子女教育ニュース

      担当: 国際教育相談員 小山 和智
海外人事や教育関係の実務担当者の皆様に配信しているニュースの一部を、
一般の皆様にも公開します。 教育相談などについては 「教育相談から」を。
2017年 8月7月6月5月1月〜4月。 2016年 9月〜12月5月〜8月1月〜4月

 2017年9月以降のニュースは こちら

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【2017-8月】

8月1日は 「水の日」 ですね。
  ただし、日本だけです。 噴水といえば シンガポールの「Merlion」が有名ですが、「Lion's head」は世界各国で“噴水の吹き出し口”の定番です。 古代エジプトで、太陽が 獅子座(Leo) にある時期 (7月下旬〜8月下旬) に ナイル川が氾濫することから、獅子頭は 洪水警戒のシンボルとなりました。 東南アジアの諺に 「ワニの口から逃れ、虎の口に入る」があります。 日本語の 「一難去ってまた一難」「前門の虎、後門の狼」に当たるものです。 ところが、こうした危険な場所を 英語では「Lion's mouth」と表現します。 聖書の詩編に その表現があるから、身近なのでしょうね。
  日本では、獅子舞の獅子に頭を噛んでもらうと 「邪気を食べてくれる」ので 悪魔祓い・厄除け・疫病退治のご利益があるとされます。 子どもの健やかな成長を願って、子どもの頭を噛んでもらおうとする親は 多いのですが、幼い子は泣き叫びます。 ましてや 「神付く」の語呂合わせで、成績向上や合格の祈願までしようとすると、しばらく恨まれます。
◆ 5月末の日韓サッカー試合の終了後、勝った日本選手が韓国の応援席の前に行って ガッツポーズしたため 乱闘になる事件がありました。 「試合後は 互いの健闘を称える」という スポーツマンシップも 日本人としての美徳も忘れ、“虎穴”に行って騒ぐ愚かさ…… 情けないことです。

「世界ビールデー」と「命の水」
  8月の最初の金曜を 「International Beer Day」と呼ぶのは、米国カリフォルニア州で始まった(2007年)そうですが、国連総会には提案すらされていません。 友人が集まってビールを楽しみ、ビール製造に関わる人たちに感謝をする日だそうで、翌日は 「国際二日酔いデー(International Hangover Day)」だとか…(笑)。 中世の欧州で、蒸留酒は 「aqua vitae(命の水)」と呼ばれていました。 これがゲール語で 「uisce beatha」と訳され、“水”の部分が 「ウィスキー」になりました。 また、「whisk」は “さっと処理する”といった機敏な動きを意味し、英国王 ヘンリー2世(12世紀)が アイルランドから 「さっと 掠めて帰った」から 「whiskey」となったという、与太話もあります。 なお、スコッチのみ 「whisky」の綴りです。
◆ ウィスキーを 「spirit」 というのは、 「aqua vitae (命の水)」 の “命” の部分なのですね。

子ども用食器から有害物質?
  中国浙江省の検疫当局が、日本から輸出された子ども用食器の検査で不合格となった ナイフ・フォーク・離乳食用ハサミ等を 大量返送処分……。 台湾の食品薬物管理署が、日本から輸入の哺乳瓶に 36ppbの濃度のビスフェノールA が検出され、廃棄処分したと発表……。 一瞬、目を疑うようなニュースです。 かつてのユリア樹脂食器騒ぎの反省から、日本人の製造現場が それらの使用を許容するとは考えられません。 しかし、次第に 「儲かれば好い」 の風潮が強まっているのも事実のようです。 日本製品は、その独創的な工夫やアニメキャラクターのデザインで、人気を博しています。 製造現場に 本来の 「日本人の心意気」 を行き届かせることが大事です。

夏休みの思い出といえば、カブトムシ
  英語の 「beetle」 は 甲虫科の総称で、コガネムシの類までを含みます。 広くはゴキブリまで含まれ、嫌われ者の代名詞にもなっています。 古代エジプトでは、天地の道に通暁した “霊虫” だと信じれられていたようですが、欧州では 「coprophagous (食糞性)」 とか 「overhanging (脅すようにのしかかる)」 などと 忌み嫌われます。 木の樹液を巡って他の虫を胴突くことから、地面を突き固める大槌・胴突き、麻布を打つ小槌など、乱暴で人騒がせなイメージ…… そして、窓や鏡などに体当たりするからでしょうが “文盲” の意味まであり、いわば 問題児 です。
  私たちは、人気者のビートルズを 「Beetles」 と書くのは 誤りだと教えられてきましたが、本人たちは 最初 “嫌われ者” をイメージしていたようです。 とくに ジョン・レノンは 町一番の乱暴者でして、本人には それが音楽活動のエネルギー源だったとされます。 しかし、興行主やレコード会社などから 余りに不評なので、3文字目を "a" に替えて 「beat+les(ビート音楽のレーベル) と妥協を図っていきます。 彼らが膨大な外貨を稼ぎ始めると、英国政府は 「恩赦 (pardon)」 の代わりに 「勲章 (medals)」 を与えました。 「黒い猫でも 白い猫でも、ネズミを捕るのが良い猫だ」(中国安徽省の諺) ですね。
  なお、カブトムシは 「ブーン」 という低い単調な音を出して飛びます。 その耳障りな音を 「drone」 といいますが、最先端機器である “無人機” の名称にするのは、ビートルズを意識しているのでしょうか?
◆ マレー語の 「kumbang」 は 日本の幼児語 “ブンブン” で、蜂から甲虫科までの虫と、その飛ぶ音のことです。 <ヒョウ> を 「harimau kumbang」(ブンブン虎) と言いますけど、オートバイを 「sepeda kumbang」(ブンブン自転車) というところを見ると、“脅し, 胴突き” のイメージなのでしょうか? それとも “盲滅法”…? なお、「kumbang gajah」(象のブンブン) は カブトムシです。

stigma」との格闘・葛藤
  終戦(敗戦)記念日が、今年もやってきます。 アジアには (日本軍からの)“解放記念日” とする国が少なくありません。「stigma(不名誉/汚点) を時の経過と共に忘れるのは、日本人のお家芸ですが、グローバル社会では 「黙って 放置していると ずっと残る」 が 常識です。 わが外務省は 「枢軸国 (Axis Powers) と戦う連合国 (United Nations)」 を 「国際連合」 と定訳し、国民を欺いてきました。 日本が 未だに 国連憲章で “旧敵国” とされていることは公然の秘密で、現在の政財界としては 許し難いようです。 国連の分担金も まだ滞納中で……。
  中国語では 「聯合國」 と訳されます。 「旧敵国が第二次大戦で確定した事項に反したり、侵略政策を再現する行動等を起こしたりした場合、加盟国は 安保理の許可がなくとも、その国に対して 軍事的制裁を課すことが容認される (誰も制止できない)(第53条) の条項を盾に、中国とロシアは わが国に強圧的な態度をとるわけです。 国連憲章には 「敵国でなくなるための規定」 がないため、ドイツ、イタリア、日本は、恒久的に 警戒対象であり続けます。 それでも 模擬国連(MUK) 等の場で、日本の若者たちが 凛々しく活動する様子は、実に頼もしいです。

