2018年4月

第3209号 2018年4月25日号


「ぶらり長崎」発刊
 伊藤栄洪先生のシリーズ最終刊


 豊島区は、文学散歩を愛した郷土史家、故伊藤榮洪氏(1932~2016)による豊島区長崎地区とその周辺の歴史・文学を紹介した“ぶらりシリーズ”の第三弾を刊行した。『ぶらり雑司が谷 文学散歩』『ぶらり中山道巣鴨 歴史・文学散歩』に続く、豊島区内の歴史・文学スポットをめぐり歩くガイドブックの3巻目でシリーズの最終刊となる。

 長崎地区は、区が形成される以前に長崎村(町)と言われていた豊島区の西側、現在の山手通り辺りから西側に位置する。本書は、この地域を「椎名町駅」「池袋駅西口」「東長崎駅」それぞれの駅からたどれるように構成されており、豊島区の郷土史を形あるものとして残したいという伊藤氏の想いがつまった1冊となっている。

 長崎といえば、区を代表する民俗芸能「長崎神社獅子舞」。村の総鎮守長崎神社を振り出しに、地名の由来などを紹介している。児童文学・教育の分野では、今年7月に創刊100年を迎える鈴木三重吉主幹の童話童謡雑誌『赤い鳥』の発祥地、坪田譲二の「びわの実学校」、自由学園明日館もこの地域。

 またこの地域には、2020年春にむけ復元を進めている“マンガの聖地”トキワ荘のある街として知られる椎名町もある。トキワ荘には、手塚治虫を慕い、藤子・不二雄(藤子不二雄A、藤子・F・不二夫)石ノ森章太郎ら多くの若手マンガ家が集まった。赤塚不二夫が移り住んだ紫雲荘では今も“マンガ家の卵“を支援している。そのほか区に縁のある文化人も紹介している。

 伊藤氏は豊島区生まれ。区立中学、都立・私立高校教論を経て、豊島区史編纂委員、豊島区図書館専門研究員、豊島区参与(非常勤)を歴任。地域では「エイコウ先生」と親しまれた。豊島区立中央図書館で地域研究ゼミナール、昭和40年代から続いた古典文学読書会、現代文学読書会等を講義した。それらの受講生や教え子には“先生の追っかけ”を自称する人もいる人気講師だった。

 “掃苔”ブームの先駆けとも言え、シリーズ最初の『ぶらり雑司が谷 文学散歩』(H22.3発行)は、氏自ら文学散歩を楽しむ人々を案内していた。他にも豊島区に関連のある著書を多数発行している。  発行にあたり区の担当者は「伊藤先生の語り口がそのまま残る1冊となりました。地域の方々が守ってきた歴史や文化資産を多くの方に知っていただきたい」と語っている。

 ▽発行:豊島区 著者:伊藤榮洪 カバー挿絵:原一展
 ▽販売価格:500円(H30.3.31発行)企画:豊島区立中央図書館
 ▽販売場所:区立図書館(全7館)、行政情報コーナー、郷土資料館、雑司が谷案内処


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