最近観た映画の話し  (2003年)
 このコーナーは、私が観た映画やビデオ(これは特に面白いと思ったものだけ)の紹介をする所です。面白かった物もあれば、お薦めでない物もありますから、私の映画日記とでもいうべき、コーナーになると思います。
 昔は最低でも週に3本は観ていましたし、多い時には一日に6本という時もありました(笑)、しかし結婚してからは殆ど映画館には通わなくなってしまいました。しかし最近また映画館に行くようになっています。子供が生まれる前はビデオもよく観ていたんですが、最近のビデオは子供向けばかり観ています(笑)一度観た映画でも、子供向けの為に子供と一緒にもう一度観るという事もあります。でも子供向けとはいいながら結構大人でも楽しめるものも多い気がします。
 尚、◎は是非観て欲しい ○はお勧めかな △はビデオで十分 ×は観なくても良かったと思った作品です。
 又、最近は映画の宣伝の為にオフシャルサイトがあるのでリンクを貼ってありますが、これはいつ無くなるか判りませんので、ご了承下さい。

 
2003/11/16
◎「東京ゴッドファーザーズ」映画館
もう本当に久しぶりに映画って良いなぁ…と思ってしまった。面白かったです。今監督前作の「千年女優」(去年の落書き参照)の時には、少し客層を意識しているのか軟弱な話にしてしまっていて、もっと主人公が強くてもいいんじゃないかとさえ思ってしまいましたが、今回は前回とも前々回とも違って、エンタメに徹していました。これは完全に客を楽しませるために作っている作品です。それに色んな所に遊び心が出ていて、実写かと見まがうばかりの精密な背景とは対照的なデフォルメされた登場人物達が、アニメだからこんななんだと主張しているからこそ、実はこれは本当の世界なんだとでもいうように、色んな社会問題やらも出てはきます。そして登場人物達の訳ありの過去もストーリーを厚くするために出たりもしますが、でもそこはやっぱり映画という枠組の中で作られた世界ですから、私は純粋に楽しんで観ました。きっとそれが正しい見方だと思っています。ストーリーは少し出来過ぎとさえ思える内容ではありますが、クリスマスから正月にかけての10日間程の、なんとなく神聖な気分になったりする時期の話でもあり、奇跡だって起こるんだとそう思わせてくれる。なんとも心温まる展開です。音楽も「きよしこの夜」で始まり「第9」で終わるという日本の年末らしい設定ですし、ラストで踊り出す都会のビルも楽しかったです。映画が始まると出てくる監督の名前やら脚本家の名前の出方も遊び心が溢れていて、街並の中のショーウィンドーの飾り付けになっていたりネオンだったり、はてはトラックの横に書かれていたりと、楽しいものでした。ひょっとしたら「千年女優」に出てくる映画の看板でもあるかと探してしまいましたが、残念ながらそれは見つからなかった(笑)映画館の客は残念ながら少なかったけれども、エンドクレジットが消えて灯りが点くまで立ちあがる人はいなかったし、みんな「面白かったねぇ」と話ていました。上映館が少ないのが残念ですが、これは是非観て欲しい一本です。

2003/11/03
○「アイデンティティ」映画館
 実は映画の日(1日)に観たのだが、更新していなかった。で、ある映画評で、これぞ映画だという感想があったのもあって(マッチスティックメンは大絶賛だったから私の趣味とは合わないのだが…)まぁ1000円だし、時間的にもこれならいいかという軽い気持ちで観た。しかし満席で前から3列目という最悪の席だった(笑)とはいえ、映画は面白かった。映画が始まる前に、決して結末は教えないで下さい。という注意書きが出ているのもあって、映画のストーリーは書かないが、簡単にいうと劇中劇のような話と多重人格者の複合的な推理物である(って書いてる) 多重人格だからこその「アイデンティティ」というタイトルなのだが、これがまた自分が予想した犯人と違う犯人で騙されたという評を読んでいたせいもあってか、私は犯人を当ててしまった(笑)でもその犯人かもと思わせる中で、それは違うよとでもいうようなストーリー展開があって、結局本来の正しい結論には達しなかったのだから、まぁ巧く騙されたという事だろう。騙すといえば「マッチスティックメン」とどうしても比べてしまうのだが、あちらはコン映画であり、これは殺人事件である。それにショッキングな場面も多いから子どもには見せたくはないが、ストーリーとしての面白さは絶対にこっちが上だと思う。「マッチ…」の面白さはコンムービーとしての面白さではなくて、コミカルな人間模様という感じだから、誰にでも愛される映画の範疇に収まっており、ヒットするのかも知れないが、こちらはホラーとか推理とかが好きな人向けの万人向け映画ではない。だからこそこういう映画も観て欲しいなぁと私は思ってしまう。

2003/10/26
久しぶりの更新で、観たのも随分前だ。まだ上映はされているとは思うが、タイムリーでは無くなってしまった(笑)

△「マッチスティックメン」映画館
実は期待していた映画だった。「綺麗に騙される」という謳い文句がいやがうえにも期待をアップさせていたし、主人公は神経症という役どころのニコラスケイジである。これで面白くないわけがないじゃないかと思ったが、騙されなかった。ストーリーはまぁ色々なところで言われているから省くというかこれから観ようと思っている人がいるといけないから書かないが、単純にいうと詐欺師が足を洗おうとして最後の仕事をするのだが、それが大変な結果に終わるというコメディである。敢えてコメディと言ってしまった方が良いだろう。これは騙すためのコン映画ではなくて、詐欺師が主人公のコメディである。この映画を観ようと思っている人がいたら、これはコメディ映画だと思って観て欲しい。そうでなければ、こんな陳腐なコン映画は誰だって騙されはしない。騙されるとしたら、余程世間を知らないお嬢様か、映画を観ても内容を理解出来ないわという知的年齢の低い人くらいのものだろう。まぁそういう人以外は、笑うために観る映画です。

