2016年7月

第3127号 2016年7月06日号


高野区長、招集あいさつ


■池袋駅周辺の都市再生

 まず、旧庁舎跡地及び周辺まちづくりについて申し上げます。去る5月10日の国家戦略特別区域会議において、旧庁舎跡地・公会堂エリアが、東京都の都市再生プロジェクトの一つに追加をされました。これまで都内に22のプロジェクトがあり、東京駅周辺など都心に集中しておりましたが、旧庁舎跡地エリアを含め、六つの地区が追加されました。正式な認定は今年度中の予定ですが、城北地区では初の指定となり、池袋の国際化に向けて弾みとなることは間違いありません。東京都の試算によると、これら28のプロジェクト全体で、約10兆円の経済波及効果を見込むとのことです。 旧庁舎及び公会堂は、現在、解体作業に入っておりますが、つい先日、引退の花道を飾るように、思い出多き豊島公会堂に対しまして、「日本映画批評家大賞 特別賞」をいただきました。NHKのど自慢大会など、64年間にわたり様々なイベントや映画の試写会が開かれたことが評価されたものでありまして、豊島公会堂は、まさに地域の誇りであったと、改めて感慨深く、その在りし日の姿を思い浮かべた次第であります。旧庁舎及び公会堂跡地の、八つの劇場を含む国際的な文化による賑わい拠点づくりは、いよいよ実施設計段階まで進んでまいりました。今年の秋の新ホール売買契約の締結、年明け早々の本体工事の着工、そして2020年春のグランド・オープンをめざし、全力で取り組んでまいります。

 次に、グリーン大通りの国家戦略特区について申し上げます。

 グリーン大通りでは、国家戦略特区の規制緩和を活用し、まちに賑わいを呼ぶ事業を展開しております。5月19日から6月1日までの2週間、広い歩道を活用したオープンカフェ、アートフェスを実施いたしました。期間中の土曜日、日曜日には、マルシェが開催され、多くの人々でにぎわいました。秋にも開催を予定しておりますが、今後は、地元主体のエリアマネジメント協議会を中心に、継続的なまちづくり活動の一環として位置付けていきたいと考えております。

■福祉・子育て施策の推進

 まず、保育園の待機児童数について申し上げます。

 平成28年4月の待機児童数は105名でした。昨年の4月が209名でしたので、ほぼ半減したことになります。3年連続の減少であり、平成21年以降の8年間で最少の数字となりました。昨年度、認可保育所10園、小規模保育所6園の新設等により過去最大の922名の定員拡大を行なった成果が出たと考えております。

 一方、保育需要も前年度比で460名の増加であり、こちらも過去最大の増加数となりました。今年度は、認可保育所等を可能な限り新設するとともに、認証保育所の認可施設への移行を促すほか、既存の保育施設の定員変更の検討などにより保育の受入枠を増やし、平成29年度末までに待機児童をゼロにすべく最大限の努力をしてまいります。

 次に、児童相談所の特別区への移管について申し上げます。

 5月27日、児童福祉法等の一部を改正する法律が成立し、特別区においても児童相談所が設置できることとなりました。国に対して、関係自治体の意見を十分に反映した支援策の実施について強く要望してまいりますとともに、東京都に対しましても、希望する区への移管が円滑に行われるよう、協議・支援を強く申し入れてまいります。

 本区としましては、区民の生活に密着した基礎自治体として、子ども達の生命を守るとともに、子ども達が夢と希望を抱き、安心して健やかに成長していけるよう、児童相談所移管の早期実現に向け、設置場所の候補地検討も含め、積極的に準備を進めてまいります。

■教育としまの推進

 まず、インターナショナル・セーフスクールの進捗状況について申し上げます。本年2月、朋有小学校の再認証、富士見台小学校の認証式が、この本会議場で行われましたことは、いまだ記憶に新しいところです。

 6月10日には、国際セーフ・コミュニティ認証センター副理事長のチョ・ジョンピル氏らを招聘して、仰高小学校、池袋本町小学校が新たにセーフスクール認証取得に向けた事前審査を受けました。意欲的な児童と保護者、地域の皆様の熱心なご協力をいただき、11月の本審査、2月の認証式に臨んでいく予定です。

