戦後70年、節目の年 根津山小さな追悼会
今年は戦後70年の節目の年。城北大空襲の犠牲者追悼と平和への祈りの集い「4・13根津山小さな追悼会」が4月13日、区立南池袋公園内北側「豊島区空襲犠牲者追悼の碑」の前で開催された。
城北大空襲とは、昭和20年4月13日深夜から翌14日未明に東京城北部一帯を襲った空襲。豊島区で死者778人、全焼家屋34,000戸、被災者161,661人(当時の区の人口の7割)もの被害をもたらした。池袋東口グリーン大通り周辺は当時「根津山」と呼ばれ、その一角(現・南池袋公園)には大勢の犠牲者がトラックで運ばれ、仮埋葬されたという。
「4・13根津山小さな追悼会」は、城北大空襲被災50周年を契機に「豊島区空襲犠牲者追悼の碑」が建立されたことをきっかけに、地域の方々の尽力によって発足。名も知られず葬られた人々への鎮魂と平和への願いを込めて、毎年4月13日午後2時からの1時間、追悼会を開催しており、今年で21回目を迎える。たとえ二人でも三人でも集まって追悼できればとの思いから「小さな」と名づけられた。式次第は、開会のことば・ごあいさつ・黙祷・鎮魂のことば・朗読(ききみみずくの会)・献花・斉唱・閉会のことば、という流れで、戦争の体験・随筆などの朗読を中心に行われており、中でも鎮魂のことばには実行委員の方々の深く熱い思いがこめられている。
追悼会には、冷たい雨が降る中100名を超える方が集まり、空襲の犠牲者を追悼した。鎮魂のことばに、深く頷いている方もいた。会場を訪れた三村和男(みむら・かずお)さん(86)は「毎年来ています。16歳のとき自宅で空襲に遭い、すぐそばに炎が迫る中、父と姉と暗い方へ逃げました。女性と子どもが駆け込んできましたが、座り込んでしまい一緒に逃げられませんでした。空襲がいかに残酷かということを子どもや孫に語り伝えています」と話した。
»» BACK
|