2011年2月

第2886号 2011年2月2日号


巣鴨地蔵通り、街並みの危機
 高層マンション建築計画
 建設協力で7千万円? 地元は結束して絶対反対


 「おばあちゃんの原宿」と親しまれ、全国から年間800万人の参拝者が訪れる屈指の商店街・巣鴨地蔵通り。その時代感ある景観と人情味たっぷりの商店街として連日賑わいを見せる巣鴨地蔵通りそばに、高さ100メートル、30階建ての高層マンション建築計画が一部の地元住民に突然提示され、区有地をまきこんだ不透明な計画の進め方もあって、地元で建設反対の活動が広まっている。

 まず反対を表明したのは真性寺とともに巣鴨地蔵通りの象徴でもあるとげぬき地蔵尊で名高い高岩寺。「信仰の街・巣鴨にはモンスターマンションは似合わない。地蔵通りの永続的な発展のためにも現在の景観を守るべきだ」との高岩寺の意思表示に、商店会、町会役員らもこぞって建設反対を表明、計画の白紙撤回に向けて反対運動を開始した。

 1月30日夜には巣鴨街づくり協議会、商店会、町会の役員ら十数人が高岩寺で会合を持ち区議会への建設反対の陳情書の取りまとめ、署名集めにはいった。

 問題の建設予定地は巣鴨4丁目22番・旧豊島青果市場駐車場跡地。現状では接続道路(区道)が幅員6メートル未満のため、高層化できない立地条件だが、開発業者は容積率を上げるために、周囲の区道、都道、隣接する豊島区保健福祉部分庁舎を取り込んだ計画となっている。

 地元では「荒唐無稽なでっち上げ計画。モンスターマンションの建設を企てる一方、公開空地、公衆トイレ、公民館、公園整備、地蔵通り商店街組合事務所建替えなどの独善的な見返り案を、限られた地元関係者だけに提示し、開発の正当性を主張してるが、明らかにおかしい」とし、次の3つの問題があると指摘している。
(1)地元では巣鴨街づくり協議会が中心となり、建築物の高さ協定を締結して地域の環境と景観を守ってきた。建設予定地に隣接する巣鴨地蔵通り商店街傘下の3商店街は、それぞれの地域で、地蔵通りに面する建築物の高さを6、7、8階ほどに協定している。一方、本件は地上30階、高さ100メートルと巣鴨地域では非常識な規模であり、地元の努力を踏みにじり、無視する行為である。

(2)巣鴨はふたつの仏教寺院、眞性寺と高岩寺に奉安される地蔵尊への信仰を中心に発展してきた。巣鴨には日本全国から年間800万人もの参拝客が両山を訪れており、門前の巣鴨地蔵通り商店街は日本を代表する商店街として、テレビ、新聞などで連日報道されている。その神聖な場所をはるか上から見下ろす居丈高な集合住宅を、なんのためらいもなく建築しようとする傲慢な態度は、800万人の参拝者と宗教に対する冒涜であり、地域を守ってきた私共に対する冒涜でもある。

(3)今年早々、高岩寺が地元に対して建設計画に反対を表明したところ、開発業者らは1月22日、高岩寺に対して賄賂まがいの7千万円の献金を、守秘の確約と印鑑証明をつけて提示してきた。これは非常識な開発に対する正当な反対を、「モンスターマンション」開発で発生する莫大な利益によって潰そうと画策するものと云わざるを得ない。

 と、これまで巣鴨の街づくりと深く関わってきた高岩寺を中心に地元は「この破壊的開発行為は、都市計画法の目的である都市の健全な発展と秩序ある整備を図り、もって国土の均衡ある発展と公共の福祉に寄与することに大きく反するもの。たとえ合法的であっても、今回のような開発企業のエゴイズムを許せば、豊島区のみならず日本全国からおばあちゃんの原宿として親しまれてきた巣鴨の街は、有形無形の財産を失うことになる」と今回の建設計画に絶対反対で結束している。

 現在、地元では高岩寺・来馬明規住職、巣鴨街づくり協議会・平子浅雄会長連名の「特定の業者の開発を援助し、利するような区有地の売却や使用は絶対にやめてください」等の陳情書提出準備を進めるとともに、2月3日に高岩寺節分会で地元参加者に対して説明、4日に区議会に陳情提出、5日以降、陳情書写をつけて豊島区と全区議、巣鴨地区関係者に資料送付する。また区長(副区長)、長谷工、豊島青果市場などへの公開質問状の作成も検討している。


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