“蛸<タコ> は8本足”は 同義反復 (tautology)
  「octopus(八腕類=蛸) は 中国語で 「章魚 <zhang1yu2>」、マレー語では 「gurita」 で、子どもの腹掛け (注:八角形) も意味します。 昔から 「蛸に骨なし」「蛸の共食い」「蛸は身(足)を食う」 と “愚か者・役立たず” のイメ―ジが重ねられます。 蛸は 糞が頭に上ると想像されていて、「蛸の糞」 は “自惚れや自慢話を他人からは馬鹿にされている” という意味です。 また、香港では、日本の Suica と同様に 全ての公共交通機関で使える 「八達通 (Octopus)(愚か者でも乗れる?) というカードがあります。 「蛸」 の字は、中国では “クモ” だったようで、カマキリの卵塊 (⇒ 陰茎に関わる漢方薬) の名にも 使われています。 タコは 本来なら 「章魚」 ですが、日本では 何故か 「蛸」 の字が当てられました。
  他方、「cuttle-fish, sepia(甲イカ) は、中国語で 「烏賊 <wu1zei2>, (斗) <mo4(dou3)yu>」、マレー語では 「ikan cumi-cumi(⇒ 日本語のイカ?) です。 体内に “甲” があり、8本の触手と2本の触腕を持ちます。 イカ墨には 耐光・耐水性があるので、昔から “つけペン (羽ペン) 用インク” として使われてきました。 近代以降は、その 「セピア色」 が気に入られて、化学合成で作られます。 蛸も烏賊も 「devil fish」 ですが、蛸の墨はインクに使われません。 なお、「カラスミ (烏魚子)」 は ボラ (鰡) の卵巣を使った珍味で 「ボタルガ (botargo)」 の一種…… 塩漬けして塩抜きの後、裏干し天日干しを重ねる手間は 大変なため、結構な値段です。 中国の高級硯に形が似ていることから、日本では 「唐墨」 と呼ばれるようになったのだそうです。
◆ 蛸の刺身の美味しい季節ですが、最近は 高値で手が出せません。 海外では 「ゲテモノ」 とされていたのに、美味しいことが知られて高級品になったようです。 かつて ウニも、そうやって高級品になってしまいました。

マーカス・フィスターさんのワークショップ
  8月12日(土)、国際文化フォーラム主催で、『にじいろのさかな』 のワークショップがありました (東京都文京区)。 魚の絵を描くことを通して、子ども達に自らを見つめ コミュニケーション力を高めさせる指導の手解きです。「高地ドイツ語 (Hoch-deutsch)」 の美声は、まるで ホルン演奏を聴いているように心地よく、心休まる2時間でした。 午後は、多言語・多文化共生支援の関係者の研修会でしたが、岐阜県の可児市国際交流協会の 演劇ワークショップの実践報告は、圧巻でした。 この手法をベースに 国際文化フォーラムでは 来春、高校生の多言語パフォーマンス合宿も計画しており、楽しみです。
  なお、今年度から 東京都立杉並総合高校では、第二外国語の必修選択を開始 (中国語/韓国語)、来年度からは 都立王子総合高校も必修選択に踏み切るそうです。 また、神奈川県立弥栄高校で、来春から 「外国につながる生徒の特別募集」 が始まります。 英語以外の言語に対する 学校の認識が変わることを期待します。

8月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
海外子女教育振興財団の学校説明会・相談会--- 8月 1日(火)、於:都立産業貿易センター台東館(東京都台東区)※ 帰国生の受け入れ校の先生方と直接面談できる 貴重な機会です。 大阪 (7/27)、名古屋 (7/28)は開催済み。
国際バカロレア日本語DPワークショップ--- 8月2日(水)〜4日(金)、於:東京学芸大学附属国際中等教育学校 (東京都練馬区) ※ 国際バカロレア・デュアルランゲージ・ディプロマ (IBDLDP) 連絡協議会の会議も開かれます。
全国海外子女教育国際理解教育研究協議会(全海研) 第44回全国大会--- 8月3日(木)〜5日(土)、於:長野市生涯学習センター。 [初 日] トーキングテーブル、[二日目] 特別課題分科会、[三日目] 実践事例研究発表会、特別講演:『グローバル化へ国際感覚を伸長させるための英語実践教育』=渡邉 時夫 (信州大学名誉教授)。 ※ 渡邉先生は、学習指導要領改訂による「2020年度実施の英語」への対処, 等について話されます。
獲得研「夏のセミナー」(第12回セミナー)--- 8月 7日(月)、於:日本大学文理学部(東京都世田谷区)。 テーマ 『学び方指導の新展開--- アクティブ・ラーニングをデザインし運用する』。 ※ 個々の技法研究だけでなく、学び全体のデザインや 個々の技法の組み合せ・運用のコツを実践的に学びます。
TJF「にじいろのさかなワークショップ」--- 8月12日(土)、於:講談社 会議室 (東京都文京区)。 対象:絵本を使った活動に興味のある小・中・高校教師。 講師: 『にじいろのさかな』の著者 マーカス・フィスター (絵本作家)。 ※ 多言語・多文化共生支援の関係者、帰国生/外国籍生徒の受入校教師などの一日研修会なのですが、午前中のみの参加も 別途20名可能。 言語教育,美術教育,多文化教育,社会教育などに携わる方にもお勧めです。
★ 市民文化フォーラム8・15集会--- 8月15日(火)、於:日本教育会館 (東京都千代田区)。 テーマ 『改憲前夜――今、私たちがすべきこと』=森 達也(映画監督)、明田川 融(法政大学)、山口菊子("憲法"を愛する女性ネット世話人) ほか。 ※ 第一部は、改憲の動きを中心とする 日本政治の現状について討議、第二部では 各地で生起している民主主義の再生のための新しい日常的実践について 具体的に議論。
★ TJF「外国語学習のめやす」合宿--- 8月22日(火)、於:立命館大学 大阪いばらきC (茨木市岩倉町)。 テーマ 『ルーブリックを取り入れたパフォーマンス評価』=田原 憲和 (立命館大学准教授/ドイツ語担当)、村上 陽子 (関西学院大学准教授/スペイン語担当)、阪上 彩子 (関西学院大学講師/日本語担当)。 ※ 国際文化フォーラム主催。外国語教育に従事している教員 及び教員を目指している学部生・院生が対象です。30日(水)には 台湾淡江大学でも開催。
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◆ 8月2日(水)から、在外教育施設事務長会議が海外子女教育振興財団 (東京都港区) で3日間、開かれます。 隔年の開催ですが、世界各地から日本人学校等の事務長が集まって、最新情報の共有や様々な課題についての協議など盛り沢山の内容です。

◆ 国内の国際バカロレア(IB) 認定校は47校で、その内の20校が一条校だそうです。 ただし、DPレベルまでの整備は、これからが正念場となります。 日本語DPの1期生は、今年秋の試験を目前にしています。

◆ 来春、法政大学女子高校(横浜市鶴見区) は共学化し、IBコースを持つ 「国際高校」 になります。 事務長の高橋健悦さんは、前職が 法政大学国際交流センター課長で、上海日本人学校高等部をご支援くださいました。

◆ 『月刊 海外子女教育』 8月号に 明星学園小学校 (東京都三鷹市) が紹介されています。 「藍染め」 といえば 藍を植える所から、「豆腐づくり」 といえば 大豆を植える所から 体験させる教育には、唸ってしまいますね。
  『月刊グローバル経営』7/8月合併号は 「入門 異文化経営」 の特集です。 ここでも異文化対応力を問われるわけですが、海外に限らず 国内でも、必須の素養となっているといえます。

