子女教育ニュース

      担当: 国際教育相談員 小山 和智
海外人事や教育関係の実務担当者の皆様に配信しているニュースの一部を、
一般の皆様にも公開します。 教育相談などについては 「教育相談から」を。
2020年 11月10月9月5月〜8月1月〜4月。 2019年 9月〜12月5月〜8月1月〜4月。2018年 9月〜12月

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【2020-12月】

diamond dust は 極寒の地の風物詩
  氷点下10度以下の快晴の日、大気中の水蒸気が凍って ごく小さな氷晶になり、キラキラ輝いて舞います。 中国語では 「鑽石塵<zuan4shi2 chen2>」と、研磨機から飛び散る金属粉みたいに呼ぶので、風情などありません。 その点、日本人の感性には 「光の風」などと趣を以って捉えられ、一般には 「細氷<さいひょう>」と呼ばれます。 冬の季語に 「木華<きばな>」「霧の花」などがありますが、北海道の旭川地方では 「霧華(⇒ KIBANA)」とも詠まれます。
  なお、細氷は降水現象なので、気象学では “雪”の扱い…… 快晴でも 細氷が観測されれば、気象台の記録は “雪”です。 また、細氷よりも細かい氷晶が空気中を漂う現象は、「ice fog(氷霧)という “霧”として 予報/記録されます。
◆ 「霧華」は 旭川の銘菓の名前にもなっています。<凍てついた景色の中に さざめく光の波がある 北国の霧があやなす 光の花吹雪>(壺屋総本店)

大麻(THC)に 改めて注意を
  「伊調 馨さんは選手なのでしょうか?」で有名になった 至学館大学の谷岡郁子学長が、一昨年の暮れに こう訴えています。
 <大学における大麻汚染は、将来的には社会全体における大麻・麻薬・覚醒剤汚染へと結びつきかねない。…(中略)… 学生の人間形成のための教育を可能にする条件整備を行うべきである>
  慶應義塾、早稲田、上智、東京理科、同志社、東海、近畿…… 大麻汚染が次々と報道され、世間に衝撃を与えています。 各国で 大麻の “解禁”(合法化)は ジリジリと広がっていますけど、健康的にも教育的にも 有害であることは明白です。 大麻を吸引すること自体は犯罪ではないので、知らずに大麻パーティーに参加してしまった場合は、犯罪ではありません。 しかし、違法な製造・所持・携行 あるいは売買に関わると 厳しく処罰される国/地域は多く、旅行・留学の際は要注意です。 学生や生徒が、知人から預った荷物の中に大麻が “混入”していて、旅行先や帰国時に 摘発される例も少なくないのです。
  先日、『令和2年版 犯罪白書』が発表されました(11/24 閣議報告)。 今回は 薬物犯罪に重点…… 大麻関連の検挙数が急増していて 昨年は過去最高の4千人を越え、その約49%が 20歳未満で自己使用を開始しています(cf. 覚醒剤は 約39%)
◆ 昨年5月、オーストラリアで 「栽培中の大麻を盗まれた」と警察に通報した男が逮捕されました。 彼の 「大麻を盗んだ少年が使用する危険を考慮した」という主張は、格好の酒の肴にされています。(有罪が確定してますが。今年だったら…?)

「人生って何なの?」 に答える
  強迫性障害の症状を持つ女子高校生と 叔父の交流を描いた映画 『memo』… 「人生って何なの?」と主人公が聞くと、母親は…
 <人生って “しりとり”みたいなものよ。 あんまり深く考えなくてもできる。 でも ちょっと考えないと続けられない。
   ちゃーんと考えれば いつまでも続けられる。 しかも 自分が楽しもうと思えば いくらでも楽しめる>
  絶望と思えるような状況でも、世の波に身を任せながら 目前の光景や変化などを楽しむ気持ちを持てれば…… と思います。 酒や薬物で紛らわすのではなく、「大丈夫、きっと何とかできる」と達観できるよう、何でも手を出し 挑戦してみましょう。 気が付けば、キラキラ何かが輝いて見えるかも… (笑)
◆ 「これは…」と思ったらメモする習慣は “学び”の大事な要素です。 出典・引用元を説明できない情報には 説得力がなく、無責任だと批判もされかねません。 他の人の “学び”を疎外したり混乱させたりするからです。

12月17日は「飛行機の日」
  ライト兄弟が 動力飛行機(12馬力ガソリンエンジン搭載)の初飛行に成功した日です。 1903年、場所は ノースカロライナ州にある強風の吹く砂丘 「Kill Devil Hills(キティホーク南方4km)でした。 二人は、オハイオ州デイトンで 自転車店を経営しながら研究を重ねました。 20世紀最大の発明に使われた先端技術は、
 「たわみ翼(Flap)」(主翼の端を捻じって機体のバランスをとる)
 「風洞実験装置(Wind tunnel)」(主翼の断面を流線形にすべきこと等を確認)
 「方向舵と昇降舵(Rudder & Elevator)」(運転性能を確保できる)など。
  ところが 大資本家とマスコミは、貧乏な兄弟の業績を徹底的に否定し、Wright Flyer1号機も 没収・死蔵してしまいます。 1号機は1928年に 英国科学博物館(ロンドン)に買い取られましたが、さすがにアメリカ人も 誤りに気がつきます。 初飛行から丸45年目のこの日、ライト兄弟の名誉回復を条件に 米スミソニアン国立航空宇宙博物館(ワシントンDC)に戻されました。
◆ “日本の航空機の父” 二宮忠八は、1889年に飛行機の原理を考案しています。 英国王立航空協会(RAeS)は 「玉虫型飛行器」の模型を展示、「ライト兄弟よりも先に飛行機の原理を発見した人物」と紹介しているそうです。 なお、RAeSは昨年、月の裏側に嫦娥4号を着陸させた 中国チームに 金賞を授与しました。

デイトンは アメリカの十字路
  デイトンは 70号線と75号線が交差する交通の要衝アメリカの出版・印刷業界の中心…… オハイオ州自体を 「State of Heart(心臓の州)と呼びます。 そこにあったライト兄弟の家や機械などは、彼らの仇だったフォードの博物館(ミシガン州デトロイト)に収蔵されています。
  米国ホンダ・グループの本拠地は オハイオ州コロンバス〜デイトンの一帯…… かつてのデトロイトのように発展しています。 脱工業化が進む「Rust Belt(錆びた地帯)の南に 「アメリカが誇るホンダ」の工場群が広がっているのです。 1980年代に 急激に日本人家庭が増えたため、岡山理科大学附属高校(例の加計学園)の支援を得て、デイトンにも補習校ができました。
◆ 国産初のジェット旅客機スペースジェット(旧MRJ)が凍結されることになりました。 約1兆円を投じた 私たちの宿願なので 残念ですが、再開の日が来ると信じます。 モーゼスレイク補習校も しばらく児童が減りますけど、存続されますよう。

天文台の世代交代?
  惑星探査機 「はやぶさ2」の地球帰還報道の裏で、アレシボ天文台Arecibo=プエルトルコ)の崩壊・終焉が伝えられました。 カルスト地形を利用した直径305mの球面主鏡(1963年)が造られて以降、“世界最大の望遠鏡”として大活躍でしたけど。 「Scintillation(揺らぎ=大気の影響等のキラキラ現象)を避けるために 「ハッブル宇宙望遠鏡(1990年打ち上げ)が、地上では 「五百米口径球面射電望遠鏡(中国貴州省。2016年完成、今年1月運用開始)等が登場し、影が薄まっていました。
  国立天文台 野辺山観測所(長野県。1969年開所)本館が昨年閉鎖、今年3月に電波ヘリオグラフ運用も終了したのは残念…… 次世代の天文台を整備する必要性から 経費が削減されていく事情は解りますが、研究者育成等での利用も考えて欲しいです。
◆ 野辺山観測所の建設を担当した戸田建設OBの遠藤政広さんは、「実家の裏に 日新館(会津藩校)の天文台跡がありましてね、不思議なご縁でした」と話されます。 日本天文学会は昨年、日本天文遺産の第一号に この天文台跡を認定しました。

