子女教育ニュース

      担当: 国際教育相談員 小山 和智  facebook note
海外人事や教育関係の実務担当者の皆様に配信しているニュースの一部を、
一般の皆様にも公開します。 教育相談などについては 「教育相談から」を。
2026年 5月1月〜4月、2025年 9月〜12月5月〜8月1月〜4月、2024年 9月〜12月5月〜8月
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【2026-7】

英国のEU離脱の国民投票から10年
  EU離脱を問う国民投票(2016年6月)後、最初の4年間は 傍から見ていて "グチャグチャ" でした。 海外の資本や企業の約半分が英国から流出するなどの混乱もあり、現在でも 「離脱は間違い」の意見が ほぼ半数です。 私たち高齢者は、英国が欧州経済共同体(EEC。1957年設立)に加盟させろと要求し、ドゴール仏大統領から拒否されていたことを知っています。 「英国病」で疲弊しきった英国は1973年、欧州共同体(EC)に やっと受け入れてもらえたものの "問題児" のままでした。 欧州単一市場の恩恵を受けながらも、常に 「EC離脱」で国論は2分され、欧州連合条約(1992年)を英国議会は否決。 EU委員会は英国政府に対し、一緒にやりたいのかどうかを国民投票で決めるように求めますが、英国議会の専権事項だといって拒否しました。
  世界が呆れている10年間に、英国首相はキャメロン、メイ、ジョンソン、トラス、スナク(以上 保守党)、スターマー(労働党)と目まぐるしく交代。 そのスターマーも既に辞意を表明し、EU離脱を巡って6人の首相が官邸を去る事態となっています。
◆ 日本も短命政権は多いです。 ひとたび首相を経験すると、高額の終身年金が貰えるので、政権を投げ出すことに抵抗感はあまりないのでしょうか? 嘘ばかりついてさっと辞める…… 困った風習です。

「大規模太陽光発電事業に関する対策パッケージ」の詐術
  熱海市の伊豆山土石流災害(2021年7月。28名死亡、建物の全/半壊128棟)から丸5年が経ちます。 ずさんな盛り土の上に太陽光パネル設置工事(中国系企業)が行われていたわけですが、責任の所在はうやむやに……。 「再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度」(2012年)を契機に 「メガソーラー」の普及が全国で進みました。 各地で土砂流出や地下水の濁り、景観への影響、動植物の生育環境の悪化などの問題が生じて、住民を苛立たせてます
  太陽光発電設備等の設置を規制する特化条例は 昨年末までに 336自治体(県レベルでは9県)に広がりました。 高市政権は昨年暮れ、「大規模太陽光発電事業に関する対策パッケージ」を発表して、批判の沈静化を図ってます。
 ・ 森林法を改正:森林を伐採してメガソーラーを設置する場合は約6割の樹木を残すことを義務付ける。
 ・ 電気事業法を改正:太陽光パネルを固定する架台(足場) は工事前に第三者機関の安全性検査を義務付ける。
 ・ その他、種の保存法を見直し「希少種の生息地等保護区」を全国に設定。 景観法と自然公園法の運用強化も……
しかし、これらは人気取りが主眼で、「2026年6月を目途に」 とあっても、何も具体的な施策は出ていません。(騙されているのは…)

7月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★ ☆ CFIEC国際研究ウェビナー(On-Line)---7月1日(水)、テーマ 『地政学的変動に直面する ASEANでの日本政府・企業の戦略』=戸堂 康之(早稲田大学 教授)・篠田 邦彦(政策研究大学院大学教授)ほか。 ※ ASEANの各分野専門家が地域経済の構造変化、通商政策の動向、企業活動の実態など多角的な観点から議論をします。
第5回 私立高専合同進学説明会---7月5日(日)、於:金沢工業大学 虎ノ門Camp。 ※ 日本の "ものづくり" の人材を輩出する高等専門学校は、世界から注目されています。
EDUBAL more! 夏のオフ会---7月12日(日)午後1時〜、於:(株)トモノカイ(東京・四谷三丁目)。 テーマ 『うちの子に合った学校選びセミナー』。※ 帰国生ならではの学校選びのアドバイス……会員限定ですが、登録時に入会すれば大丈夫です。
[中・高生募集] TJF多文化合宿プログラム「The QUEST」---8月3日(月)〜、於:湘南国際村センター(神奈川県葉山町)。 ※ 多様な人と「未来を共に生きる仲間」になる5日間……人と違うことが希望になることを体験します。
 TJF多文化合宿 「とやま PCAMP 2026」---8月5日(水)〜8日(土)、於:オーバード ホール。 ※ 日本語ベースのユニークな国際交流に挑戦する高校生が多く集まることを期待しています。
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◆ ガソリン暫定税率(1974年〜)は "当分の間、25.1円/Lを課税" だったのに 51年間も据え置かれました。 「いつでも止められる」 と言い続け、結果として経済を停滞させた自民党の責任は誰も問いません。 軽油引取税の暫定税率(17.1円/L)も 4月にやっと廃止されましたが、円安政策のせいで値段は高い……(喝!)