○「リーグオブレジェンド(時空を超えた戦い)」映画館
原題は「The Leage Of Extraordinary Gentlemen(超紳士同盟)」大好きなショーン・コネリーが渋くて最高である(笑)原作はコミックらしいが、面白ければそんな事は関係ない。あれだけ日本のアニメが評価されているにも関わらず、日本ではコミックが原作だから大した映画じゃないという風潮があるらしく、玄人受け?はしないというか絶賛はされていないようだ。でもこれは面白い。登場人物は「ソロモン王の秘宝」のアラン・クォーターメイン「海底ニ万里」のネモ船長「吸血鬼ドラキュラ」のミナ・ハーカー(あまりイメージがないが、多分主人公の恋人で途中ドラキュラに血を吸われながらも助かる人だったように思うが…)「透明人間」の薬を盗んだ男、「ジキル博士とハイド」のジキル博士。それから「トム・ソーヤーの冒険」のトムとはいえ、大人である。そして読んだ事がないのだが「ドリアングレイの肖像」のドリアングレイ(これは映画を見ればどんな人なのか判ってしまう)と、結局黒沢明の「七人のさむらい」である。色んな有名どころを集めて、時は20世紀になろうとしているヨーロッパであり、超紳士同盟と呼ばれるグループが結成され、ファントム(笑)と名乗る悪人から世界を守るというものである。もう設定もマンガではあるのだが、だからこそ楽しめるというものだ。映画としては多分B級なのだろうが、アクションもスタントもA級である。登場する人物達はみな悩みを抱えており、それが映画に深みを出している。戦車は出てくるし、自動車も出てくるという設定だが、のめり込んで観ていられる映画だ。ラストでショーンコネリーは死んでしまうのだが、それでも生き返りそうな終わり方で続編への期待も持たせてくれた。

2003/09/07
久しぶりの更新だが、観たのは先月であるが、まだ上映はされている。観たかった映画もあったし、招待券もあったのだが、結局招待券はただの紙屑になってしまった。
○「ゲロッパ」映画館
辛口評論で名を上げた(笑)井筒監督の作品。なんと劇場で買ったパンフレットは昔のLPレコードを思わせるデザインで洒落ていた(CDでも入れてあればもっと良いのに…)これは井筒監督の「のど自慢」の変形だ。「のど自慢」が面白かったと思われた人は絶対面白いと思う。ただこの映画の上映館は少ないから観客がどこまで伸びるかは疑問だ。しかしこの映画。いつもはガラガラの映画館で上映されているにも関わらず、満席だった(笑)で、ストーリーは、2日後に収監されるというヤクザの親分が、刑務所に入ったら組を解散するから堅気になれと子分達に宣言し、それを阻止しようと子分達が奮闘するというものだ。親分が好きな「ゲロッパ」で有名なジェームス・ブラウンの公演のキップは手に入れてはいるものの、収監された後の公演であり観ることは出来ない。もう思い残すことはないという親分の元へ、生き別れになった娘の居場所がわかったという連絡。みんなには内緒で娘に会いにいくのだが…。これから先はまぁ観て下さい(笑)で、映画としての出来は「のど自慢」よりは上かなという感じでしょうか。「岸和田愚連隊」などの代表作と比べても見劣りはしませんし、主演の西田敏行の演技ばかりでなく、脇役に出演する豪華俳優も見物です。

×「英雄(ヒーロー)」映画館
大好きな俳優である、リー・リン・チェイ改め、ジェット・リー主演の映画ですから私はこんなに評判になるのには関係なく観てしまいました(笑)この映画は映像が凄く綺麗です。色彩や風景も素晴らしいです。でも映画としての出来はイマイチでした。アクション映画に必要なスピード感はなく、まるで「マトリックス」の2番煎じを見ているようでした。本家であるはずのアジアのアクション映画なのに、アクションは二の次で、ストーリーを重視しているのかと思える程のストーリー性はないし、「グリーン・ディステニー」の監督ですが、あの恋愛物の華麗ささえも巧く表現さえてもいませんでした。本当のヒーローは誰なんだというテーマを監督が十分に理解していなかったとしか思えない作品でした。これははっきりいって駄作です。

2003/07/27
○「マイ ビッグ ファット ウェディング」原題(My Big Fat Greek Wedding)映画館
低予算で、有名俳優なしのインディペンデンド映画。しかし「タイタニック」に継ぐラブストーリーとしてアメリカでは大ヒットしたらしく、続きをテレビドラマで製作しているらしい。40を過ぎた男が一人で見る映画ではない(笑)しかしこれはどちらかというと、結婚していない人よりも結婚している人に観て欲しい映画だ。ラブストーリーとはいえ、男女の恋の鞘当てのようなそんな陳腐な話ではない。日本でも家柄の違いなんていう問題はあるが、そういうレベルとはまた違って、子どもの頃からギリシャ系の人と結婚すると決められている彼女は、あまり美人ではない、というよりはブスの部類(人の事は言えないが…)で、30にもなるのに彼の一人も出来ない。父親には、You Look so Old(もうババアだぞ)と言われ続け、早く結婚しろとセッツかれている。そんな彼女が彼を見つけて、さあ結婚という事になるわけだが、彼女達には障害が待っていて、彼は普通のアメリカ人なのだ。親には反対されるし、彼は駆け落ちは嫌だという。で、まぁラストでは目出度く結婚という流れなのだが、結婚しようと決めるまでは映画の前半で決まってしまう。つまりこれはラブストーリーというよりは、結婚の大変さを描いたコメディである。異文化の衝突という笑いと、彼女らの恋の進み具合の表現など、ニヤっとさせられてしまうシーンも多い。映画を観ていて自分の時の事を振り返ってしまって、ラストではやっぱり親だなぁと思わせる、思わず涙がホロっとなるシーンもあったりして、なかなか良い映画だった。きっと娘を持つ父親ならば、涙がこぼれてしまうだろう映画でもある。でもこの映画も日本ではヒットしないのだろうなぁと思うと少し悲しい。

