子女教育ニュース |
| 担当: 国際教育相談員 小山 和智 facebook note |
| 海外人事や教育関係の実務担当者の皆様に配信しているニュースの一部を、 一般の皆様にも公開します。 教育相談などについては 「教育相談から」を。 |
| 2026年 3月、2月、1月、2025年 9月〜12月、5月〜8月、1月〜4月、2024年 9月〜12月、5月〜8月。 |
| 【2026-4】 ◎ 新年度のスタートです。 つい 「Boys, be ambitious!」 と言いたい季節ですけど、札幌農学校(現 北海道大学)の初代教頭(実質的な学長)ウィリアム・S・クラーク博士は、わずか8ヶ月だけ在職していたんですね。 今でいう 「1年のサバティカル(Sabbatical)休暇」を利用した赴任ながら、我が国に与えた影響の大きさは計り知れません。 マサチューセッツ州の名門私立アマースト大学(Amherst College)の卒業生で 24歳でドイツに留学(博士号取得)。 2年後に帰国し、すぐに母校の教授に迎えられるほど優秀でした。 その時の教え子に 新島 襄(同志社大学の創立者)がいます。 19世紀後半、世界各国の産業振興の主眼は農学の教育/研究に置かれていて、農学部は最先端科学の府でした。 クラーク博士は 「科学・実践農学」の初代学部長(27歳)になりますが、4年で頓挫…… その失敗から 新しい農学部には新しいタイプの教育組織が必要だと悟ります。 南北戦争が始まると大佐として従軍(35〜36歳)、そのまま軍に留まっていれば将軍になっていたでしょう。 その頃にマサチューセッツ州は、農科大学(現 マサチューセッツ大学)の設立準備を進めていて、博士(41歳)は学長に就任します。 9年後、日本政府から懇願されて、学長の身分のまま 優秀な教え子(こちらは3〜4年任期)を引き連れて来日しました。 翌年以降も 次々と派遣教員や教材を送ってくれたので、札幌農学校は日本の近代化を支える人材を多く輩出できました。 ◆ 札幌農学校からは 佐藤 昌介(北大初代総長)、新渡戸 稲造、内村 鑑三など輝かしい人材が多く巣立ちます。 また、派遣教員の中に建築学・土木工学などの専門家も多く、橋や道路の整備、札幌−小樽間の鉄道など 全国に先駆けた経済基盤整備/技術移転が進みました。 ◎ 第99回グローバル化社会の教育研究会(EGS)の開催 4月30日(木)、俳優の 加山 到<いたる> さんに話題提供をお願いしました。 父親の仕事の関係で幼少期を香港、少年期を北京・上海で過ごし、現地校で学ばれています。 数多くのドラマや映画、演劇などで俳優として活躍されている加山さん。 なかでも現地で身につけた中国の人の身のこなしや中国語を生かして出演した作品のリストは圧巻です。 しかし、例えばテレビドラマを観ていて中国語を話す人が登場したとき、皆さんはどんな感覚や印象を抱いてご覧になるでしょうか? それは、英語を話す人が出てきたときと同じでしょうか? 違うとしたら、どんな点が異なった感覚/印象になるのでしょうか? 無意識の内に湧いてくる感情や想い、あるいは皮膚感覚…… それらが増幅し過ぎると、差別感や嫌悪感、拒否反応にもなりかねません。 映像制作の現場で 加山さんが実際に体験してこられたことの中から浮かび上がってくる日本社会(=視聴者)の偏りは? それらは多文化共生教育にも直結している課題であるはずです。 大いに語り合いましょう。 ◎ 4月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ★ ドキュメンタリー映画 『チップ・オデッセイ/台湾の賭け』上映会---4月13日(月)、於:早稲田大学 井深大記念ホール。 クロストーク 『台湾半導体産業/TSMCの歴史を振り返る』=林 宏文(「TSMC世界を動かすヒミツ」著者)・野嶋 剛(ジャーナリスト)。 ※ 昨年 台湾で公開されヒットした映画の東京初上映です。 ★ 第99回グローバル化社会の教育研究会(EGS)---4月30日(木)、テーマ:『映像・演劇分野における中国語(含 マイノリティ言語)の正確性の意義』=加山 到 (俳 優)。 ※ 映像制作の現場で感じられる日本人の "異文化感覚" について話を伺い、多文化共生について考えます。 [お勧め資料] 東京学芸大学附属学校情報教育部 2025年度公開セミナー「GIGAスクール構想とデジタル学習基盤」 ※ 生成AIを 授業や学習活動の中でどのように位置づければよいか、などについて学べます。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆ 札幌農学校は1872年、東京の芝増上寺の境内(現在の御成門小学校東側辺り)に 「開拓使仮学校」 として開設されました。 北海道開拓に当たる人材の育成を目指したもので、3年後に札幌に移転します。 翌年の開校式に合わせて、クラーク博士一行は来日したわけです。 ◆ 21日(土)、International Education Lab に行ってきました。 多くのインターナショナルスクールの中で 一際目を引いたのが、茨城県立高校の水海道一高・附属中が 参加していたこと。 福田 崇さんの講話は圧巻でしたが、同校の中学・高校生のプレゼンも素晴らしかったです。 ◆ International Education Lab には芝浦工大柏も参加してました。 10年前まで校長だった 菅沢 茂先生には、上海日本人学校の高等部設立でお世話になりました。 また、佐藤 栄一先生は 4月からバンコク日本人学校に赴任されます。 他にも多くの政府派遣教員・現地採用教員の方が赴任されます。 Selamat jalan! Bon voyage! 祝ニン好運! ================================================================================================== |
