高野氏5選
4期16年の実績評価
区議選は自民が新人含む13人全員当選
選挙戦の最中に池袋本町の公園から高濃度の放射線が計測され、対応に追われる区行政、不安広がる住民、5選を目指す高野之夫氏は、区長としての責務を最優先、急きょ自身の選挙戦を中止して、その陣頭指揮にあたるなど、まさに劇場仕立ての選挙だったが、財政立て直しの実績と再開発事業を活用したマンション一体型の新庁舎建設を実現した高野之夫氏が堂々の5選を果たした。
区長・区議を選ぶ党一地方選挙後半の投票が26日に行われ、即日開票で新区長、新区議の顔ぶれが決まった。投票率は前回をやや下回る区長選が42.27％、区議選が42.28％だった。当日有権者数は217,370人。
区長立候補者は現職で5選を目指す無所属高野之夫氏＝自民、公明、民主、社民、連合東京推薦＝と、無所属新人の嶋田紀子氏＝共産推薦＝、同じく無所属新人の湯浅茂晴氏の三氏が競った。
高野氏の信任投票、という声も多く聞かれたなか、前回4年前の高野氏、島田氏、日野氏が争った図式と同様の選挙戦だったが、4期16年の実績と消滅可能性都市脱却にむけて「女性に優しい、女性が輝くまち」づくりを前面に訴えた高野氏が前回よりも約5千票増やして57,309票を獲得し5選を果たした。
「大型開発中心の高野之夫区政を転換させ、福祉などを後退させない区民本位の区政を実現したい」の島田氏は共産系の好調もあり約5
千票増やして19,987票、「次世代にツケを回さない等身大の区民ホールにスリム化、節約分は子育て支援、介護保険にまわす」の湯浅氏は10,868票という結果だった。
開票日の26日、池袋西口前のとやビルの高野選挙事務所は午後8時には鈴木正美選対本部長はじめ選挙スタッフや支持者ら約80人が詰めかけて当確報道待った。午後10時20分のNHKの当確をうけて高野氏が満面の笑みで姿を見せ支援者のあつい祝福をうけた。鈴木本部長に続いて、推薦した小池ゆりこ自民党豊島支部長、長橋桂一公明党豊島支部長、江端貴子民主党豊島支部長それに堀宏道都議らが次々お祝いあいさつに立った。
高野氏は、「これまで10回の選挙を戦ってきているが、これほど体調のいい状態で臨むのは初めて」だったという。かねてから親交のある区長職の先輩、8選を目指す矢田中央区長の事務所開きでのサプライズ応援の感謝や、池袋本町の放射線禍対応のため総決起大会中止するなど後半の選挙戦をやめた決断にふれ、「こんなにストレスのたまる選挙も初めてだった」と振り返り、「危機管理こそトップの資質の全て最高の選択をしたと思います。おかげでスムースに対応でき、迅速に安全宣言まですすみました」と。「選挙戦を通じてあらためてこの豊島区を皆さんとともに日本一の行政サービスの行き届いた安心できる自治体に作りあげていきたいとの思いを強くしました。この勝利はいままでのなかでも最高の勝利、改めて皆様一人ひとりに感謝申し上げたい」、そして「公約の女性に優しい、女性が輝ける街づくりをしっかりと推進していきます」と力強くアピールした。
区議選は36議席に現職30人、元3人、新人22人の555人が立候補、厳しい選挙戦を展開、当落の結果は深夜にもつれ込む大激戦となった。こちらも現職有利の選挙戦だったが、現職27人、元2人、新人7人が当選、現職の中田兵衛氏、関谷二葉氏、古堺稔人氏が落選した。
注目は自民の新人4人だったが、池田裕一、有里真穂、松下創一郎、芳賀竜朗の4氏が2千票を上回る得票を得て初当選した。自民は現職新人ともに全員当選、議席を4つ伸ばし13とした。古参議員に票の伸びがなかったのが気がかりか。
またこのところ危機感のあった公明も新人・夫馬三知氏を含め全員当選、8の現状を維持した。国政で勢いづく共産も新人・清水教子氏を含め全員当選で議席は6の現状維持となった。
トップ当選は、おもに大塚が地盤の都議選に挑戦した無所属の元職、古坊知生氏（4,224票）。無所属と、いわゆる第三極系は大苦戦、前回躍進した旧みんなの党系は議席なしとなった。そんななかで無所属二期目の小林弘明氏、新人の藤沢愛子氏が議席を維持、獲得した。民主は苦しい中で現職が議席を確保した。
これにより豊島区議会の党派内訳は、自民13、公明8、共産6、民主3、社民2、ネット1、無所属3となった。
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