2003/07/20
 久しぶりの映画館での映画だった。忙しかったのもあったが、金欠だったのもある(笑)観たい映画が結構あったのだが、「チャーリーズ・エンジェル2」は1作目をテレビで観てから観る気が失せたし(何と言ってもあの怪我もしないという人間離れし過ぎた設定が好きになれない)T3はなんだかT2の男性が女性に代わっただけのような展開っぽい。確かにアクションは凄そうだが、なんだかそれだけのような気もする。で結局今日は、朝早くから子供向け映画を含んで2本観てきた。「トレジャー・プラネット」はそのうち子供と一緒に観るつもりである。
「ぼくの孫悟空」映画館
 これは完璧に子供向けの映画です。殆どの客が家族連れというか子連れでした(笑)しかも子供達の年齢は小学校に入るかどうかという低年齢。孫悟空なんて知らないという話をしている子供もいる位だったけど、「その位教えてやれよ」と思わずツッコミを入れたくなってしまった。昔テレビで放映された「悟空の大冒険」とは全然違う話です。話しは「西遊記」の話しをベースに天竺へ仲間達と旅を始めるところで終わってしまうし、牛魔王も金閣や銀閣も出て来ない。悟空でさえもが、天地が生まれる際に創生されなかった混沌の一部が花果山の石として残っていて、始めに触れたサルの形を取って生まれたという設定になっている。もっともそういう設定だからこそ、今風のというか子供向けの孫悟空に出来あがっている。脚本の原案が夢枕獏という所為かも知れないが、混沌(カオス)は当たり前でもあるし、話の展開も面白くなっていた。だがやはり残念なのは、原作の西遊記が好きな私には、如意棒を手に入れるシーン(なんとこの映画では悟空が師事する仙人が持っていたという設定である)や天界との闘いのシーン、仲間になるはずの白馬(龍に食われて龍が白馬になるはず)が出て来ないなどの、映画1作ではどうしても描ききれないだろう話を纏める為に、好きなというか大事なシーンが無くなっていくという事だ。しかし今まで色々な西遊記ものがテレビや映画で上映されているが、子供向けの作品としては中々面白い作品のひとつだろうとは思う。続編が作れるような話の終わり方ではあったが、多分上映館も少ないし、続編は無理なのだろうなぁと思うと少し残念な気もする。

「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを閉鎖せよ」映画館
 いやぁ、混んでた。というか混むという情報があったので、初回(な、なんと7:40の回)を観る為に休みだというのに早起きして、それでも少し遅刻して観た(だから予告編が観れなかった)で、どうだったのかといえば、1作目の衝撃というか笑劇と比べると、レベルはそんなにUPしていない。大体がオープニングのシーンが、それは○○だろうというバレバレの展開が、少し期待を削いでしまったからかも知れない。あのシーンのカメラ割りがもう少し違っていれば、もっと面白いのに(バレないのに)…、などと始めは思ってしまったが、そんな事は気にならないほどに、映画にのめり込んでいけた。笑わせどころや泣かせどころ(そんなのあるのか?)がパターン化されているからこその人気かも知れないが、やはり前作から5年後という設定でもあるのだし、もう少しパワーアップして欲しいと考えるのは私だけではないと思う。1作目のキョンキョンに該当するような魅力的な悪者がいなかったというのも、その原因かも知れない。だが、まぁ劇場に足を運ばなくともビデオでもいいからこれは観ておいて損はないだろう。だが、あの懐かしいオープニングのテーマ曲が流れるカメラ割りが無かったのが残念だ。あれって結構好きだったのになぁ。

2003/06/08
△「マトリックス・リローテッド」映画館
前作マトリックスの内容が、「今いる現実がもしも造られたものだったら」という設定だったから、これは続編なしだと思っていたのだが、なんと3部作であり、しかも2部と3部が今年放映である。どんなストーリーになるのかと思って、実は期待してもいたのだが、ストーリーとしては前作からの大きな発展はなく、見せる為だけの映画だった。1作目で誰もが(笑)マネをした銃弾を避けるシーンなどのような特筆すべきシーンは無かったが、気にいったのは、スピードを早くしたり遅くしたりという表現だろうか。しかしこれは「あずみ」でのスピード感の違いとしての表現の方が上だろう。しかし高速でのカーチェイスは凄かった。迫力は満点である。一体どうやってこのスピード感のある映像が出来るのかと思わせてくれる。ただテレビCMで見所を遣り過ぎた感があって予告では観られない映像を期待してしまうのだが、そんな素敵なシーンはない。しかも100人位のスミス君との格闘シーンでは、はっきりCGだと判ってしまう主人公達の描き込み不足とでもいえるアラが気になった。まぁ文芸物でないエンタメ志向の映画であるから、面白ければそれで良いのだが、やはり物語りの展開というかストーリーの貧弱さには少しがっかりであった。
朝8時からの回を観たが、それでも一杯の客だったし次の回も多そうだった。やっぱりこれも日本ではヒットしてしまうのだろうか?

