「高畠ゼミ OB・OG会」 総会での 新旧会長スピーチ
(2025年11月9日、於: 立教大学 本館 1104演習室)
| 前会長 愛場 謙嗣 のスピーチ (抜粋) ウクライナやパレスチナでの戦争など、平和も民主主義も危うくなっているのが 今の世界情勢ですが、組織もヒトの生き方も、命がある限りは一つ一つ繋ぎ繋ぎして何かをやっていくということが大事であるということでは、皆さんの想いも同じだと思います。 学界的に どうなっているかは 私には分かりませんが、高畠先生が提唱され先生を象徴する「市民」という概念がマスコミ的にはほとんど死語になりつつあると感じています。 私は、戦後一貫して反戦平和・非戦の運動を続けてきている「わだつみ会」(日本戦没学生記念会)の常任理事を、10年ほど前からしていますが、そこで強く感じているのが、憲法をいじることは、そもそも 「まずい」ということから始まって、金科玉条の如く、「護憲!」「護憲!」とだけ言い続けて、「具体的に平和に至る道筋」は全く示されないままであるのが現状であるということです。 そのような中で、高畠先生が古希の記念講演などで表明した、軍事ではない国際貢献として「平和部隊」(非軍事・人道支援のための徴兵制度)構想の意義は大きく、しかしながら、高畠先生は「平和部隊」の具体的な中身までは論及されないままこの世を去ってしまわれました。今こそ、市民レベルで、身銭を切りながら平和を勝ち取っていく、という「平和部隊」構想をしっかり吟味し、我々が受けついでいく価値はあるのではないかと強く感じています。 「高畠ゼミOB・OG会」の次代を担う方々にバトンタッチするにあたり、そうしたことの検証を一緒にやりましょうとお願いし、退任の挨拶に代えさせていただきます。 ![]() (愛場謙嗣 前会長 と 嶋田武司 新会長) ![]() 高畠ゼミOB・OG会 規約 [嶋田氏を会長に推薦します] (11月総会の議案説明書から抜粋) 私たち高畠ゼミOB・OG会事務局のメンバーは 全員一致で1974年卒業の嶋田武司氏を新会長に推薦します。 1960年代から2000年代まで400人近い卒業生がいる高畠ゼミOB・OG会は、昨年7月の交流会開催まで長い間、全体での活動がなく、会員の多くは自分の卒業年前後の会員しか知らない というのが現状です。このため 私たちは、新会長選出の手続きとして「選挙」を行うには、その前提を欠いていると判断しました。 そうした中で、交流会開催やその後の規約改定と今回の総会開催まで、高畠ゼミOB・OG会の活動を再始動させ、会員の融和を目指す活動を進めようと集まった幅広い世代の人たち中で、皆の意見に耳を傾け、信頼に足る人物として自然と中心的役割を果たすようになった嶋田氏こそ新会長に相応しいと考えるようになりました。 私たちは自信を持って嶋田氏を新会長に推薦します。ぜひ、賛成(信任)の議決権行使をしていただくようお願いします。 (事務局一同) [ 事務局連絡先 ] 〒171-0014 豊島区 池袋 2-31-3 カーサソラーレ102 NPO法人 いけぶくろねっと 気付 高畠ゼミOB・OG会 <a1cegaw@gmail.com> |
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新会長 嶋田 武司 の就任スピーチ (抜粋)
さて、今年2回も総会を行う 「高畠ゼミOB・OG会」は、何をしようとしているのだ? と思われている方もあるでしょう。 しかしこれは、20年以上続いている「高畠ゼミOB・OG会」の正統性を引き継ぐための手続きなのです。 そこで、私は この再生「高畠ゼミOBOG会」が目指している運営について、手短にお話をして ご理解を賜りたいと思います。 まず 「高畠ゼミOB・OG会」は、一般的なこの種の会と違って、 “会員を特定することが難しい” という課題を抱えております。 それは立教大学法学部のカリキュラム(教育システム)に起因するだけでなく、高畠通敏先生の魅力としか言いようがないものに基づくことでもあります。文学部の学生も、経済学部の学生も、他大学の学生も 皆、高畠研究室にやって来ては 先生から学び、それを糧としていたわけで、会員の範囲に一律にタガをはめられません。 