映像で見る巨匠ヴァイオリニスト

メニューインの映像はこちら、ミルシテインはこちらです。

(1)アート・オブ・ヴァイオリン(DVD) ワーナー WPBS95016

貴重映像と証言満載のドキュメンタリー。モンサンジョン監督作品。
メニューインの演奏で始まり、メニューインで終わっていて実質的にメニューインへのオマージュとなっている。若き日の映像は全曲EUROARTSのDVDで見ることが出来るが、晩年のシャコンヌはここだけでしか見られず感動的である。
他にもヌヴーがショーソンの詩曲を弾いている映像やオイストラフがショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲第1番のカデンツァを弾いている映像などが貴重である。サイレントに後から音を付けているのだろうが、少年時代のリッチの映像もある。
昔の映像に最近の証言の音や映像がかぶっているのが残念である。
往年の巨匠の断片映像をソースのまま編集せずに集めたDVDをどこかで出してくれないだろうか。指揮者などではそういうDVDもあるので需要はあるはずである。





(2)Great Violinists Bell Tel Hour 1959-1967 VAI 4215(DVD)

・スターン サン・サーンス 序奏とロンド・カプリチオーソ 1959年
・フランチェスカッティ ドビュッシー 亜麻色の髪の乙女、サラサーテ ツィゴイネルワイゼン 1959年
・マイケル・レビン チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲〜第3楽章 1960年、クライスラー ウィーン奇想曲、中国の太鼓 1962年
・エルマン ヴィエニャフスキ ヴァイオリン協奏曲第2番〜第2楽章、クライスラー 美しきロスマリン 1962年
・モリーニ ブルッフ ヴァイオリン協奏曲第1番から第3楽章 1963年
・メニューイン パガニーニ ヴァイオリン協奏曲第1番から第2、第3楽章 1963年
・オイストラフ親子 バッハ ドッペルコンチェルト〜第2、第3楽章 1963年
・リッチ チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲〜第3楽章 1964年

リージョン1と書いてあるがリージョンフリー。
画質はいまひとつながらカラーで貴重。モノラル、ドルビーデジタルだが音質は悪くない。
エルマンはEMIのミルシテインのDVDのボーナス映像(白黒)よりずっといい。
モリーニも晩年なのにテクニックがしっかりしている。
メニューインは音色が美しく1960年のエレーデ指揮のCDと同等の演奏がカラー映像で楽しめる。





(3)ヨーゼフ・シゲティ

アート・オブ・ヨーゼフ・シゲティ VAI 4269 (DVD)

・タルティーニ ヴァイオリン協奏曲ニ短調 1954年放映
・フバイ Czardas第3番 1954年放映
Wilfrid Pelletier指揮カナダ放送管
・ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲から第1楽章 1955年放映
Paul Scherman指揮カナダ放送管
・プロコフィエフ ヴァイオリン・ソナタ第2番 1960年放映
アルトゥール・バルサム(ピアノ)

リージョン1と書いてあるがリージョンフリー。
白黒、モノラル、ドルビーデジタルだが、画質・音質は悪くない。
シゲティ晩年の貴重な映像だが、清潔で透明な音色が美しい。
演奏は1954年の2曲が技術的な衰えが少なく見事である。
翌年のベートーヴェンはやや衰えを感じさせ、音楽がスムーズに流れないのが残念である。
最後のプロコフィエフはより傷の多い演奏だが、得意の20世紀音楽だけあって聴きづらさはあるものの、鋭いアクセントによる名演になっている。




(4)ヤッシャ・ハイフェッツ

1. ハイフェッツ・オン・TV BMG 82876-63885-9 (DVD)

・モーツァルト ハフナーセレナードよりロンド
・プロコフィエフ 3つのオレンジの恋よりマーチ
・ドビュッシー 亜麻色の髪の乙女
・ラフマニノフ 雛菊
・ガーシュイン ポーギーとベスよりIt Ain't Necessarily So
・バッハ シャコンヌ
・ブルッフ スコットランド幻想曲

リージョン1と書いてあるがリージョンフリー。輸入盤にも日本語字幕が付いている。
カラー、ステレオ、ドルビーデジタル。画質・音質良し。
DVDと同じ曲のスタジオ録音を収めたCDとの組み合わせ。
晩年の映像だが何度も撮り直しただけあってその驚異的技巧の骨格はうかがえる。
ブルッフが見物。




2.ハイフェッツ ルービンシュタイン ピアティゴルスキー EMI DVA 4928419(DVD)

・メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲ホ短調〜第1楽章
・ドビュッシー 亜麻色の髪の乙女
・ディニーク ホラ・スタッカート

1949年収録。白黒、モノラル。リニアPCM。
ルービンシュタインやピアティゴルスキーとの共演ではなく、それぞれ別個の映像が収録されている。
画質、音質は悪いがハイフェッツの全盛期の凄さを体感出来る。
1939年の映画「彼らに音楽を」の映像に比べて、より速いテンポでアグレッシブに弾ききっている。


3.ハイフェッツ、その他の映像

(1)映画「カーネギーホール」
チャイコフスキー ヴァイオリン協奏曲より第1楽章 ライナー指揮

(2)ルービンシュタイン、ピアティゴルスキーとのトリオ
シューベルト ピアノ三重奏曲第1番から第1楽章
メンデルスゾーン ピアノ三重奏曲第1番から第1、2、3楽章

(3)ハイフェッツとピアティゴルスキー

いずれも現在日本でDVDは入手出来ないようである。白黒、モノラル。
(1)はアート・オブ・ヴァイオリンに一部収録されているが、映画では短縮版とはいえ第1楽章まるまる入っていた。
鬼神のような凄まじい演奏にノックアウトされる。まさに完璧である。

(2)と(3)は国内でLDが出ていた。
(3)はピアティゴルスキーとの共演ではなく別個の映像。ハイフェッツがメインで小品などを弾いている。

(5)ヴァサ・プルジホダ(プシホダ)

「マハラジャの白人妻」という1935〜1936年のオーストリアとイタリアの合作映画に演奏シーンの映像がたっぷり含まれている。ドイツ語のタイトルは"Die Liebe des Maharadscha"。イタリア語のタイトルは"La donna tra i due mondi"。
是非入手したいのだが、どなたか入手経路をご存じの方ご教示ください。


(6)ジノ・フランチェスカッティ

1. EMI 5996929 (DVD)

バッツィーニの妖精の踊りが絶品。左手のピチカートが凄い。
カサドゥシュとのベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」、第10番はカラーで画質・音質がいい。

2.ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 (DVD)

フルネ指揮 1973年
フルネ指揮オランダ放送響の8枚組CDボックスに収録されている。
技巧的な衰えも見られるが、貴重なカラー映像で画質・音質もいい。



3.モーツァルト ヴァイオリン協奏曲第4番(DVD)

フェラスのDVD(EMI 4904449)のボーナス映像。
画質いまいち。


(7)ジョコンダ・デ・ヴィート

・メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲ホ短調 ケンペ指揮バンベルク響 1961年
BBCによってテレビ収録され、1964年春にNHKで放映された。
是非見てみたいものである。






(8)ダヴィッド・オイストラフ New!

1. 1. David Oistrakh: Violin: Bach / Beethoven / Prokofiev EMI DVA 4928379

・バッハ ヴァイオリン協奏曲第1番 コリン・デイヴィス指揮 1961年
・ベートーヴェン スプリングソナタ、・シューベルト デュオ〜第3楽章 オボーリン 1962年6月
・ブラームス スケルツォ、ドビュッシー 月の光、プロコフィエフ 5つのメロディー F・バウアー 1962年5月
・プロコフィエフ 2つのヴァイオリンのためのソナタ〜第2楽章 I・オイストラフ 1962年
ボーナス
・ブラームス ヴァイオリン協奏曲〜第3楽章 R・シュワルツ 1958年5月

ボーナスのブラームス ヴァイオリン協奏曲が凄い。後年の円満な演奏と異なり速いテンポで推進力があり、鬼神のような燃え上がる演奏。映像・音質はまずまず良好。
バッハのヴァイオリン協奏曲は音質が良くない。
スプリングソナタはシンクロに難がある。
F・バウアーとの3曲は音質・画質良く名演。






2.キング・オブ・ヴァイオリニスト ドリームライフ


・ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 ボールト 1968年
画質・音質良好。
オイストラフはライヴでのりにのっているうえ、音色に深みを増している。
オイストラフの同曲のCDと比べてもかなりの名演と言えるのではないか。












(9)ヘンリク・シェリング

1. EMI 4904409(DVD)

・ブラームス ヴァイオリン協奏曲 パレ−指揮 1962年12月
・バルトーク ルーマニア民族舞曲
・ルクレール ヴァイオリン・ソナタニ長調 OP.9-3
・ブラームス ハンガリー舞曲第17番へ短調
・ラヴェル ツィガーヌ
1963年11月27日
・バッハ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番〜フーガ
・ロカテッリ 『ヴァイオリンの技法』OP.3-23 ・スーク 『愛の歌』OP.7-1
ボーナス・トラック
モーツァルト セレナーデ第7番K.250〜第4楽章ロンド
クライスラー レツィタティーヴォとスケルツォ・カプリース OP.6