2003/06/01
本当に久しぶりの映画館での鑑賞になった(笑)しかも今日は映画の日だったから、2本観ても2千円である。とはいえ、プログラムを共に購入してしまったから高い。このプログラムはこんなに立派なものでなくていいから、入場時のサービスにはならないものだろうか?

「めぐりあう時間たち」映画館
これは一回観ただけでは理解出来ない映画だ。「あずみ」がおこちゃま向けならば、これは絶対大人向けである。客層も子供はいなかった(笑)しかしニコール・キッドマンも良かったが、私はメリル・ストリープの方が好きである(笑)で、この映画は時代の違う3人の女性が、パーティを開くというイベントがある似たような各々の1日の生活を微妙に絡ませて、構成されている。朝起きると、同じように顔を洗い、花を準備しなくっちゃいけないなぁと各々の3人は思い、花は私が買ってくるわと各々言う。そういうシーンが組み合わさって構成される映像は、一体この3人にどういう関係があるのかと疑問を投げかけていく。ニコール・キッドマン演ずる女性は作家で、書いている本の内容がひょっとしたら、途中描かれるどちらかの女性の事なのかとも思わせる。始めはジュリアン・ムーアかと思わせながら、ラスト近くではメリル・ストリープの方なのかという感じになる。という事はニコール・キッドマン以外は彼女の創作の話の内容なのかとさえ、感じてしまうのだ。こういう不思議な感覚というのは初体験であるし、アカデミー候補に上がったり、色んな賞を獲っているのも納得というものだ。あずみを観た後で、こういう映画を観ると映画って本当に面白いなぁと感じてしまった。

△(○に近い)「あずみ」映画館
少し期待していた作品である。原作は勿論小山ゆう氏のまんがであるが、原作をそのまま映画化しているわけでは無かった。原作に忠実などという映画が最近多いが、これは良い傾向であろう。で何故△なのかというと、これはおこちゃま向けの映画だったからだ。2時間20分もある作品だし、予告映像での凄さからも期待していたのだが、その期待外れの感が△になってしまっている。主人公の上戸彩の演技も良かったし、もちろん映像も凄い。というか相手がスローなのに、主人公達のスピードが速いという表現の、あの映像感覚は堪らない。こういう表現って凄いなぁと感心させられてしまう。だが原作で大事にされていた、あずみが女であるという事の表現が、どうも物足りない。物心つく前から、男も女もそういうものは関係なく暮らしていた主人公達が、村で始めて女を見て、これが女なのかと、あずみも女だったんだと理解するシーンなどは、原作では大事にしているのだが、この映画にはそういった事柄は省かれていた。私は結構こういう事って大切だと思うのだが、監督はそうは考えなかったようだ。ただアクションシーンは大切に、しかも女なのに刺客として生きるという事への虚しさ悲しさ、成長するあずみの心の動きは大事にしているのが、かえって残念に思ってしまった。乱暴されるならおっぱいぐらい見せろよなんていう思いもあったが(笑)そういうシーンへの考慮とは対照的で、血は多い。小学生や中学生には見せたくないという配慮だろうか? 私はそうは思わないのだが…。続編も作られるらしいという情報もあるが、果して続編はどうなるのだろうか?

2003/04/20
○「CHICAGO」映画館
 アカデミー賞(もちろん作品賞)受賞作だったし、前々から観たかった映画だったので期待していた。しかしミュージカルの出来としてはどうなのだろうか?確かにキャサリン・セタ=ジョーンズは凄かったし、レニー・ゼルウィガーの歌も良かった。けれどもラストはまるで練習不足をカバーするかのようなバックダンサーもない、カット割りされた二人だけのダンスシーンだったし、リチャード・ギアの歌は最低だ。吹替えなしという評判はあったが、あれならば吹替えをしてでも作品としての完成度を上げるべきだろう。そうすればもっと優れたミュージカル映画になったのではないだろうか。凄く残念。とはいえ客は多かったし、次の回は立ち見も出ていた。ストーリーは禁酒法時代のアメリカが舞台で、あの頃のアメリカの良さも悪さもあっての映画ではあったが、さほどたいしたストーリーとは思えない。多分この作品がアカデミー作品賞を取ったのは、今までのミュージカルと違って、突然歌い出すとか踊りだすという事がなくて、登場人物の気持ちや考えという形で、いうならば妄想を表現する手段として使っているという点が目新しくて、受けたのではないだろうか? 私は舞台版は観ていないが、きっとこれは舞台版の方が良さそうな気がする。ブロードウェイ・ミュージカルの演出・振付で有名なボブ・フォッシー作の映画化ではあるが、始めの曲からして「ALL THAT JAZZ」だったりするのだから、何故?という疑問符が湧きあがってしまう。これはミュージカル映画が好きな人には少し残念な映画のような気がする。但し「雨に唄えば」を観て感動したことがないような人にはお勧めかも知れない。なんといっても女性だけの始めの方のダンス・歌のシーンは圧巻で、セクシーだったりするし、脇役の人達の踊りや歌は素晴らしい。きっとこの映画は日本でも評判が良いんだろうなぁ、と思うと少し残念な気もする。まぁアカデミー賞受賞作品ですから、どうせ見るなら映画館で。