原子力規制委員会の判断に 初めて違憲判決
  大阪地裁が 4日(金)、関西電力 大飯原発3・4号機(福井県おおい町)の耐震性を巡り争われた裁判で 「原子力規制委員会」の判断を誤りだとして 新規制基準下での原発設置許可を取り消しました。 「原子力“安全”委員会」(1978年設置)が東北大震災(2011年)の際、「長時間の全電源喪失は 想定外」としていた責任を問われ、翌年 「原子力規制委員会」に衣替え=安全保障はしない形となって、初めての“違法”判断です。 安全基準を緩和した上に、“検討放棄の忖度”までされては、仕方ありません。 今回の判決で、まだ日本の将来に希望が持てる気がします。

“非常事態の一年”が暮れていきます
  新型肺炎が蔓延する混乱の根源は、よく見据えておく必要があるようです。 とくに従来は 「健康保菌者」(症状が出ていない人)をカウントしなかったのに、今年は 「感染者」に切り替わりました。 しかも、中国政府が発表した “遺伝子の部品”を数個以上持つウィルスをAIで計算して、陽性かどうかを判断しています。 (最近、“変異種”も問題となってますが…) ウイルスの分析、そして細菌兵器やワクチンの製造も、 AIによる遺伝子組み換え技術でなされる時代になったのです。
  また、各国のリベラル派(民主党、労働党など)は その “世界標準”に従い、都市の 「Lockdown(封鎖)に賛成です。 人々の行動の自由を制限したり 行動を監視/追跡したりすることには 敏感に反対してきた勢力ですが、妙に積極的なのです。 他方、保守派(共和党、保守党など)は、経済活動が低迷して 失業者が増えることになる 「Lockdown」には反対です。 「Basic Income:BI」(基本所得保障=政府が各国民に一定の現金を支給する制度)などを要求される事態が怖いのです。
  どちらも 「完全雇用+リベラル資本主義」を信奉する “良識層”だったはずですが、各々が崩壊の危機に直面しています。 まるで 「共産主義的な統制経済社会」に突き進むような議論が 横行しだしたのは残念ですし、危険なことだと思います。

「はやぶさ2」は 次のミッションへ
  ミッションを終えたら、休む間もなく 次のミッションに向け旅立って行きました。 将来、地球に衝突するであろう軌道をとる小惑星の監視探査に向かっているのです。 接近までに また数年……。 SF映画 『Meteor(米 1979年)・Armageddon(米 1998年)などのモチーフは、決して空想に留まってはくれません。 それが “想定内”、さらには現実になった時、「はやぶさ2」から送られてくるデータが人類を救うことになります。
  1853年に日本に来航したアメリカ艦隊のM・ペリー提督が、気象/海洋観測や植物採集をしていたことは有名です。 世界中の植物650万種が保存されている ニューヨーク植物園には、彼が持ち帰った日本やアジアの原種が多数あります。 彼の先見性が、気象学や薬学、バイオ技術などの研究基盤を生み、圧倒的な優位性をアメリカにもたらしたわけです。 ペリーの名前は Matthew(マタイ)…… われらが 「はやぶさ2」も “福音”になってくれることを祈ります。 Bon voyage!

師走も大詰めです
  年の暮れ、キリスト教の 「Advent」(降臨節/待誕節)も大詰めですが、今年はコロナ禍のため 忘年会や宴会の騒ぎもなく、静かにクリスマスを迎えます。 本来は 身を慎んで キリスト降誕(the Nativity)の日を待つものでした。 わが国には古くから、冬至の 「大師講」の風習があり、今年 恵まれなかった人々・子ども達にも心を寄せ、共に 「一陽来復」への感謝を 賑やかに神仏に奉げてきました。 日本のクリスマスは 見事にそれと溶け合っています(海外から呆れられるほど)。 でも、今年は自粛!
  この 「教育通信」の内容は 多岐に亘るのですが、基本的に 高校の職員室・事務室(+酒の場)での会話をベースにしています。 数十人の “蘊蓄<うんちく>”集団は 実に多様で、話題に事欠きません(笑)。 だから、日々の悩みや葛藤は無限にあるのに “見ざる・聞かざる・言わざる”を決め込む人には、自己改革を勧めます。 子ども達の健全な成長のために、周りの大人は 心身ともに健康でいましょう!

12月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ロシア語教育研究集会2020 (On Line)--- 12月6日(日)、[基調講演]『ロシア語教育の現場で いかにITを駆使していくか』=竪山洋子,大山麻稀子 (横浜ロシア語センター)。 ※ コロナ禍における新しい教育形態の可能性や、ロシア語歌唱での現場指導などの実践報告が焦点です。TOKYO創業ステーション・セミナー(On Line)--- 12月12日(土)、テーマ 『心配しないシニア起業』=山中 昇(英検一級道場)、釣谷慎吾(ファーストブランド)。 ※“雇われない生き方”の手解きです。
第3回 JACTFLオンラインシンポジウム--- 12月20日(日)、テーマ 『コロナから立ち上がる多言語教育』。 ※ 講義終了後、情報交換のブレークアウトセッションもあります。
JSAF-IELTS Official Test Centre の Open House(On Line)--- 12月23日(水) [大学・教育関係者対象] 午後3時半〜、[高校の教職員対象] 午後4時半〜。 ※ IELTS の基本情報や最新の動向を紹介します。今回は 生徒・学生は対象外。
TJF「ときめき取材記」ワークショップ(On Line)--- 12月26日(土)。 ※ 学生が関心のあるテーマで取材し、記事をWEBサイトで発信するプロジェクト…… その活動に取り組みたい方のための実践ワークショップです。
TJF 「高校生パフォーマンス合宿」 2020秋 発表会(On Line)--- 12月28日(月)。 ※ 高校生と視聴者の交流(質疑応答)の時間もあります。
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◆ 私も アメリカやカナダで 幻想的な 「diamond dust」を見たことがあります。 零下20度?…… 疾走する車を停めてまで 眺める勇気はありません。 後で 「〇〇(名所旧跡)も観て来なかったの?」などと呆れられましたけど。

◆ 『月刊 海外子女教育』12月号の特集は、恒例の 「日本各地からの帰国生我が校紹介」…… 受験生にとって学校訪問が難しい状況では 貴重です。 もう一つの特集は 「字幕翻訳の舞台裏」……“一秒に4文字以内” “一行に10〜13字”など、俳句以上の超人技です。
  なお、編集長が 島田誠一さんに交代しています。 30年前、慶應義塾福澤研究センター(当時の所長は 法学部の内山秀夫教授)に居た島田さんを 内山先生に紹介されたのが、つい昨日のようです。

◆ 小田急電鉄(株)・UDS(株)・(株)エイチラボ の3社協働で運営するSHIMOKITA COLLEGE が、12月1日(火) 開業しました。 また、来春4月入学の 「1期生」(来春4月入学)の募集も、既に始まっており、日本の大学のあり方が 真正面から問われています。

◆ 79年前の12月8日は、太平洋戦争の開戦=真珠湾攻撃+マレー半島上陸の日…… アメリカが大鑑巨砲主義から航空機攻撃主体に 意識を変え始める契機となりました。 米自動車界の風雲児 プレストン・T・タッカーの発明した “部品”も、次々と軍に採用されていきます(『タッカー』米 1988年)

