池袋西口は美術館 回遊美術館、6月1日まで
街のどこもが美術館」をテーマに「第11回 新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館」が6月1日まで池袋西口の駅、百貨店、商店街、住宅街、劇場、学校、公園など「まちかど」のあちこちに点在する約60会場で開催されている。初日19日、東武百貨店池袋6階美術画廊でオープニングセレモニー。高野区長はじめ斉木観光協会長らがあいさつした。
特別企画では今回で11回目の回遊美術館にちなみ、東武百貨店の池袋店美術画廊にて「イレブンガールズアートコレクションオールスターズ展」が行われている。イレブンガールズとは、2010年8月末に結成された日本初の女性アーティストユニットだ。「作品収入での経済的な自立」や「結婚・出産後のアーティストとしての現場復帰」、そして「次世代への現実的な夢の提供」の実現を掲げ、百貨店などでのグループ展開催から個展の開催へと「集団」から「個人」への展開につなげる活動をしている。今回の展示では、豊島区ゆかりのミステリー作家江戸川乱歩の世界観をテーマに描いた作品の特集コーナーを設置し、女性アーティストの躍動的な作品の数々を紹介している。メンバーの在籍期間はおおむね3年で、今回はユニット卒業者のOG展も開き、日本画・洋画・版画・陶など約250点を展示している。メンバーの中でも、同じ小説を題材に作成したアート作品もあるので、メンバーそれぞれの個性が表れている。
普段、ふくろうを主に描く、メンバーの渡辺由起さんは、「いつもと違った作風のメンバーもいるので、メンバーの私が見てもとても新鮮味を感じる」と話していた。渡辺さんは『パノラマ島綺譚』をテーマに、小説中で亡くなる主人公とヒロインがふくろうに生まれ変わって逢瀬を重ねていく様子をアート作品で表現。風が流れていく様子を金箔の雲で表している。
また、風景画を専門に描いている松沢真紀さんは、『目羅博士の不思議な犯罪』で主人公と語り部が出会う上野の猿山でのシーンを油絵で表現している。松沢さんは、「今年は申年で、かわいいところだけでなく、野性味のある猿を見てもらいたい」と話した。
回遊美術館では、イレブンガールズアートコレクションだけでなく、さまざまなアートイベントが行われている。その中でも、「PLAY」をテーマにした池袋アートギャザリングは目玉のイベントだ。東京芸術劇場B1階ロワー広場では、「PLAY×KOKESHI」と題して、13メートルの巨大バルーンこけし「花子」がそびえている。
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