| 【2026-3】 ◎ 「砂川事件」を覚えてますか? 法学部の学生に限らず 教職課程を受講する場合には、憲法の履修が義務づけられています。 当然ながら皆、「砂川事件」も目にしているわけですけど、社会人となって以降は 認知の外になっているのが普通です。 1957年 米軍立川基地の拡張計画に反対するデモ隊の一部が基地内に入ったため、(拡張予定地の)砂川町の住民が逮捕・起訴されます。 基地拡張に反対する住民たちは、「米軍が日本に留まることは憲法第9条に違反する」 として無罪を主張しました。 1959年12月に最高裁大法廷の(実質的には有罪の)判決が出ます。 <日米安保条約のような高度な政治性を持つ案件は、一見して明白に違憲無効でない限り、裁判所は違憲判断をしない> という趣旨…… いわゆる 「統治行為論」の登場でした。 以後、憲法第9条を骨抜きにしようとする保守勢力の格好の拠り所となり、今日に至っています。 1967年 社会主義の美濃部 都知事が就任したため、米軍は土地収用ができないと判断、立川基地の拡張を断念します。 住民側は法廷闘争を続ける一方で、砂川町に 国立<くにたち>音楽大学を誘致するなど、基地拡張の計画が再燃しないよう手を打ち続けました。 ◆ 「砂川事件」の住民運動をリードした宮岡 政雄さん(専業農家)は 一貫して非暴力闘争を訴えていました。 <一人ひとりの人間が尊重される世の中が、憲法9条が訴える平和の世の中である> 日常の中で常に眼を見張り 想像力を持って生きていくことが平和を守ることだと、生涯訴え続けた人生でした。 ◎ 憲法第9条と 「統治行為論」 米国では、50年経過すると 秘密外交文書が公開されます。 2008年、砂川事件の係争中に 最高裁の田中 耕太郎長官と駐日米国大使が密談していた記録などが発見されました。 (当時の岸信介首相は 司法の独立を無視して暗躍していたわけです) それを受け、罰金刑を受けていた4人を含む住民側は、一連の再審請求運動を始め、2024年1月まで 法廷闘争は続きました。 でも、東京地裁は やはり 「統治行為論」 に従って請求棄却の判決を下しました。 2014年 安倍晋三首相(岸の孫)は 「集団的自衛権の限定的行使」を容認する閣議決定を行ない、安全保障関連法を制定させます。 これに対し、2015年の衆議院憲法審査会では、憲法学者3人全員がこの法案を憲法違反だと指摘しました。 しかし、その直後に、内閣法制局長官は 「従来の政府の憲法解釈との論理的整合性は保たれている」と強弁しました。 もはや 学校現場でもマスコミも そうした経緯を教えないことにする一方、有権者の年齢が満18歳まで引き下げられました。 太平洋戦争の体験者が次第に姿を消し、戦争の記憶も反省もなくなる中、若者は 「現実的な行動」を求められる社会…… 偏差値偏重教育を受けて育った国民が多数派となった今、平和への理想を どう追い求めるのか、真剣に考えたいものです。 ◎ 「分断支配」を覚えていますか? 高校時代に学ぶべき基本用語に 「分断支配= 分断して統治せよ(Divide and Rule)」 があります。 弱者同士を分裂させ 相互に争わせることで、支配層/有産者側が統治を容易にする方略(Strategy)のことです。 征服した地域の住民を 宗教や階級で分断したり、教育や待遇に差をつけて相互にいがみ合わせるのは、帝国主義の基本。 江戸時代の 「士農工商」も、それぞれに 「自分は彼らよりはましだから」と感じさせ、抵抗を諦めさせる仕組みでした。 現在の日本では、国民に序列をつける= 全てに偏差値偏重の考え方を徹底…… 「自分だけは少しでも(こっそり)得したい」 「何とか "勝組" に入ろう」という衝動を煽<あお>る…… そうすることで現状に甘んじさせ、その形を維持しようとするわけです。 これは、明らかに民主的な社会の実現に逆行するので、学校教育では これを戒め 悪用しないよう教えます。 しかし、その一方で 「1点でも高い点を取れ!」 と子どもに迫ると、子どもたちはやはり 「少しでも上へ」 と考えます。 その結果として、誰かを排斥したり差別したり、あるいは蹴落すことで自分だけ這い上がろうとする…… その "落とし穴" に誰もが気づき、回避できる社会に変えていく知恵と意志を持つことが、平和の実現には不可欠です。 ◆ 本当に心強い人材は、自分の良心をしっかり持っている人です。 相手の存在を好き嫌いで考えず、相手の言動や考え方に個別に判断していけるスタッフは、頼りになります。 しかし、"自分らしさ" を出せる人は そうでない人にとっては脅威で、嫉妬もされ、陰口を叩かれたり仲間外れにされたりし易いのです。(苦笑) ◎ 偏差値偏重の風潮に抵抗する 「分断支配」 に対抗し、お互いが社会の中で幸せに生きていくための知恵の第一は、「他の人と比べない」という賢さではないでしょうか? 各々が持って生まれた素質や身体的特徴は異なるし、育った環境も人との出会いも様々であることが当たり前です。 そうした所与の条件を 誰かのものと比べて、喜んだり悲しんだりすること自体が無意味…… 他人と異なることを恐れず、その個性を最大限活用して人生を切り開いていくしかないと思うのです。 ある帰国生が 「It is what it is.(現状を受け入れよう)」 と よく言うので、私は叱ったことがあります。 「状況を受け入れる(私にできることは何もない)」 と言ってしまえば 何も解決しない、と。 でも、それは私の誤解で、彼は 「自分に与えられた条件を最大限に生かし切る」 と言いました。 <自らの思考やスタイルを自分自身で考え抜くんです。 無理して周りの子に合わせたりする気などありません> と。 彼は自らの良心のみを頼りに、群れることなく独りでも闘おうというのです。 まだ あどけない顔をした彼に 私自身が励まされたように感じました。 ◆ 学校現場で職業観や職業倫理の教育が大事とされるのは、"ただの秀才" では 時に 反社的な判断や執行をし易いからです。 仕事には "リスク(悪い事象が起こる可能性)" を負うことが必須(それに対して対価が与えられる)なのに、偏差値偏重教育では、リスクを負わずに給与を欲しがる輩ばかり作ってしまいます。 ◎ "ただの秀才" を採用する愚かさ 年度末に限りませんが、「面談では大丈夫と言っていたのに、突然の辞退/退職届…」 などと悩む管理職や人事担当者が続出しています。 前回も書きましたように、学校歴だけに頼って 「リスクを負わずに給与を欲しがる輩」 ばかり採用してきたツケです。 始末が悪いのは、そういう採用を何十年も続けてしまった結果、50歳代の管理職まで "ただの秀才" であることです。 セクハラ、パワハラ、モラハラ等も当たり前…… 自分の評価ばかりを気にして 周りの人の心の痛みに無頓着なのです。 そんな世相を反映して、管理職/人事担当者の研修が大流行です。 曰く、「○○だけでは組織の疲弊は避けられません」 「部下のメンタル強化に努めましょう」……等々。 まるで 「××に通わないと、合格は覚束ないですよ」という怪しい学習塾の論法です。 まともな学習塾なら、その子が通学している学校のやり方を踏まえて基礎力を養い、たとえ失敗しても自ら立ち直り、学び続けるように指導します。 そして、相手の存在を好き嫌いで考えず その言動や考え方に個別に判断していける人財に育てることに留意しています。 そうやって育った有望な人財を "ただの秀才" が食い潰していく組織が繁栄できるはずがなく、暗〜い空気が漂います。 学校現場としては、それを見越して子どもを指導するしかありません。 つまり、他人の評価など気にせず自らの良心で判断し、挑戦を続けられるように…… ◆ NHK大河ドラマ『べらぼう』の平賀源内の台詞…… 「わがままを通すっていうのが自由に生きるってことなんだ。わがままに生きてるんだから、多少のキツイことはしょうがねぇや」 でも、キツイのが嫌で わがままを通そうとする怠け者には、何と言ってやれば好いのでしょうねぇ。 ◎ 教科書はなぜ分厚くなるの? 福田 崇さん(水海道一高)が先日、FaceBook に 「教科書が丁寧かつボリューミーなんです」と書かれていて 共感しました。 日本の教科書は本当によくできていて内容が豊富、でも… <先生はみんなまじめだから、それに沿って授業を組み立てて、ああ、終わらないとなってしまう> <(文科省は)教科書は参考にするだけでいいと言っておきながら、強烈な不信感漂う綿密な指導書としての教科書を配布している> 教員養成大学の(無)責任…… 「これだけは最低限やれ」 と言いながら、あれもこれもと加えていく文化もあるんですよ。 さらに教員養成大学には附属学校が併設され、「10年先に導入される(最先端)教育」の実験データが採られてます。 当然 「上手くいかない事例」も生じるわけですが、その子の保護者は 「絶対に嫌だ」と考え 家庭教師/塾に頼ります。 そのデータに基づいて文科省が採用する方針は、全員が家庭教師/塾の指導を受けていることが前提となっています。 そんな教育行政を何十年も続けられた結果、家庭教師/学習塾は事実として社会に不可欠な存在となりました。 学校の通常の時間数では 教科書の内容を全ては教えられず、保護者が不安になって子どもに悪影響が出るからです。 かといって教科書の内容を減らせば、教員も保護者も不安になって副教材を増やします。(2002年度の悲劇!) ◆ 教員養成大学の教授は 教科書出版会社と癒着しているから仕方ないのですけど、製薬会社と癒着している医師会と同じで、あれもこれもと盛り沢山の教科書/指導書を作る…… 利権構造になってるのです。 泣くのは 教員と子どもです。 ◆ 一条校の教員の多くは偏差値信者なのですが、「全部教えておかなくては…」という強迫観念に苛まれています。 だから、海外の日本人学校でも学習塾等の協力なくしては成立しません。 そうしないと小学4年が終わると一斉に帰国され、経営難に陥る一方、探究学習ができなくなるからです。 ◎ 3月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ★ 立教大学共生社会研究センター公開講演会 『高畠通敏の政治学再訪』---3月7日(土)、於:立教大学14号館。 講師:都築 勉(信州大学名誉教授)。 ※ 講演とトークセッションを交え 高畠が切り拓いた政治学を再読して、今日に生きる市民にとっての「政治の発見」の手がかりを。 ★ JACTFL 第14回シンポジウム--- 3月8日(日)午前10時〜、於:上智大学四谷Camp.、テーマ 『外国語教育の未来を拓く--- 共感を育む複言語教育』。 ※ 「多様な外国語を学ぶ高校生の声」は必見! ★ 企画展 「ドルポ―西ネパール高地のチベット世界」---3月12日(木)〜、於:国立民族学博物館(大阪府吹田市)。 ※ 写真家・稲葉香の珠玉の写真や 国立民族学博物館・武蔵野美術大学などが所蔵する貴重資料が展示されます。 ★ T-ARTワークショップ in ふくやま--- 3月14日(土)、於:福山市泉交流館(広島県福山市)。 ※ 外国人と触れ合いたい人(小学生以上)が対象。 演劇やダンスなどを取り入れた体験型ワークショップです。 ☆ 小学館せんせいゼミナール研修会(On-Line)--- 3月15日(日)、テーマ 『愛着障害のこどもが育つ! 担任の心構えと具体策 2026最新提案』=川上 康則(臨床発達心理士)・藤原 友和(北海道公立小学校教諭)。 ※ 急逝された米澤好史先生との共著の内容に沿った 最新の知見と提案です。 ★ Int'l Educaton Lab 未来の進路と学びのフォーラム--- 3月21日(土)、於:エムプラス(丸の内三菱ビル)。 ※ 子どもたちが自分らしく学び続け、これからの社会で活躍していく姿を思い描けるような視点と情報が提供されます。 ☆ TNC 中国セミナー (On-Line)---3月24日(火)、テーマ 『日系製造業の生存戦略--- 中国製造業との対峙』=呉 明憲(TNCリサーチ&コンサルティング代表)。 ※ 日本と中国の製造業を構造的に比較し、方略の立て方を提案します。 ★ TJF <モリトクラシト・メカニクス 11>---3月28日(土)・29日(日)、於:日置市伊作地区公民館(鹿児島県)。 テーマ 『竹で家を作る 2日間で 「すみか」を作ろう』=オノケン(建築士)ほか。 ※ Reciprocalな構造を観察し、竹を使って自分の手で "住める家" を造る体験学習です。 [中高生募集] 多言語・多文化交流 「パフォーマンス合宿in東京」--- 3月26日(木)〜29日(日)、於:大学セミナーハウス(東京都八王子市)。 ※ 演劇やダンスを媒介として若者同士の交流を図るユニークなプログラムです。(受付 2/22まで) ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆ 「群れない人」というと "他人の疲れや感情、辛い事情などには無頓着" と批判され易いのですが、実際は逆です。 "ただの秀才" こそ鈍感で無責任…… 「群れない人」の方が常に相手のことを気遣える優しさを持っているものです。 組織の長や人事担当が "ただの秀才" だと、その職場は暗〜くなります。 ◆ 私は最近、学校の立て直しを相談された時には、学習塾と上手く連携をとるよう助言しています。 他方で学習塾の先生にも、意識改革をお願いしています。 よく 「学習塾の味方なの?」 と聞かれますが、私は子どもの味方です。(*^^)\ ◆ 高校野球でも 「指名打者(DH)制」("投手に代わって打席に入る選手" を指名するルール)が導入されました。 大谷祥平選手の活躍で、公認野球規則の規定もどんどん変わっており、指導者が判断に困る場合も増えるでしょうね。 審判だとなおさら…。 ◆ 安倍政権の 「新しい成長戦略:3本の矢」 を覚えてますか? 「金融緩和」 「財政出動」 「規制緩和と成長分野への資金の集中投入」 でしたが、なぜか2本目の 「2012年度予算からの切れ目ない財政支出で需要を生み出す」 だけは "放置" でした。 高市首相も "やる素振り" の空手形で人気を得ようとしています。 ◆ 1989年に消費税が導入されて30年を振り返ってみると、消費税収入とほぼ同額の法人税収入が減っているそうです。 消費税は、国民から税金を吸い上げ大企業の減税を実現するシステムで、さらには輸出企業には 「還付金」 として "益税" をもたらしている…… 経済が活性化されるはずがありません。 ◆ 仏教のお経は 「如是我聞<にょぜがもん>」といった言葉から始まると聞いたことがあります。 「お釈迦様がこうおっしゃった」 ではなく 「私は、こうお聞きしました」 という謙虚な姿勢が、仏教徒の基本として定められていると…。 そうかといって 「軍備を拡張します」 と首相が言った場合は、放置しかねます。 ◆ 私の次女は、明るさだけが取り柄です。 嫁いで4年になるのに、まだ引越荷物の段ボールが山積みのまま…… 掃除も炊事も下手な娘のことを婿殿に詫びたところ、「人にはできることと できないことがありますよ」 と諭されました(否定しないの?(苦笑))。 まあ、娘が幸せならそれで好いのですけどね。 ================================================================================================== |
| 【2026-2】 ◎ 外国語を学ぶ楽しさ 満60歳を過ぎてから外国語を学ぼうとする人は少なくありません。 それも英語以外の言語の人気は格別です。 中国語や欧州の言語だけでなく マレー語、アラビア語、ヒンディー語、ベンガル語などに挑戦する姿は頼もしいです。 定年退職後であれば、その言語の国に出かけてしばらく滞在したりするのも楽しいです。(家族には一目置かれる?) ある程度まで習得が進めば、翻訳や通訳を頼まれる可能性も出てきます。 少数言語だったら、謝礼をもらえるかも……。 少数言語の場合、同好の人との出会いや交流も楽しく、「今日 用(教養)がある」と出かける機会も増えるでしょう。 「今日 行く(教育)所がある」と出かけることができれば、「濡れ落ち葉」などと嫌がられることもないでしょう。 でも、最も大きい効果は "学び" の喜びと脳の活性化。 適度な緊張や運動が心身両面の若返り効果を生むのです。 明るく前向きに老後を送るためにも、生涯学習を楽しめる習慣を幼い頃から家族一緒に養っていければと願います。 受験勉強に追われている若者たちを見るにつけ、つくづくそう思います。 ◆ 外国語を学んでみると、日本語の中に東南アジアの稲作文化、中国文化、インド文化、西欧文化などからの借用語が無数、いや大半であることに驚きます。 解れば面白くなるし、自分の中に既にある知識への "気づき" が、"学び" の実感になるのです。 AIなんかにその楽しみを盗られませんように。 ◎ "精神的な強さ" とは? 精神科医で作家の樺沢 紫苑さんの呼びかけは 胸に刺さります。 <精神的な強さとは、鋼のような強さではなく 暖簾<のれん> のようなふわふわとした感じ……物事を真に受けず、肩の力を抜いて緩やかに生きよう> 最近、不登校や学習不振の生徒について 「Resilience」のなさが よく指摘されます。 衝撃・打撃を受け流したり回復したりする力…… 危機に直面しても、正常な平衡状態を維持/回復することができる能力…… いわゆる "打たれ強さ" は学習の上でも大事なのです。 樺沢さんは、スマホの長時間使用が "ものを考えたり判断したりする脳の中枢" の機能低下を起こす点も指摘されます。 集中力・記憶力・処理能力・コミュニケーション能力などの基盤が阻害されて "学び" や適応力も 十分に得られないとのこと。 さらに、"我慢する力" が弱まるので 依存症になり易いとも話されます。 過去10年間で発達障害(の患者)が10倍に増えたのは、発達障害の傾向がある人がスマホの依存症になるからとも…… よけいに脳の思考/判断機能を下げてしまって、病院に殺到しているのだそうです。 オーストラリアで昨年9月、16歳未満のSNS使用が禁止されました。 先月末にはフランスで、15歳未満のSNS使用禁止が下院で可決されました。 政府が禁止するのは別の意図も見えてしまいますが、子どもに何らかの助言をする責任が周りの大人にあると思います。 ◆ 「スマホ依存」を樺沢さんは、10代の場合は "うつ" のリスクが3倍に増え、自殺率は1.8倍に増えると話されます。 