子女教育ニュース

      担当: 国際教育相談員 小山 和智
海外人事や教育関係の実務担当者の皆様に配信しているニュースの一部を、
一般の皆様にも公開します。 教育相談などについては 「教育相談から」を。
2019年 4月3月2月1月。2018年 9月〜12月5月〜8月1月〜4月。2017年 9月〜12月5月〜8月

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【2019-4月】

◎ 「清水へ 祇園をよぎる桜月夜
  4月ですね。 作者(与謝野 晶子) は京都の街を、清水<きよみず> へ向かって 祇園(花街) を横目に見て歩いている…… 四条の東端、八坂神社辺りから南に向かって歩いているのですね。 右手は 絢爛たる繁華街です。 たぶん満月で、左手(祇園の反対側) から大きな月が登ってきて(あるいは春の朧月かも)、満開の桜並木の向こうにチラチラ見えるのでしょう。 祇園の明るさ・賑やかさとは 対照的に、自然の薄桃色と月明りが 素朴で真っ直ぐな心の高揚を謳い上げています。
  ただし、これには 下の句 「こよい逢う人みなうつくしき」 があります。 こんな素敵な宵に(満開の桜や満月のような気持ちで)歩いていると、行き交う人々の様子が、みんな美しく見える…… というのです。 しかし、花冷えや頬に触れる微風は、これから会う人への期待と不安も暗示します。その複雑な感覚が混ぜ合わさっている心の情景が、青春そのものなのでしょう。

TJF 多言語・多文化交流<パフォーマンス合宿>発表会
  3月28日(木)、31名の高校生が国籍・文化を越えて交流合宿した成果を披露してくれたのですが、昨年よりも一層中身が深まったように感じます。 ロシア語、中国語、ポルトガル語、スペイン語、ベトナム語などが飛び出しても 違和感のない空気…… 平然とドラマを展開していく生徒たちの逞しさを感じた次第です。
  「自分の意見を言うのが苦手だった」 と述懐する生徒が多いのは驚きでした。 好き嫌いを言わなくても生きていける環境にあるからかもしれませんが、「欲求を表に出さずに平穏でいたい」という "ひ弱さ" では、新しい学びも視野も開けません。 「友達って、こんなに簡単にできるんだ」「話せるって、自分を明るくすることなんだ」 と屈託なく言う高校生を観ていると、「この子たちの小・中学校時代は 何だったのだろう」 とさえ考えてしまいました。
◆ 英語に頼らないコミュニケーションの取り方が、"グローバルに生きる" ことの必須要件だとつくづく感じます。 合宿に集まった高校生たちは、薄曇りの天候の下、満開の桜と一緒に輝いて見えました。

第69回グローバル化社会の教育研究会(EGS)の開催
  4月16日(火)、聖学院中学・高校(東京都北区) で開催されます。 話題提供は 科学技術振興機構 国際連携アドバイザーの西川裕治さんに お願いしました。 テーマは 『われらが科学技術立国の行方--- インドとの高度人材交流を通して、日本人材、社会のグローバル化を考える』です。
  西川さんは 商社マンとしてのご経歴のほか、日本貿易会や日本在外企業協会の広報部長(編集長)、さらに昨年の3月まで 科学技術振興機構インド代表も務められています。 資源も食糧もないわが国が 「科学技術立国」で生きていくには どうしたらよいか、それに呼応して 学校の現場で何ができるかを、一緒に考えたいと思います。 それは、急速にグローバル化している日本社会の現実に向かい合うことでもあります。

ブリーフィングを一時間?
  人事異動の季節ですが、「〇〇からブリーフィングを一時間受けた」 という言い方に 首を傾げるのは、私だけでしょうか? 「brief」は元々 "短く簡潔な" という意味で、名詞なら「Summary (摘要・概容)」 あるいは 法律用語の「Warrant (令状)」や訴訟準備書面などをいいます。 動詞なら "概況を説明して指令を与える" です。 「briefing」は本来、軍事用語…… 進行中または計画中の戦闘の詳細を手短かに要約して 口頭で伝えることでした。 それに 民間航空会社もならって、搭乗員の "フライト直前打ち合せ" をそう呼びます。 さらには ビジネスの世界でも、何かを実行する "直前の打ち合せ" を呼ぶ習慣となりました。 それが次第に緊張感が薄れ、時間も内容も冗長になる傾向が出てきます。 軍人や飛行機搭乗員のように 会議を立ってやれば、引き締まった手短かな打ち合わせができるのですが、なかなか難しいですね。
  「Brief」は、英国法廷では 青いウール製の「Brief case」に入れて運ばれます。 いつの頃からか 大物弁護士や経営者が、将来有望な若手スタッフに 赤革の折り鞄(Attache Case) を贈る習慣が生まれました。 また、短いといえば「the Short」も、裁判では「Gist (大意・要点)」の意味。 つまり、訴因・起案書は簡潔に書かれていることが大前提なのです。 なお、下着の「briefs」は 脚部のない ぴったりした短いパンツで、男女を問いません。 さらに 布地を「scanty(目一杯 僅かに)したものが追求され、究極は 「T-shaped-back」です ("Y" に見えますが)
◆ 複数形の「Shorts」は 小児用半ズボン、あるいは スポーツ・レジャー用のハーフパンツのほか、男性用下着のパンツ(Trunks)を指すのが一般的です (日本では何故か 女性用に)。 昔の英国では、タイツの上に履き、アメリカでは 運動選手がサポーターの上に履くものでした。