CFIEC 中国研究会 第二期(2026年2月〜)のテーマは 『AI社会の飛躍的発展を踏まえた中国の経済・政治力の評価』です(座長:大橋英夫 専修大学教授)。 世界最高水準のAI開発…… その社会実装は政府部門、民間ビジネス、科学技術、学術研究、国家統治、軍事を含む各分野で進んでいます。 AI大国化する中国とどう向き合うのかは、避けて通れない課題です。

◆ EGS研究会のからのお願い: 現役の先生で 「(海外育ち・外国につながるなどの子どもたちの指導で)今、困っている!」 と仰っている先生がありましたら、是非ご紹介ください。 そのお困りの点は、意外なほど 他の学校でも起きているはずで、それらを丹念に拾って繋いでいく活動にご協力をお願いいたします(7月中旬頃までに)

◆ 6月20日(土)、核兵器に反対し平和を訴えておられた 美輪 明宏さんが亡くなりました。 辞世のメッセージは <こんな世の中を生き抜く武器は 愛の言葉しかありません。 この世のすべての問題を解く鍵は 愛です。 愛があれば 戦争なんか起こりません>。 享年91歳、合掌。

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【2026-6】

米国メディア王のT・ターナー逝く
  5月6日(水) に亡くなっていました。 24歳で父親の遺産を相続し、7年後にテレビ放送局を買収、38歳で衛星回線を利用してケーブルテレビに自社番組を供給する事業に成功します。 24時間常時放送のニュース専門局 「CNN」を開局(世界初=1980年6月)。 キャスターに有色人種を多用する一方、レーガン大統領暗殺未遂事件、NASAチャレンジャー爆発事故などの報道…… 斬新さ/独自性や速報性を発揮して、見る間に世界に普及し、放送事業やジャーナリズムを大きく変革させました。
  野球(MLB)のアトランタ・ブレーブス、バスケット(NBA)のアトランタ・ホークス、映画会社MGMのオーナー…… 彼の財閥は 後にタイム・ワーナー社と合併(1996年)、彼は10年間、副会長として経営手腕を発揮しました(数年間 インターネットの「AOL」も傘下に)。 女優ジェーン・フォンダと結婚したり、素人でMLB監督を1日だけやったり、話題にはことかかない大富豪でした。 彼が第一線を退いた後、米国の報道界は "迷走の連続" ですが、彼の最期は 静かなものだったようです。(享年 87歳)
◆ 「Ted」は Edward, Theodor の愛称です。 テッド・ターナーも本名は 「Robert Edward Turner III」。 因みに 「TEDカンファレンス」の 「TED」は 彼とは全く関係はなく、彼が放送・インターネット業界から引退した年から、「TED」の講演内容がネット上で無料配信されるようになりました。
◆ 「AOL」といえば、2000年頃の 「Dot-com bubble (IT バブル)」を思い出します。 日本でも電子商取引が注目され、インターネット関連のベンチャー起業が大流行するなか、同社はドコモ等とも提携して急拡大しますが、バブル崩壊と共に消えていきました。 気が付けば 「GAFA(⇒ Big Tech)の世界」に…。