そのため、「高畠ゼミOB・OG会」をどう考えるべきか、事務局で議論を重ねました。 その議論の中で、神島二郎先生流に、この高畠研究室を 「自然村」としてとらえてみることにしました。 自然村の高畠研究室で、先生と交流をもった学生たちは ムラビトであり、「高畠ゼミOB・OG会」をムラにおける神社・鎮守様と仮定してみると、「OB・OG」は氏子としてとらえることができます。 こうすると、会員を特定することが難しい という問題を解く糸口が見えてきました。 成人してムラを出て行った学生は、ノスタルジア(郷愁)のムラに帰りたいと思った時、「もうすぐ村祭りだよ」とムラに住む知り合いから「知らせ」がくれば、ムラに帰って祭りに参加できるわけです。 隣村からもやってくるでしょう。 つまり先生の教えに触れたムラビトたちが、分け隔てなく集まって来るのです。「高畠ゼミOB・OG会」をそういう会にする手続きが必要であると、事務局は考えたのです。 では、運営組織はどうあるべきか? ムラに住んで「知り合いに連絡する人の部署」を事務局ととらえてみてください。 事務局員は、かつてムラを離れて色々な経験を積んだ後、今はノスタルジアのムラに戻り、再びムラに住む氏子(OB・OG)になりました。 成長した氏子の知恵は深まり、ムラビトの連絡先を探し、伝える方法も工夫します。事務局というのは、神社内の役割では「社務所」、社務所で中心になって取り仕切る人が「事務局長」。 そして、「神主」にあたる人が「会長」ということになります。 「年次幹事会」は、旧規約では「高畠ゼミOB・OG会」の最高意思決定機関でした。 一方で 「総会」も規定されていて、「総会」は承認機関でした。 このようにする事情があったにせよ、何か変ですよね。 「最高意思決定機関」が最終的に決定する権限を持つのが当たり前なのに、そうはなっておらず、戸惑います。 それで今回の規約では、「総会」が最高意思決定機関であると明確に位置づけました。 つまり新規約では、「年次幹事会」は 「高畠ゼミOB・OG神社」の氏子惣代、あるいは祭りの「世話人」的な位置づけにし、氏子全員で神社の祭りを盛り上げる形に整え直したのです。 「高畠ゼミOB・OG神社」は、一票を持っている氏子が平等にその権利を行使できる組織になり、「年次幹事会」は 「やってみなはれ」という応援機関というか、諮問機関のような位置づけになりました。 以下は、結びになります。 高畠先生からいただいた名簿には約400名が収載されていました。つまり、氏子は約400名でした。 しかし、鬼籍に入られた方もおられますし、「関心が無い」と思われている方もおられます。 それでも、現在、郵便とEメールを使えば、約240名の方には連絡が取れます。しかし昨今、郵便代が跳ねあがりましたので、今後はEメールを主体に使ってご案内を差し上げる運用にしていきたいと考えています。現在、約140名の方にはEメールで連絡を取れます。 まだ働いている現役世代の方は、「高畠ゼミOB・OG会」の下働きや、活動に時間が取りにくく参加が難しい面もあると思いますが、年金生活者になると、昔懐かしい友から「仲間たちが “『高畠ゼミOB・OG会』読書会” を開催しているよ」と聞くと、行ってみたくなるものです。 高畠先生が よく話されていた 古代ギリシャの “アゴラ” (集会所)が再現できればよい、という考え方が 規約にも含まれています。 いま行われている “アゴラ” は「読書会」が一つあるだけですが、会員の皆さんには、今のこの時代にこそふさわしいアゴラを作り、積極的な議論をしていただきたいと思います。また「ZOOM会議システムを使って “新しいアゴラ” を作る」など、ネット上で議論の場を設け、世代を超えて「交流したい」となれば、事務局がお手伝いします。 さらには事務局に入ることを希望される方も、ぜひ事務局にご相談ください。アゴラにも事務局にも会員が関われる…… そういうイメージで 今後の「高畠ゼミOB・OG会」の運営をご理解くだされば、と思います。 なにとぞ よろしくお願いいたします。 |
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