私は 「誰でも発達障害の因子を持っている」と考えていますので、スマホ依存は絶対に避けさせたいと思います。 ◎ "歪な秀才" を生んだ東京帝国大学 東京大学の起源は 「昌平坂学問所」(湯島聖堂:現在の文京区湯島1丁目)といわれています。 「昌平」は 孔子の故郷(中国山東省曲阜昌平郷)のことですが、神田明神の前にあった 「尚平坂」とは無関係でした。 しかし、その名前を気に入った5代将軍 徳川綱吉が、上野の聖堂(林羅山の私塾)をここに移転させ、「昌平坂学問所」と命名しました。(後に 「開成所」「医学所」を統合して 東京帝国大学になります) また、坂下の内堀にかかる昌平橋は、江戸時代には 「相生<あいおい>橋」 とも愛称されるデートスポットでした。 1871年、その南に 「共立学校」(後の都立戸山高校/開成高校)が開校、実に多くの東大合格者を輩出します。 「薩長」(鹿児島県・山口県)の出身者は特別に優遇されていたとはいうものの、競争率は極めて高く、誰にとっても "狭き門" でした。 それなのに、庶民の感覚とは大きく離れた "歪な秀才" たちは、やがて偏狭な軍国主義に染まっていきました。 ◆ 「尚平坂」は 昌平坂学問所ができてから、外堀(神田川)沿いの急な坂の名前になりましたが、「相生坂」とも呼ばれます。今は道路が拡幅・平坦化され、昌平橋からお茶の水橋(東京科学大学の正門前) までの長い坂になっています。 ◎ 兵站と現実主義 「站<たん; zhan4>」 という字は "駅・停車場; 施設(Station)" の意味です(例えば、東京駅は中国語で「東京站」)。 軍事的にも 「食糧や装備を供給する場所=駅」 は大事な場所で、「兵站」 は戦争遂行能力の根幹に関わっています。 英語でいえば 「Military Logistics」ですけど、「計算を基礎にした軍の活動」 というのが語源です。 中国の周恩来やケ小平、葉剣英など軍の幹部も 「兵隊と人民をどう食べさせるか」の現実主義&エキスパートでした。 ところが日本では、昭和の初期からこの 「兵站」の発想が軍部中枢で失われ、食糧や装備は 「現地調達」を基本に作戦を立てるようになります。 攻められる方からすれば "強盗" でして、何十年経っても残るほどの恨みを生んでいきました。 第二次安倍政権の成立直前(2012年7月)に 不破 哲三さん(日本共産党)が こう演説してます。 <太平洋戦争に動員された軍人・兵隊の内、2百数十万の戦没者を出しました。 しかし、その大部分は 戦って死んだんじゃありません。 半分以上の百数十万は餓死者、飢えて死んだんです。 それは食料補給の手立ても講じないまま何万・何十万の兵隊を前線に送り出した結果でした。 自国の軍隊を、その人命をこれほどまでに軽視し無残に扱った戦争は、世界史にも他に前例がないものです。> 6日(金)、第98回グローバル化社会の教育研究会(EGS)でも 「中国人の現実主義」がキーワードの一つとなりました。 「自分たちがどうやって食べていくか」 を真剣に考えることを忘れてしまった日本人からすれば、恐ろしい? いつの時代でも、異なる背景の人ときちんと向き合い、教えるべきことは教えながら付き合っていくことが大事です。 相手や事象をよく観ていないからこそ恐さが増し、憎悪や紛争の種になるのですから。 ◆ 不破さんの演説は、「薩長」の出身者が優遇され 富を独占する社会の危うさを、見事に言い当てていました。 「大蔵省」を「財務省」と呼ぶようになってしまった現在の日本人は、"現実離れ" の危うさに鈍感になってないでしょうか? そんな人間ばかり育ててしまった日本の教育も情けないですが、教師に何の準備もさせず支援も対策もしない政府は、あまりにも無責任です。 いや、そんな状態なのに外国人をどんどん流入させている政治は、太平洋戦争の時期と同じく愚かで有害といえます。 ◎ 基本方針を定めないままの移民の受け入れ 10年前、シリア難民を含む中東の人たちが約700万人欧州に流入しました。 地域によっては住民の3割以上が移民となり、医療機関や学校の現場で "悲鳴" が上がる事態も発生しました。 地域社会で 「既存の文化や共通の価値観が壊され、どこの国なのか分からない」といった反発も…… これは決して移民が悪いということではなくて、問題は 受け入れる移民の数(増加の速さ)と受け入れ準備の不足です。 「自国の文化・教育・治安・価値観などをどう統合していくのか?」 という基本方針を決めないまま 急激に受け入れると、混乱が生じて当たり前です。 日本でも、国としての何の準備もせず何の議論もなく、急速に "外国人労働者" を入国させています。 日本の生産者人口(満15〜64歳)が どんどん減り続けており、人手不足から倒産する事業者も続出しているからです。 しかし、海外から優秀な人財を誘致したいのであれば、平和で魅力ある社会=多文化共生の社会にする必要があります。 地域社会に多様な文化があることは、本来 楽しいはずです。 移民の受け入れは多文化共生教育や包摂教育を徹底し、国民への理解・協力も求めながら進めるべきです。 さらにいえば、そうすることで、あらゆる少数派(マイノリティ)・弱者が暮らしやすい社会を実現できます。 偏差値偏重教育や 「進学実績優先主義」の学校では切り捨てられている課題ですけど、わが国の将来が懸かっています。 ◎ 第98回グローバル化社会の教育研究会(EGS)の開催 16日(金)、話題提供の木村 正文さんは、「地域社会での共生:ルール作り、防災訓練、夏祭り」「保育園、幼稚園、小中学校での外国人受け入れ」「日本語学習、英語・外国語学習、健康面の基盤(病院・温泉・トイレ…)」「大衆文化の振興:漫画、アニメ、スポーツ、音楽・ダンス、囲碁…」「困っている人を助ける、感謝と笑顔、を提案されました。 また、中国人とうまく付き合う方法としては、(1) まず中国人の特徴を理解する。中国語に親しむ。現実主義、経済合理性、面子を重んじる等を認識する。 (2) 基本は誠心誠意、気配り、心配り、手配り。「患難見知交」(困った時に助けるのが真の友)。 (3) 信頼関係を築く。人脈を作る……家族・親族・同郷・学友・社友は財産。