2010年12月

第2880号 2010年12月1日号


高野区長4選出馬へ
 豊島区議会一般質問で表明


 11月30日(火)、豊島区平成22年第4回定例会一般質問において、自民党小峰博区議の質問に答えて、高野之夫区長は区長選への4選出馬を表明した。高野区長は4選出馬の意向を、今日になお残された財政再建の確立、文化・環境・都市計画・健康の町づくりの課題に全身全霊で取り組み、誇りに思える区民生活の実現にまい進したい、と述べた。初日26日、招集あいさつに立った高野区長は(1)新庁舎整備について、(2)がん対策推進条例案について、(3)路上喫煙及びポイ捨て防止に関する条例について、(4)高齢者福祉施策について、(5)教育について、(6)まちづくりについて、(7)情報基盤について述べた。その中から新庁舎、がん対策、まちづくり--を紹介する(要旨)。

■ 新庁舎整備について

 新庁舎の全体像をお示しする「新庁舎整備推進計画」は、9月に案を公表した後、精力的に区民のみなさんへの説明に取り組んできました。12地区での区民説明会を始め、区政連絡会、また関係団体、さらにはご要望をいただいた場合には地域に赴いての出張説明会を実施してまいりましたが、最終的には70回に達する予定であります。

 それぞれの会場で、また11月2日まで実施したパブリックコメントにおきましては、区民のみなさんから、様々な忌憚のないご意見を多数頂戴いたしました。一部には厳しい内容もございましたが、大部分は庁舎の整備を歓迎し、あるいは、庁舎の整備を前提とした上で、区政の将来に建設的な提案をしようとする内容でありました。これまで、「豊島区役所の位置に関する条例」の改正条例を区議会にご提案する機会を計ってまいりましたが、南池袋二丁目A地区市街地再開発事業の権利変換計画もまとまり、また、先ほど申し上げた説明会や、パブリックコメント等でのご意見を総合的に勘案した結果、いよいよ提出出来る段階に至ったと判断し、今定例会にご提案いたしたものであります。

 度々申し上げて参りましたが、この整備計画は、区民のみなさんに新たな負担をお願いすることなく、新しい庁舎を整備することを可能とする唯一の方策であると考えております。

 計画地の旧日出小学校跡地は、新庁舎という財産にかたちを変えて将来に引き継がれ、また、現庁舎地等の土地も、定期借地権方式での活用でありますので、次の世代が区民共通の財産として再びこの土地を活用することも可能であります。

 さらに、新庁舎は、防災の拠点として区民生活の安全を守り、また、質の高い区民サービスを提供する拠点としての機能を担うことはもちろんのこと、文化創造都市、環境都市、生涯健康都市、教育都市など、未来の都市づくりをリードする自治のシンボルとなるものであります。

 昭和7年、5郡82町村が東京市に編入された際に長崎町、高田町、西巣鴨町、巣鴨町の4町を合わせて「豊島区」が誕生し、東池袋の現在地に区役所が設置されました。戦災により仮庁舎に移転していた僅かな期間を除く80年に及ぼうとする豊島区の歴史は、現庁舎地とともにあったと申し上げても過言ではあるまいと思います。私にとりましても、特別な場所という想いを抱き続けてまいりました。また、区民のみなさんの現在地に対する愛着もいかばかりかと拝察もしております。それでもなお、庁舎自体を南池袋に移転させ、また現庁舎地の民間活用を図ることで、池袋副都心の再生に向けた起爆剤となることを期待し、豊島区の将来のためにも庁舎位置の変更は大きな意義を持つものであると確信しているのであります。


■ がん対策推進条例案について

 「がん対策」については、昨年度より本区の最重要課題と位置付け、本区独自の「子宮頸がんワクチンの公費接種」を開始するなどの取組みを進めてきましたが、本日、対象のみなさんに費用助成を受けるための予診票を郵送いたしました。到着し次第、無料で子宮頸がんワクチンを接種いただくことができます。

 一方、有識者の知見をがん対策の推進に活用するため、都立駒込病院の鶴田副院長を会長とする「がん対策推進会議」を設置しましたが、さまざまなご議論を経て豊島区独自の「がん対策推進条例(案)」としてこれまでのご努力が結実されました。