2003/03/22
今日は娯楽作品、肩の力を抜いて楽しんでしまったぞ。

○「Catch me if you can」映画館
 面白かった。もちろんスピルバーグとトム・ハンクスそれにディカプリオの3人が組んだ映画なのだから面白くないわけがない(笑)。ストーリーは、高校生のフランク(ディカプリオ)は、父親の会社での脱税により会社は取り押さえられ両親は離婚してしまい母親に引取られるのだが、父親が好きなフランクは家出をしてしまう。新しい高校でもイタズラで教師に成りすますなどの騙しのテクニックを持った彼は、銀行を相手に詐欺を働いていき、その為にパイロットに成りすましたりするのだが、これが何とも可笑しい。1960年代という時代背景が可能にした犯罪ではあるが、天才的な詐欺の手際に、FBI捜査官の中でも優秀なカール(トム・ハンクス)も手玉に取られる。父親が好きなフランクは何かにつけ彼に愛情を持って接し尊敬もしているのだが、カールは彼に来たフランクからの手紙などで、居所を掴んだりとハラハラさせられる場面が多い。パイロットの次は医者になりすまし、最後には弁護士にまでなるフラングなのだが、司法試験には1発で受かってしまう。FBIのカールは捕まえた彼にどうやって合格したのかと聞くのだが、なんとラスト近くで判る理由が凄い。2週間程勉強したからだというのだ。いくら何でもそんなに簡単な試験ではないのだろうし、やはり彼は詐欺だけではなく、才能もあったのだろう。でそんな作り物みたいな話しと思うかもしれないが、これは実話である。原作者はこの映画の監修もやったようだ。エンドロールの途中で今の彼の状態が流れるのだが、金融詐欺の防犯の仕組みを考えたりFBIの講師になったりと、忙しいようだ。フランスで捕まった彼はアメリカに護送され、アメリカでも15年の刑を受けるのだが、5年ほどでFBIに入る事を条件に釈放されてしまう。アメリカのこういった法律の抜け道が、こんな原作や監修などという事が出来る要因ではあろうが、クライムサスペンスというよりは、コンゲームとしての作品であるから、楽しめる作品に仕上がっていて、安心して観ていられる。

○「タキシード」映画館
 久しぶりのジャッキー・チェンの映画である。彼の作品は昔はよく映画館で観ていたのだが、「ラッシュアワー」に続いての映画館鑑賞であって、後は全部ビデオ鑑賞に留まっていた。で作品の方はというと、これもドリームワークス作品(スピルバーグのスタジオ)だ。設定が楽しいというのもあって久しぶりに期待してしまったが、それは裏切られることなく楽しめた。タクシーの運転手だったジャッキーがある女性にスカウトされてある人物(いうなれば秘密諜報部員)の運転手として雇われる。しかし何と彼は車の事故で瀕死の重傷を負ってしまい、ジャッキーが頼まれたのが、悪い奴をやっつける(笑)というものなのだ。ジャッキーの相棒には任務初参加のジェニファー・ラヴ・ヒューイットが扮し、このコンビの可笑しさが笑ってしまう。「ラッシュアワー」の凸凹コンビというよりは、関西お笑いのボケとツッコミに近いものがある。タイトルのタキシードは秘密の装置であって、タキシードを着ると着た人間がスーパーマン(とはいえ空は飛べない)に変身してしまうのだ。もちろん観た目は今まで通りなのだが、腕時計で指定する○○モードなどの設定で、防御や破壊・反重力などと途方もない。だからこそのお笑いでもある。途中に出演する「ゲロッパ」で有名なジェームス・ブラウンもジャッキーに殴られて気絶してしまう(笑) これも何も考えずに、楽しめる作品だった。

2003/03/21
今日はもっぱら子供向け映画。とはいえ、「ONE PIECE」や「リロ&ステッチ」は観ていない。だってメチャ混んでるんだもん。

△「ピノッキオ」映画館
 実は期待していたのだが、子供が観るには面白いのかも知れないが、これは大人の鑑賞に堪えられる映画ではない。実は途中で眠くなってしまった。せっかく昨日は早く寝て、睡眠時間も十分とっていったのにである。それだけつまらなかったという事だ。ストーリーは噂通り原作にほぼ近い形だったから余計にそう思うのかもしれないが、客の入りも確かに少なかった。初日という事もあってか先着プレゼントがあって、有名なbarillaのパスタを貰えた(笑)本国イタリアで大ヒットという事ではあるが、日本ではどうなのだろうか? 吹替え版を観たのだが、吹替えでなければ良かったのかも知れない。ロベルト・ベニーニ主演でフェリーニが撮りたかった映画として有名だが、これをフェリーニが撮っていたら、ピノッキオがロバになるあの国のシーンはもっと幻想的な凄い映像になったのでは…なんて考えると残念に思ってしまう。ベニーニ演じるピノッキオの動きはとても激しくて楽しいものだったけれど、あまりにも原作を意識しすぎたせいなのか、原作の持つ雰囲気が表現しきれていない感じがした。たぶん今の時代に合わせた脚本(作品)だからだとは思うのだが、ディズニーのあの名作と比べてしまうとどうしても見劣りがしてしまうのは仕方がない。