◆ 今年の流行語大賞に 『3密(新型コロナウイルス感染症対策として避けるべき行動=密閉・密集・密接)が選ばれました。 「今年の漢字」も 『』…… 安倍政権の“秘密・親密・密室”方式も後押し? 『鬼滅の刃』は届きませんでした。

◆ サッカーの天才 D・マラドーナの訃報(11/25)は衝撃でした。1986年の世界杯での超人的な足技や 「神の手ゴール」などの記憶は鮮明で、いわば 伝説…… しかし 薬物使用の噂も絶えず、なんだか 「Bernout(燃え尽き症候群)のように感じます。 享年60歳。 冥福を祈ります。
  小関哲哉さん(元 時事通信社、国際問題研究所ATWI)も 11月29日に逝去されました。 的確な国際情勢の分析力や卓越した話術、鋭い論旨などで 私たちを導いてくださったことは 忘れられません。 「駐在員サバイバル研修」やEGS研究会でも お世話になりました。 享年86歳、胆管癌でした。合掌。

◆ 20日(日)、『Japan as Number One(1979年)エズラ・ヴォーゲルさんが亡くなりました。 最高の知日家で、息子のスティーヴンさん(UCバークレー校 教授)は啓明学園OBです。 なお、1979年はジュディ・オングさんの 『魅せられて』が流行った年で、ホンダ・グループが ヴォーゲルさんの故郷のオハイオ州に工場を建てると発表したことと共に 記憶に残っています。 享年90歳。 ご冥福を祈ります。

◆ 今年もご愛顧ありがとうございました。 来る年が 皆様にとりまして稔り多い一年でありますよう。 新年快楽!
Selamat Hari Natal dan Tahun Baru! Joyeux Noel et Bonne Annee! Merry Christmas and A Happy New Year!

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【2020-11月】

「西向く士<さむらい>」の11月です。
  北の大陸から 大型の水鳥の群れが海を渡ってきて、冬の訪れを感じます。 白鳥以外は、「雁<がん>(注:“カリ”は鳴き声の擬声)です。 綺麗な “隊列を組んで行く”姿が、梵語の 「gang」に重なったのでしょう。 武士の結束=絆の象徴であり、家紋に用います。
  「gang」は 印欧語(IE)では “出かける”ことです。 ドイツには 「〜gang」という名前が多く、元は 悪い意味はありません。 次第に “出かけるために用意する道具・装備・人員”の意味にも使われるようになり、“港湾労働者たち”にもなりました。 軍隊や警察・消防でも “一隊, 一班”の意味なのですが、職務の過酷さから “ 荒くれ者”が集まったイメージが強まります。 本人たちも、士気(morale)を高揚させるために そう自称することが多く、それが反社会的な輩も 「gang」と呼ぶ習慣になりました。
  なお、洋上で船員を処刑するのは 「(gang)plank(道板)…… 船を乗り降りするための板ですが、当人には “崖っぷち”。 また、「gang-way」は “通路”で、船だと 「plank」を差し込む所(乗下船口)、列車では 車両間を渡る “踏み板”です。
◆ 梵語も印欧語(IE)の一派ですから、広島弁の 「がんぼ(う)」(暴れん坊, 悪ガキ)の語源も 「gang」かもしれません。 “つるんで〜”の印象は、仏教の影響でしょうか? なお、中国語で 「雁 <yan4>」は、「贋」(偽物)や 「硯」(⇒ 同窓生)などと音通です。

冬の星座は 凛として綺麗ですね。
  「star」には、キラキラ輝くような優れた人/立役者…… のイメージが重なります。 ところが、「-ster」は、“特定の事柄に従事/関連する人”“ある資質/常習癖を持っている人”の意味です。 例)songster, gagster, gangster, youngster, gamester, trickster..etc.
  「trickster」といえば、狐と猫の童話を思い浮かべますが、わが国なら イザナギノミコト?… と言うと 叱られます(笑)。 辞書には“詐欺師, 手品(奇術)師, 魔術師, 文化英雄(culture hero)…… なんだか怪しい雰囲気が漂いますね。 「numerous expedients(無数の手段・方策・便法など)を持っている、いわば 「fixer」なんでしょうけど…… 疑われます。

核兵器禁止条約が来春1月に発効
  10月24日(土)、核兵器禁止条約の批准国が50ヶ国に達し、来春1月22日に発効することが確定しました。 核兵器がもたらす “破滅的な人道上の結末”や 被爆者/核実験被害者の “容認し難い苦しみ”が ようやく認知されたのです。 「核なき世界」の理想が、ようやく核兵器を違法とする国際規範に変わったわけですが、核保有五大国は拒否しています。 イスラエル、インド、パキスタン、北朝鮮なども参加しておらず、アメリカの “核の傘”に頼る日本も参加していません。
  「使用するぞ!」という脅し、実験、他国への譲り渡し/持ち込みなども、核兵器禁止条約の禁止の対象です。 また、これら禁止行為の奨励や支援も禁じられるため、アメリカの核戦力の維持や強化を求める行為も、アウトです。 わが国が 国際的な批判に晒されることは避けられませんから、学校現場で それへの対応力も養っておく必要があります。
◆ 「核実験は 爆発を伴わない実験(臨界前核実験など) も含めて禁止」が、核兵器禁止条約の基本理念。 「奴隷制度は許されない」が 白人キリスト教社会の “常識”になるまで 200年以上かかったことを考えると、遠い道でも 着実に進むことが肝要です。

アメリカ大統領選挙の騒動で…
  今回は 「QAnon(匿名Q)という陰謀論の一派が、トランプの熱狂的な支持層になっていました。 話の中身は荒唐無稽ですので 割愛しますが、要は白人至上主義…… 有色人種や多様性許容論への反発ヘイト活動です。 客観的な根拠を示さないまま 特定の “敵”に全責任を負わせる論理展開は、日本のマスコミも たまに使う手法ですけど…… 真偽を確かめようもない内容で 過激な攻撃を繰り返す姿は、KKKなどの過激派の変形ともいえますが、始末が悪いです。 元 国防次官補 G・T・アリソン教授(米ハーバード大学)の 「Donald Trump's Stealthy Road to Victory」の記事(11/6)は驚きです。 こんな合法的な “裏道”があるとは…… トランプ陣営の強気の理由が理解できました。
  なお、前回の 「gang」は 格好の酒の肴になり、海賊も 英国旗を掲げれば英国海軍になる話にまで 盛り上がったりします。 “錦の御旗”(政府の認知)の有無で、官軍(⇒ 侍ふ)か賊軍(⇒ 徒党を組む)かが 決まるわけですが、QAnon は…?
◆ マレー語の 「gang」は “路地・小路”、とくに都会の裏通りで 車を乗り入れたら難儀する幅の小道です。 車が入れれば、普通は 「lorong」(路地・横町)と呼びます。 また、「ganggu」で “邪魔/干渉する, ねじ込む”の意味になります。

新自由経済主義からの覚醒を
  「新自由経済主義(Neoliberalism)」は「市場原理主義」(政府が市場に干渉せず放任するという建前)と表裏の関係です。 “法に触れなければ 何をしてもいい”という風潮を増幅し、現実には 貧富格差を拡大する方向に機能させる道具なのです。 老獪な世代は 若年層との間にも格差を拡大してきましたから、今や若者たちの大半は 自立して家庭を持つことすら困難です。 日本の 「パラサイト シングル」、欧州の 「NEET」、アメリカの 「Twixter」など、まるで “カンガルーの子”が溢れます。
  他方、幼い時からICT機器に触れられなかった子は 「デジタル難民」になりますから、パラサイトどころではありません。 小学校からの “学び”の機会を 全ての子どもに どう保障するのかは、コロナ後の大きな課題といえるでしょう。
◆ 小泉政権の 「聖域なき構造改革」も、実際には 福祉の自己負担、過疎地への行政サービス切り捨てなど、格差を拡大させる政策でした。 それを継承した安倍政権は 「トリクルダウン」の嘘まで使って、ますます殺伐とした社会風潮になりました。 菅政権は…?