◆ フィスターさんは 昼食懇談の席で 「わが家の近くの原発は 数年後に廃炉となるが、今も出続けている核廃棄物の処理と 廃炉自体の経費が莫大で、予算も組めない状態…… 」 と話されました。 スイスは わが国の東北大震災を機に廃炉を決めたのですが、貴重なお話です。
  ベルンのある小学校で、一クラス20人のうち半分が移民の子になってしまったそうです。 その10人も、それぞれ母語が異なるため、先生はコミュニケーションが とても大変とか…… 4つの公用語を持つ国ながら、多文化共生の課題に、否応なく直面しておられるわけです。

◆ 今年から「山の日」ができました。 冬山・雪山への対策は、今の時期が最も大事です。 一般の学校関係者にとっては、ほとんど何の意味もないのですが、卒業生から連絡が増える良さは感じます。

◆ 朝のラジオ体操に子ども達が来てくれると、こちらもエネルギーをもらったような気がします。 でも、最近は10日か2週間だけなので、残念です。 東京五輪に向け、大いに機運を盛り上げたいところですけど……。 せめて自分だけでもラジオ体操をして、健康維持に努めましょう。

◆ 8月22日(火)に、藤澤 皖 先生 (元 千里国際学園校長) が亡くなられました。 ICU高校と大阪千里国際学園、二つの名門校の設立準備から軌道に乗るまでを 担われただけでなく、わが国の帰国子女教育・国際理解教育の先頭に立ち、私たちを指導してくださいました。 ご冥福をお祈りします。

◆ 8月下旬から 北海道・東北地方の学校、上海などの日本人学校、それにアメリカの現地校の多くも 新学期がスタートしますね。 この夏に帰国した生徒も、元気に頑張って欲しいと祈っています。 それでは皆様、ごきげんよう。

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【2017-7月】

公文書について考える
  7月1日で 「公文書等の管理に関する法律(平成21年法律第66号) の公布から 満8年です。 この法律は、行政機関の諸活動や歴史的事実の記録が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、国民が主体的に利用し得るようにするものです。 「将来の国民に説明する責務が全うされるように」 と冒頭に掲げられています。
  動詞の 「book」 は “記帳・登録する” “予約・契約する” といった意味です。 元は ドイツ語の 「buch」 で、紙のない時代に 「ブナ (Beech)」 の樹皮や薄板 (注:製材すると白い) に文字を刻んだことに因みます。 マレー語の 「buku」 は “節・関節” ですが、昔は 竹簡 (buku buluh。注:節と節の間) に記録していたので、“本・ノート・経典” の意味にもなりました。
  「White book, liber alubus (白書 <bai2shu>)」 は 表紙が白色の装丁の公式報告書のことですけど、たとえ白い表紙でも、慣習として別の色で呼ぶ公文書があります。 例えば、「Blue book」 は 英国では “議会 or 枢密院の報告書”、米国では “政府職員/紳士録”。英国外交委員会の報告書が青表紙だったことに因み、日本でも 「外交青書」 と呼ぶ慣習になっています。 「Red book」 は スペインの公式報告書で、英国では “貴族名簿” です。 「Yellow book」 は フランスの公式報告書。 「Green book」 はイタリアと英領インドの公式報告書。 そして、「Black book」 は “閻魔帳, 成績記録簿” です (表紙など付けず密かに保管されるはずですけど…)
  なお、日本の江戸時代の 「人別帳」(今日の戸籍簿のようなもの) では、犯罪を犯しそうな乱暴者に 付箋 (book-mark) を付けていました。 いわゆる 「札付き」 です。 他方、商品に “掛値なしの価格” を表示する札は 「正札」 ですが、「正札附き」 は “(値段に見合った)品質の証明” の意味でした。 後に “本当のワル” の意味にも使われて、なんともはや……。
◆ 情報公開法の施行(2001年4月) の前に 大量の行政文書が廃棄されました。 当時の日本には 公文書管理法がなく、文書公開請求は 「存在する文書」 のみが対象だったので、将来に禍根を残さないようにと ……。 10年後、公文書管理法が施行されましたが、「遅くても ないよりはまし」 です。

第60回グローバル化社会の教育研究会(EGS)を開催
  30日(金)、いつもの聖学院中学・高校(東京都北区) で開かれ、同校の伊藤 豊 高等部長に 『21世紀型教育の現状--- 思考力を育てる取り組み』 のテーマで、話題提供をしてもらいました。 学校改革の出発点は 「生徒達の持っている力の中に 従来 評価されてこなかった部分があるのでは? (例えば、自分で知識を獲得していく力や仲間の能力を引き出す力など)」 という問題意識だったとのこと。 「21世紀型教育」の柱であるアクティブラーニング(双方向授業)課題解決型学習(PBL) も、その評価の元となる 「ルーブリック (Rubric)」(学習到達度を示す評価基準の観点を縦軸、尺度(到達度) を横軸にとった評価表) を策定することが鍵となったようです。
  ともすると日本の生徒は自己肯定感が低いといわれ、学年が上がるほど下がっていくといわれますが、それは社会と関わる意識の度合い、接する機会の頻度に関係してもいるそうです。 聖学院の教師陣が生徒評価のあり方を見直し、生徒に到達目標を明確に理解させることで、生徒たちの自己評価も大きく改善されていった様子がよく分かりました。 なお、児浦 良裕さんの 高3数学の授業も、見学させてもらいましたが、数学が余り得意ではなさそうな生徒も楽しそうに取り組んでいる姿が印象的でした。

夏休みは “充電 (charge)” の機会
  「charge」の語源は ラテン語の 「carrus (荷馬車)」 で、“荷物を積む (load)” “込める (fill)” のイメージが 基礎にあります。 電子工学の “負荷をかける” という訳語も、同じ発想から生まれました。 他方、「charge」 は、相手に対価や貢献を要求したり 襲ったりする意思の表現でもあり、軍隊なら “突撃” です。 「Charge bayonets!」(着剣!=歩兵銃に銃剣を装着) も実質的な “突撃用意”。 山岳部の用語でも、リーダーが言う 「用意しとけよ!」 は出発の号令…… それが解るまで、新参者は出遅れ 慌てることになります。 また、サッカーで チャージは、身体で敵を押しのけて 攻め込んだり守ったりすることです。
◆ サッカーでは ルール上、チャージの際に 肘を上げてはいけません。 しかし、脇を締めるどころか、相手のユニフォームを掴んで引っ張ることが、国際試合で横行しています。 紳士のスポーツ という気はないのでしょう。

“ケンブリッジ” を考える
  ギリシア神話の 「アマゾン族 (Amazones)」 は、黒海沿岸に住む 女の狩猟部族(huntresses) です。 古代ローマ建国に活躍した女傑 カミーラもアマゾン族で、ローマ人が ブリテン島のグランタ川を占領した際、彼女に因んで 「カム (Cam)」 と名付けました。 カム川が 瘤<こぶ> のように蛇行する高台に 砦(+橋) を設けた場所は、「Cam-bridge」 と呼ばれます。 13世紀初め、オクスフォードの地元住民と学生との紛争から逃れた 学者たちが ここに住み着き、研究・教育活動を始めたことが、ケンブリッジ大学の起源です。
  アメリカでは 1638年に、清教徒派のJ・ハーバード牧師が、マサチューセッツ州ボストン郊外の 「新町 (Newtowne)」 にあった広大な土地と膨大な蔵書を遺贈し、大学が設立されました。 ハーバードも 初代校長も、当時の在ボストン総督も 皆、英国のケンブリッジ大学OBでしたので、町の名前は 「ケンブリッジ」 に改名されました。 現在では、ハーバード大学MIT (マサチューセッツ工科大学) をはじめ 60以上の大学が集まる 全米一の研究学園都市 となっています。 因みに、ケンブリッジを 中国語で 「剣橋 <Jian4qiao2>」 と書くのは、オクスフォード (牛津) と同様、日本語からの借用です。
◆ アメリカ独立戦争の当時(18世紀) の米ケンブリッジは、浅瀬を歩いて上陸しなければならなかったため、英国軍の士気は下がったそうです。 アヘン戦争当時の上海の黄浦江も 同じでしたが、直ぐに 「外灘 (The Bund)」(築堤・埠頭) が整備されます。