○「ラスムスくんの幸せをさがして」映画館
 これは実は最近の作品ではない。1981年のスェーデン映画である。そして「ロッタちゃん」や「やかまし村」はては「長靴下のピッピ」などで有名なアストリッド・リンドグレーン原作の映画でもある。映画も単館上映だし、前売りでも1500円もするから(笑)なかなか観れないかも知れない。ひょっとしたらビデオになっているかも知れないので、観たい方はそっちを探した方が早いかも知れない。で映画の方は面白かった。これは是非子供に観て欲しい映画だ。しかしなんと字幕上映のみで、吹替え版はない(涙)。せっかく子供と一緒に観たい映画なのに残念だ。話しは孤児院にいる主人公ラスムス君は両親が欲しくて孤児院を脱走し、里親が見つかるまで一緒にいてあげるといわれた途中で会ったオスカルと名乗るアコーディオン弾きと旅をしていくというものだが、登場する警官や泥棒などは原作者の今までのパターンと同じでどこかマヌケで笑ってしまう。最近の映画の展開として観た場合には、冒険と呼べるほどの事件ではないが、やっぱり子供向けだけあって、子供だったら凄い冒険だろうなぁと感じる目線が心をやさしくしてくれる。これはピノッキオと違って、大人が大人のままで観る映画じゃなくて、大人が子供に戻れる映画だ。
注)上記のリンクは公式HPではありません。公式HPはこちらですが、たぶん上記の方が判りやすい(笑)

2003/03/02
○「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」映画館
 先週から公開されていたけれども、給料日前で金がなくて、とうとう今日になってしまった(笑)とはいえ、私は会員になっている映画館で1000円で観たのだが…。で、1作目よりも凄く面白いという評判もあったし、これはお祭りだからという気もあったし、とにかく観なくちゃいけない映画(笑)なので観た。が、私には評判通りというわけではなかった。確かに戦闘シーンが多く、それに群集のシーンだから迫力はあった。けれども戦争映画嫌いでストーリー重視の私には、やっぱり原作の方が面白いなぁと言わざるを得ない。確かに映画の出来は前作以上だった。ホビットが他の人達と一緒に映るシーンでは1作目では明らかに吹替えの子供だと判ったが、今回は随分気を付けたようだったし、エント族やゴラムなどのCGは凄いとしかいいようがない。人間のアラゴルンとエルフの愛の話しは今回随分強調されていて素敵だったし、エルフのレゴラスの戦闘シーンでの身軽さはまさにエルフと言えるもので(1作目で雪の上を足跡をつけないで歩くシーンは無かったのが残念)、流石に映像になると凄いなぁと感心してしまう。だからきっとアカデミー賞でも映像関係の賞は取りそうな気もするが、ラスト近くでフロドとサムにせりふとして言わせてしまう「何かの為に命をかける事が出来るのは素晴らしい」などという事は、誰が観ても判り易い映画を作っているというアメリカの姿勢が目立てしまい、少し残念な気がした。これだけの映画なんだからそんな事は映画フリーク達に解説させれば良いことで、判らない人には判らないままにしておく方がずっと作品としての重厚さが出てくるような気がした。しかしこれだけ悪いのはサウロンとその部下達だけであり、それ以外の者は全て良いという表現にしてしまうと、3作目のラストでフロド達がホビット庄に戻った時に受ける扱いがカットされるのだろうなぁと、今から早くも残念な気がしてしまっている。しかしやっぱり3作目は絶対観るのだ(笑)

△「13階段」映画館
 結構評判がいいという話しに釣られて観に行ってしまった。NHKの信長で不評だった反町隆史が出ているのは気になったが、でも山崎努が出ているし、これは観ずばなるまいと「二つの塔」の帰りに映画館へ向かった。ストーリーは推理物であるのにラストの展開が読めてしまったという不服もあったが、まぁ感動的な話しに出来あがっていて、そこそこの作品だろう。だが言ってしまえば、よく出来たテレビの2時間ドラマの枠を出ていない気がする。話しはバイク事故で、事故の前4時間位の記憶を無くしてしまった男が、事故現場近くに住む夫婦を惨殺したとして、死刑判決を受け、今までのパターンで行くと恐らく後3ヶ月程で刑が執行されてしまうのだが、それを冤罪だとして調査していくという話しである。調査する人間は、間違って人を殺してしまったが3年で出所してきた男(反町)と、刑務官(山崎)それに依頼を受けた弁護士(笑福亭鶴瓶)の3人なのだが、反町に息子を殺され怨みを持っている男や、刑の執行をもう嫌だと思っている山崎に加え、色々と複雑な人間関係が話しを面白くしているのだが、その面白さが画面に出て来ないのだ。ただ特筆すべき点は、山崎が死刑の執行を嫌がるきっかけとなる事件に登場する雨上がり決死隊の宮迫、これは良かった。彼の演技がこの映画を評判良くしているのではないかと思える程に良かった。この映画のテーマである死刑の是非(人が人を法のもとで殺す)、欧米では死刑は報復であるのに対し、日本は目的刑であるというが、後悔も出来ない記憶の無い男に何故死刑が必要なのか?ラスト近くで被害にあった女性が語る「殺していい人なんていないんだよ」というせりふにも重いテーマが圧し掛かってくる。きっとこれは本を読むと随分面白いんだと思った。