自殺させないでください
  「令和2年版 自殺対策白書」(10/27 閣議決定)が発表され、昨年の自殺者は2万169人(対前年 671減)だったそうです。 わが国の自殺者数は 1998年から12年間、3万人余りありましたが、2010年以降は減り続けています。 昨年と比べ 671人の減ですが、15〜39歳の各年代の死因で 自殺が最も多いのは、先進国では日本だけとのこと。
  コロナ禍の今年、自殺予防学会でも 「自殺しないでください」の緊急メッセージを出しています(9/28)
<身近に心配な人がいる、という人は 是非「TALKの原則」を思い出して……(中略)Tell(声をかける)Ask(具体的に尋ねる)Listen(傾聴する)Keep safe(安全を確保する=応援を求める)です>
  「一緒に考えるよ、一緒に悩むよ」というメッセージを本人に伝え、孤立感を和らげて上げることが大事なのです。
◆ 「いのち支える自殺対策推進センター」の調べでは、各年代において 女性の自殺は増加傾向にありますが、依然として男性が女性の2倍以上。 自殺報道の影響もあって、今年8月 中高生の自殺者数が過去5年間で最多となり、特に女子高生が目立つそうです。

紅葉の便りが各地から届きます
  広島県の世羅町(三原市の北)甲山も 紅葉の名所の一つで、ここは鎌倉時代以降、ずっと紀州高野山の荘園でした。 「今高野山」という別格本山(真言密教の霊場。重要文化財も多数!)があり、その麓に 門前町や「せら温泉」があります。 大妻女子大学の創立者、大妻コタカ先生は この甲山出身です。
  <私共がこの世の中を愉快に暮らしていく行為には、いつもこの、何かせずにはいられないという、生き生きした心持を続けて行くことが必要でございます。 する仕事がなくなったら 積極的に仕事を作って働いて下さい。そうする心が いつも清々しく、身体まで元気になり少々の病気は逃げてゆきます。> 職業観教育の基本は 正にこれですね。 何でもよいので、前向きにひたすら努力することが、幸せを感じる大前提なのです。
◆ 広島県世羅町の隣の大和町には、1977年に 千葉県から三育学院が移転してきて、この一帯は 教育関係者に人気の視察・研修エリアになりました。 本当は、温泉と美味しい果物が目当てだったりして…。(笑)

「葉」の読み方は?
  英語の 「autumn leaves」は “初老の葉”の印象ですが、米語の 「fallen leaves」も マレー語の 「daun gugur」も “敗れ落ちる”? その点、私たち漢字圏では 「紅葉」(めでたい葉) と “爛熟”の発想で捉えています。 熟して落ちるのも めでたいのです。 現代中国語(普通語)は 北方系の言葉なので 「(叶)」を <ye4> と発音し、私たちの耳には 「ユー」か 「イエ」と聞こえます。 ところが、かつて 中原(黄河流域)以南に住んでいた漢民族は <yab> と発音し、私たちの耳には 「ヤッ(プ)」と聞こえます。
  中国語が苦手な学生の多くは、「b」と 「p」の違いに困惑しています。 田中智子さん(関西国際大学 准教授)の説明では;
  「b」は 無気無声両唇破裂音 [p]…… 無気音なので息があまり漏れないよう意識する。
  「p」は 有気無声両唇破裂音 [ph]…… 有気音なので 意識して息が出るようにする。
ba」は 日本語で 「葉っぱ」と言った時の 「ぱ」に近い音、「pa」は 「パイプ」と言う時の「パ」に近い音だそうです。 なお、東南アジアの華人に 「葉」をアルファベットで書いてもらうと 「yap」、知人の葉さんも名刺に 「Yap」と印刷してます。
◆ 田中智子さんによると、「g」も [k](無気無声軟口蓋破裂音)……「ga」は 日本語で 「一家」と言った時の 「か」に近い音だそうです。 「客家<Ke4jia1>」は台湾では 「Hag ga」の表記ですが、東南アジアでは(そして 英語でも) 「Hakka」と書かれます。

「敗北」ということ
  アメリカ大統領選挙は もう決着でしょうか? 中国語の 「<bai4>」は 大規模な戦争・決勝戦に“負ける/敗れる”です。 また、「成事不足 敗事有余」(役立たず+ぶち壊す名人)や 他動詞の “(敵を)破る/滅ぼす”でも使われます。 「敗北」は元々、「敗背」(戦に負け 敵に背を向けて逃げる)だったのが、次第に “北”の字に変わったとのこと。 音通に近いことと、南向きの家が多くて 裏手(背面)を “北”という習慣もあったためといわれます。 因みに、マレー語の “敗けた=後を渡す/委ねる”は 「kalah, serah」です。 権利・主張等を引っ込めるのですが、他へ転戦したり 兵を養ったりして、更に勝機を狙う趣旨…… 一筋縄ではありません。
◆ 中国語で 「輸血者」は、供血者(献血した人)のこと。「<shu1>」には “運ぶ”のほか “寄付する”と “(試合に) 敗ける”の意味もあるのです。 また、「 <song4>」が “贈”(present)に近いこと (注:"send" は「寄<ji4>」)にも、困惑させられます。

11月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ASIA-NETオンラインセミナー--- 11月5日(木)・6日(金)・7日(土)、テーマ 『仕事の現場ですぐに役立つ異文化理解(中華圏)/日本との比較』。 ※ 価値観・仕事観の違い、留意事項など 具体的な事例を基に考えます。
ITトレンドEXPO (on Line)--- 11月11日(水)・12日(木)、テーマ 『DX or LOSE』= 橋下徹(元 大阪府知事)、岸 博幸(経済産業省)、小室 淑恵(企業コンサルタント)ほか多数
JOESオンライン特別講演会--- 11月14日(土)、テーマ 『帰国後の子どもの成長に、親はどう向き合えばよいのか』= 小木曽道子(カウンセラー)
TJF 「パフォーマンス合宿」2020秋プログラム--- 11月15日(日)〜 <全6回>。 ※ 夏に続いて第二弾! 最終日(12/28)は、保護者・教師・NPO関係者などを招いた最終発表会の予定です。
「帰国子女教育を考える会」第82回研究例会(On Line)--- 11月21日(土)、テーマ 『コロナ問題への対応例を知り、今後を考察する』=足立 浩(ニューデリー日本人学校)、糀 秀章(パナソニック(株) 海外子女教育相談室)ほか
第22回 インターフェックス ジャパン--- 11月25日(水)〜27日(金)、於:幕張メッセ。 ※ 一般市場で “武田薬品 亡き後”がどうなるのか、塩野義製薬・資生堂・沢井製薬などの頑張りに注目します。
北京語言大学東京校オンライン講演会--- 11月28日(土)、テーマ 『これからの中国ビジネスの可能性を探る! 中国人のライフスタイル最前線』=董 麗麗(北京外国語大学国際商学院)ほか。※ 午後、北京で活躍する日本人学生団体の座談会もあります。
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◆ NHK BS1 『攻略!ニュース英語(火〜土曜 05:45〜/15:05〜)は、5分間のお得なサプリメントです。 『abc World News Tonight』から重要な項目を一つ選び <英文スーパー付き⇒ 日本語翻訳付き⇒ 字幕なし⇒ 英文スーパー付き> と4回繰り返して聞くので、聴解力と時事英語理解力の向上が期待できます。

