2016年2月

第3110号 2016年2月17日号


豊島新時代への事業展開
 高野区長、所信表明より


(1) 旧庁舎・公会堂

 次に、今後の主な事業展開について申し上げます。

 まず、旧庁舎跡地の活用についてでありますが、去る12月8日、豊島公会堂で開催した「旧庁舎跡地・周辺まちづくりに関する説明会」には、約700名の区民の皆さんにご参加いただきました。10月に区内3か所で実施した説明会を合わせると、約900名の参加があり、この計画に対する区民の皆さんの関心の高さがうかがえます。

 昨年の7月、優先交渉権者と基本協定を締結した後、新ホール諸室レイアウトや建物全体の外観などの基本設計協議を精力的に進めてまいりましたが、建物計画の大枠が固まりました。

 このタイミングで、事業者と定期借地権設定契約を締結し地代191億円の受領と定期借地権の設定、あわせて解体のため既存施設の無償譲渡契約を締結する必要があり、本定例会において「定期借地権の設定」及び「財産の無償譲渡」の2つの議案を提出申し上げたところであります。

 また、新ホールは、本秋の売買契約締結を目指し、実施設計段階に進みます。新たな劇場空間の詳細についてはもう少しお時間を頂き、固まり次第ご報告いたします。

 旧庁舎跡地及び周辺まちづくりは、新たな負担なく新庁舎を整備することに加え、「8つの劇場」で圧倒的なにぎわいを生み出し、国際アート・カルチャー都市の「顔」となる、国際的な文化にぎわい拠点を生み出すものであり、まさに豊島区ならではの知恵と工夫を生かした、過去に例を見ないスキームだと考えております。

 2020年東京オリンピック・パラリンピック前のグランドオープンをめざし、引き続き、全力で取り組んでまいります。  旧庁舎の立つ地は、豊島区の誕生時点から区政の中心であり、城北大空襲による庁舎焼失などの変転を経ながらも、昭和36年7月に旧庁舎が誕生し、昨年の旧庁舎閉庁まで、53年と9か月もの長きにわたり区政の拠点としての役割を担ってきました。

 また、豊島公会堂は、戦後間もない昭和27年、3,053 名にもぼる区民の皆さんからの寄付を受けて、中村勘三郎の歌舞伎公演をこけら落としとして開館いたしました。戦争の余燼が色濃く残る中、23区に先駆けて竣工した文化の殿堂は、東京都全域の文化活動を担ってきたと申し上げても過言ではないと考えております。

 このように、長年にわたり慣れ親しんだ建物への感謝を込めて、3月19日から21日にかけて、フジ・サンケイグループ、東京建物そしてアニメイトホールディングスの各社のご協力を得て「旧庁舎・公会堂さよならイベント」を開催することになりました。

 公会堂では、3月19日にオープニングを行い、63年の歴史を振り返るとともに、国際アート・カルチャー特命大使の結団式を行います。20日、21日には、“懐かしさ・驚き・華やかさ”を視点に、ラジオの公開放送を入れるなど、豊島区のアート・カルチャーの未来を想像できる催しを開催いたします。

 また、旧庁舎は「としまアート・カルチャーミュージアム」として、4階までのすべてのスペースを活用して、現代アートやアニメやコスプレなどのサブカルチャーから地域の文化資源、そしてこの地域の将来像などを様々な形でご紹介し、まさにアート・カルチャーの博物館としてまいります。 同時に、中池袋公園では、人気ラーメン店を集結させて「としまラーメンミュージアム」を開催し、公園まで一体的に活用した賑わいの拠点として、この地域の将来像を一足早くお目に掛けたいと考えています。

 楽しいイベントが繰り広げられる上に、区長室や議会関係など、区民の皆さんがなかなか足を踏み入れることができなかった庁舎の隅から隅までをご覧いただく最後の機会であり、多くの区民のみなさんにお越しいただきたいと思います。

 そして、時期を同じくして、新庁舎においては、落成1周年を祝う記念イベントを開催いたします。

 新庁舎の落成から1年を経て、3月20日、再びセンタースクエアに区民の皆さんが集結いたします。

 地域区民ひろばで活動している団体の皆さん、東京よさこい、フラフェスタなどのイベントに参加している皆さん、障害者団体の皆さんや、豊島区管弦楽団など幅広い皆さんが参加してくださると聞いております。