「円安・株高」政策の愚かさ
  今年1月のIMFの発表では、中国の実質GDP成長率は5.0%(名目GDPでは 4.0%)で、凄いデフレだそうです。 他方、インドは7.3%、ASEAN主要5ヶ国4.2%、台湾7.4%…と、中国・日本(1.1%)を除いて堅調なのだとか……。 この 「教育通信」では、すっと安倍政権の 「円安・株高」政策を批判してきました。 その後の推移(2012年末⇒ 2025年末)を比較すると、日本円は中国元に対して37%下落、シンガポール・ドルやタイ・バーツには42%も下落…… つまり、私たちの財産も給与も13年間で 3分の2の価値になったのです。
  日本の産業の金融化(マネーゲーム化)は、20〜30歳代の若手たちの 「将来の夢」まで奪いかねません。 最近、「頑張るくらいなら、このまま衰退しても好い」「仕事にも成功にも興味がない」という若い人が増えました。 その理由は、「右肩下がりの日本」とはいえ、"それなりの豊かさ" を所与のもとして育ったからかもしれません。
  しかし、「周りと比べて自分は…」を気にする偏差値偏重の発想を反省し、自らの良心に基づく "自分軸" を持つべきでしょう。 各々が 「自分は、どういう歴史の流れの中に生きているのか」 という "世界を観る眼" を養い、皆と協働していく…… AIの時代だからこそ 「機械ではない人間とは何か?/何ができるか?」を考えられる人材になりたいものです。
◆ わずかでも金融資産を持つ人たちは、まだ(本音では)「円安・株高」に期待し、アベノミクスの継続を支持しています。 高いはずの株価が、外貨から見ればどんどん目減りしていることも判るはずですけど、「自分さえ好ければ…」の発想で 見て見ぬふりをしてます。(喝!)

中国の生産力は侮れない
  2025年の各国の購買力平価によるGDP(PPP。IMF調べ)では、中国 40.7兆$、米国 30.5兆$、インド 17.6兆$。 そして ロシア 7.2兆$、日本 6.7兆$(5位)、ドイツ 6.2兆$、インドネシアとブラジルが各々 5.0兆$でした。 つまり実質的な国内総生産力では、中国は米国の1.33倍(日本の 4.6倍)になっています
  しかも 米国はクリントン政権/オバマ政権の時に、製造拠点を中国にどんどん移転(Outsourcing)してしまいました。 米国の工場労働者が民主党に対して根深い恨みを抱いた原因は ここにあり、最大の地盤を失った民主党はガタガタに…… 今や中国の工業生産力は 米国の2.1倍となっていて、兵器・弾薬の生産能力だけとっても1.5倍もあるとか……。 米国が中国と本気で軍拡競争をしようとしても 生産力で叶いませんし、先端技術に必要な希土類(Rare Earths)も中国の独占状態です
  にも拘らず、「中国はもう崩壊寸前」とか 「中国は米国に屈した」とかという解説や評論が多いのは何故でしょうか? 中国が胡錦涛時代(2003〜13年)のような姿勢に戻り、大人しい振りをしているからかもしれませんけど、客観的な数値を見据えておく必要があります

教育は "伴走すること"
  私はこれまで、教育は "伴走すること" と繰り返し書いてきました。 子どもが自分の意志と判断で "学び" を重ねていく際、教師には 「見返りを求めない献身」の姿勢が必要だと考えてます。(感謝されたいと思っていたら、虚しくなります) いまや欧米型の 「資本主義が平等を創り出し、競争が進化を生む」という信念が、過去のものとなりました。 教育も "金をかければいい" という時代はありましたが、そうした指導は所詮、金で買える程度の人材しか生みません。
  工業製品じゃあるまいし、"最新の" データや理論、教材、施設設備だけで、まともな人材が育つ保証はないのです。 学校が "完璧な最適化" "○○への最短距離" などの売り文句で生徒を集めているなら、そこでは天才・怪物を凡人/犯罪者に変えてしまう危険も……
 《効率を追求するあまり "異常値" を許容しない》 《その子の "資産価値" を保全したいあまり 冒険や挑戦を避けさせる》
そうすることは、その子の健全な心身の成長をも殺いでしまいかねません。
  「日本も核武装するしかない」と広言する若者が増えていますが、その意味するところを皮膚感覚ではわかっていない。 "バイトの一環" で老婆を殴り殺した学生が、「暗証番号を言わないから…… 殺す気なんかなかった」とうそぶく。 きっと、いつも側に居て心を支えたり励ましたりしてくれる人がいないまま、自ら考えることもないまま育ってしまったのでしょう。 「♪ お前もいつかは世の中の役に立てよと教えてくれた、あなたの真実…」は、時代が移り変わっても大事だと思うのですが。