関東地方では 7月13日の夜からお盆
  ジャカルタ日本人学校が 魚住竜吉さんの倉庫を借りて開校した (1969年) ことを知る人は 少なくなりました。 19年間 「日本人学校の大家さん」 だった魚住夫人が 5年前の7月に亡くなった時、学校から誰も弔問に訪れなかったのは 残念です。 また、ジャカルタの日本人納骨堂の中には、大脇 操 校長夫妻のお骨もあります。 花岡 泰次 先生 (鳥取の教頭から初代事務長に赴任) も、昨年3月に亡くなりました。 せめて お盆の時期だけでも、先人を偲びたいものです。

領事通報権について知っておきましょう。
  この時期は 海外赴任だけでなく、留学や旅行・研修などで 海外渡航する方も たくさんおられます。 海外渡航の際は、もしも その国で警察に捕まってしまった時 どうするかを、考えておきましょう。 たとえ 違法行為と知らずに やったことであっても、違法である限りは 逮捕されますから。 とくに 「落とし物を拾って自分で使っていた」 「中身を知らない預かり物の中に違法薬物が入っていた」 などは、犯罪となることに注意すべきです。 また、12歳未満の子どもだけで 留守番させたり 車で待たせたりしても、不登校児を自宅に置いていても、逮捕される国が少なくありません。 就労ビザなしで 働いても、逮捕されます。
  逮捕されたら、まず 「自分が日本国籍であること」 を明示することが必須です。 ともかく 直ぐに、日本大使館・領事館への 「領事通報権 (right to consular notification and access)」 を要求します。 ウィーン条約で保障された 「非人道的な扱いや、供述内容・証拠の不公正使用をされない権利」 のためです。 通報を受けた日本の領事 (consular) は 本人と連絡をとり、必要なら面会にも来てくれます。 弁護士や通訳を紹介したり、留守家族への連絡をとったりもしてくれますが、逮捕容疑に関しての調査・捜査、あるいは釈放のために、警察側と交渉することはできません。 これらは、弁護士を代理人にして 本人が行うことになります。
  なお、領事通報権は、本人が 「日本の領事に 通報して欲しい」 と 明白に意思表示しなければ、通報してもらえません。 もっとも、英国・中国・ロシア等では 本人が希望しなくても 通報されることになっていますが… (拉致でない限り)。 ともあれ、君子 危うきに近寄らず……。
◆ 警察に逮捕され 何日か留め置かれる場合、留置房 (detention cell) に入れられます。 刑事ドラマなどで 「豚箱」 というのは、“豚を食肉処理場に運ぶコンテナ = 処遇が決まるまで入れておく部屋” という訳です。

帰国生のための学校説明会・相談会のシーズン
  今年の海外子女教育振興財団の学校説明会・相談会は、東京 (都立産業貿易センター台東館=8/1)、大阪 (府立国際会議場=7/27)、名古屋 (愛知県産業労働センター=7/28) の3都市で開催されます。 帰国生の受け入れ校の先生方と直接面談できる 貴重な機会です。
  一方、帰国生のための進学相談会 「JOBA学校フェア」 は7月29日(土)に、ベルサール汐留(東京都中央区) で開催されます。 学校ミニ説明会には、宝仙学園、かえつ有明、桐光学園、攻玉社、頌栄女子学院、大妻中野、都市大学付属、東京女学館、実践女子学園が登場します。
  なお、公立・私立高校合同の進学フェアは、埼玉県が 7月22・23日 (於:埼玉スーパーアリーナ)、神奈川県は 8月1日から県内12会場で順次開かれます。 東京は多過ぎて 実施不可能なようです。
◆ 『月刊 海外子女教育』 7月号の特集は 「帰国生の大学選び」 です。 茗溪学園・代々木ゼミナール・聖心女子大学・文化学園大学 で取材し、帰国生たちが 実際にどうやって志望校を決めているかを紹介しています。

7月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
中国語教育学会 第1回研究会--- 7月 1日(土)、於:愛知大学 名古屋校舎 (名古屋市中村区)。 内容 『「教科書を教える」からの脱却』『第二外国語の教え方をめぐって』ほか。 ※ 中国語教員・教員志望者のブラッシュアップ研修---「授業を少しでもよくするために」 がモットーです。
日本旅行医学会 登山医学セミナー 2017年--- 7月 8日(土)、於:東医健保会館 (東京都新宿区)。 テーマ 『雪崩の科学--- その実態と現状対策』 『アウトドア活動・高齢者における低体温症』 ほか。 ※ 栃木県の高校生ら8名が死亡する雪崩事故---自然災害ながら正しい知識は必須です。翌9日(日)、大阪医科大学(高槻市)でも開催。
第12回 せせらぎ文庫フェスタ--- 7月15日(土)〜17日(月)、於:軽井沢千ヶ滝 西区公民館(長野県北佐久郡軽井沢町)
※ 国際子ども文庫の会の共催。3世代が子どもを中心にふれあい遊びながら 知識が身につく“文庫祭”。
ASIA-NET 第5回クロス・ナレッジセミナー--- 7月20日(木)、於:南部労政会館 (東京都品川区)。 テーマ 『主張のテクニック・反論のテクニック』=吉村 章 (ASIA-NET/(株)クロスコスモス代表)。 ※ 議論の主導権をとるテクニック、ビジネス折衝のシナリオの作り方など “現場力” を鍛えます。
★ 日能協 教育施設リニューアル展--- 7月19日(水)〜21日(金)、於:東京ビッグサイト(東京都江東区)。 ※ アクティブラーニング推進による教育プログラムの質向上と 学習者の能力開発の支援により、新たな地域空間を創造する提案です。
豊島子ども WAKUWAKUネットワーク講習--- 7月27日(木)〜、於:IKEBiz エポック10 (東京都豊島区)。 ※ 訪問型の乳幼児子育て支援を行うホームビジターの講習です。
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◆ 七夕の7日、核兵器禁止条約が国連で採択されました。 核兵器の非保有国 122ヶ国の賛成ですが、日本政府は反対表明。 「唯一の被爆国」(安倍首相の言葉) として核廃絶の先頭に立っていたはずですけど、どうなっているのでしょう?

◆ 『新・海外子女教育マニュアル(改訂版)』 が発行されました。 渡航前から帰国にいたるまでの教育のあり方について “羅針盤” の役割を果たしてきた基本書です。 初版(1985年) の制作中に、書名を巡って議論したことを思い出します。 「マニュアル」は “品がない” と、財団上層部に極めて不評だったのですが、結局、駐在員家族の皆さんに好評 ということで決まりました。

FRC福岡帰国子女の会 (松本千佳子 代表) の今年のニューズレターが届きました。 今回は 20周年特別記念号--- 昨年秋の記念行事の報告などで、いつもより厚くなっています。 おめでとうございます!

