街のどこもが美術館― まちかど回遊美術館開催中
「街のどこもが美術館」をコンセプトに、「第12回 新池袋モンパルナス西口まちかど回遊美術館」が18日から池袋の駅、百貨店、商店街、住宅街、劇場、学校、公園など60会場で開催されている。池袋の街を巨大な美術館として回遊してもらうアートイベント。31日まで。
1930年代から40年代にかけて、池袋西口周辺にはいくつものアトリエ村(アトリエ付住宅群)があり、多くの芸術家とその志望者たちが活動していた。その雰囲気は詩人で画家の小熊秀雄により「池袋モンパルナス」と呼ばれるようになった。
池袋モンパルナスの顕彰にとどまらず、その精神を伝承しようという取り組みで、池袋モンパルナスの画家の作品から、現代アート、マンガまで、池袋を中心にとした60か所を超える会場を舞台に幅広いジャンルの展示・イベントが企画されている。
なかでも注目は、アーティスト集団C-DEPOTと「鉄腕アトム」のコラボレーション企画「ぼくらのアトム展」。東京芸術劇場5Fギャラリー1では、様々な技法と素材で表現された唯一無二の「オマージュ・アトム」が楽しめる。また、WACCA池袋4FのGALLERYではアトムをこけしで表現した独創的な作品も展示されている。製作に協力したのは、宮城県の弥治郎こけし工人の新山実さん。新山さんは「今回初めて、こけしに立体的な髪の毛を付けた。製作にあたり工人仲間も驚いていたが、チャレンジしてみて特にアトムの目を表現するのが難しかった」と感想を語った。
さらに、東京芸術劇場5Fギャラリー1では5月26日から、今年で3年目を迎える特別企画「池袋アートギャザリング公募展」が開催される。プロ、アマ、老若男女を問わず、200名を超える応募者の中から選ばれた、平面、立体、映像各分野の精鋭たちの展覧会で、今年は、来場者投票で決定されるオーディエンス賞や、地元ギャラリーでの個展開催の権利が副賞となるギャラリー賞など、新しい賞が新設されている。公募展がアーティスト、来場者、街のかけ橋となり、その後の参加・交流・応援を生み出すことが期待されている。
同劇場5Fギャラリー2では公募展に先駆けて、池袋アートギャザリング事務局が選抜した池袋エリアでの活躍を期待する若手作家による「大作展」が開催されている。
»» BACK
|