石川一郎さんが 『学校の大問題 これからの「教育リスク」を考える』(SB新書)と 『教員採用は 生徒募集と同じである(東京図書)を上梓! 前者は コロナ禍による臨時休校で顕在化した学校の問題の、率直な解説です。 誰もが知っておくべき 「教育リスク」について、共に考えましょう。 後者は R18+(18禁)…… と書くと、先生よりも 生徒が読んでしまうんですよねぇ。(笑)

◆ 『月刊 海外子女教育』11月号の特集は、「海外子女文芸作品コンクール」の入賞作品紹介です。 子どもの眼から観た各地の様子は、私たちに心地よい衝撃や驚き、あるいは感動を与えてくれます。 教育相談コーナーは、関西分室の菅原光章さんが 子どものアイデンティについて解説されています。 辛い時にこそ、意識的に 明るい前向きの気持ちを以って生き抜く大切さを、優しく愛情あふれる文章でくださいました。

◆ 『月刊グローバル経営』の11月号特集は 「テレワーク時代の仕事と暮らし」です。 否応なく襲ってきた 「テレワーク」や 「オンライン」の世界を どう生き抜くのか、現場を引退した高齢者にまで 自己改革を迫ってきます。 でも、明るく上を向いて進みましょう。

◆ 大学入学共通テストに 「情報」が新設されます(現 中2生から対象)。 ところが、試験はマークシート式…?! 「端末など全国的に均質な受験環境の確保が難しい」 「機械的なトラブルを完全に排除できない」と、不可解な “公平性の観点”が…… 「百年河清」ですね。

◆ “駄洒落のプロ”(punster) 遠山 顕さんのブログに 「素麺とかき込んだら 美味紫蘇<おいしそう>」 とありました(9/13) が、皇居の富士見多聞の前に 見事なシソを発見! なんと家内は、いくつか実を採(盗)ってきて 天婦羅にしました。 美味叱った…… /(^^;

◆ これから冬を迎えますが、新型肺炎の感染は 早くも第三波に突入。 「一つ一つの基本的な行動に、いま戻ってほしい!」 と東京都医師会…… マスク着用も 「to prevent spreading disease」とポスターに掲げています。 予防の基本は “振り撒かない”なのです

◆ 広島平和クリニックの廣川 裕先生から 「(新型肺炎の)ワクチン開発の最終ゴールは、粘膜免疫を誘導する経鼻ワクチンでは?」のお便り。 安全で有効なワクチンを使える日が 早く来るよう願います。 それまでは、体力を維持するように心掛けましょう。

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【2020-10月】

10月1日は 「コーヒーの日」
  コーヒーの立て方の 最も原始的なものは、挽いた粉をカップに入れ、沸騰した湯を注いで 上澄みを飲む方式です。 コーヒー生産地などで よく見られ、挽き方・分量・湯の注ぎ方などの絶妙の度合をつかめば、結構な味となります。 「プレス式」は、粗挽きの粉をプランジャー容器に入れ、熱湯を注いで蓋をし、数分後に 抽出液をカップに注ぐもの。 この容器は イタリア人が考案したのに、なぜか北米では 「French Press」と呼ばれます。 「エスプレッソ(Espresso)」は、細かく挽いた粉をフィルターにギュッと詰め(tamping)、沸騰水を加圧して抽出します。 手間が掛かる半面、味が濃く旨味が凝縮されているので “特別”と呼ばれるわけです。 その他 様々な立て方の果てに スイス・ネスレ社の “即席コーヒー”が登場し(1938年)、爆発的に普及しました。
◆ 「シアトル系カフェ」は 基本的にエスプレッソを出す喫茶店で、“アメリカンじゃないコーヒー”の意味にも使われます。 スタバックス、タリーズなど 米西海岸のシアトル市で誕生したチェーン店が 世界中に展開しています。

増税が 景気を後退させる
  消費税が10%に値上げされて、1年が経ちます。 明らかに景気を低迷させ、国家の税収を減少させました。 「復興特別所得税」(復興財源確保法 2011年)は 2013年から25年間、基準所得税額の2.1%相当が課税されます。 だから、私のような “フリーランス”の謝金・原稿料等も、10.21%が源泉徴収されています(額面×10%×102.1%)。 東北大震災の復興資金捻出のため、勤労世帯は皆 甘んじてこれを受け入れているのですが、まだ18年も残っています。 今年、それに輪をかけて 「赤字国債発行」 「年金資金の投入」が断行されました。 これらは若い世代が負わされる借金です。 「全家庭一律の10万円給付」にも、違和感を覚えます。 景気後退で 勤労世帯の収入は大きく減少せざるを得ないのに…。 年金受給者にも一律に10万円を給付するための原資は、若い世代の肩に負わせているわけで、溜息が聞こえてきます。

GIGAスクール構想に思う
  昨年暮れ、文科省が 「GIGA(Global and Innovation Gateway for ALL)スクール構想」を発表しました。 児童生徒1人に1台の端末、および高速大容量の通信ネットワークを一体的に整備しようとするものです。 「公正に個別最適化された学びを 全国の学校現場で持続的に実現させる」ためには、膨大なICT環境整備予算が必要です。 新型肺炎の騒ぎで、公立小・中学校まで 「オンライン会議&授業」などをせざるを得ない状況となったのは 天祐でしょうか?
  プログラミング教育、STEAM教育、アクティブラーニング、反転授業など 様々な用語が 学校現場を飛び交っています。 しかし、あくまで方法は方法…… 要は 「効率よく準備し、子どもたちの心を掴み、学びに集中させる」ためのものです。 「子どもたちの “主体的で深い学び”を目指す授業」の実現を目指して、どんどん挑戦していきましょう!
◆ ICT利活用のPDCAサイクル徹底等も必要とされますが、技術革新が急速に進む社会は 常に発展途上なのです。 PDCAサイクルどころか、“D+CAサイクル” (いきなり試行錯誤型) のスピード感が求められています。 やっちゃえ、先生!

中国は国慶節です。
  例年 国力誇示をしていますが、村山義久さん(時事通信)は “鎧を衣に隠す”傾向を指摘されます(9/13)。 7月末の 「アジア基盤投資銀行(AIIB)」総会で、習近平主席は 肝心の 「一帯一路」について、一言も触れなかったとのこと。 途上国のインフラ整備に対する “不透明で野放図な貸付け”は、「債務の罠=借金漬け外交」として批判を浴びています。 ドイツの研究機関の推計では、「一帯一路」の沿線国の対中国債務の規模が、どこも自国GDPの1割を超えているそうです。
  もし貿易が止まったら、国内に13億人もの巨大市場を抱える中国は GDPを伸ばし続けますが、他の国には死活問題です。 G7諸国は、中国が その経済力を背景に “領地”を広げていくことに警戒しながらも、中国での生産・販売を続けています。 各国の中国依存が避けられない現実を前に、わが国は コロナ禍や香港・台湾の危機を どう考えていけばよいのでしょうか。
◆ コロナ禍で 途上国の財務や経済環境が悪化し、各地で事業の破棄・延期、債務減免(=国土を取り上げないで!)の声…… 中国側と紛糾しています。 香港を99年間 “貸した”経験の裏返しが “借りる”衝動でないことを祈ります。