◆ 7月15日(土) から3日間、第12回 せせらぎ文庫フェスタが 軽井沢千ヶ滝の西区公民館 (長野県) で開かれました。 3世代が 子どもを中心にふれあい遊びながら 知識が身につく 文庫祭です。 『月刊 海外子女教育』 4月号で紹介されている 国際子ども文庫の会の活動も、干支を一周したことになります。

◆ 7月18日(火)、上海浦東日本語補習クラブの代表者二名が 一時帰国され、海外子女教育振興財団にお連れしました。 2013年5月から4年余り、補習授業校の活動を地道に続けておられ、そのご苦労・ご努力に敬服します。

◆ 幼い頃の夏の思い出と重なる花 「ネジバナ (Spiranthes)」…… 桃色の小さな花が 茎の周りに “螺旋状 (spiral)” に並ぶので 「ねじれ草」 と呼んでいました。 最近は 滅多に目にしませんね。 「絶滅危惧種」 と聞くたびに、いずれなくなるだろう職業のことが気になります。 羅宇屋、指物屋、道具屋、荒物屋…… 落語でも滅多に聞かなくなっています。 印刷屋、レコード針屋も、風前の灯ですね。

◆ 海外研修や留学だけでなく、国内の林間学校やキャンプ等に出かける人も多いでしょう。 準備の最終点検を、とくに海外では 「THC」(大麻) の表示に注意するよう 再確認を怠りなく。 どこにも出かけない人も、熱中症にはご用心を。 
  7月20日(木) から夏期巡回ラジオ体操・みんなの体操会がスタートしました。 体力作りにも 心掛けましょう。

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【2017-6月】

「六月無礼」(クールビズ) の季節です。
  中国では、“”は “陸” のイメージと重ねて、十分・正常・安定の数 と考えられてきました。 「六法」「六国」「六朝」「六歌仙」 など 無数の用語があります。 「六義」 は 『詩経』 にある漢詩の分類法で、紀貫之は これを借用して 和歌の六種の風体を整理しました。 「兼六」 は、洛陽の 「湖園」 が 「宏大・幽邃・人力・蒼古・水泉・眺望の 六つを兼ね備える」 と 謳われた縁起です。 いずれも 日本を代表する庭園の名前になっています。
  欧州・中東で “” は、「 "7" が象徴する完全さに達しない」 のイメージです。 「666」 と重なれば、聖書の 「number of the beast (獣の数字)」 になり、「evil omen (凶兆=縁起悪い)」 と忌み嫌われます。 なお、「ろくな(に)〜ない (nothing good comes of 〜)」 に “六” の字は不可 (⇒“陸・碌”or ひらがな)。 また 「deep six」 は “水葬、廃棄、拒否” の意味になります。
東京六大学野球 春季リーグ戦は、立教大学が15戦を闘い9勝 (勝点4) を得て 見事優勝! 18年振り13回目です。 待ってました… (感涙)

ブルームの 「タキソノミ」 が 流行
  もう 半世紀以上前のことですが、棚橋 絢子先生 (東京女子学園 初代校長) の言葉に 「ただ書を読み知識を得るだけでは 学問とはいえない。 学んだ知識を 実際に社会で応用し、物事の道理を悟って はじめて学問と言えるのである。 各自がしっかりと自立し 各自の務めを果たすこと、これが社会に貢献することにもなる」 があります。 教育学者B・S・ブルームの 『教育目標の分類体系 (TAXONOMY of Educational Objectives)』(米1956年) の影響が 色濃く現われています。
  帰国生の受け入れと指導に 真面目に取り組む学校を除いて、ブルームの「タキソノミ」 は長い間、無視・放置されてきました。 しかし 最近は、多くの学校が、グローバル化の荒波の中で 「自分の頭で考え、自分の意見を持ち、それを人に伝え共有できる力」 の意識的な育成の意義を見直す“ツール”とし始めているようです。 「グローバル人材」 という用語を、どう捉えるかは 様々な意見があるでしょうが、要は 「どんな背景や価値観を持つ人間ともチームを組んで働き、より好い結果を出せること」 が基本でしょう。 あらゆる職場において そのことが要求される時代ですし、多分 AI (人工知能) との付き合い方の真髄も、そこら辺りにあるのだろうと思います。

第60回グローバル化社会の教育研究会(EGS)の開催決定
  6月30日(金)、「21世紀型教育の実践」 を正面から取り上げます。 会場は、いつもの 聖学院中学・高校 (東京都北区) ですので、同校の先生方から “最先端授業” の話題提供をしていただきます。 また 今回は、高校3年数学の授業も 特別に見学させていただけるそうです。 「生徒一人ひとりが深く考え、仲間と協働して問題を発見し解決していく」 条件を整える際の コツや留意事項についても、話し合いたいと思います。

「デリック」は “選手交代” のこと
  6〜7月の英国は 過ごし易く、花々も咲いて、ビールも美味しい季節です。 この時期に英国にいられる人が、羨ましいですね。 ロンドンのオクスフォード街の西端に 「Marble Arch」 という凱旋門があります。 その裏手から ハイドパークの角にかけては、昔の 「タイバーン処刑場(=土壇場) だった所で、死刑囚が 最後のスピーチを許された場所 (⇒ Speaker's Corner) でもあります。 いわば 「言論人の聖地」 です。
 ここで T・デリックという死刑執行人(17世紀初め) が、斜めに取り付けた腕木 (jib) を支えにして 受刑者を吊り上げる処刑 を行っていたことから、後に考案される “ジブ起重機 (jib-crane)” は 「derrick」 と呼ばれます。 しかし、クレーン関係者以外が 「derrick」 を耳にするのは、野球の試合ぐらいでしょう。 “選手交代” が、吊り上げ処刑に喩えられるのです。 なお、選手交代は 「lift」(引き揚げる)、「send 〜 to the showers」(〜を着替えさせる) ともいいます。
◆ 英国には、カトリック教徒を大量に処刑してきた 暗い歴史があります。 土壇場で “最後のスピ―チ” を許すのは、処刑者の中に 聖職者も多くいたため、暴動の引き金になるのを避ける計算も あったのでしょう。

聖職者について考える
  大昔から、教鞭を執るのは 聖職者 (Clergy) の仕事の一部でした。 キリスト教の 「Missionary」 は、「牧師 (Pastor)/司祭 (Priest)」 と 「伝道師 (Evangelist)」 とに分けられます。 ただし、「使徒継承」 を受けて牧師の資格を得ても、教会を担当せずに 街頭に立ったりして 宣教活動をする場合は、伝道師と呼ぶようです。
 聖職者が身に着ける “立ち襟” は 「ローマ襟 (Roman/clerical collar)」 ですが、首の後ろで留めるので 「犬の襟 (dog collar)」 とも呼びます。 人間は 怒りでカッカする時、首の付け根辺りが 熱くなるのだそうで、「get hot under the collar」 の熟語もあります。 聖職者たる者は、怒りを現わにしてはならない という戒めなのでしょう。
  「学校の事務職員は聖職者ではない」 という誤解は、日本の教師の独善から生じたものです。 事務職でも、生徒の個人情報管理から精神的な支援まで、教育現場の重要な部分を担っていますから、グローバル社会では 「clerical (聖職)」 とされます。
  なお、「Evangelist」 には、元々 “学識経験者” という意味もありました。 最近は “自社製品を熱心に勧める担当” という職名としても使われます。 反対語は、やはり 「俗人たち (laity, laymen)」(=専門外の人, 素人) ですね。 近代民主主義の社会においては、専門家は 素人に対して 「compliance (法令遵守&説明責任)」 があります。 もし 「忖度したか?」 と疑われたら、吊るし上げられる前に 説明責任を果たすべきです。

「日本政府の連結決算」 の視点の提案
  武田邦彦さん(中部大学教授) が 新視点を提案されています。 “政府の子会社 (日銀など政府が財産を自由にできる機関)” の決算を合計すると、資産が 900兆円、国債が 350兆円、徴税権が 750兆円で、計 約 2,000兆円です。 他方、負債は 国債 1,350兆円、日銀券 350兆円で計 1,700兆円ですから、連結ベースの場合、差し引き 300兆円も “余っている” ことになります。
  さらに 「日本国全体」 を見れば、政府には 1,000兆円借金があるものの、日本国全体では 300兆円も余剰金 (会社は 350兆円、個人は 1,100兆円の貯金) があります。 子どもの世代に借金を残すことなく “消費税ゼロ” も実現可能だとすると、政府は一体 何のための財源が さらに必要なのでしょう? 