 既に、他の自治体では、10県、2市において、がん対策推進の条例を制定しておりますが、豊島区「がん対策推進条例(案)」には、他の自治体には無い、特徴がございます。具体的に申し上げますと、教育委員会との協働による小中学生を対象としたがん予防の普及啓発、がん検診の受診率の向上、受動喫煙の防止による健康被害の予防、区内企業との連携の4項目の規定を設けたことであります。また、「がん対策推進条例(案)」の提出にあわせて、「がん対策基金条例(案)」も今定例会に提案いたしました。

 このがん対策基金は、今後増大するであろうがん検診経費などの財政負担を軽減するために、計画的な積立を行うほか、民間から寄付をいただき、がん対策事業の推進に活用するための受け皿とするために創設するものであります。

 また、がん対策関連事業では、9月18日から帝京平成大学で開催している連続5回にわたる豊島コミュニティ大学の特別企画「家庭の医学~専門医から聞くがん最前線」のシリーズ第2回目を実施しましたところ、台風が接近する中ではありましたが多くのみなさんのご参加をいただき、講義の後には真剣な質疑が行われました。

 この23区初となるがん対策推進条例の制定とがん対策基金の創設につづき、今年度中にはがん対策推進計画も策定し、区の総力を挙げ、総合的、計画的ながん対策の推進に取組んでまいります。


■ まちづくりについて

 まず、都市計画補助172号線についてですが、平成6年から事業に入り、地元の町会やまちづくり協議会の皆さんとともに、地域の防災性の向上や居住環境の向上を目指してきました。いよいよ来年3月には、事業が完了いたします。

 また、同時期に西口駅前にモザイカルチャー、エレベーター、交番も完成いたしますので、それぞれのお披露目記念のイベントを企画し、新たな道路ネットワークと新しい西口駅前のシンボルの完成を地域の皆さんとともにお祝いしたいと考えております。

 次に、環状5の1号線地下道路について。

 副都心線の建設に併せ、地上部の用地の取得は、ほぼ終了しておりましたが、地下道路については、事業着手の時期等について東京都から示されておりませんでした。しかし今年6月に、都市計画変更手続きに入り、いよいよ、池袋駅周辺の自動車混雑の解消と、緑豊かな地上道路の整備により、雑司が谷地区の生活環境を守るための環境整備に向けて本格的に動き出すことになりました。

 次に椎名町駅周辺の街づくりについてです。 既に、東長崎駅では、区と西武鉄道が共同して、駅舎を含めた駅周辺の整備を行い、明るく広々とした駅前空間が生まれています。この事業は、国庫補助と財調により、ほとんど区の負担がなく実現したものです。

 このノウハウを活かし、椎名町駅でも同じ事業スキームで昨年12月に工事着工することができました。椎名町では、駅前だけでなく、椎名橋の橋下空間には駐輪場と広場を整備することに加え、駅周辺には「トキワ荘」や「アトリエ村」など地域の文化資源を取り入れる工夫も現在検討しています。

 また、地域の皆様にご心配をおかけしている交番の移転につきましては、粘り強くお願いを続けた結果、西武鉄道のご協力をいただき、北口に存置できる可能性が高まってまいりました。今、大詰めの調整をしているところですが、引き続き、安全・安心はもとより、魅力と活力ある街づくりの展開に努めてまいります。

 次に大塚駅周辺の街づくりについてです。長年の懸案であった南北自由通路の開通を昨年10月に果たし、引き続き、駅から街へとつながる歩行者優先の街づくりを展開しています。23年度には駐輪場工事に先駆けて、南口での支障物移設工事に着手し、地下駐輪場と駅前広場の整備を27年度に完了した上で、28年度から北口駅前広場整備に着手する予定となっています。

 また、造幣局周辺の街づくりですが、豊島区の誇りとなるような広大な防災公園の整備に向け、また、東池袋の新しい顔となる街づくりに向けて、現在、関係者との協議を積極的に進めております。来年には、計画の案を区民の皆様にお示しできるよう今後も一層努力してまいりたいと考えております。


»» BACK

«« Go to TOP


〒170-0013 豊島区東池袋1-21-11 オークビル 5F
Copyright© 豊島新聞社 2003-2010
トップページ バックナンバー 豊島区の選挙 紙面で見る
区民の歴史
リンク集 豊島新聞について

豊島新聞綱領

本社事務所
〒170-0013
豊島区東池袋
1-21-11
オークビル5F

豊島新聞は
毎週水曜日
発行です

民の情報紙

株式会社
豊島新聞社

豊島新聞
TEL
3971-0423
FAX
3986-4244
情報・投稿
購読申込み
購読料
3ヶ月2,700円