やっぱり吸い込めサギ！
新型タバコは新型のウソ
「タバコ会社は長年にわたり人命を奪いながらその事実を否定し、タバコの販売を続けてきた悪質企業」という評価は国際的に定着している。その悪質企業はちょっと前まで、「ニコチンには依存性がない」「高性能フィルター、低タールなので両切りの紙巻より害が少ない」などとウソをつき、毒物を狡猾に売り抜けてきた。
今度の新しいウソは「健康懸念物質の少ない新型タバコ」である。新型も危険！なぜウソにまみれた毒物が認可され、「健康懸念物質」なる珍語がまかり通るのか理解に苦しむ。ケネンでなく毒だろう！
本稿では、タバコ会社三社の「アイコス」「プルームテック」「グロー」を新型タバコと位置づけ、読者の皆様に「超最新のウソ」に関する情報をお知らせしたい。
●研究の不正疑惑
本稿〆切直前に、英国の通信社ロイターが「検体の偽造疑惑」「研究主任が英語を理解出来ず、タバコの臨床試験経験のない泌尿器科医」「被験者の承諾未取得」「不正を指摘した社員を更迭」など、「アイコス」の開発過程における数々のスキャンダルを報じている②。いつもの通り、彼らの宣伝文句はまず疑ってかかるのが定石だ。
●蒸気だから安全？
新型タバコから発生する蒸気は「水蒸気」ではなく「ニコチン入り有機化合物」という有害蒸気であり、複数種の発ガン物質も含まれる。
●受動喫煙がない？
新型タバコも「焦げた焼イモのような変な匂い」と評される。また、喫煙者が吸い込んだ新型タバコの有害物質が肺の中で一〇〇％吸収され、無害化されて出てくるわけではない。呼気中には、かならず有害物資が含まれ、わかりにくい形で周囲に拡散している。タクシー車内で客が使用した「アイコス」が重症の受動喫煙症を発症、失職した運転手の例が報告されている（『タクシージャパン』一昨年十二月）。
紙巻きタバコ同様、交通機関や屋内での全面使用禁止が必要だ。有害物質の「見えない化・無臭化」はむしろ悪質である。
●有害物質が十分の一？
新型タバコは非燃焼式なので、たしかに一酸化炭素が発生しにくい。新型タバコ常用者の呼気中には測定器に反応するほどの一酸化炭素はない。が別の独立した研究によれば新型タバコの煙には従来のタバコ製品に含まれるすべての有害物質が含まれている。
たとえ「有害物質が十分の一」でも「被害も十分の一」になるとは言えない。また「十分の一」なる数字も上述の不正が疑われる一連の研究結果であり、「宣伝に都合の良い数字」であることに留意されたい。
新型タバコには超小型コンピューターが内蔵されているが、「有害物質減少」より「喫煙者が新型タバコにしっかり溺れる」ことを主眼にしたプログラムが仕組まれていることが疑われる。詳細はネット検索でご確認を①。
●危険なので使うな！
アイコスのパンフレットには爽快な表情をしたモデルの写真の横に「病気になりたくなければ紙巻きタバコもアイコスも両方やめなさい」という趣旨の一文が極小フォントで書かれている。後々訴えられても裁判で負けないための布石であり、あらためてニコチンビジネスの作法に呆れるばかりだ。
●子供の誤飲が増加
新型タバコはニコチン入スティックやカプセルが従来品に比べて小さく、乳幼児の誤飲・窒息事故を従来型より多く誘発している。誤飲事故はすでに十件以上の報告がある（国民生活センター昨年十一月）。
特に「グロー」は子供の興味を惹くようなジュースやチョコレートの包装をあしらった社外品ケースが出回っており、極めて悪質だ②。
〇まとめ
どんなに工夫を凝らしても、ニコチン自体が毒なのだから、タバコ製品は決して無害にはならない。本紙読者はタバコ会社の甘い言葉を決して信じてはならない。彼らには数々の前科があり、「振り込め詐欺」と同様、「吸い込めサギ」と言えるからだ。
タバコ会社は新型タバコで「規制逃れ」と「喫煙者幻惑」の一挙両得を狙っている。新年を安全安心にすごすには新旧あらゆるタバコの類を避けることだ。
【参考】ネット検索で参照
①「JT 健康懸念物質」
「武田薬報 新型タバコだから大丈夫？基礎知識編」「加熱式電子タバコ緊急警告！ 日本禁煙学会」
「The Philip Morris Files Reuters」 (英文)
②「乳幼児による加熱式タバコの誤飲に注意 国民生活センター」
「グロー ジュース」
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