全海研 第44回全国大会は長野県で開催
  全国海外子女教育国際理解教育研究協議会の全国大会の開催内容が 公示されました。 今年は 第44回で、8月3日(木)〜5日(土)、長野市生涯学習センターで行われます。 初日午後は 「グローバル人材を育てるためのトーキングテーブル」 です。 二日目は全日、「グローバル人材を育てるための特別課題分科会」 が行われ、「ネットワーク化」「コミュニケーション能力の育成」「派遣経験を活かした教育活動」「親日家育成プログラムの方向性」「在外教育施設のありかた」 の5分科会あります。
  三日目午前は 「実践事例研究発表会」。 午後の講演は 『グローバル化へ国際感覚を伸長させるための 英語実践教育』 と題して、渡邉 時夫さん(信州大学名誉教授) が、英語教育の現状、次期 学習指導要領改訂による 「2020年度実施の英語」 への対処、今後の課題、対策・実践、英語専科でない教師の対処等から今から出来る実践 等について話されます。

6月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
関西「帰国子女教育を考える会」第76回研究例会--- 6月 3日(土)、於:立命館中学・高校 (京都府長岡京市)。 テーマ 『SGH実践4年目を迎えて』=神戸市立葺合高校、大阪府立三国丘高校、立命館高校。 ※ 文科省SGH (昨年度までに 123校指定) で試みられた 様々な実践やカリキュラム等は、帰国生にとって どういう意味を持つのでしょう?
嘉悦大学の特別講演会--- 6月10日(土)、於:嘉悦大学カエツホール (東京都小平市)。 テーマ 『日本語は世界の人々をつなげる』=鈴木 孝夫 (慶應大学名誉教授)。 ※ イリノイ大学、イエール大学、ケンブリッジ大学など 各国の客員教授/研究員の経験者に、言語生態学的文明論を伺います。
異文化間教育学会 第38回大会--- 6月17日(土)・18日(日)、於:東北大学 川内キャンパス (仙台市青葉区)。 [特別課題研究]『異文化間能力を生かす--- 実践に向けて』、[公開シンポ]『国際共修:留学生と国内学生の学びあいをデザインする』。 ※ 異質な文化の接触によって生ずる様々な教育の問題を 学問対象として取り上げ、その研究を推進しています。
「“低コストで素早く”を可能にするシステム構築」セミナー--- 6月23日(金)、於:BCNアカデミールーム (東京都千代田区)。 テーマ 『最新技術の活用で企業価値を高める モダナイゼーション』。 ※ 新技術導入の際、システムの刷新ではなく 既存アプリ資産のリニューアルで競争力を確保!
映画 『原発なくても大丈夫(日本と再生)』 と講演の集い--- 6月29日(木)、於:立教大学 7号館 (東京都豊島区)。 内容: 映画上映上映、河合弘之監督の講演。 ※ 河合弘之監督は 脱原発の訴訟に関わる弁護士。『日本と原発』(2014年)、『日本と原発 4年後(2017年) も製作・監督されています。
第60回グローバル化社会の教育研究会(EGS)--- 6月30日(金)、於:聖学院中学・高校 (東京都北区)。 テーマ 『聖学院の21世紀型教育の現状--- 思考力を育てる取り組み』=伊藤 豊 (聖学院中学・高校 高等部長)。 ※ 児浦良裕 教諭の 高Vの数学の授業も 見学させてもらいます。
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◆ 夏休みを利用した 海外研修や留学のオリエンテーションが 行われる時期ですね。 海外の高等教育では 今、“チームの総力を最大化する実践力” が重視されていることを理解させておかないと、現地で 「何故、こんなことを?」 と 面食らったり悩んだりすることが多くなります。
  また、医療制度の違いについて 正確に理解させておくことも、サバイバル面で大事です。 引率者がいない海外研修や留学生を送り出す 学校側の指導責任は、とても重いといえます。

◆ イスラム教徒は 断食月に入っています。 敬虔な信徒であれば 慎ましい祈りの時期なのですが、肌の露出や飲酒などの “誘因” は ほどほどに。

性犯罪厳罰化の刑法改正案が 国会に提出されています。 これまで 多くの性犯罪被害者が 苦労を重ねて ようやく辿り着いた法案は、組織犯罪処罰法改正案よりも 先に国会に上提されていました。 しかし、政府は、順序を入れ替えて “共謀罪” を優先審議しており、女性の気持ちに寄り添う気など 全くないことが判ります。

◆ 小説 『イブキの島』(作:合田芳弘) が ミュージカルになることを、昨年秋に紹介しましたが、出演者・スタッフを募集する記事が、読売(5/24)・毎日(5/29)に載りました。 初演は 来年3月…… いよいよですね。

◆ 『くまのパディントン』(英1958年) のマイケル・ボンドさん(満91歳) が 6月27日に亡くなりました。 BBCのカメラマンながら、多くの短編を書かれ、異文化の狭間で揺れる子ども達を 励ましてくださいました。 うちの子は あの形の帽子を 「パッテンドン」 と呼んで愛好しています。

◆ 6月6日(火)、茨城県の日本原子力研究開発機構の施設で、放射能被ばく事故が起こりました。 徒らに怖がったり 目を逸らしたりしないで、原発が “核のゴミ” を出し続けていることを 真剣に考えましょう。

上海日本人学校の校舎増築 (2013年) の際、地下防空壕の設置が 義務付けられているのに驚きました。 校外に建築してもらうよう (注:建前です) 何度も交渉し、「人民防空費」 50,841元 (約85万円=“割引き後の額”) を上海市に支払いました。 

◆ 6月30日は 「大祓 <おおはらえ>」 ですね。 今流にいえば “夏バテ・食中毒回避の神事”。 皆様 お身体を大切に。

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【2017-5月】

木々の若葉が 眩しい季節です。
  今年の5月3日 (旧暦 4月8日) は 仏教の 「灌佛会(花祭り=釈迦誕生祭) です。 これは 北伝 (大乗仏教) の習慣でして、南伝 (上座部仏教) の世界では ヒンズー暦2月の満月の日 (今年:5月10日) に 「Wesak Day, Visakha Bucha」 の行事を行います。 東南アジア・南アジア各国で、この日は 釈迦の誕生・悟り (涅槃)・死亡 (入滅) が起こった日と 信じられており、祝日です。