食事を共にする。共通の趣味を持つ。 <これからグローバル化社会で活躍する若者には、日本の良さを認識して世界に貢献して欲しい> …… "日本の良さ" として「他人の気持ちを思いやる優しさ」 「国際試合の後の片付け」 「世界一清潔なトイレ文化」 「百円ショップの商品の品質管理」 「勤勉、約束遵守、助け合い、感謝」などを挙げられました。 研究会の様子を 今回は YouTubeでご紹介できないので、note でどうぞ。 ◆ 木村正文さんは「不打不成交」(真の友情は闘争なくしては築けない) という中国人の感覚も紹介されました。 そうすることで 「共通点を見出す」(⇒ 親近感)と 「相違点を知る」(⇒ 相互理解) が可能になるという考え方です。 ◎ 2月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ★ サステナブルマルシェ in 21×21祭--- 2月1日(土) 午前11時〜、於:新百合21ビル (川崎市)。 ※ "持続可能性" をテーマに様々なブースが集結、ステージイベントは『一緒に考えよう!カワサキのソノサキ』がテーマです。 ★ 第98回グローバル化社会の教育研究会(EGS)--- 2月6日(金)、テーマ: 『世界に存在感を増す中国と、中国人の素の姿』=木村 正文(国際人をめざす会 理事、伊藤忠丸紅鉄鋼(株)理事)。 ※ 古来、私たちの身近かにある中国・中国人と共生してきた伝統を思い起こす好い機会にしましょう。 ★ メディア情報リテラシー教材発表会---2月15日(日)、テーマ: 『フェイクニュース時代のメディア情報リテラシーの学び』。 ※ 高校生たちが開発下教材や授業の発表を見てみませんか? ★ 宣伝会議 KAIGI GROUP フォーラム--- 2月17日(火)・18日(水)、於:TODA HALL & CONFERENCE TOKYO(中央区京橋)。 ※ 「Communication × Engineering」という枠組みで価値創造の構築を図る議論の場です。 ★ 演劇公演 バックステージストーリー「スポットライト 3.10」---2月20日(金)〜23日(月)、於:築地ブディストホ−ル(東京都中央区)。 ※ 東日本大震災の前日(2011年3月10日)に、舞台の楽屋で何が起こったか…という "芝居屋たち" の群像劇です。 ☆ CFIEC国際情勢ウェビナー(On-Line)---2月26日(木)、テーマ 『変貌する米国―揺れ動く社会とトランプが変えるアメリカと世界』=渡辺 靖 (慶應義塾大学 教授)・梅川 健 (東京大学大学院 教授) ほか。 ※ トランプ政権による急激な変化に人々は何を見出し、何を新常態と受け入れていくのでしょうか? ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆ 2000年の日本は、国際連合(UN)の分担金の20.6%を担い、米国(20.5%)・中国(1%) を凌いでいました。 ところが現在(2025年)は6.9%で、米国(22%)・中国(20%) の3分の1 しか負担していません。 マスコミが誇るほどの存在感や影響力は既に失っている現在、米・中とどう向き合うのか、真剣に考えないといけません。 ◆ スマホ文化が蔓延する中、「YouYube」「ZOOM」「WeChat」、あるいは 「NVIDIA」「TSMC」などの創業者が中国人であることは あまり知られてません。 昨年 『潤日<Run4ri4>』(日本に移住する富裕層)という用語も現われましたが、その数は10万人を超えています。 そのほか既に日本に帰化している人も多く、公務員や議員にもなって社会を支えているのです。 ◆ 次期学習指導要領の方針として 「多様性の包摂」が挙がったそうで、やっと取り上げられた気がします。 「多様な子どもたちが安心して過ごせる学校づくり」は グローバル化社会の教育研究会(EGS)の設立理念ですが、その実現に向け大きく進歩するよう期待しています。 ◆ 入試日程が終わった受験生は 少し休みたいでしょうが、この時期にこそ 過去1年間の振り返りをして欲しいです。 「何が一番つらかった/大変だった?」「どうすれば好かった?」と自分に問いかけながら、ノートにまとめてみます(字は汚くて構いません)。 正直に自分と向き合い 字にする作業が 将来の糧になるでしょう。 ◆ 16日(月) 発表の英検(STEP)1級一次試験の結果で 「要約問題」の採点が厳し過ぎると騒ぎになっています。 英語の文章を読んで要点をまとめる記述式問題ですが、現役教師でも 「0点」を食らう例が続出。 いぶかしい事態です。 ◆ 「春節(中国正月; 旧正月)」で 中国民族が大移動をしています。 中国政府は日本渡航の自粛を求めていますが、他の国を経由して来日する中国人は少なくありません。 さすがに "爆買い" はしなくなりましたけど…。 18日(水)、日本マレーシア協会の 「新春の集い」が行われ、関係者が一堂に会しました。 今年は 旧暦で "大晦日" であると同時に、イスラム暦8月末なので断食月の前日……在東京マレーシア全権大使は 宴会のハシゴで大忙しでした。 ================================================================================================== |