刑事って 「探偵さん」?
  6月23日は、俳優のピーター=フォークの命日(2011年)です。 TVドラマ 『Columbo(米1968年〜)の演技は世界的に知られ、日本では小池朝雄さんの声とともに記憶されてます。 しかし、ピーター本人の声は、あまり魅力的に思えません(笑)。 「刑事」は本来、「巡査部長」(Sergeant Major; デカ長)、「巡査長」(Sergeant)、「巡査」(Corporal)のこと。 でも コロンボの階級は 「Lieutenant」(警部補=尉官級)なのに、『刑事コロンボ』と訳されます。
  「Detective」はよく "刑事; 捜査官" と訳されますが、ホームズのような私立探偵(PI=Private Eye)も含む概念です。 他方、Investigators」は 「Captain」、「Lieutenant」に 「Detective」など実働部隊を含む総称…… つまり、「Identification(鑑識)や 「Forensics(科捜研)なども含まれるので、通常は複数形なのです。 なお、刑事を <デカ>と呼ぶ起源は、明治時代の捜査官が角袖の和服を支給されていたから(⇒ <ソデカク>⇒ <デカ>)。 でも 関西では普通、「デカ」ではなくて 「探偵さん」と呼びます。 「Detective」の正しい翻訳ですね。
◆ 「Lieutenant」の原義は "助手; 補佐"(マレー語では「Ajung」)です。 「Commissioner」(佐官=警視+警部)の両腕となって 実働部隊を指揮する役割(尉官)なので、警察組織では 「警部 "補"」と呼ばれます。 5W1Hの作文力が必須の階級です(書けなければ "お巡りさん" のまま…)。 米国は建国以来 「自由・人権・平等」を掲げてきた国でしたが、今世紀に入ってのやり方は 「大国は何をやっても構わない」とばかりの乱行…… 「米国だけに責任を負わせるな」という言い分は理解できますが、信用を捨てています。 「米国の盟友だ」と主張する国々/人々は なぜ真摯な忠告をしないのでしょう?

米国がイスラエルと一体化?
  米国上院に上程された 「諜報権限法案(Intelligence Authorization Bill:IAA)」に、ゾッとする規定が…… 大統領が国家情報長官/国防長官を通じて "イスラエル政府との諜報共有を拡大強化する" ことを義務付けているそうです(第622条)。 「中東におけるほぼ全ての情報関連事項」について、イスラエルとの諜報共有の停止・縮小・制限を一切禁止! (明確な国家安全保障上の懸念がある場合は例外でも 大統領は 15日以内に連邦議会に詳細な報告書の提出が必要) この法案は 親イスラエル派の米国中枢が、両政府の関係を維持しようとするものです。 現在、下院で審議中の 「国防権限法案(Defense Authorization Bill:NDAA)」には "軍事統合化" が規定されてます(第224条)し…。
  なんだか 米国の政治がイスラエルに乗っ取られていくような怖さを感じます。 諜報活動においてイスラエルは 米国の敵対国……長年にわたりスパイ/地下工作活動を米国に対し行ってきました。 そんなイスラエルと軍事・諜報等の情報を共有するということ自体が、不可解で不気味です。 しかし、なんとかホルムズ海峡の閉鎖も解かれる可能性が見えてきました。 閉鎖されて困るのは、原油の減産(=汲み上げの一時停止)を強いられ、油田の維持管理に膨大な経費がかかること…… 閉鎖が長引いて油田が壊われてしまう恐怖から、湾岸産油国は米国とイスラエルに多大な金を払って停戦を頼んだ模様です。(Deal?)
◆ 20日(土)は 「世界難民の日」ですが、イラン紛争は、イスラエルが 「イランはしぶとい。 ヒズボラが攻撃を止めない」ということを理由にして、ずるずると続けています。 イラン側も 「我々の大勝利だ!」と言い続けてますから、数年は終わりそうもありません。 ウクライナ紛争も、更に数年は続きそうです。(涙)