異文化理解訓練の講師とは?
  私がクアラルンプールから帰国した頃(1997年)、企業・学校には 異文化理解訓練のブームが起こっていました。 でも、なぜか事業所内や校内のスタッフが指導するのではなく、“外部講師への委託=丸投げ”が流行ります。 そして 数年もすると、「こんなに時間や金をかける意味があるのか?」という反省が出てきました。 教材の類は無数にあるし、テレビ・ラジオ等の講座も充実。 PCさえあれば いくらでも情報や画像・音源を得られるし……
  しかし、そもそも 異文化対応・理解の訓練の趣旨は、ノウハウや技術、情報等を 手取り足取り教えることではありません。 教育の本来の目的がそうであるように、受講者の主体性と想像力を喚起して “生きる力”を体得させること(Mentor)です。 将来、異文化に出遭って 戸惑ったり悩んだりしたときに、何とか乗り越えていく術を、受講者が “自ら学ぶ”こと…… ある種の刺激を 適宜 予防接種の如く与え “耐性”を獲得させることにより、“課題/問いを見つけ 考える”訓練をします。 また、「Army Knife(十徳ナイフ)のように、サバイバルな選択肢を いくつも提示しておきます。(選ぶのも訓練です) そうやって “やる気”のコツをつかんだ人は、自ら学ぶ楽しさに浸り、生きる自信と幸せを感じることもできるのです。
◆ 昔の占い師や宣教師の “奥義”であったものは、今では 「Behavioural Science」(行動科学)で解明されています。 新自由主義を説く 「経営学修士(MBA)」の “奥義”も、高い授業料の割には陳腐です。 過信すると “社内失業者”になりかねません。

環境が変わって6週間前後の辛い時期
  新学期の開始から約一ヶ月、先生方から 「真夜中に目が覚めて眠れない」 「頭くらくら+吐き気が一日中続く」 「コロナ対策体制の緊張感といろいろで 疲労が蓄積」等のお便りも届きます。 今週辺りが “底”ですので、規則正しい生活を心掛けてください。 なお、新人や転入生の指導で悩まれているのなら、「どこまでできた?」と成果を聞くよりも、「何か悩みか 不安がある?」 と情緒面に焦点を当ててみると、意外と上手く行って 負担感が減りますよ。 きっと 「秋の五月病」でしょうから。

消費税の詐取を防げ!
  今月7日に大阪府警が、金塊 約120kgを密輸しようとした外国人5名を 「関税法違反などの疑い」で逮捕しました。 事件は 昨年5月、段ボール箱の中に隠した金塊を関西空港から 密かに持ち込もうとしたもので、既に16ヶ月経ってます。 犯罪を誘発するし 政治家の “隠れた錬金術”ですので、従来は報道されなかったのですが、隠しきれなくなったようです。
  海外から貴金属類を持ち込む場合、税関で消費税分を納めなくてはなりませんが、日本で売却すると その消費税分が還付されます。 ところが、入国時に申告せず 隠匿して持ち込んだ場合、売却の際に消費税分を受け取れるので、日本国から詐取できるわけです。 この事件では 5.5億円相当の金塊でしたから、約4,400万円の不当利得を得る企てでした(事件当時の消費税は8%)
  年々 犯行手口が巧妙化するなか、税関検査で 隠匿物(=密輸品)を発見し 摘発することは、極めて難しい作業です。 財務省・国税庁は、 「業者が買い取る際に消費税納入済みの証明を確認することを義務化」の法改正を決断すべきでしょう。
◆ 密輸による消費税の詐取は、消費税を8%に値上げする法案の出た時(2011年末)から問題になっていました。 これまでに 何兆円が国の税収から詐取されたのか 把握しようもありませんが、法改正が遅れれば遅れるほど 急増していきます。

心理的安全性に留意を
  「心理的安全性(Psychological Safety)」は、集団心理学の用語です。 自己イメージや地位・キャリアにマイナスの結果を恐れることなく 自分自身や行動を見せることができる状態のことです。 自己肯定感(Self-esteem)を育み 士気(Morale)や成果を上げるためには、強迫観念や焦り・恐怖心などを抱かないことです。 「こんなことを言ったら叱られないか/馬鹿にされないだろうか」「これをやったら、酷い目に遭わないか/損しないか」… こうしたことを さほど深刻に感じないでいる時こそ、最高のパフォーマンスが“引き出される (educated)" わけです。
  これらは、帰国生受け入れの伝統校では根付いていますが、それ以外の学校の中には “看板倒れ”の所も かなりあります。 「帰国生を受け入れます」と看板を掲げている学校が、「挂羊頭 売狗肉 <gua4yang2tou2 mai4gou3rou4>」(羊頭狗肉)や 「Cry(up) wine and sell vinegar」ではないかは、実際に その学校に行って、よく確かめましょう。

「情報モラルかるた」が人気です
  教育の情報化の環境整備支援を行うNEL&M(佐賀市)は、「情報モラルかるた」のスライド教材を無償提供しています。 IDやパスワードの管理など情報モラルに関することや、便利さと怖さが混在するSNSの使い方などを、楽しく学ぶ…… それらを 子どもと親や教師が一緒に確認した上で使っていく教材です。 なお、商品としての 「情報モラルかるた」は 2,400円。 これよりも高い価格で売る転売業者も横行しているそうで、それだけ人気があるということでしょうか?

10月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
JOES オンライン特別講演会--- 10月18日(日)、テーマ 『帰国生に聞いて欲しい KANJI(漢字)のおもしろさ』=レット・メイヤー(漢字教育士)※ 日本語と英語を織り交ぜながら話されます。
第3回 医療IT EXPOセミナー--- 10月14日(水)〜16日(金)、於:幕張メッセ。 ※ 日本の未来社会・医療を語る全85講演です。
☆ 日経クロステックEXPO 2020(On Line)--- 10月12日(月)〜23日(金)。 テーマ 「ウィズコロナ時代に備える」。 参加無料。 ※ 大手ITベンダーが集まる博覧会ですが、特別講演・セミナーの充実度は抜群です。
外国語教育・学習研究に関する国際シンポジウム on Line--- 10月31日(土)・11月1日(日)。 ※ 中・西・仏・独・韓の5言語について、研究、自己啓発、クラスルーム、社会、カリキュラムの5テーマが設定されています。
TNC 日中オンラインセミナー--- 10月30日(金)、テーマ 『中国の若者たちは今』。 ※ 清華大学-野村総研中国研究センター(TNC)の主催。中国社会のデジタル化を担う若者たちに焦点を当てます。
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◆ エスプレッソを贅沢にした 「Caffe-latte」 「Cappuccino」はミルク入り、「Cafe Wiener」は生クリーム入りです。 なお、「coffee and milk」が “棺桶の乳”に聞こえたり、「plunger」はトイレや排水管が詰まった時の…と思ったり、笑いのネタは尽きません。

◆ 8月にNHK−Eテレで放送された 『“焼き場に立つ少年”をさがして』が、10月3日(土) 午後11時から 再放送されます。 鶴 文乃さんが 『いっしょうけんめい きょうまで生きてきたと!』で紹介された孤児院 「向陽寮」も出てきます。

◆ Care the World のノーラ・コーリさんが 『世界から学ぶシンプルライフ』を上梓されました。 物質的にも情報面でも 豊かな生活をしている半面、幸せを感じ難くなっている私たちへの “簡素化の勧め”…… 多少の不自由さを楽しむことですね。

◆ 『月刊 海外子女教育』10月号の特集は 「失敗や気づきを糧に」…… 7人の帰国生が、海外生活で得た “気づきや学びの体験”を紹介します。 もう一つは 「日本のインスタントラーメンと冷凍食品」で、日清食品の “舞台裏”のルポです。

◆ 『海峡』に桑ヶ谷森男先生の論文「国民学校教科書の中の朝鮮」と「李箕永『故郷』を読む」が載りました。このような実証的な研究に基づく教育を きちんとやらないものだから、極右的な言説がここ数年 表立ってきていると思います。 だから、日本のマスコミ関係者の不勉強は、犯罪的とさえ思うのです。

◆ 1995年の日食(10/24) では、イランからインド、インドシナ半島、ボルネオ島にかけて 皆既日食が観測されました。 辺りが一転暗くなり 気温も下がって…… という経験は とても貴重です。 近くで観る機会があれば、臨時休校にしてもいいのでは?