| 【2026-1】 明けまして おめでとうございます。 本年も よろしくお願いいたします。 ◎ 出生数は過去最少を更新 厚生労働省の人口動態統計速報に基づいた推計によれば、日本の昨年の出生数は66.8万人(前年比約 2.7%減)…… つまり、日本の出生数は2年連続で70万人を割り、過去最少を更新する深刻な状況です。 さらに今年は、60年に一度の「丙午 <ひのえうま>」…… 「この年に生まれた女性は 〜」 という迷信はあるものの、今の親世代は、そのために妊娠・出産を先送りするような愚かな選択はしません。 それに 「受験競争も就職活動も 比較的楽になる」 と考えれば、なおさら気にしなくて好いのではないでしょうか。 昨年11月に高市首相が新設した 「人口戦略本部」は、人口減のトレンドの反転に向けた取り組みを打ち出しています。 また 人口減を前提に、地方自治のあり方や、医療・子育て・交通・上下水道の維持向上も目指すのだとか。 いつの間にか、人口減対策とは関係ない話に論点がズレていきます。 「安い給料で女性を働かせよう」という安倍政権の焼き直しの臭いがプンプン…… やる気もないことに 「真剣に検討します」 と言い、防衛費と国会議員給与だけはしっかり増額してるのです。 ◆ 私たちの世代(70数年前)の出生数は240万人前後ですから、今はその3割すら大きく割り込んでいるわけです。 それなのに、消費税をそのままにして 「働いて働いて…」 が強調されると、妊娠なんて考える気持ちは吹き飛ばされます。 ◎ 批判的精神をもって生き抜く 軍用テクノロジーを含む先端技術への無知や、それを活用する能力(Literacy)の未熟は、国力の弱体化を招きます。 何かを選択する時にも 「楽な方、遊べそうな方はどちらか」 で決めてしまう風潮は困ります。 少し我慢して探究してみることを嫌がって "あなた任せ" にしたり、異なるものを理解し許容する度量がなかったり…… 国民がそんなことをし続ければ、やがてその国には、無視され衰退に向かう運命が待ってます。 日本人が活躍するスポーツ競技と政界・芸能界の醜聞(Scandal)、商品宣伝に時間や紙面の大半を割くマスコミ…… その結果として、いま国会で何が審議され内閣で何が決められているかを報道されないことに平気でいられる…… 自分が 「井の中の蛙」、やがては 「茹で蛙」になることに甘んじていませんか? あるいは、新しい技術や情報、海外からやって来た人と誠実に付き合っていますか? たまにはトラブルにも遭って "学び" を得ていくことを極端に嫌っていては、自分の居場所が狭くなっていきます。 苦労を厭わず「何でも見てやろう/やってみよう」と挑戦する心。 多少のトラブルにも挫けず、したたかに解決の糸口を探す胆力。 そして 「これは何?/どういう危険がある?」 といった批判的精神をもって、生き抜いていくしかないのです。 午年の初めに当たり、改めて そう考えます。 ◎ どの子にでも指導の姿勢は不変 昨年暮れ、安居長敏さんが FaceBookにこう書かれていて、嬉しいクリスマスプレゼントをもらった気がしました。 この 「教育通信」で ずっと訴え続けてきた考え方の一つを、見事に言語化してくださっていると感動した次第です。 <学校の役割は、すべてを教え切ることでも、正解に導くことでもなく、子どもが何かに引っかかり、立ち止まり、迷いながらも考え続けられる「場」を支え続けることにあるのではないでしょうか。そのための環境や関係性を整え、試行錯誤の途中を切り捨てずに見守ることが、いま改めて求められているように感じます。> <教育課程や評価も、本来は管理や統制のための道具ではなく、学びを前に進めるための支えであるはずです。急がせすぎないこと、うまくいかなかった経験が次の思考につながっていくことを信じられるかどうか。そこに学校としての姿勢や覚悟がにじみ出るのだと思います。> その観点からすれば、子どもがどんな資質を持っているか、どんな環境で育ってきているか等は、因子の一つなのです。 海外育ちであろうと何等かの障がいを抱えていようと、その子に寄り添い励まし続けて "学び" を実感させていく…… こんな遣り甲斐のある営みを職業にできる人は、本当に幸せ者だと思います。 ◎ 改めて「非認知能力」とは? 昨年 「ほぼ日」社長を退任された糸井重里さんが、「非認知能力」を見事に説明されていました。(2019.11/24)。 <互いを助け合うチーム……どこが助けになるかは分からない。 どこか旅に行った時に 「あいつが居ればなあ」と言われるのが本当に大事。 (何かに)役に立つとかでなく、「あいつに居てほしい」というのが果たす役割は大きい> 組織においては確かに、他人より優れた能力があることは大事だし、時間や約束を守ることも必要です。 しかし、それが不得手な仲間を批判したり蔑んだりするメンバーがいると、チームとしての力が発揮できません。 <決まりを守るだけの人が懐中電灯で人を探しに行く社会は、憲兵の時代。 詩人も三年寝太郎もいて、それを助けるのもチームだと。 助ける人の栄養にもなっているわけで…> 将来が不確実で予測もできない時代だからこそ、お互いを思いやり不得手な部分をもカバーし合う関係でいたいです。 仕事上では 誰がやっても同じ結果が出て当たり前かもしれないけど、「あなた(が担当)でよかった」 と言われたい…… チームの仲間も他のチームとも 「あなたが居てくれてよかった」 と お互いが評価し合える関係を作りたいものです。 たとえ業績が芳しくなくて、職場や担当を変わる場合も、「どこかで また一緒に仕事がしたいね」と言いたいです。 ◆ 私はこれまで、多くのプロジェクトを立ち上げたり関わったりしてきましたが、ビジネスとして成功したと誇れるものは さほどありません。 でも 「儲からなかったけど、小山さんとやって楽しかったよ」 と言われたら、もって瞑すべしです。 ◎ 加工貿易は中国のお家芸? かつて 「加工貿易」という入試必須単語がありました。 安い原材料や部品を輸入し、それを加工し/組み立てて、完成品を(薄利で大量に)輸出して (大)利益を得る…… 資源のない日本の "高度経済成長の鍵" とされていたのですが、30年前から それは中国の "お家芸" になっています。 総じて 手先が器用で 創意工夫にも長けている "安い人財" が豊富だから、先進国は競って 工場を中国に移しました。 しかも、地下資源や植物資材が豊富で、強大な消費市場まであるわけですから、ビジネスの魅力に溢れていたのです。 見る間に中国は世界中の生産技術を修得し、先端技術も生み出せるほどの研究・開発体制を有するまでになりました。 他方で、先端技術に欠かせない 「希土類(Rare-Earth Eelements)」の露天掘りが可能な鉱山がたくさんあります。 