6月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
東大駒場リサーチキャンパス公開2026 ---6月5日(金)・6日(土)、於:東京大学駒場リサーチCamp(東京都目黒区)。 ※ 生産技術研究所や先端科学技術研究センターなど、普段は立ち入れない研究室内部の見学や、世界トップクラスの最新の研究成果に触れる機会です。
Laurus STEAM FAIR 2026「INFINITY & BEYOND -SPACE & AI-」---6月13日(土)・14日(日)、於:Laurus International School of Science。 ※ 2年ぶりに一般公開! 没入型のワークショップ、宇宙をテーマにした展示、児童によるプレゼンなど、家族向けイベントです。
海外邦人安全協会セミナー---6月24日(水) 午後2時〜、於:外務精励会大手町倶楽部 (KDDI大手町ビル)。テーマ『最近の国際情勢を踏まえた安全対策と政府の取り組み』=木戸大介ロベルト(外務省海外邦人緊急事態課長)ほか。 ※ ウクライナ、ガザ、紅海周辺など、最近の状況と安全対策について伺います。
国際高専 Girls Meet STEM ---6月28日(日)、於:金沢工業大学 虎ノ門Camp.(東京都港区)。 ※ 毎年好評の女子中学生を対象にした理系ワークショップです。
TNC中国セミナー 「中国事業の戦略的再考」---[東京]6月29日(月) 於:COZY MEETUP大手町、[大阪]7月1日(水) 於:ふれあい貸し会議室 梅田No127。 テーマ 『なぜ判断できないのか? 判断に必要な情報をどう集めるか? 3つの出口とそれぞれのリアル…』。 ※ 多くの日系企業が直面する問題についてです。
[急 告] 6月24日(水) に予定されていた第100回EGS研究会は、事情により開催を延期します。 準備が整うまで しばらくお待ちください。
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日本マレーシア協会から 『より良いマレーシアのために SCRIPT(アンワル・イブラヒム首相の著書『Malaysia MADANI』の翻訳)が出版されました。 持続可能で調和のとれた多民族社会を目指す包括的な政策理念は、私たちに多くの示唆を与えてくれます。 非売品につき 照会は同協会まで。

◆ 警察官もワープロを使いこなす時代ですが、「デジタル教育」 とは 「既存の仕事の仕方のままで "便利な道具" を使うこと」から脱する教育です。 便利になることで生まれることと 失われそうなこととを 明確に把握し、人間や環境に優しい方向の選択ができる人材でありたいです。

◆ 『フレンズだより』No.86 が届きました。 今回は、我らが村田 学さん(International Education Lab 所長)が国内インター校の現状や選び方について解り易く紹介されています。 1983年に 千駄ヶ谷のマンション一室で始まった 「帰国子女の会フレンズ」の活動が 40数年も続いていること自体、驚異的です。 世話になったことに余り感謝しないのが 帰国ママたちの大半ですけど、フレンズの皆さんは 根気強く地道に活動を続けてこられてます。

◆ 4月7日から世界一周クルーズに出ている 山中 昇さん(英検1級道場)は、やっとパナマ運河を通過して太平洋に戻って来た模様(アフリカは喜望峰廻りで…)。 日本帰着は7月20日の予定ですが、お土産話が楽しみです。

◆ 私の note に 『帰国子女数の推移から考えてみる』を書きました。 「帰国子女」という用語が 我が国の経済界の要請(日系企業・団体の海外展開の必要性)により生まれ、それに煽られる形でマスコミや出版界で使われてきたことを整理し、その功罪を考える基本資料として提供します。
  『帰国子女等の「受け入れ校」の裏事情』も書きました。 日本の教育システムが 「小⇒ 中⇒ 高⇒ 大学」の "一本道" に囚われ過ぎているために、TCKs の指導を難しくしてきた面もあります。 昨今のインター校やサポート校の充実による "複線化" は心強いです。

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【2026-5】

訓練の形骸化やマンネリ化を排する
  日本の学校では、学期ごとに防災/避難訓練の実施が義務付けられています。 しかし、「命を護る行動」の指導は、ともすると形骸化/マンネリ化し易いともいえます。 かといって、最近の政府はマスコミを総動員して危機意識を煽<あお>る方針ですが、どうでしょうか? 例えば、北海道で震度4程度の地震が発生した時でも、全国放送を中断させて津波や山崩れの危険を報道させる…… 「(国民に)最大/最悪の事態を想起させる」という趣旨です。
  これってイソップ寓話の オオカミ少年(嘘をつく子ども)』と同じで、逆効果になりかねません。 あるいは 『平家物語』の 「烽火<ほうか>の沙汰」で引用される 「周の幽王」の喩<たと>えにも通じます。 平重盛が父の清盛を諫<いさ>めるため、平家の全軍を非常招集した後、「次に招集した時にも必ず集まるように」 と説きました。 「またかよ」と思われて、いざという時に何の役にも立たなくなることを、自らも含め戒めたわけです。