2003/02/15
○「戦場のピアニスト」映画館
 アカデミー賞候補にも上がっているこの映画は、タイトルにもある通り戦争(第ニ次世界大戦)のポーランド(ワルシャワ)が舞台の実話である。始めと終り近くで弾く主人公(ショパンを得意とするピアニスト)の曲(こんな曲)は恥ずかしながら知らなかったが、なんとも物悲しい。ストーリーの前半部分は戦争の悲惨さというか、ドイツ兵が気晴らしにユダヤ人を殺したりという戦争の悲惨さが目立つし、ドイツの味方をするユダヤ人警察の横暴もむごたらしい。そんな中でも家族と一緒に収容所行き(ガス室送り)となる所を、友人だったユダヤ警察の人間が主人公だけを助け出してくれる。後半に入ると働かされている場所を抜け出すのだが、「逃げるのは簡単だが生きていくのは難しい」と言われても、何とかツテを伝ったりしてドイツ軍から逃げ、しまいには一人で廃墟に隠れ住む。ロシアからの援軍でドイツが後退していって、やっと終戦を迎えるというものだ。しかしこの映画は主人公の目から観た視点でずっと描かれており、ドイツの味方をしていたユダヤ人という図式だけでなく、ラスト近くでは主人公はドイツ将校に助けられたりもする。戦争という悲劇を憤りだけではなく、静かに淡々と描かれている。主人公は決して英雄的行為をするわけではないし、ドイツ兵に歯向かうような行為をするわけではない。むしろ、隠れ逃げ回っているだけなのだが、それが返って戦争というものの恐ろしさを際立たせているような気がした。パルムドール賞を受賞したというのには、やはりヨーロッパという地域的なものも要因のひとつのように感じた。映画としての出来は良かったし、悲しいだけとか完全懲悪の映画でもない。戦争というものを考えさせられる映画である。映画館ではエンドロールが流れて明かりが点くまで、誰も立ち上がらなかったし、涙も拭く人もいない。じっと、今観たことは現実にあった事なのだという事を、真摯に受けとめていたのだろう。で、映画としては良く出来ているという評価だけれども、どうも戦争映画が好きになれない私としては、これはリアルすぎてお勧め度としては◎にはなれなかった。

2003/02/05
今日は映画の日という事もあって、会社の帰りに映画館へと向かった。実はいつもは池袋で観る映画なのだが、この映画は池袋では上映していない(涙)というわけで、若い頃に通った新宿(とはいえ会社も新宿だから歩いて15分ほど)へと向かったのであった。

「猟奇的な彼女」映画館
 本日ラストの上映という事であったが、流石に映画の日だけあって混んでいて立ち見まで出ていたが、1時間近く前に到着していたので、ゆっくり座れた(笑)。実はこの映画はラブストーリーである。40もとうに過ぎた男が一人で見るのは少し照れくさい。周りはカップルか女性客が多いのも仕方がないだろう。で、韓国映画である。「猟奇的」とはいってもホラーではない。気の強い(殺すぞ!なんていう言葉を頻繁に話す)女性との恋の話しだ。ストーリーは小さい頃まで女性として育てられた優しい主人公が、地下鉄で泥酔した女性が線路に落ちそうになっているのを助けるのだが、酔っ払った女は嫌いだといいながらも美人の彼女に惹かれる。電車の中で彼女は座っている若者に「老人がいるのだから席を譲れ」と席を譲らせ、若者が立ち去り際には、「ピンクのシャツは着るな!」というのだ。彼女もピンクのシャツを着ているからなのであるが…。とこんな感じの少しコミカルな話しでストーリーは進んで行く。しかしこの主人公と彼女の関係がなんとも素敵なのだ。よくビンタを張られるし、絶対に彼女とは付合いたくないと思っている主人公ではあるのだが、ラスト近くでは彼女に恋をしている自分に気付き、それでも彼女と別れてしまう。その判れる原因は2年後に会おうと約束した地で、タイムカプセルに入った手紙を読んで判るのだが…。これは最近少なくなってしまったよく出来た計算された映画だろう。スピルバーグも再映画化権を取得したらしいが、多分こっちの方が面白いと思う。この登場する人達の暮らし振りや彼女の魅力はアジア人だからこその作品となっている。是非観て欲しい。

2003/01/19
「黄泉がえり」映画館
 観客が若かった(笑)殆ど中学生とか高校生の女の子が主体だった。それからカップル。男一人で観に来ているのはあまりいない。まぁそういう映画である。映画の前のコマーシャルでNTT東日本のSMAP総出演のものがあったけど、一人一人がアップになる度に、歓声が上がっていたのには驚いた(笑)で、映画の方だが、これは凄い俳優が沢山ちょい役で出ている。しかしSMAPのツヨシ君を始め、極楽とんぼの山本圭壱などの本来俳優でない人達も多く出演しており、つよし君の相手役の女性(竹内 結子)が頑張っているから仕方がないかぁという感じだ。映画としての質の高さ(ストーリーの必然性や行動の動機付けなど)からいったらイマイチの感もあるし、蘇る人の中にいる歌手(RUI)のラストでのライブシーンは何と3曲も歌うという長さ、まるで彼女の為のビデオクリップの感さえある。まぁ歌は良かったからいいのかも知れないが(笑)原作とは大分違うようだ。これも愛する人が蘇ってきて、そして去っていくという事で、誰にでもあるだろう蘇って欲しい人がいる場合の自分に置き換えることによる共感からの泣ける映画ではあったが、わざわざ映画館で観る為の映画ではない。

2003/01/18
映画館での時間が合わなくて、今日は「黄泉がえり」は見れなかった。映画館の前に行ったら、凄い人でとても入れる状態ではない。3週間だけという期間限定のせいもあるのだろうが、ひょっとしたら観れないのだろうか?なーに、明日があるさ(笑)