「共謀罪」の議論は今、上滑り
  組織犯罪処罰法 (1999年法律) の改訂の議論ですが、パレルモ条約 (2000年11月 国連総会で採択) の所管は、国連薬物犯罪事務局です。 つまり、対象となる犯罪集団は 「金銭的・物質的利益を目的とした集団」 であり、原則としてテロ集団を含みません。 しかし、安倍政権では アメリカの 「Conspiracy (陰謀罪)」 を想定しており、かつての 治安維持法と同じ“曖昧さ”を 警察に与えようとしています。 これが、国民を欺く第一の点です。
  第二に、テロを予防できるかどうかは 警察の能力・センス次第であり、「テロ等準備罪」 の規定の有無に 一切関係ない点も、嘘をついています。 秘密保護法を拡充するとともに、警察の情報収集力を 格段に向上させ、それらを 政府が恣意的に運用できるようにしておくことが 狙いです。
  民主主義教育の基本は 「為政者に騙されるな」 ですが、「専門家に騙されるな」 ともいえます。 「国有地払い下げの値段が、国民の知らない内に決まる」 「競技施設や生鮮品市場の建築費等が、いつの間にか高騰していく」 などに関して、国民が納得できるように説明を要求することは、尊重されるべきです。 “素人は黙っていろ” という社会こそ 危険です。

第59回グローバル化社会の教育研究会(EGS)を開催
  グローバル時代の教育の基本も、健全な批判精神と柔軟性を育てることにあります。 アクティブ・ラーニング等は、子どもが “深い学び+学ぶ喜び” にまで至ってこそ、それが有効に機能したといえます。 4月28日(金)のEGS研究会では、多田孝志 先生の発題で 話し合いました。 学力の 「世界標準化」 への疑義が生じる一方で、教師も生徒も疲れてしまっている現状は、悲しい事態です。 理念や先例のみに囚われ、目の前の生徒への 「具体的な手立て」 や 「実践から生起する理論」 が疎かになっている例が 多いようです。
  多田先生は、異なる存在との 「動的な境界への眼差し」 を持ち、相互浸透の “場” を創ることの大切さを話されました。 日常的に 様々な対話機会を創ることで、自分自身が深まったり 変わったりする… そして 他者と協同して何かを創り出す… という原点を、しっかり見つめましょう。 最近は 『教師も楽しむアクティブ・ラーニング! 』 といった講習も開かれるようになっていますが、“生徒も先生も元気になれる授業の作り方” には、伝統的な教育技術が たくさん含まれています。 要は それらを、どういう視点で構築し直すかです。

「五」 について考える
  五原則五元素など “五” を一組とする感覚は、仏教・ヒンズー教圏の特徴です。 起源は 手の 「五指」 なのでしょうが、親指を 「finger」 と考えない欧米では、“五” を完全数と感じないだけでなく、「fifth」 には “裏切り, スパイ, 破壊…” のイメージもあります。 「Olympic symbols」 を “五輪” と呼ぶのは 日本だけ。 五輪が象徴する “五大陸 (Continents)” の色 (左から青・黄・黒・緑・赤) の、どの色が どの大陸を指すのかの詮索は、無意味です。
  「Oceans」は 日本では “五大洋” と訳しますが、太平洋と大西洋を 更に南北に分けて 「Seven Seas」 と呼ぶ方が、グローバルには一般的です。 ただし、10〜15世紀、世界文明の頂点にいた アラビア商人 (+海賊) にとっての 「七つの海」 は、南シナ海・ベンガル湾・アラビア海・ペルシア湾・紅海・地中海・大西洋でしたけど……。 因みに、北米の 「Great Lakes」 を “五大湖” と訳すと、セントクレア湖・ニピゴン湖などは 無視されることになります。
◆ 中国の五行思想は、万物は 木・火・土・金・水 の5種類の元素からなるという説で、各々に 青 (緑⇒ 春、東)・赤 (朱⇒ 夏、南)・黄 (⇒ 土用、中央)・白 (⇒ 秋、西)・黒 (玄⇒ 冬、北) の色がついています。

沢田博史さんの『冥銭のドラグーン』 は?
  大阪夏の陣 (1915年) は 旧暦4月26日開戦 (〜5月8日) でした。 現在の暦で 5月下旬から6月上旬です。 真田幸村の伝説的な活躍は、今でも 子ども達に人気ですね。 「流鏑馬 <やぶさめ>」は 疾走する馬上から的を射る 技術・儀式のことですが、弓矢の代わりに 小銃 (rifle) を持つ騎兵を 「竜騎兵 (dragoon, cavalry)」 といいます。 ただし、馬上からの射撃は 照準が難しいので、実戦では、下馬して “伏せ撃ち” するのが普通でした。 日露戦争の 「騎兵第1旅団(秋山隊) も竜騎兵です。 軽砲や機関砲まで装備していても、文字通りの “機動性 (cavalry)” が命でした。
◆ 「冥銭」は 死者を葬る時に棺に入れる硬貨 (=三途の川の渡し賃) のこと。 中国では、本物のお金は あの世に持って行けないので、薄紙に紙幣のような印刷を施した 「冥鈔 <ming2chao1>」を燃やして供養します。

「新入りラッシュ」 の時期に 申し上げます。
  この時期、新しい定期券を手にしている人が 多いでしょう。 定期券は、券面に表示された経路通りにしか 乗れませんし、本人しか使えません。 旅行ライターで漫画家の 恵 知仁さんによると、2007年 他人名義の定期券を10ヶ月使った生徒に、JRは 123万円を請求。 複数の学生が 不正な定期券を使用していたことが発覚した 日本大学では、642万円の支払いに応じたそうです。 「知らなかった」では 済まされません。
  満員電車での 迷惑行為のトップは、痴漢ではなくて (注:痴漢は犯罪)、「リュックを背負って乗車(マナー:リュックは前に) と 「ドア地蔵(マナー:入口付近に立たない) だそうです。 前者は 「スマホを見たい」 という身勝手から、後者は 「慣れない通勤・通学路で、降りられなくなるのが怖い」 という心理から、と分析されています。 いわゆる 「新入りラッシュ(=遅延) の元凶ですが、何度か注意されて、6月頃には 改まるのが普通です。

「相棒」 について考える
  5月21日から 双子座 (Gemini) に入ります。 カストール & ポルックス の仲の良い双子は、世界各地で 「コミュニケーション能力と知謀・知略」 の象徴になっています。
  「相棒・相肩 (partner)」 という言葉は、一つの駕籠 <かご> や荷物を一緒に担ぐ相手 のことだったのですが、“ペアになって仕事をこなす際の相手 (associate)” を指すようにもなります。 これが、「片棒」 から 「共犯」 へと進むと、人数も怪しさも増していきます。 相棒・相肩は 普通は一人ですから、「mate」 が “対” の感じがして ピッタリ。 商船の 「First/Chief Mate (一等航海士)」 は、船長 (Captain) の “女房役” です。 嫌な仕事や汚れ役、臨時の警察官の役も 負わされます (当然 拳銃を携帯)。 その点、運転技師である 「Engineer (機関士)」 は、気が楽なようです。
  なお、大型客船の場合、船長の補佐役は 「Staff Captain (副船長)」 と呼ばれます。 主には、乗客の安全確保に関する職務をこなしますので、普通は 拳銃等を携行しません(注:船長室などに保管)。 因みに、古代の日本語では、配偶者 (spouse) のことを 「ツマ(反対側の端) と呼び、男女の区別はありませんでした。 漢字が輸入されて “夫・妻” の字が当てられるようになり、やがて 女性のみに使われるようになりました。 英語の 「better half (妻)」 も 元は “親友” の意味で、男女は関係なかったそうです。
◆ 「Captain」 は 船長・艦長ですが、海軍大佐 という階級も意味します。 陸軍では “大尉”、警察では “警部” となるし、各国で微妙に異なるので 困惑することもあります。なお、 陸軍大佐は 「Colonel」 です。

「NTT Flet's 光」の悪徳商法に注意を!
  阿部泰尚さん (TIU総合探偵社) が、マンションやアパートの郵便受けに入る 「NTT Flet's 光」 のチラシについて 報告されています (5/12)。 結論からいうと 「NTTを騙<かた>る悪質な営業行為」 でして、NTT自身は 「Flet's 光」 を戸別訪問や電話勧誘 (⇒迷惑電話) 等で 直接営業はしません。 ただし、こうした “販売代理店” が まとめてきた顧客に対して “サービス提供は厭わない” 姿勢です。 困るのは、訳のわからない機器やサービスを 契約させられ、(知らない内に) 高額な料金を払い続ける嵌めになることと、解約したい場合は 消費生活センターか 弁護士に頼むしか 方法がないことです。 引っ越した直後や、一人暮らしを始めたばかりの学生などが、まんまと騙<だま>されるのですが、学校・大学側の注意勧告も 「NTT販売代理店」 の “印籠” の前では 色褪せてしまいます。
◆ この調査、10年前にやって欲しかったですね。 無数の犠牲者を出して、一体 誰が儲けているのでしょう?