パーセプション・ギャップに気をつけよう
  異文化/多文化共生を考える時、「Perception Gap(自分と他者との間にある "認識の差/ズレ")に注意することも大事です。 ものの感じ方や認識の違いは、日本人同士でも、世代や育った環境、性格などの違いによっても起こるものです。
  従来 「日米貿易摩擦」が起こるたびに、「双方の認識が異なるために 両国間の誤解や不信が生じる」と指摘されてきました。 しかし、30年前頃から 「日本独自の国際認識が 他の諸国とは異なるために摩擦を引き起こす」と考えられ始めました。 例えば 19世紀までの日本人は 「西欧列強の横暴に対抗し、アジア諸民族を解放する」と本当に信じていたのですけど、日清・日露戦争に勝利すると、日本人は 「名誉白人」と自認して 他の有色人種を 「土人<どじん>」と蔑<さげす>むようになりました。 それは第二次世界大戦後も、日本人の皮膚感覚の基層に残っています。
  今日でも、日本人は 「すごいぞ日本!」といった番組を快く楽しんでいます。 また、中国や韓国で不祥事や大規模な事故があった際に、その報道を 「小気味いい」と感じる人が少なくありません。 同じものを見聞きしても 話していても 「相手がどう感じているか」に無頓着ではいけないのです。
◆ 多民族・多文化・多宗教が共存する社会において、とかく"異文化対応力" とか "異文化衝撃(Cultural Gap)" が話題になるのですが、それらは 「知ってるかどうか」になり易いものです。 でも、「相手が今 このことをどう感じているのか?」に謙虚でいることこそ、コミュニケーションの基本だと思います。

第99回グローバル化社会の教育研究会が開催される
  4月30日、俳優の加山 到さんに話題提供をお願いしました。 幼少の頃から中2まで中国の現地校に通われた経験がおありで、帰国した後の逸話の数々を伺い、それを素に話し合いました。
<帰国子女は、親の都合で海外に連れて出られて、現地の子ども文化を身に着けて帰って来る> <TCKは、異文化・他文化の運搬係ではないかと思う>
  といった言葉は、帰国生教育に関わっている者の胸にストンと落ちます。 ともすると 外国語力だけに関心が寄せられますが、現地の子どもの社会で体得してきたものこそ財産なのです。 「日本で常識とされていることが、海外ではそうではない」ことを知っているだけでも、私たちの将来を明るいものにしてくれます。
◆ 日本国内に海外育ちの人が どんどん増えています。 かつての 「中国残留孤児」たちは90歳を越えています。 後戻りできない多文化共生の社会ですので、加山到さんの 「楽しくて 優しくて 温かい教育を期待します」の言葉を噛みしめたいと思います。

「五月病」のシーズン到来ですね。
  「念願の志望校に入学できた」など 幸せ一杯の境地にある生徒ほど、入学後約6週間後には「うつ」の状態に陥ります(なので、毎年 同じことを書きます) 新入生は 「こんなはずじゃなかった」などと悩み始めるのが普通で、この時期をどう乗り越えてもらうか、様々な工夫・努力をしなくてはなりません。 とくに 不登校や "うつ的要因" をもつ生徒に対しては、入学前から保護者と連携した対応が必要でしょう。
  米国では、子どもが学校に行きたくないといっても、親が独自に判断することは許されていません。 登校させるのは親の義務であり、それを怠ると 「Neglect(職務怠慢)」の罪を科せられます。 親にとっても辛いのですが、そのまま放置すると 子どもは学校に対する抵抗感・恐怖感を次第に増していくからです。
  臨床心理士の久保田 須磨さんの話では、日本人家庭だと、警察が乗り込んできて警告を発すると改善に向かうそうです。 もし 既に何らかの精神的障害が生じていたりすると 「医療ネグレクト」、さらに深刻な状況まで放置していたことが判ると 「児童虐待」の罪にも問われるとか。 「"学校任せ" では何も解決しない」という考え方です。
◆ 不適応症状に対して 「学校で何とかして欲しい」という保護者も多いのですが、最近は、他に対策も考えないまま 「無理して学校に行かなくてもいい」と考える保護者が増えました。 その背景には 「就学義務」の考え方の違いもありますし、サポート校やインター校のブームもその一因なのでしょうかね。

