「喫煙者は重症化する」 新型コロナウイルス対策
新型コロナウイルスの蔓延が世界を震え上がらせているなか、少しずつその正体が明らかになってきている。高齢者、糖尿病など持病持ちの人、それに喫煙者が重症に陥りやすいという。とくに最近になって「喫煙者」というワードが報道されている。肺炎を引き起こすウイルスだから当たり前の話だが、気づかなかったという声が多い。そこで新型コロナウイルス感染にむけた医師資格を持つ高岩寺の来馬明規住職の「喫煙者が肺炎の犠牲に」という警告を紹介する。
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喫煙者は様々な感染症の弱者であり「タバコ大国」の中国でも大勢の喫煙者が今回の肺炎流行で犠牲になっている。 喫煙者はインフルエンザ、ノロウイルス、MARSなどに2~6倍ほど罹りやすく、重症化しやすいことがよく知られているが、新型コロナウイルス肺炎も同様である。
中国の最新の大規模成績によれば、喫煙者は健常者に比べ重症化率・致死率が3倍超である(2月28日付NEJM誌)。習慣的な喫煙は気管支・肺に持続的な炎症を起こし、これにウイルスによる炎症が重なって容赦なく肺を破壊する。アイコス等の新型タバコはそれ自体が致死的な肺炎を起こすことが知られているが、紙巻タバコと同様に無数の有害物質が含まれていることになんら変わりはなく、肺炎重症化の対策にはならない。
喫煙者は狭い喫煙所で不特定多数と濃厚に接触しながら、せっかく付けたマスクを外し、汚い手でタバコを吸うため、喫煙行為による感染機会の増加も懸念される。
このようななか、筆者はあらためて、喫煙する読者に即時卒煙をお勧めする。肺炎の重症化リスクは直ちに改善しないかもしれないが、「吸うのをやめたのでマスクを外さない」だけでも有意義だろう。
このような喫煙者の被害は額面通りに報道されないが、タバコ産業の広告塔になっている我が国のメディアには事実上の報道統制が敷かれているといってよいだろう。
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来馬住職は日本禁煙学会の作田学理事長らメンバーとともに、加藤厚生労働大臣に「新型コロナウイルスとタバコの関連性」について報告書を提出するとともに記者会見を行っている。
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