伴う将来的な施設ニーズのさらなる増加に区内で対応することは困難であります。

 こうした認識に基づいて、東京大学名誉教授の大森彌先生をお迎えして、特養の区域外整備について具体的に検討する会議を来月立ち上げ、昨年度閉園した千葉県富津市の竹岡健康学園跡地や姉妹都市秩父市などを候補地として、年内には一定の方向をまとめたいと考えているところであります。

 さらに、消滅可能性都市の対策の柱の一つに掲げた「地方との共生」を図っていく取り組みとして、秩父市とは、いわゆるアクティブシニアが元気なうちから地方での生活を始める「日本型CCRC」の実現に向けてトップ会談を始めております。

 6月4日に日本創成会議が大都市における急激な高齢化への対策として発表した「東京圏高齢化危機回避戦略」は、地方と都市部とのそうした連携の動きを加速させる追い風になるのではないかと期待しております。

 高齢者の地方移住につきましては、様々な意見があることは承知しておりますが、元気なうちに地方に移り住んで、自然の中で豊かな老後を過ごすという選択肢はあってもいいと思いますし、長年培ってこられた経験や知識を地方で生かしてもらえば、地方の再生にもつながるのではないかと考えます。また、地方に新たな雇用創出を図れることで、東京一極集中の是正にもつながるのではないかと考えております。

 これまでも申し上げてまいりましたが、地方が潰れれば東京も潰れるのであります。人口問題を日本全体の問題と捉え、全国の範となるような共生モデルを作ってまいりたいと考えております。

 東京圏高齢化危機回避戦略の発表直後に、日本創成会議の増田座長からオファーがありまして、急きょ15日の夕方にお会いいたしました。今、述べたような私の考えをお話ししたところ、本区の対応を非常に高く評価してくださいまして、今後も情報交換しながら、共に人口減少社会への挑戦を続けていくことといたしました。

 (2)柔軟で機敏な行財政システムの構築

 続いて、第三の柱として、積極的な政策展開を下支えする、堅実な行財政システムの構築について申し上げます。

 私のこれまでの4期16年間の財政運営は、最大で872億円にのぼった特別区債残高の圧縮に費やされてきたと言っても過言でありません。その結果、平成25年度末には23年ぶりに基金残高236億円が起債残高218億円を上回るにまで健全化を 進めてまいりました。今後も、景気変動などの情勢変化に機敏に対応できる財政基盤をさらに固め、それを堅持するため、計画的な基金の積み増しなどに努め、気を緩めることなく財政健全化を継続してまいります。

 また、健全財政の維持には不断の努力が必要でありますが、経済状況の激変等による財政悪化への歯止め策としてとりわけ重要な課題は、公共施設の老朽化対策であります。区の建物施設については、インフラ施設と同様、施設の健全性・安全性を保ちつつ、中長期的に管理していくことが不可欠でありますが、少子高齢社会の下での区施設全体の今後の需要の変化に対応できるよう公共施設等総合管理計画の検討を進めてまいります。

 もう一つは、公共サービス提供のあり方についても、検討してまいりたいと考えております。

 区内でも活動が活発化している公共サービスの担い手にふさわしい、民間事業者等との実効性の高い連携の仕組みについて検討して参ります。

 リノベーションまちづくり、エリアマネジメントなどは、民間が主体となりつつも単なる営利事業の枠を超え、周辺エリアの活性化やコミュニティ形成などの地域貢献を考えた活動として広まってきております。

 こうした公共的な活動を担う意欲と力量を有した民間事業者との連携は、これまでの委託、指定管理といった仕組みを超えた新たな連携の可能性を秘めており、また、それにふさわしい枠組みを作らなければ進展しない面があります。

 このため、民間の柔軟性、スピード感を活かし、かつ公平性や競争性を失わない枠組み作りを検討してまいります。

 いずれにいたしましても、財政基盤の強化を図りつつ、人口減少社会、国際化の進展など、新たな課題に機敏に対応できる柔軟な行財政システムの構築に取り組んでまいります。

 2.新庁舎での業務開始

 次に、個別の課題について申し上げます。まず、新庁舎について申し上げます。

 新庁舎がオープンして1か月余りが過ぎましたが、開庁にあたって一番心配しておりました住民記録系などの膨大なシステムの運用には何のトラブルもなく、また、土日開庁にも大きな混乱はなく、全庁にわたって業務は順調に推移しております

