骨髄提供者に奨励金 23区で初めて、1月4日からスタート
豊島区は公益財団法人日本骨髄バンクが実施する骨髄バンク事業において、骨髄・末梢血幹細胞の提供を行った個人や事業者に対して奨励金を交付する事業を来年1月4日からスタートする。骨髄・末梢血幹細胞移植の推進及びドナー登録希望者の増加を図ることが狙いで、23区初の試みとなる。
骨髄移植や末梢血幹細胞移植は、白血病や再生不良性貧血などの病気によって、 正常な造血が行われなくなってしまった患者の造血幹細胞を、ドナーから採取された造血幹細胞を点滴静注することにより、 造血機能を回復させる治療法だ。現在、日本骨髄バンクの骨髄・末梢血幹細胞移植に登録しているドナーは約45万人。ドナー登録数は制度開始後増加しているものの、ドナー登録受付数は2011年を境に減少に転じている。さらにドナー登録取消者数は年々増加しており、2014年には年間19,962件の取消があった。年齢別にみると20代~30代の登録数が少なく、若い世代への啓発が急務となっている。
こうした状況を受け、区は個人及び事業者対象の支援事業を開始する。具体的には、豊島区に住所があり、公益財団法人日本骨髄バンクが実施する骨髄バンク事業において骨髄・末梢血幹細胞を提供しこれを証明する書類の交付を受けた個人に対して、一日につき2万円の奨励金を交付するというもの。また骨髄・末梢血幹細胞を提供した個人が従事する国内の事業所にも、一日1万円が交付される。奨励金の対象となるのは、骨髄・末梢血幹細胞を提供するための健康診断、自己血貯血・採取による入院及び財団が必要と認めた通院・面接など。通算7日間が上限となる。
区担当者は「豊島区は、平成22年に『がん対策推進条例』を制定し、先駆的にがん対策に取り組んでいます。しかしながら、区内でも毎年数十名の方が白血病で他界されており、『血液のがん』といわれる白血病に関する施策を推進する必要があります。この事業を始めることで、一人でも多くの人に骨髄バンク登録をしていただければと思います。」と語っている。
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