希土類の採掘/精錬には環境対策/廃棄物処理のコストは莫大なため、産出量では中国が世界の約7割を占めています。 さらに中国は、世界各地の 「レアメタル(Minor Metal)」(48種の希少元素)の鉱山を、戦略的に買い占めてもいます。 米国大統領といえども中国政府の顔色を窺わざるを得ないし、中国にある研究所や工場を引き揚げることは困難です。 ◆ 中国による希土類の禁輸措置(2010年) で世界的な原料不足や価格高騰が起こって以降、中国への依存度を下げたいと誰もが思っています。でも、採掘/精錬の過程で有害物質や放射性廃棄物が発生するので、環境汚染や人権侵害を気にせずに生産はできません (⇒ 汚れ仕事は中国に…)。だから採掘前に、次々と中国人に買い取られてしまうのです。 ◎ 中国と中国人の素顔を知ろう 中国共産党 「第20期中央委員会第4回全体会議(四中全会)」(昨年10月)で 「第15次五ヵ年計画」が発表されました。 今年から いっそう半導体や人工知能、航空宇宙などへの投資を拡大し、他国の影響を受けにくい国造りを急ぐようです。 既に過去10年間、ハイテク振興のための研究開発費は、毎年 中国の成長率よりも高い伸びを続けてきています。 一昨年には 3.6兆元(約80兆円)に達し、10年前の2倍以上に拡大。 「Intelligent Connected Vehicle(ICV)」「次世代バッテリー」など 次世代産業の育成に注力しているのです。 中国の存在感がぐっと大きくなり、私たちの周りにも中国人の姿が増えました。 それに伴い、警戒心や嫌悪感を露わにする人たちも増えてきています。 でも、実際のところは 「中国人のことを本当は知らない」という人が大半です(既に日本は 中国に抜き去られていることも……)。 2月6日(金)の第98回グローバル化社会の教育研究会(EGS) では、木村 正文さん(伊藤忠丸紅鉄鋼(株) 理事)に 話題提供をお願いしました。 昔から "渡来人" と共生してきた 私たちの伝統を思い起こす好い機会になればと願っています。 ◆ 昨年の中国は、米国との「貿易戦争」(100%超の関税の応酬) を闘いつつも、東南アジアや露・印、アフリカ諸国との貿易を増大させました。科学技術の自立や産業の高度化を軸に、内需拡大と国際展開の両立を目指す姿勢を打ち出しています。「借金漬け外交 (債務の罠)」の危険もありますけど。 ◎ 1月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ★ 日本NIE学会 1月ミニセミナー---1月17日(土) 午後1時〜、於:フォーレスト本郷(東京都文京区)。 テーマ 『紙とデジタル両面で 「新聞」を活用したメディア情報リテラシー教材づくり』= 尾高 泉(元 日本新聞博物館館長)ほか。 ※ フェイクニュース時代を生き抜く知恵を学びます。 ★ SDX2026 第5回 営業DX比較・導入展---2月18日(水)・19日(木)、於:東京ビッグサイト。 テーマ 『未来の描き方』。 ※ 営業、AI、マーケティングの課題に特化した "場" です。 ★ 第10回ロボテックス--- 1月21日(水)〜23日(金)、於:東京ビッグサイト。 ※ 特別企画はヒューマノイドロボットショー。 最新の人型ロボットを体感できます。 ☆ 予防教育科学アカデミー 公開講座(On-Line)--- 1月24日(土) 午後2時〜、テーマ 『生成AIの今とこれから』=黒田 麻衣子(国立情報学研究所)。 ※ Chat GPT が登場して 早3年、これからの社会はどうなっていくのか? 私たちは生成AIと どう付き合っていけばいいのでしょう?(要 予約) [お勧め資料] CFIEC国際経済連携推進センターの寄稿公開 シリーズ 「世界各地域から見た現下の国際情勢」 ――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆ 昨年末に政府派遣教員の内定者が決まったらしく、「4月から○○日本人学校です!」 といった連絡が届いています。 年度末の校務の傍らで 渡航前研修が始まりますし、渡航手続きや引越荷物の手配なども重なります。 お身体を大切に…… と祈ります。 ◆ 英語の古語 「eke <i:k>」は "増す, 大きくする, 補う" ですが、"なんとか自分を支える, 苦労して生計を立てる" の意味もあります。 アラビア語やマレー語の「ikhtiari」(自分の希望で/意志で)とも同根…… 日本語の 「粋」と同様、痩せ我慢の要素も感じます。 ◆ 3日(土)の米国軍によるベネズエラ急襲には 驚かされました。 「正義のためには何をやってもいい」 という傲慢さに、恐怖を覚えます。 ますます日本に移住しようとする人たちが増えそう…… 国内に "渡来人" が増えることで 小さなトラブルは増えますけど、大らかにタフに対応することが必要です。 ◆ 「混迷の時代」と言いつつも、例えば BICSの論理、ヒンズー教やユダヤ教・イスラム教の常識、あるいは欧米の右派の主張などを知る気がない人が大半です。 欧米のマスコミ(表向きの "綺麗ごと" が多い) と日本のマスコミ情報だけに頼り、それを盲目的に信じる愚かさは、なんとかできないものでしょうか? ◆ 孫が冬休みの宿題に、「乾電池の向きを変えたら、曲が変わる」と理科ドリルに書いていました。 ジージとしては 「何? 演歌からロックに変わるとか?」 とやんわりと正しているのですが、周りが爆笑してしまって指導になりません。(笑) 正月早々、暗い話で始めてしまってすみません。 それでもきっと、好いこともたくさんありますから、お互い元気を出して進みましょう。 ◆ EGS研究会は「オフレコ前提でこそ当事者同士の本音も聞けるし、建設的で相互に有益な議論が実現できる」という観点から、従来は非公開としてきました。 しかし今後は、話題提供者の了解が得られれば 前半の講話部分だけでも公開を試みます。 ================================================================================================== |