◆ すっかり涼しくなりましたが、秋の味覚の価格の高いこと…。 半年間 いろんな味覚を我慢してきて、まだ我慢が続きます。それでも、運動不足で 体重だけは増えている方も多いようです。 身体を動かしましょう!
  アメリカ西海岸では 記録的な高温と干ばつのせいで 大規模な森林火災が続いています(ナパ渓谷のワインが心配…)。 煙は アメリカ東海岸はおろか 欧州にまで達し、大気に漂う有害物質の影響が深刻です。 皆様、お身体をご自愛ください。

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【2020-9月】

新学期が始まりました。
  この時期には毎年、「秋の五月病」(環境の変化に伴う不適応症状)を説明してきました。 授業が始まって6〜8週間、皆が辛い時期だからこそ、互いに声を掛け合い 励まし合うことが大事です
  ところで、「愚痴」は、言っても仕方ないことを言って嘆くことで、公にしない(口外しない)前提で話されます。 仏教では “ものの道理がつかない愚さ”の意味ですから、口にすることが憚られ、ぶつぶつ言う(grumble, murmur)ものでした。 しかし、「愚痴」を いつまでも腹に溜めておくと 病気になりますので、どこかで解消しなければなりません。 仲間同士のお喋りや じゃれ合いは 格好の機会ですし、スポーツで汗を流したりするのも リフレッシュの効果があります。
◆ 仏教の「Moha」(愚かな心)は 中国で 「」と訳されましたが、日本語では 「愚痴」に変わりました。 現代中国語では死語になり、「牢騒<lao2sao1>」「怨言<yuan4yan2>」(complain(t))だけが残っています。(大声で言うから?(笑)) また、「Moha」は“豚”で象徴されます。 ムハンマド以前のアラビアにも “愚かな人間の心の動きに注意”として伝わっていたようで、イスラム教徒の豚嫌いは、豚が媒介する疫病だけが原因ではなかったと思います。

「愚痴」と「本音」を混同しないこと
  他方、「本音」は 本心から出た言葉(慣習等に囚われない気持ち)で、知性や叡智に裏付けられた 思索の塊をいいます。 近年、愚痴と本音の混同が進み、心理的に落ち込む人が増えました。 これを仏教では 「愚痴の闇」といって戒めています。 とくに若者のお喋り・じゃれ合いは、“胸のモヤモヤ”の解消が目的であって 何かを解決して欲しいわけではありません。 また、言っても仕方ないことを本音だと思い込むと、出口が見えなくなり “悩み”も解消できなくなります。
  さらに放置すると「邪見」(誤った考え)を生み、物事に角を立てたり 道理を無視して自他を害するようにもなりますいじめや引き籠り、自傷行為なども、その 「邪見」の延長戦上にあると 仏教では考えるのです。 PTAやボランティア活動などの場で、「私はいいんですけど、〜と感じている人がいます」という意見を言う人がいます。 自分の愚痴や不満を 「誰かを代弁している」と自己暗示していて、活動の大きな障害となります。 お互いに注意しましょう。
◆ 俳諧は、短歌の決まり事を無視して戯れに創られるように、心の底で感じていること、思索の限り(本音)を表現することです。 動詞は「吐く」です。

他人と比べて考えない
  私たちが 映画『ジョーカー』に思わず惹かれるのは、世のレッテル貼りの風潮に 衝動的な抵抗を感じるからでしょうか? ごくありふれた善良な中年男が “悪のカリスマ”に祭り上げられていく悲劇…… 格差社会の犯罪性を浮き彫りにします。 しかし、富裕層だけでなく、現状に甘んじようとする 「話を聞かない人たち」の存在も無視できません。 70歳代の年寄りだけでなく、選挙に行こうともせず “自分の楽しみ”に固執する若者も、格差社会を肯定しているのです。
  多文化共生教育やIB教育の目指すものは、偏差値や 「勝ち組・負け組」などに拘らないで物事を判断する姿勢です。 多文化共生社会に背を向けている人たちの背中には、ジョーカーが投影する“魔性”が映っているように感じます。

「二百十日」は9月1日頃
  9月1日が「防災の日」なのは、「二百十日(立春から 210日目)が この前後だからです。 “台風の時期”ともいわれ、今年は大きな台風が3つ続けてきました。 被災された皆様には お見舞い申し上げます。 しかし、台風が大きい割に 死傷者が少ないのは、何よりです。 天気予報や土木工事など 防災技術の発達のお蔭でしょう。 第二次安倍政権は、公共土木事業を 目立たぬように 次々と先送りしてきたのですが、被害が大きくなかったのは幸運です。
◆ 公共土木事業は 「箱もの行政」といって嫌われてきまたが、自然災害対策には 長期的な観点に立った事業遂行が不可欠です。 過去7年間に実際に使われた金額は、民主党政権の3年間(2009〜12年)と比べても情けない額で 呆れます。

“薬”のいろいろ
  わが国初の “薬物”を指定する政令は、1953年9月16日に公布されました。 正規の製造許可なく造ったり、闇ルートで流通させたりするすることは、各国で厳しく監視・制限されています。
  「medicine(マレー語「obat, ubat」は 、本来は毒物ながら 上手く希釈/微量化して 医療等に役立てるものです。 私たちが通常 「くすり」と呼ぶものには、「用量・用法等を守って 正しくお使いください」と書かれています。 そして “危険薬物”=“麻薬(Narcotic)”のほか 覚醒剤(Stimulant)や幻覚剤(Halluncinogen)など…… 本来は 医療薬として開発・製造されているのですが、医師の処方に従わずに使用すると危険です。 もちろん違法です。
◆ 危険薬物は、刑事ドラマなどでは <ヤク>と呼ばれています。 英語では 「drug」、マレー語では 「dadah」…… 本来は “治療薬, 試薬”の意味なのに、“危ない”のニュアンスを込めて使われることが多くて、可哀想です。

大学入試改革の記述式問題の導入延期
  「大学入学共通テスト」の記述式問題は、「学力評価研究機構」(ベネッセ系)に批判が殺到したため 延期されました。 批判の一つは、50万人以上の答案を採点する人員1万人の中に、学生アルバイトも含まれるとされていた点です。 しかし、極めつきは、試験実施前に 同社に試験問題と正答例が予め知らされる仕組みとなっていた点ででしょう。 こともあろうに、ベネッセは 同社の模擬試験などを宣伝する際、そのことを“受験メリット”として挙げていたのでした。 それでなくても ドメスティック教員は抵抗しますし、2年前から同社と文科省との “暗黙の了解”が噂されていました。 「李下に冠を正さず」…… せっかくの大学入試改革の腰を折るような動きは、残念としか言いようがありません。
◆ 「JAPAN e-Portfolio」の運営許可を 文科省が取り消し、9月10日(木)に サービスが完全停止しました。 大学入試改革において 「主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度」を評価するツールでしたが、残念。

「口コミ」か 「ヤラセ」か?