5月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ALL山田仁講座「学級経営の基本」--- 5月13日(土)、於:阿佐谷地域センター (東京都杉並区)。 テーマ 『こうすれば子供・保護者の心をつかめる!』 。 ※ 学級経営が上手くいけば--- その秘訣が具体的に 手ほどきされます。
教員研修『SDGs×LEGO--- レゴを活用した体験の言語化』--- 5月13日(土)、於:国連大学ビル (東京都渋谷区)。 ※ 翌週20日(土)の午後7時から、オリンピック記念青少年センター (東京都渋谷区) でも開催されます。
市民文化フォーラム 5月研究シンポジウム--- 5月13日(土)、於:日本教育会館(東京都千代田区)。 テーマ 『共謀罪と憲法』=平岡 秀夫(元 法務大臣、弁護士)。 ※ 特定秘密保護法、安全保障関連法、そして 組織的犯罪処罰法改正へと 政府の恣意性が高まっていく流れを、憲法との関連を中心に議論。
市民文化フォーラム 5月研究シンポジウム--- 5月13日(土)、於:日本教育会館(東京都千代田区)。 テーマ 『共謀罪と憲法』=平岡 秀夫(元 法務大臣、弁護士)。 ※ 特定秘密保護法、安全保障関連法、そして 組織的犯罪処罰法改正へと 政府の恣意性が高まっていく流れを議論します。
教育ITソリューションEXPO 2017 --- 5月17日(水)〜19日(金)、於: 東京ビッグサイト (東京都江東区)。 ※ 21世紀型教育の実践を目指して、32もの特別セミナーも開設されます。
福永 佳津子さんの無料講座--- 5月20日(土)、於:麗澤大学 (千葉県柏市)。 テーマ 『海外での危険を回避!--犯罪のターゲットにならないために』 。※ 服部君事件(1992年) 以降、ずっと 「海外で危険な目に遭わないために」の願いで続けられています。
東京私立中学合同相談会--- 5月21日(日)、於:東京国際フォーラム (東京都千代田区)※ 東京の私立中学校173校が集結し 中高一貫校の優れた教育を紹介。 神奈川県なら 前週14日(日)、新百合丘と小田原で相談会があります。
ASIA-NETクロスナレッジ--- 5月25日(木)、於:南部労政会館(東京都品川区)。 テーマ 「伝える技術を鍛える勉強会」。  ※ 「モンローの説得話」 をテーマに取り上げ、現場で使える実践スキルの習得を目指します。
関西 かけはしセミナー2017--- 5月27日(土)、於:イオンコンパス大阪駅前会議室 (大阪市北区)。 テーマ 『英語教育改革の現状と今後の展望』=藤田 保(上智大学言語教育研究センター教授)。 ※ 「入試が変われば…」 といわれてきた日本の英語教育は 2020年の大学入試改革に向けて どう変わっていくのでしょう?
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◆ 音楽で使う五線紙は 「staff」、楽譜/五線譜は 「(staff) score」 です。 また、ギター教本では 親指を除いた4指を 1〜4で示します。 「親指も指だよ」 と言うと、「toe (足指) と混同するな」 と諭されるでしょう。

◆ 中国語の 「五色経済」 は、黒 (汚職/腐敗の権威交易)、灰 (偽物の製造/販売)、白 (麻薬取引)、黄 (風俗産業)、青 (密輸) の五色 …… 「バレなければ 立派な副業」 の感覚です。 もちろん 潔癖な人もいないわけではありませんが、中国語の 「合規」 に “説明責任” は含まれません。

◆ 『海峡 27号』(社会評論社刊) 桑ヶ谷 森男先生の論文 「新渡戸稲造と柏木義円の朝鮮認識を問う」 が、掲載されています。 新渡戸稲造 に対する印象が大きく覆される一方、柏木義円 という論客にも感激しました。 二人とも クリスチャンながら、真反対の論調には驚きます。

◆ 『月刊 海外子女教育』 5月号の特集は 「アイデンティティをめぐる帰国生物語」 「古典に親しむ」。 後者は、国際バカロレア (IB) の 「日本語科」 が どういうものかを知る 格好の解説です。

◆ インフルエンザだけでなく、ノロウィルスへの対応に途方に暮れていましたが、環境文化研究所から 「除菌消臭剤ジアットX」 と 「汚物処理剤おう吐クリーン」 の発売されました。 “学校現場に 強い味方が出現” の朗報ですね。

◆ 『T−GAL会報』第34号、『関西帰国生親の会かけはし会報』第37号が届きました。 帰国ママたちの活動が、地道に幅広く続けられています。 健康に気を付けて、息長く続けていただきたいと願っています。

◆ いよいよ 「五月病」 のシーズン--- 引越や転勤、昇進などでも環境の変化があれば “発症” します。 予防法は、周囲の人も一緒に 正しく認識し、心の準備をすることです。 お互いに声を掛け合って 乗り切りましょう。 毛穴が十分に開いていないと、熱中症の危険もあります。 皆さま お身体を大切に。

◆ 5月28日(日)、佐藤琢磨さんが 「インディ500」 で見事優勝されました。 世界最速サーキットを 平均時速250km で完走し、牛乳を浴びる姿は 格好いい! あの牛乳は、一口は飲まないと 賞金が減るんだそうですね。

◆ 『Strong in the Rain (雨ニモマケズ)』 が 日本語で読めます (えにし書房刊)。 悲惨な原発事故を経験しながら、未だに 同じエネルギー戦略の下で 原発再稼働を進める愚かさ、津波対策も 巨大防潮堤の建設という “土建需要” に すり替える狡さを、外国人記者が看破しています。

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【特記】 「テロ等準備罪」 を新設する組織犯罪処罰法改正案が 5月19日(金)、衆議院法務委員会で可決されました。
  「国会議員定数を半分に減らす」 と 国民を欺き 大多数の議席を確保したら、その約束は 放置して、特定秘密保護法制定、自衛隊法等改正 を強行した上に、とうとう この暴挙です。 共同通信は、国連人権理事会から任命された特別報告者 (U.N.Special Rapporteur) の ジョセフ・ケナタッチ (Joseph Cannataci) 氏が 安倍首相に緊急書簡を送って、警告を行ったことを配信しました。 法案の 「計画」 や 「準備行為」 の文言が抽象的で、恣意的な適用のおそれがあること、対象となる犯罪の中に テロリズムや組織犯罪と無関係のものを含んでいる危険を 指摘しています。
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2017年 4月以前のニュースは こちら。 

小山和智の執筆記事・コラム等の一覧

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