 しかし、開庁と同時に導入したコールセンター業務の委託、IP電話の運用では、オペレーターのスキル不足や機器操作の不慣れなどから、多くの区民の皆様に多大なご迷惑をおかけしてしまいました。心からお詫びを申し上げます。現在、コールセンターの応答率は当初の30%台から90%台にまで改善されておりますが、さらに抜本的な対策をとれないものか、総点検をして区民の皆さまにご満足いただける庁舎と なっているのか検討を急ぐよう指示しているところであります。

 さて、新庁舎を訪れる区民の皆さんからは、吹き抜けを設けて自然の風や光を取り入れた、明るく親しみやすい庁舎のデザインや機能に対する、率直な驚きや感動の声が聞かれます。そうした声に接する都度、区民の皆さんに喜ばれる庁舎を整備することができた喜びを感じているところであります。

 また、窓口を利用する方々だけでなく、新庁舎には、屋上庭園「豊島の森」やセンタースクエア、回廊ミュージアムなどを見学に訪れる方も数多くおられ、屋上庭園は、区内の小学校の子どもたちの学びの場ともなっております。

 子どもたちは、毎日のように「豊島の森」を訪れており、教育委員会が作成したDVD「豊島の森物語」を鑑賞した後、豊島区の生態系を再現した屋上庭園で環境教育の授業を受けています。富士見台小学校の5年生が学校のビオトープで育てた黒メダカを放流した時には、私も立ち会っておりましたが、豊島の森が子どもたちの笑顔や笑い声にあふれており、感慨もひとしおでありました。

 新庁舎が、今後も継続して、すべての小学校の環境教育の場となるよう、さらに工夫を凝らしてまいりたいと考えております。

 また、新庁舎では、6月13日から2週間にわたりセンタースクエア及び3階、4階の回廊ミュージアムにおいて「アートオリンピア2015」展が開催されておりますが、これも、連日多くの方々が観覧に訪れてくださっております。一昨日の17日には、三笠宮家の彬子女王殿下のお成りを得まして、村上宇一議長、辻薫副議長と共にお迎えし、説明役を担わせていただきました。

 なお、アートオリンピア展は、世界各国から集められた、絵画芸術に間近に触れることができる貴重な機会であることから、区内の全中学校8校の生徒が見学することが予定されております。

 この新庁舎で開催されたアートオリンピア展が、国内外から多くのお客様をお迎えしていることは、国際アート・カルチャー都市を目指す本区にとって、大変名誉なことであると考えております。

   3.旧庁舎跡地の開発

 つぎに、旧庁舎跡地の開発事業について申し上げます。

 新庁舎は順調にオープンいたしましたが、旧庁舎跡地活用事業が成功しなければ、「財政に新たな負担をかけず新庁舎を整備する」という新庁舎整備のプロジェクトが完結したとは言えないと思っております。

 現在、地代の目標額143億円を大きく上回る191億円の地代を一括前払いし、7つの劇場が生み出すにぎわいと、オフィスタワーによる副都心の新たなランドマークを創出するという、池袋の多様なポテンシャルを最大限に引き出すご提案をいただき、優先交渉権者として決定させていただいた「東京建物株式会社」ほか2社で構成されるグループと、27年度末を目途とした定期借地権設定契約、旧庁舎建物の無償譲渡、新ホールの売買契約の締結に向けて、基本協定を締結するための最終調整を行っているところであります。

 多様な興行利用にも対応できる1,300席の新ホールをはじめ、ボカロ劇場やシネマコンプレックス、カンファレンスホールなど、エリアの中に7つもの劇場が集積するという、多様性、回遊性にあふれる劇場版テーマパークといってもよい「劇」的空間の創出は、本区がめざす都市像である「国際アート・カルチャー都市構想」と方向性を一にしているものと考えております。

 今後、設計協議期間として約1年間を予定しておりますが、できるだけ早期に協議を整え、新たな劇場空間の詳細を議会の皆様にもご報告申し上げることができるよう、着実に手続を進めてまいります。