  ニールセン調査(2013年)では、商品やサービスの情報に関し マスコミに載る広告の影響力は、消費者の約60%だそうです。 他方、「友人などの口コミが信頼できる」は84%、「インターネット上の消費者レビューを信頼する」は68%とのこと。 心理学でいう 「Bandwagon Effect(バンドワゴン効果=時流・勝ち馬に乗る心理)を悪用して宣伝するのが 「ステマ」です。 「ヤラセ/サクラ」として批判もされますが、日本や中国・韓国では “違法スレスレ”と認識され、国民に許容されています。
  教育現場におけるステマは 永年邪道とされてきましたが、20年前からアメリカのMBA取得者が 受験市場に次々と参入。 保護者や それを装う輩がネット上で繰り広げる “書き込みの応酬”は、受験生を持つ親にとって 貴重な情報源のようです。 しかし、様々な思惑や悪意も混ざって “炎上する”(誹謗中傷/非難が飛び交う泥仕合になる)ことが少なくありません。 やはり 直接学校を訪ね、雰囲気を肌で感じることが第一…… 子ども自身が 「ここ!」と目を輝かす学校を探して欲しいです。
◆ 「ステマ」は 「Stealth Marketing」を略した通称で、「Undercover Marketing」(広告表記のない宣伝行為)のことです。 アメリカやEUでは、「消費者に対する不公正な欺瞞に当たる行為」として 法律で禁止されています。

世論調査の信頼性は?
  3か月前、フジ・産経グループの合同世論調査が 「お手盛り(=大嘘)」だったことが判明しました。 調査を委託した業者(アダムスC社、日本テレネット)が、電話していない架空の回答を相当数 計上していたとのこと…… 昨年5月からの14回分、テレビ・新聞で 安倍政権の支持率の底堅さを報道していた、その元のデータが嘘だったわけです。
  しかし、国民が それに乗せられて株を買ったり 自民党に投票したりしたことへの反省や社会的な責任は、うやむやです。 また、年金基金を12兆円も注ぎ込んで 株価を支える政策も、その “支持率”の論理で強行されてきました。
  そもそも、昼間に自宅の固定電話に電話して 世論調査をすること自体が間違っています。 学生たちも言います;<まともな学生の話が聞きたかったら、自宅や街中ではなくて、大学のキャンパスに来なさいよ!>
◆ 「現場を見ないで記事を書く」「上司の載せたい内容に沿った “事実”のみ集める」ことが当たり前になった 日本のマスコミは、国民の空気を読むことが不得手で、どんどん “下請け”も使います。 報道番組に お笑いタレントが多く登場するわけです。

やはり マスクをしましょう!
  東京では 「マスクをしない!」という人が増えて困っていますが、着用できない理由があれば 当人に説明責任があります。 「嫌だから嫌だ!」「義務ではない!」などの “わがまま”に、内科医の市原 由美江さんが 『オトナンサー』で一刀両断!
<そもそも、マスクは風邪などの感染症にかかっている人が装着し、せきやくしゃみによる飛沫が周囲に拡散することを防ぐためのものです。 未感染者が予防目的で着ける意味は、限定的…>
  かつて 「健康保菌者」という用語もありました。 病原菌やウィルスを体内に持っているけど 発症していない状態の人です。 学校でも 「誰もが保菌・媒介者になり得る」という認識の下に、マスク着用・手洗い・うがいの励行を指導してきました。 媒介者になるかもしれないのに 「自分の身さえ守れれば」と考えると、身内や知人を重症者に陥れる危険が高まるのです。
◆ 理化学研究所や神戸大などが スーパーコンピューター 「富岳」を使って、飛沫を抑えるマスクの効果や、学校の教室などでの飛沫の拡散状況を予測しています。 サイゼリヤは 食事用マスク 「しゃべれるくん」を考案。 いずれも “不拡散”の発想です。

9月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
高校選択を考えるバーチャル学校説明会--- 9月2日(水)、テーマ 『脱・偏差値受験指導』=松本優也(教育と探求社)。 ※ 中学校教員対象。 withコロナに於ける進路指導のあり方や 志望校選びを考えます。
note CREATOR FESTIVAL --- 9月2日(水)〜5日(土)、テーマ 『インターネット時代の新教育』ほか。 ※ 各界の最先端を走る人材を招いた“創作の輪”を広げる祭典です。
IB生対象 オンライン大学説明会 2020--- 9月5日(土)。 国際教養大学(AIU)・国際基督教大学(ICU)・上智大学・東北大学・法政大学・メルボルン大学・立命館アジア太平洋大学(APU)ほか。 ※ IBのDPを履修している生徒が対象です。
第2回 JACTFLオンラインシンポジウム--- 9月5日(土)、テーマ 『コロナをプラスに転じる多言語教育』。 ※ オンライン授業の可能性、課題発出と回収、学習の評価などについて検証・実践報告。
第11回 教育総合展(EDIX東京)--- 9月16日(水)〜18日(金)、於:幕張メッセ。 ※ 徹底した新型肺炎対策の下で、満を持して開催。貴重なセミナーが目白押しです。大学入試の記述式問題や JAPAN e-Portfolio などが頓挫するなか、教育業界は どう展開していくのでしょうか?
英語ピナクルクラブ Zoom懇談会--- 毎週金曜 午後10時〜10時半。 ※ 英検1級道場の山中先生を囲む 受験者の交歓会(参加無料)。 小学5年もいます。
ASIA-NET オンライン セミナー--- 9月24日(木)、テーマ 『最新無線通信規格から見る台湾IoT』、参加無料。 ※ 5G、Wi-Fi6、Bluetooth5などの正確な知識と直ぐに役立つ実践ポイントを紹介します。
オンライン日韓交流おまつり 2020--- 9月26日(土)、テーマ 『心あわせて 乗り越えよう』。 ※ 今年は YouTube「オンライン駐日韓国文化院」チャンネルでライブ配信。
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◆ 8月下旬、今年度の文科省派遣の先生方が、出発されました。 5ヶ月間の待機も、着任を待つ現場も 大変でしたでしょうが、関係者の皆様、子どもたちのために 頑張りましょう。 よろしくお願いします。

◆ マレー語に 「guci wasiat(秘密、お守り)という言葉があります。 「guci」は水瓶⇒“wasiat(神の言葉/意思)を溜めておく”という意味です。 イタリア・ブランドの 「Gucci」も、この流れだと思いますが、語源を どなたか ご存じですか?

◆ 「アリナミン」「ベンザ」「ボラギノール」など武田薬品のブランドが、米国ブラックストーンGに売却されるそうです。 大衆薬部門 「武田CHC」が、とうとう外資に…… やがて “タケダ”の名は消され、庶民に忘れられるかも。

◆ 『月刊 海外子女教育』9月号の特集は、海外にいる子どもたちのための 「通信教育」です。 ICT機材の発達により、どんどん新しい形の学び方が可能になっていますが、新型肺炎の騒ぎで 外出もままならない子どもたちを、しっかりと支えています。

◆ 『月刊グローバル経営』9月号特集は 「米中対立どこまで」でした。 アメリカと中国との緊張関係の中で、わが国は どう生き残っていけるのか、「新内閣に任せておけばよい」と無責任ではいられません。 でも、明るく前向きでありたいものです。

◆ 8月23日(土)の「インディ500」で、佐藤琢磨さんが2度目の優勝を飾りました。 毎年5月なのに、今季は新型肺炎の影響で8月に延期、しかも無観客での開催でした。 真夏の炎天下でも “世界最速”の熱い闘いは 実に爽快! おめでとうございます!

◆ 8月28日(金)、安倍首相が辞意を表明しました。 奇しくも 57年前のこの日、ワシントンDCでキング牧師が 『I Have a Dream』の演説をしています。 明るく前向きに生きる人材を育てるために、読み返してみませんか?

◆ 8月30日(日)には、多言語・多文化交流 「パフォーマンス合宿」の発表会がありました。 “オンライン合宿”?…… と思っていましたが、高校生の想像以上の踏ん張りに感激。 こんな授業や合宿が 一年中できたら、素晴らしいです。

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2020年8月以前のニュースは こちら

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