2011年1月

第2883号 2011年1月12日号


区民第一の公平・公正な区政運営
 高野区長年頭あいさつ


新庁舎整備計画について

 昨年九月に「新庁舎整備推進計画(案)」をお示しして以降、十二地区での区民説明会をはじめ、可能な限り、あらゆる場所で、あらゆる機会をとらえて、七十回を数える説明の場を開催いたしまして、様々なご意見、ご要望をいただきました。そして、十二月の区議会第四回定例会におきまして、議会三分の二以上の特別議決を経て、庁舎の位置変更条例を可決していただきました。

 積年の課題でありました新庁舎建設に向けて、豊島区の歴史に残る大きな一歩が刻まれたのであります。

 本年一月末には、再開発組合により、建築によって影響を受ける地域の住民の方々への説明会を開催いたしますが、区としても、庁舎建設であるがゆえに、二月には区内の東・西・中央において、再度説明会をいたしたいと思います。これらの手順を経て、今年の秋には建物工事がスタートいたします。

 新たな時代を切り拓く、平成二十六年末の竣工に向けて、今後も着実に計画を推進していきたいと考えております。


セーフコミュニティ認証取得について

   昨年二月に取組宣言を行って以降、五月には地域活動団体の皆様など百人規模の推進協議会を設置するとともに、徹底したデータ分析を行い、けがや事故等の実態を明らかにし、そして十一月には、「セーフコミュニティ認証に向けた基本指針」を取りまとめてまいりました。

 地域を愛する人々が、一致結束して助け合う。豊かな人の絆が暮らしの安心を支えているような、そんなまちを、セーフコミュニティの取り組みを通じて、区民の皆様とともにつくりあげていきたいと考えています。セーフコミュニティは来年度のWHO(世界保健機関)認証取得に向け、さらに邁進してまいります。


がん対策への取り組みについて

   我が国は世界一の長寿国となりましたが、その一方で、がんの発症は二人に一人と言われ、がんによる死亡率は年々上昇しており、国民の死亡原因の三割を占めるまでになっております。

 このため、昨年度より、がん対策を区の最重要課題と位置づけ、がん対策推進会議において様々なご議論をいただき、取り組みを進めてまいりました。

 昨年十一月には、中学生に対して子宮頸がんワクチンの無料接種を開始いたしました。そして、昨年の区議会第四回定例会におきまして、二十三区初となる「がん対策条例」と「がん基金設置条例」を可決していただきました。

 三月末までには、がん対策推進計画を策定し、計画的ながん対策の推進に取り組み、区民の皆様の健康の増進・確保に更なる努力をしてまいります。


豊島区基本計画見直しについて

 現在、平成十八年に策定した、区政運営の基本指針であります豊島区基本計画が、後期五年の計画期間に入りますことから、現在、基本構想審議会において、後期計画の見直しを進めております。二十三年度から二十七年度までの後期五年間は、これまでの歩みを確実にするとともに、福祉増進都市、文化創造都市、環境都市、生涯健康都市、教育都市、そして都市再生など、都市の将来像をより明確にするとともに、さらに発展させていかなければなりません。

 そして、こうした都市像を実現するため、また将来の備えに万全を期すためには、盤石な財政基盤を構築することが必須であります。

 思い起こせば十二年前、私が区長に就任した時の区政の課題は、隠れ借金と言われた「負の遺産」の解消と財政再建でありました。今日、これを成し遂げた実績を踏まえ、今後も更なる行財政の改革に挑戦し、「区民第一の公平・公正な区政運営」を実現してまいります。


重要課題「福祉」と「教育」について

 二十三年度に推進する政策の中で、特に重要課題と位置付けてまいります「福祉」と「教育」の二つの取り組みについてお話しさせていただきたいと思います。

 まず一つ目は、福祉増進都市づくりへの取り組みであります。

 六十五歳以上の高齢者のうち、一人暮らしの方々の割合が他区に比べ極めて高い本区においては、何よりも高齢者の孤立化を防ぐことが最大の課題であります。

 そこで、昨年六月から一人暮らし高齢者や高齢者のみ世帯、約二万七千世帯を対象に実態調査を行い、生活実態の把握に努めてまいりました。本年は、これらの結果をもとに、高齢者総合相談センターの職員が高齢者世帯を訪問するアウトリーチ事業を本格展開し、支援が必要な高齢者の皆様に適切なサービスを提供するとともに、民生・児童委員や町会など、地域の皆様との支え合いによる、きめ細やかな見守り活動につなげてまいります。

 あわせて、緊急通報システムや配食サービスなど、一人暮らし高齢者の方々への施策の充実に加え、介護施設等の基盤整備に向けた取り組みを鋭意推進してまいりたいと考えております。地域の力と連携した二十四時間三百六十五日、高齢者が安全・安心に暮らせる地域づくりを目指し、全力を傾注してまいります。さらに、子育て世代の人たちが、安心して子どもを産み育て、子育ての喜びを共有できる地域づくりを進めることが今、強く求められています。

 とりわけ懸案の待機児童対策につきましては、待機児解消のための「保育計画」に基づき、今後五年間で認可保育所の新設や施設改修、認証保育所や保育ママの活用などにより、可能な限り速やかな待機児童の解消に努めてまいります。二十三年度に向けては、現在、認証保育所の誘致等により約百五十人分の受入枠の拡大を図るべく準備を進めております。

 二つ目は、教育都市づくりについてであります。

 子どもたちを取り巻く環境は、少子高齢化や高度情報化の進展を背景に大きな転換期を迎えており、また新しい学習指導要領が二十三年度から小学校で、二十四年度からは中学校でも実施されます。

 こうした状況の下、本区では昨年、「豊島区教育ビジョン二〇一〇」を策定し、「教育都市としま」の実現に向けて、家庭、教職員、学校、地域との緊密な連携の下に、その具体化に取り組んでまいりました。

 まず二十三年度は、新しい学習指導要領の実施により増加する授業への対応として、四月から原則月一回、「としま土曜公開授業」をスタートします。

 そして、子どもたちの情報活用能力の育成、ICT機器を活用した分かりやすい授業を実現できるよう、区立学校における情報化の指針となる「情報化ビジョン」を策定するとともに、学校図書館のデータベース化や地域図書館とのネットワーク化などを進め、子どもたち一人ひとりの興味や関心に応じた読書活動を積極的に支援してまいります。

 さらに、学校基盤整備では、学校の改築に合わせて、高速の無線LAN環境の整備を進めてまいりたいと思います。

 これにより、「住んでみたいまち、高い教育力をもつまち」として本区が評価され、区民の皆様から信頼される「教育都市としま」の実現を目指し、学校、家庭、地域とともに、情熱を持って教育都市づくりに取り組んでまいります。


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