 4.持続発展都市に向けて

 次に、持続発展都市に向けた取り組みについて申し上げます。まず、昨年度から開始した「としま鬼子母神プロジェクト」でありますが、歯科医師会の協力を得て妊婦歯科検診を加えるなど、ソフト事業のバージョンアップを図って継続的に推進しているところであります。さらに、ハード面では、若者向けの健康情報発信スペース「鬼子母神プラス」を池袋保健所1階の「エイズ知ろう館」に併設し、民間事業者とも連携しながら20~30代の若者たちが妊娠・出産、子育て、健康、がん予防など幅広い情報を入手できる拠点として整備いたします。

 また、今定例会に補正予算を計上しておりますが、いわゆる「東京版ネウボラ」、(ネウボラとは切れ目のない支援のことを一般的に言うようでありますが、)その取り組みとして「ゆりかご・としま」事業を開始いたします。

 これは全妊婦および今年度出産をされる方、およそ8400人を対象として、妊娠届出時等に面接を行い、その際に最大1万円分の「育児パッケージ」を配付するなど、切れ目のない支援の充実を図るものであります。本区においては、面接の機会を増やすため、パッケージの配付を前後期の2回に分けて要支援者の早期発見・早期支援に取り組むこととしております。また、配付場所としては、新庁舎の子育てインフォーメーション、子ども家庭支援センターも活用し、支援の選択肢を増やすことを特徴としております。

 今後も、部局の枠を超えた全庁的な連携により、女性にやさしいまちづくりを推進してまいります。

 5.安全・安心

 次に、安全・安心について申し上げます。

まず、「池袋本町電車の見える公園」において高放射線量を検出した事案について申し上げます。

 区では、高い放射線量を確認した直後の4月23日、私を本部長とする危機管理対策本部を設置し、速やかに放射性物質に関する専門機関である原子力規制庁に支援を要請するとともに、警察などの関係機関と緊密に連携しながら、徹底的な調査を行いました。

 その後、公益社団法人日本アイソトープ協会のご協力を得た結果、24日には原因となる放射線源を除却し、25日には公園の安全宣言を行うことができました。事案の覚知から安全宣言までわずか6日という超スピードの解決ができたのであります。

 放射線源が除却された後も、現在に至るまで、同公園の放射線量は平常値内であります。

 また、学校、保育園、公園など主に子どもたちが利用する243施設の放射線量の測定にも取り組んでおり、6月16日までに、対象施設の9割を超える延べ224か所の測定を終えましたが、これまでのところ、深刻な計測結果は確認されておりません。

 これまでの測定情報は、区ホームページや安全・安心メールを通じて毎日情報提供してまいりましたが、今回の事案は、結果的に危機管理態勢の構築、内部統制の展開など、リスクマネジメントにおける規範を自ら示すことになった好事例ではないかと考えておりまして、今後も、引き続き、気を緩めることなく区民の皆さんの安全・安心の確保に努めてまいります。

 次に、繁華街警備隊の活動強化について申し上げます。

 6月1日から12日までの約2週間、豊島区繁華街警備隊の活動を強化する特別対策を実施いたしました。警備隊は、4月の発足以来、池袋・大塚・巣鴨で客引き行為への指導とパトロールを実施してきましたが、違反行為を繰り返す者が依然として減少しないことから、今回更なる指導の強化を行ったものであります。

 強化活動は、池袋駅東西の繁華街で行い、期間中は警備隊の人員増を行い、特に金曜日は通常の2倍にあたる8名体制で強化活動を行いました。また、客引きが多く出る時間帯の特定日には、区の職員や町会・商店街、帝京平成大学の学生ボランティアによるキャンペーンも実施いたしました。

 その結果、客引きが、敷地内からの「呼び込み」に変わった事例も出てきており、警戒時間帯では、客引きの数が減少するなど、一定の成果を上げております。

 今後とも、地元の皆さん、警察と十分に連携しながら、安全・安心で楽しい繁華街づくりに向けて、今後も最大限の努力を続けてまいります。

 6.福祉・教育

 次に、福祉・教育について申し上げます。

 まず、待機児童対策について申し上げます。

 つい先日、今年4月1日現在の待機児童数が確定いたしました。今年は前年度より31名少ない209名となり、平成17年度以来、10年ぶりに2年連続で待機児童を減らすことができました。

