名作童話の影絵展 宮崎紀玖雄さんの原画
「名作童話の影絵 宮崎紀玖雄制作 影絵の原画展」が、東池袋の豊島区民センター2階としまふれあい交流サロンで9月30日まで開催されている。
宮崎紀玖雄氏は影絵作家の藤代清治氏のもとで影絵の技術を習得したのち、影絵サークル「みみずくといちょうの木」を主宰。豊島区および近隣の施設等で、保育士などのサークルメンバー8人と共に多くの公演活動を行っている。先日開催されたイベント「わいわいひろっぱ」での公演では、立ち見が出るほどの盛況ぶりだった。
今回は「つるの恩返し」「しょうじょう寺の狸ばやし」「ブレーメンの音楽隊」「マッチ売りの少女」といった誰もが知っている日本の民話や童話をモチーフとした作品などが34点展示、また今回の展示会に合わせ、新たに制作された「十五夜(すすき)」「雨降り(あじさい)」なども鑑賞できる。
作品は、トレーシングペーパーに、エアブラシ用の特殊な絵の具で染色した紙を幾枚も重ねることで作られている。こだわりは材料に「紙のみ」を使用すること。草むらや蔓など糸のように細い箇所も紙を切って表現。入口に置いてあるライトを当てると、その細かい技を目の当たりにできる。
会場には作品のほか、制作に使用するピンセットや剃刀等の道具類や材料なども展示され、影絵の制作には手先の器用さと集中力の高さが必要なことがうかがえる。
宮崎氏は「自分で染色した紙を切り、重ね、光を当てて色の具合を確認しながら制作を進めるので、作品1点をつくるのに1か月程かかります。『影絵』というと白黒のイメージがあると思いますが、こういう色彩豊かな影絵があることを、大勢の方に観ていただきたい」と語っている。
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