 さらに、来年度の認証取得に向けて、5月18日に池袋中学校、池袋第一小学校がインターナショナル・セーフスクールへの申請を行いました。本区におきましては、中学校として初となる取り組みであり、小中連携校が一体となって、安全・安心な学校モデルとなるよう、新たな期待を寄せております。

 次に、学校改築について申し上げます。

 まず、池袋本町地区小・中連携校は、池袋中学校の校庭整備を除き、順調に工事が進み、2学期が始まる8月29日に開校する予定です。

 養生が外され、小中学校が一体となった校舎は、これまでの区立学校では想像もつかないスケールの大きさであり、桜門の前には豊島区発祥のソメイヨシノなど3種類・14本の「桜の森」の景観を現し、地域からの期待が日増しに高まっております。

 本連携校の仕様の特色は、小中学生の円滑な学びの連続性を獲得するためのシェアリングが随所に見られることです。職員室や図書室を含む学習情報センター、プール、家庭科室、給食の調理場、ランチルームなどは、小・中学校が有効に共用する施設として、効率的で、協働的な教育が仕組める環境となっております。

 また、ガラスを用いた開放的な造りは、校外からも子供たちの様子が感じられ、地域と学校が互いに見守り、見守られながら、小中学校と地域が「繋がる」、連携と交流の拠点となる学校となります。なお、池袋中学校の校庭部分は、中学校校舎の解体工事におけるアスベスト対策に細心の注意を要することから、工法につきまして詳細な調査をした結果、当初の予定の29年4月より、半年程度遅れる見込みとなりました。校庭整備までの間、可能な限り、池袋中学校の生徒の皆さんにご不便をかけることのないよう対応してまいります。

 また、池袋第三小学校は、3学期初めの1月から開校できるよう順調に工事が進んでおります。本校は、地域のご協力をいただき、既存の樹木の約60%を生かした「継承の森」とビオトープや、実のなる樹など「学びの森」を持ち、敷地の四方を全て緑化空間とする「エコスクール」として環境緑化を実現しました。さらに、コンパクトな校舎に加えて、狭い校庭を広く使うために2階部分を一体的なベランダとし、運動会や様々な学校行事において、観覧席や非常用通路として使用できるようにしています。併せて、防災拠点、救援センター機能を強化し、歴史ある立教大学のレンガを地域カラーとして校舎の意匠に取り入れ、住宅街の中にある学びの拠点として、周辺環境とマッチした好感度の高い校舎が次第にその姿を現しつつあります。

 次に、学校トイレの緊急改善推進事業について申し上げます。

 今年度から3年間の短期間に圧縮して進めることとしたトイレ改修は、児童生徒からはもちろんのこと、保護者の皆様からも大変好評を博しております。子供たちにとっては、安心して学校生活が送れる環境がまたひとつ増えることになるものと期待しております。今年度は、小学校で6校、中学校で2校の改修を着実に行なってまいります。

■新たな豊島区史編纂スタート

 「豊島区史」につきましては、戦後昭和史を2冊にまとめました「通史編」第三巻及び第四巻を平成4年に発行したのを最後に、編纂作業を中断しております。一方、平成以降の本区の歴史は、バブル崩壊、血の滲む思いで断行した行財政改革、そして、苦難の時代を乗り越え、新庁舎の完成を見るに至り、さらには国際アート・カルチャー都市として新たな時代の扉を開けようとしている、まさに激動の30年間であり、区民の皆さんとともに切り拓いてきた道のりにほかなりません。その歴史を、区民の皆さんの共有財産として、後世にきちんと伝えていかなければならないと考えております。

 このため、本年2月、豊島区の歴史に造詣が深く、かつて区史編纂委員も務められた伊藤榮洪氏を区史編纂顧問として迎え、様々ご助言をいただいているところです。前回までの編纂作業を引き継いでいくとともに、新たな時代に合致した区史の編纂を目指してまいります。


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