「壬生義士伝」映画館
 去年テレビ放映された、渡辺謙主演のイメージが強くて、そしてそのテレビ版が凄く良くて(とはいえ全部は見ていないが…)、本当は見に行きたくなかったんだけど結局見てしまった。テレビ版は今年の正月に再放送されたから見た人もいるかも知れないが、確か2・3時間番組位で4回に分けての放送だったから、非常に長くて、文庫本でも2冊だったから(とはいえこれも読んでいない)はたしてどんな映画になってしまうんだろうかと少し心配もしていた。主演の中井貴一は元々役所広司の予定だったし、相米慎二監督が撮る予定だったのだが、監督は亡くなってしまうし、主役は交代と結構大変だったのだろう。しかし監督は私の好きな「シャ乱Qの演歌の花道」を撮った滝田洋二郎であるから、まぁいいかと軽い気持ちで観に行ってしまった(笑)で、どうだったかというと、主役の中井貴一以外は素敵でした(笑)やっぱり渡辺謙の巧さと比較してしまうし、役所広司だったらどんなに良かっただろうと、他の共演者の演技も含めて比較してしまうからだろうが、やはり主役がいただけない。ストーリーとしては凄く面白かったし、思わず涙が溢れてしまうのだが、主役が死ぬシーンよりもその後の方が泣けるというのには自分ながらびっくりしてしまった。原作を読んでいないから判らないが、ストーリーの展開上の事なのか、話は明治に入ってからの思い出として語られる。そういう手法にする事で、長いストーリーを少しづつ食いつく事が可能になり、長い話を短くしてもなんの抵抗も無く観ていられた。そういう意味ではこの映画は成功だったろう。それにしても、しづ役の夏川結衣さんが可愛かった。今後は要チェックだ。しかしこれは原作を読まずばなるまいなぁ。

「オールド・ルーキー」映画館
 スポーツの中で私は野球というのがどうも好きになれないのだが、映画になるとそうでもない。しかもこれは実話である。原作は主役であるジム・モリスという野球選手で、何と1999年というから今から4年程前の事が描かれている。子供の頃から野球選手になりたくてプロを目指し、何とかマイナーリーグのプロ野球選手(ピッチャー)になるのだが、肩を壊してマイナーリーグから去ってしまう。肩は手術して完治しているのだが、その後高校教師(化学の先生)になって野球の監督というかコーチも兼任し、野球を教えているという生活をしている。その彼が、余りにも弱いチームに対し「夢を持ってぶつかれ」というふうに生徒に対しハッパをかけるのだが、先生が元プロのピッチャーだったと知っている生徒達は、リーグ優勝したら、先生もプロテストを受けるという条件付きで、試合に臨んでいく。それまで年に1勝くらいしか出来なかったチームだが、先生のコーチ(バッティングピッチャーになる)のせいもあって優勝してしまう。そこで仕方なくというか、本当はもう一度やってみたいと思っていたプロのテストを受けるのだ。2Aから3Aへそしてメジャーへと3ヶ月程で上っていく主人公を暖かく見守る家族や生徒そして町の人たちと、離婚してしまっている両親(父親には野球なんか止めろと言われ続けていた)そういう人達の暖かい気持ちが涙を誘ってしまって、これも泣ける映画でした。なんだか今日は2本とも泣いてしまった。私も年を取って涙腺が弱くなっているんだろうか?

2003/01/13
 お正月映画も後半に入ってしまいましたが、まだ観ていない「マイノリティ・リポート」と「ギャング・オブ・ニューヨーク」は多分ビデオで見ると思います。というのもスピルバーグとトム・クルーズが今どきSF映画は無いだろうし、「タイタニック」の監督の映画じゃ所詮見えてしまうというところでしょうか? 多分この2作については、ビデオで観ることになるでしょう。という事で、今の所の正月映画のお奨めは「AIKI」です。(過去の落書き参照

△「T・R・Y」映画館
 正月映画として2年振り映画出演の織田裕二主演の作品。
 原作を読んでからもう1年以上経つと思うが、小説版は面白かった(とはいえ、○のマークだなぁ2001年9月参照)。で少し期待していったのだが、まぁあんなもんかなぁという感じだ。はっきりいって小説版の方が絶対に面白い。小説の良さを引っ張ろうとしての事だろうが、新橋芸者というか置屋の女将は若すぎるし(色っぽいなぁ黒木瞳)日本で対決するはずの刑事はなんの為に出演したのかと思える程に映画のストーリーとは関係ないし、上海ロケで金を使い過ぎたのかもしれないけれど、昔の日本は殆ど出てこないから日本の雰囲気は全然ないし、殺し屋に連れられて日本に帰ってくる女性は出てこないから、殺し屋の生き様も不明瞭だし、数え上げたらきりがない。しかもラストは日本じゃなくて、上海だ。でもまぁ、この映画は1500円だった。300円安いせいかも知れないが、人も沢山入っていた。それにラストも映画らしい一般人に受けるような終り方だった。多分この映画はヒットするだろうが、でも映画としての出来は満足出来ない。

△「くれよんしんちゃん嵐を呼ぶあっぱれ!戦国大合戦」レンタルビデオ
 言わずと知れたアニメ。実は私はしんちゃんのファンです(笑)くれよんしんちゃんの映画はオバカになって笑って観ていられるというところがいいんです。ラストはほろりと少し悲しい話になっていましたが(そういえば最近のしんちゃんの映画はそうだなぁ)やっぱり笑っていられます。ストーリーはしんちゃんの家で飼っているシロという犬が、自宅の庭を突然掘り出すと中からは文箱が出てきて、その中にはしんちゃんが書いた天正2年からのもので、車で迎えに来てねという手紙が入っています。そしてしんちゃん一家は何故か過去にタイムスリップして、合戦に巻き込まれていくという、まぁ今までのパターンではあるんですが、しんちゃんやその家族が力を合わせて、頑張っていく姿が楽しいです。今まで全然見た事が無い人は、物は試しです。一度位、映画館は恥ずかしくても、ビデオならば見れます。オバカになって笑えるというのは身体の為にもきっといいです。笑ってビデオ鑑賞といきましょう。