"不適応症状" の主たる原因は "環境の変化"
  入学・就職(→5月病)だけでなく、マイホーム購入や転居(→引越うつ病)、出世(→昇進うつ病)などもあります。 身体はどこも悪くなくても、痛みや下痢、吐き気、めまいなどを伴うため、不安感やイライラすることが増えるのです。 海外赴任・帰国の際も同様であることは間違いありませんが、父親が先行赴任・単身赴任する場合も要注意。 残される家族にとっては 立派な "環境の変化" ですから、同じ症状が心身に生じます。
  しかし、「誰にでもあるんだ」という予備知識と心構えがあれば、多くの場合、比較的軽く済むのが普通です。 誰かの環境や立場が変わったら、家族や知人、学校や職場の仲間同士で声を掛け合って乗り切るようにしましょう。
  また、この時期には、学校にも「苦情に近い質問や要望」が殺到します。 生徒も保護者も、新しい環境に慣れるため緊張の毎日を送ってきたわけです。でも、それは教員も同じでして、単なる質問を "非難" と受け取り易いデリケートな心理状態にもなり得るのです。 昨今は 「家庭訪問」という地道な活動が難しくなっています。 教師の "働き方改革" も進んでいます。 それでも保護者懇談会や面談などの機会を利用して、お互いにコミュニケーションに努めましょう
◆ <私たちの思考が 「原因」であり、私たちの見るものが 「結果」である。 人を非難するとき、最初に傷つけられるのは自分自身である。 私たちは、この一瞬一瞬を生まれ変わって生きている。 幸福は自分の外側からはやってこない。> (ジェラルド・G. ジャンポルスキー)

海外育ちの子は感知器が多い?
  4歳までインドネシアで育った我が長男は、「あれ? これ変だな」という疑問があれば 誰かにぶつけて確認しようとする子になってました。 でも、小学1年の担任は授業計画どおりに授業を進める先生で、彼の不規則発言は放置されることが多かったようです。 そのうち、話し相手になってくれるお兄ちゃんたちがいる2年生の学級に、勝手に行って遊ぶようになります。 2年生の担任は 長男をそのまま受けとめ、指導もカウンセリングもしてくださいました(心より感謝しています)。 長男は次第に自己管理できるようになったものの、体は1年生の教室にあって心は2年生の教室に飛んでいたようです。 7月末の彼の誕生会に集まってくれた友達は1人を除いて全員が上級生でした。
  数年間を海外で育つことで、いろんなことを察知する(感知器のような)力を獲得する子どもは多いようです。 子どもなりに "生き残る(Survive)ための闘い" を続けた結果なのでしょうが、そのことが却って重荷になる場合も…… 帰国(=異なる環境に移動)後、幼い頭脳では処理しきれない多量の情報に襲われ 混乱してしまう子が少なくありません。 そのためか、「周りの子から浮いたり誤解されたりすることが多かった」と回顧する "海外育ちの子" は多いのです。
◆ TCKsは 「器(Capacity)が広くなっている」ことが多いのですが、その重荷を背負って彼ら育っていきます。 彼らが 「それは障害ではなく個性なのだ」と信じ生きていけるように、周りの大人は彼らの自尊心を守って上げたいものです。