 現在、急ピッチで内容の検討を進めているところでありまして、詳細が決まり次第、お知らせいたします。

 豊島区の来し方を振り返る旧庁舎・公会堂のさよならイベント、そして豊島区の新しい歴史を積み重ねていく新庁舎での落成1周年記念イベント。どちらも区民の皆さんと共に、2度と経験することのできない貴重な時間を共有する場としてまいりたいと考えております。

(2) 安全・安心

 次に、安全・安心について申し上げます。

 まず、危機管理監の設置についてであります。

 今、世界は、国際的なテロ組織による危機に直面しております。昨年11月、フランスのパリで発生した同時多発テロ事件では、130人もの市民が犠牲になりました。こうした事例は、わが国にとっても決して他人事ではありません。

 日本では、今年5月、主要先進国の要人が訪れる“伊勢志摩サミット”が開催されます。また、平成31年(2019年)にはラグビーワールドカップが、平成32年(2020年)には、東京オリンピック・パラリンピックが開催され、世界中から多くの人が日本を訪れるのであります。

 国際的なテロ組織は、これら世界的な行事を標的とするといわれておりますので、日本有数の繁華街池袋を有する豊島区にとっては、テロ対策をはじめとする安全・安心対策は喫緊の課題であると考えております。

 こうしたことから、私は、区の危機管理能力を思い切って強化するため、今までは総務部長の兼務であった「危機管理監」を、1月1日付で専任のポストとして設置いたしました。

 この重責を担う危機管理監として、陸上自衛隊化学学校長 兼 大宮駐屯地司令を務めておられた今浦勇紀さんを迎えました。

 今浦危機管理監は、5年前の東日本大震災の際には、福島において陸上自衛隊の現地の総指揮官という大任を果たされた方であります。
 着任した矢先の先月中旬、早速、手腕を発揮していただく機会がありました。

 未だ記憶に新しい、23区の全区役所への爆破予告事案であります。

 警察署から情報を得た後、危機管理監は、直ちに防災危機管理部門の職員に対して適切に指示を行い、陣頭指揮にあたってくれました。翌日には、危機管理対策本部会議を取り仕切っていましたが、自衛隊での経験と専門的知識に裏付けられた発言には重みがあり、非常に頼もしく感じました。

 危機管理監には、豊島区の安全・安心を守る総指揮官として、今後大いに腕を振るってもらいたいと考えております。

 次に、治安対策の強化について申し上げます。

 豊島区内の刑法犯は、平成26年の約6,100件から平成27年の約5,450件へと大幅に減少し、治安は確実に改善されております。しかしながら、依然として振り込め詐欺などが発生して区民を不安に陥れているほか、繁華街における環境浄化対策を徹底する必要があるため、この度、治安部門において嘱託員として警察官OB2名を採用することといたしました。

 今後、高齢者向けの防犯講習会や保育園での被害防止教室の実施、池袋駅周辺等における客引きの指導啓発、青パトによる防犯パトロールの実施など対策の充実を図り、安全・安心なまちとして区のイメージアップを図ってまいります。

 次に、新たな防災協定の締結について申し上げます。  

 1年前の平成27年2月に文化交流都市協定を締結した湯河原町と、来る2月20日に「非常災害時における相互応援に関する協定」を締結することとなりました。

 湯河原町は、本区が最も警戒している「首都直下地震」による被害想定が半壊20棟、避難者280人と、さして大きくはありません。また、陸路が確保され、比較的短時間で往来できる地でもあります。こうしたことから「災害時相互応援協定等の締結基準」に照らして、このたびの協定締結に至ったものであります。

 大災害が発生する都度、迅速かつ直接的な被災地支援には、自治体間連携が不可欠であることが明確になっており、この度の協定締結により、本区の災害対応が一層充実すると期待しているところであります。

(3) 福祉・健康

 次に、福祉・健康について申し上げます。

 臨時福祉給付金についてでありますが、平成27年度に引き続き、消費税率の引き上げによる影響を緩和するため、所得の低い方を対象として、一人当たり3,000円の簡素な給付措置が実施されることになりました。あわせて、新たに、所得の低い高齢者等を対象として、一人当たり3万円の「年金生活者等支援臨時福祉給付金」を支給することとされました。

 国は、できる限り早期に支給を開始するとしておりまして、平成28年度の年度明け早々から支給事務に着手する必要があると考えております。

 このため、給付事業に係る経費を平成28年度当初予算と同時補正で計上させていただきました。実施経費は、全額国費で賄われる事業でありますが、円滑な事業の実施に向けて、よろしくご審議賜りますようお願い申し上げます。  


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