リージョン1と書いてあるがリージョンフリー。
ボーナストラックのみカラー。

2. Art Of Henryk Szeryng VAI 4231 (DVD)


・ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲他 1988年
・小品 1960年

ベートーヴェンはカラーだが音質最悪。同演奏のLDは問題なかった。
1960年の小品はモノクロだが音質は悪くない。

(10)ルッジェーロ・リッチ


(11)アイザック・スターン

1. Issac Stern Recital VAI 4368(DVD)
・シューベルト ソナチネD384
・バッハ シャコンヌ
・モーツァルト アダージョとロンド
・ブラームス スケルツォ
ザーキン(ピアノ)、1967年

ドルビーデジタルだが音質・画質は悪くない。
技巧がやや窮屈になっているが、美しい音色は健在。
シャコンヌは熱演。LP・CDがないはずなので貴重。


2. アイザック・スターン ドキュメンタリー(DVD)



(12)アルチュール・グリュミオー

1. EMI DVB 4904469(DVD)

・メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲ホ短調 ローゼンタール指揮 (1961年)
・ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 ドラティ指揮 (1965年)
・バッハ 無伴奏ヴァイオリンパルティータ第2番からサラバンデ(1962年)、シャコンヌ(1967年)
・パガニーニ カプリース第14番 (1961年)
・ブロッホ ニーグン (1967年)

白黒、リニアPCM。
ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲がコリン・デイヴィス指揮のCDを上回る名演。
ボーナス映像としてギトリスのサン・サーンス 序奏とロンド・カプリチオーソを収録。


2. ラロ スペイン交響曲
未DVD化。以前国内盤EMIでLDが出ていた。第3楽章が省略されている。



(13)レオニード・コーガン



(14)イダ・ヘンデル

1. ブラームス ヴァイオリン協奏曲、ビゼー カルメン幻想曲 VAI 4274 (DVD)



リージョン1と書いてあるがリージョンフリー。
カラー、ドルビーデジタル。
テクニックは優れているが、一様のテンポで遅く弾くので楽しめない。
近年のアシュケナージとの共演CD(デッカ)や来日公演のリサイタルは素晴らしかった。


2. Recital VAI 4395 New!


・ベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ第8番、第9番「クロイツェル」
・ショーソン 詩曲
Ilya Itin(ピアノ)
・バッハ シャコンヌ
2005年12月

シャコンヌはテスタメントの無伴奏全曲CD以上の奇跡的な名演。
ショーソンの詩曲も味わい深い。



(15)クリスティアン・フェラス New!


1. EMI DVB 4904449(DVD)

・シベリウス ヴァイオリン協奏曲 メータ指揮(1965年)
・ストラヴィンスキー ヴァイオリン協奏曲 フルネ指揮(1967年)
・フランク ヴァイオリン・ソナタ バルビゼ (1963年)
・バッハ 無伴奏ヴァイオリンパルティータ第3番からプレリュード(1958年)
・ストラヴィンスキー ロシアの歌 R. Weisz (1963年)
・フォーレ 子守歌、ディニーク ホラ・スタッカート P. Petit (1973年)

リニアPCM。
音質・画質良好。 1973年の小品2曲は衰えが見られるが、それ以外はフェラスのヴィルトゥオーゾぶりが堪能出来る。
とにかく技巧が凄いので見ごたえ十分。表現も一流。
おすすめである。


2. The Art of Christian Ferras VAI 4282(DVD)

・ドビュッシー ヴァイオリン・ソナタ
・ラヴェル ハバネラ形式の小品、ツィガーヌ
・バルトーク ヴァイオリン・ソナタ第2番
以上Guy Bourassa(ピアノ)
・バッハ 無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第3番からガヴォット、ジーグ
・メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲
A. Brott指揮
1961〜63年

ドルビーデジタルだが音質・画質は悪くない。






○番外 New!

ヨハンナ・マルツィ、ヴォルフガング・シュナイダーハン(DVD)

シューリヒトのドキュメンタリーだが、マルツィとシュナイダーハンのインタビュー映像が含まれている。
マルツィの意外な一面を知ることが出来る。ヴァイオリンを弾く映像は収録されていないので注意。






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