「きちんとする」って何よ
  私たちは子どもに対し 「きちんとしなさい!」と言うことが多いのですが、「きちんとする」は実に曖昧な概念です。 英語の 「Neat」でも、「いいね; 素敵だ; 素晴らしい」「綺麗好きな; 身だしなみのよい; 整った」「清潔な; すっきりした」「うまい; 的確な; 巧みな」等々、様々な意味があるのです。 だから、TCKs(海外育ちなど何らかの異文化的な背景を持つ者の総称)に 「きちんとしなさい!」と言うと、彼らは混乱や思考停止に陥りかねません。 「何が "綺麗" なのか?」「どうすれば "整っている" なのか?」等が、人と場合によって異なっていたりしますから……
  とくに 学校には 「本音と建て前」がたくさんありますので、子どもの眼には、矛盾や "好い加減さ" に満ちて見えます。 我が長女は 一度 「きちんとしなさい」と言われた状況は きめ細かく覚えていて 二度と指摘されないようにしてました。(呆れるほどの集中力・記憶力ですね (苦笑)) TCKsは「なぜ "変わったこと" をしてはいけないの?」「皆が違っているからこそ 楽しいのに… 」と考える子が多いようです。 「皆で(いっしょに)同じことをする」を子どもたちに強制するよりも、彼らの自由な発想を受け入れるほうが、明るい未来を創り出してくれるのではないでしょうか?
◆ 長女は、教師が言ったことは細かく覚えていて、もし教師の発言がそれとズレると許すことができず、その先生を追及していた模様です(苦笑)。 10数年後、「今思うと、私は "嫌な子" だったね」と本人は述懐してますが。  私の note に『「変わってる」って何なの?』を書きました。もう30年以上も前の話ですが、私たち家族と周りの皆さんとの「Perception Gap」(認識の差/ズレ)に悩まされる日々でした。
◆ 英語の 「Neat」が物に対して用いられると、「小ぶりな; 可愛い」「混ざり気のない (Pure)」の意味もあります。 英国のバーで 「スコッチをストレートで」と頼む時 「Scotch neat, please.」で通じます。


5月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
きみも研究者!親子で化石発掘チャレンジ---5月4日(月)〜6日(水)、於:IMAGINUS (東京・高円寺北)。 ※ 世界最古級とされる魚竜化石や新種発見が相次ぐ希少な化石資源をもつ南三陸町の魅力を紹介します。
JOESキャリア教育イベント(On-Line)---5月24日(日) 日本時間午前11時〜、テーマ『ことばの力で勝利に貢献! スポーツ通訳士というお仕事』=小林 至 ((一社)スポーツマネジメント通訳協会 会長) ほか。 ※ TCKの経験や語学力は スポーツの現場でどのように仕事に繋がるのでしょうか?
TNC中国オンラインセミナー---5月26日(火)、テーマ 『BYDを徹底解剖--- 数字から見た実力』=呉 明憲 (TNCリサーチ&コンサルティング代表取締役)。 ※ 低迷するBYDの再生方略の分析は、日系各社の対中戦略立案や競合分析、投資判断の一助となるはずです。
☆ 国際高専オンライン進学説明会---5月30日(土)。 ※ 国際高専は 15歳から英語でテクノロジーを学ぶ高等教育機関で、世界の起業家も注目。帰国生に人気の白山麓キャンパスは一見の価値があります。 注)「Girls Meet STEM」(6/28)は別便にて。
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◆ 「帰国子女は国の宝」と持ち上げられた時代もありましたが、その多くが 「便利な人財」の発想で捉えられていました。 ましてや 「経済(産業)戦士」として期待されることには、TCK本人は戸惑ったり拒絶したりしてきたのです。 「帰国子女問題」とは一体 何だったのか? という根源的な問いが頭をもたげてきます。

◆ TCKは 「生き残りを懸けた必死の努力/緊張感」があるからこそ 言語力や状況把握力、あるいは コミュニケーション力などを身に着けたのであり、決して楽に習得してはいません。 福沢諭吉の 『学問のすゝめ』の2ページ目に 「賢人と愚人との別は、学ぶと学ばざるとに由りて出来るものなり」と書かれています。

◆ 人として一日を生きるということは、大変なことです。 失敗もし反省もして、その中で幸せを見出して感謝して、明日へ進む力としましょう。 依頼心(他人に頼むこと)や偶然(幸運・奇跡など)で、幸せは得られないのですから。

◆ 4月30日(木)に行われた 第99回グローバル化社会の教育研究会(EGS)の前半部分を YouTube で公開しました。 note 『ぐるる』の説明を読んでから、動画をご覧ください。

◆ 「音楽で日本史をもっと面白く」を提案される YouTuber学べるMUSIC」さんは、会社員なのだそうです。 オリジナル楽曲と映像で表現される日本史は、秀逸! note では、動画で描ききれなかった歴史背景を深掘り…… 楽しみながら歴史を学ぶ入口に立てます。 ダンス部にも喜ばれますよ、きっと。

◆ 「終活」の断捨離をする一方で、古い資料の発掘/復刻の作業も進めてます。 その一つが過去のVTRデータです。 例えば、高畠通敏先生の古希記念インタビュー(2003年秋 収録)は、高畠ゼミOB・OG会で閲覧できる形にできればと考えています。

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