 待機児童対策は、施設整備を進めることが新たな需要を掘り起こすことにつながる面があり、一気に解消することは困難な状況にあり、昨年度は、過去最大の407人分の受け入れ枠拡大を図ったにもかかわらず、保育需要の高まりにより、待機児童数は30人ほどしか減らすことができませんでした。

 本区の児童数は、毎年400名前後の増加があり、4月1日現在の5歳児までの児童数は、平成24年の9,675人から27年には10,874人と、約1,200人も増えているのであります。お子さんが増えることは、大いに歓迎すべきことではありますが、児童総数の伸びは待機児童数の増に当然なる訳でありまして、保育所の整備が追い付かないほどの急増ぶりであることもまた事実であります。

 こうしたことから、待機児童ゼロを実現するためには、保育所整備のさらなる加速化が必要であると考えておりまして、今定例会には思い切って補正予算に13億円余りを計上したところであります。これにより、私立保育所を7園、小規模保育所を6園新たに整備し、合計して約750人分の受け入れ枠を増やす計画であります。

 今後も計画をできる限り前倒しいたしまして、全精力を傾けて29年度を予定しています待機児童ゼロをめざし、対策を推進してまいります。

 次に、豊島区認知症戦略の進捗について申し上げます。 

 区内の認知症高齢者が現在のところ約5,700名に上ると推計される中、本区は、本年2月に「豊島区認知症戦略」を発表し、国の戦略の理念を踏まえつつ、地域の特性に合ったよりきめ細やかな戦略を打ち出して、認知症対策を積極的に推進していく 姿勢を打ち出したところであります。

 4月からは新庁舎の高齢者福祉課内に区直営の「基幹型センター」を設置し、認知症対応の最前線である高齢者総合相談センターの機能向上を図りました。また、これまで1名であった「認知症支援コーディネーター」を3名に増員し、認知症の早期発見・早期対応の体制を強化しております。

 今後とも、認知症になっても住み慣れた地域で暮らし続けられる社会の実現に向けて、医師会、歯科医師会、薬剤師会、介護事業者等とも連携しながら、さらにスピード感を持って対策を講じてまいります。

 次に、教育について申し上げます。

 本年4月1日から新たな教育委員会制度がスタートしたことを受けまして、私と教育委員会との連携強化を図り、危機管理体制の充実強化を進めております。区長である私が主宰する「総合教育会議」では、教育委員会と協議・調整し、教育に関する豊島区教育振興基本計画を盛り込んだ「大綱」を策定してまいります。

 本区は、4月8日に全国のトップを切って第1回総合教育会議を開催いたしました。教育に関する「大綱」としての「豊島区教育ビジョン2015」と平成27年度豊島区教育委員会教育目標を承認し、年3回程度の総合教育会議を開いて、「教育都市としま」の新たな高峰に挑んでまいります。

 次に、インターナショナルセーフスクールについて申し上げます。 今年度は、朋有小学校の認証再取得と富士見台小学校の新規取得をめざし、11月の学校現地審査を経て、来年2月の認証式に向けて活動してまいります。

 また、来年度の新規取得に向け、仰高小学校、池袋本町小学校の2校が、新たに加わり、4校体制で準備してまいります。

 セーフスクールは、区民ひろばを中心に、学校・家庭・地域が一体となって取り組み、子どもたちをケガや事故から守るとともに、地域で学校を支えていくという「コミュニティスクール」の理念も実現できるものと考えます。今後、全小中学校でセーフスクールに取り組めるよう支援してまいります。

 次に、学校改築について申し上げます。来年度の竣工に向けて、現在、池袋第三小学校と池袋本町小学校・池袋中学校の小・中連携校の2か所が建設中です。今年度、巣鴨北中学校は設計段階に入り、近々プロポーザルを実施する予定であり、池袋第一小学校は「建て替えを考える会」を設置して意見交換が始まっています。

 地域の様々な拠点機能を持つ学校の改築は、景観や街並みの形成など、地域のまちづくりを見据え、地域の皆さんと設計前からの協議を重ねた上で設計に入り、高い教育力が展開される地域の学校として、着実かつ計画的に整備してまいります。


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