勇壮 長崎獅子舞
江戸時代から続く
豊島区の無形文化財
豊島区指定無形文化財の民俗芸能「長崎獅子舞」が5月9日の日曜日、西武池袋線椎名町駅前の長崎神社(長崎1-9)で奉納された。
この日は午前11時から長崎神社拝殿で清めの舞「ふんごみ(踏み込みの意)」、正午から長崎神社周辺の町内を練り歩きながら舞を披露する「道行」、その後、午後2時頃から神社境内へ戻り、境内に設けられた「もがり(作られた聖域)」と呼ばれる場所で舞が演じられた。太夫獅子、中獅子、女獅子の三頭が花笠とともに舞う「笹舞」「平舞」、「ふんごみ」と、夕方まで舞の奉納が続いた。
長崎獅子舞は、元禄年間(1688年~1703年)から、五穀豊穣と悪疫退散を祈る農耕儀礼として伝承される民俗芸能。かつてこの地域(旧長崎村)が、江戸の近郊農村として発展してきた面影を残すもので、農村風景が失われた現在も、毎年5月の第2日曜日に長崎神社の祭礼で奉納されている。
龍の顔型に漆黒の鳥の羽を垂らした獅子頭をかぶり、腹に太鼓をつけた三匹の獅子が、ササラをもつ4人の花笠とともに舞う形は“一人立ち三頭獅子舞”と呼ばれる様式で、かつては関東一円に広く見られた。
これまで何度か後継者難に陥った時期があったが、地元関係者の努力が実り、「長崎神社獅子連」を中心に伝承が図られている。稽古には、小学生の頃から獅子舞や笛を続けている高校生も混じる。氏子連の声掛けで、近隣の城西大学付属城西中・高等学校(千早1-10-26)でも、10年ほど前から「獅子舞クラブ」を作り活動を続けている。
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