4月から改正労働安全衛生法が施行
  従業員の健康管理の観点から 一人ひとりについて労働時間を適正に把握 (記録は3年間保存)する義務が事業所に課せられています。 また「残業」の定義も、「週の実労働時間が40時間を超えた時間」と改められました。 変形労働時間制やフレックスタイム制、あるいは臨時のシフト変更等であっても、管理職であっても、週40時間を超えた部分は「残業」として記録しなければなりません。 それが月間で80時間を超えると、事業所は本人にそのことを通知し、健康に留意させる (希望すれば医師と面談させる)ことが義務となったのです。
  さらに、研究・開発業務に就いている者の「残業」が 月100時間を越えると 医師による面接指導が強制となります。 もし パワハラの上司がいれば、これで失墜させることが可能になります。 要は "上層部が知らない間に" ブラックな労働を強いる中間管理職や相談役・顧問等を牽制し、従業員の健康を守ろうとする趣旨です。 因みに教員には、月45時間の超過勤務の上限が設けられましたが、学校の業務を地域のボランティアが肩代わりする例も増えています。 岡山県浅口市立鴨方東小学校 (安田隆人 校長)も、その模範例です。
◆ 中間管理職がブラックな労働を強いる事業計画を立てているのを、万一 その上層部が見逃したら、刑務所に入って貰いましょう (たとえ社外重役でも)。 学校が地域ボランティアを要請し難い理由は、「先生が楽をしようとしている」と思われることへの警戒…… いざ要請してみると杞憂だと判るのですが…。 安田隆人先生は、先生方が教材準備等の時間が取れるようになり、「やはり元気で笑顔で子供に接しないと…」と力説されています。

「Brexit」 の期限は秋まで延期
  10月末まで延期されたことにより、復活祭 (Easter) の旅行は混乱なく済みそうです。 「合意なき離脱」の場合、英国人がEU諸国を旅行するには パスポートの有効期限が 半年以上残っている必要がありますし、車の運転には 国際免許証が必要になったからです。 かつて 繁栄を誇った英国北部の工業地帯は、1970年以降の不況(⇒産業の空洞化) から未だ立ち直れていません。 「大陸側とロンドン周辺の繁栄から取り残されている」 という庶民の実感が強く、世論は 「大卒者は残留を支持、それ以外は離脱を支持」 と分断され、修復は困難な状況です。 秋までに「Brexit」の着地点が見えて来るとも思えません。

イスラム暦8月の満月に手形決済
  今年は4月20日 (19日の日没以降) が、イスラムの手形決済日です。 イスラム文明の最大の発明は、「複式簿記」と「為替 (手形)」だと思います。 遠くの地で生じた債権を現金に換える (例:インドで得た売上げ代金を バグダッドで 現金で受け取れる) ことができるようになると、交易は飛躍的に発達します。 その債権・債務を誤魔化すことができない会計処理法があってこそ、手形の信用が保証されました。
  広い意味の手形には、「約束手形 (ルクア)」「為替手形 (スフタジャ)」「小切手 (サック/チェック)」などがあります。 小切手以外の手形には 通常、支払い期日が書かれますが、もし書かれていない場合は、「イスラム暦8月15日」(断食月に入る約2週間前) とみなされるのが 一般でした。 つまり、そこから約1ヶ月後にイスラム圏では ボーナスが支給され、半月後のレバラン大祭 (今年は 6月5日〜) の準備をするわけです。
◆ 複式簿記で会計処理をすれば、資産・負債を隠すことは難しいのですが、ギリシャでエクイティ・ファイナンスが "発明" されると、マネーゲームが過熱して、どこに負債がどれだけあるのか、見え難くなりました。

第69回グローバル化社会の教育研究会(EGS)開催される
  4月16日(火)、聖学院中学・高校で開かれ、西川 裕治さん (科学技術振興機構 国際連携アドバイザー) の話題提供を素に話し合いました。 世界のトップ企業の経営者層の かなりの部分をインド人が占めており、毎年150万人以上の先端技術者がインドで生まれているとも言われます。 世界の名立たるIT企業が、インド工科大学で優秀な学生を獲得しに来ていること、東京大学PEAK合格者の7割が 入学を辞退して アメリカや英国の名門校に行ってしまう (東大が "滑り止め") ことなど、衝撃的な現実もあります。
  インドから日本に留学する学生は、アメリカの百分の一しかいないのですが、最大のネックは 「日本語の壁」だそうで、インドの大学関係者から 「日本の大学が英語で教えてくれたら、必ず行かせる」 と何度も言われているそうです。 英語での生活ができる環境整備や、多様な学生への対応力も求められています。 また、日本の大学において 英語での授業や研究活動ができるようになるには、日本の高校生に世界の優秀な学生に出会わせ、理解させておく必要もあります。 科学技術振興機構の「さくらサイエンスプラン」のほか、インドへの研修旅行、現地高校との交流がもっと増えて欲しいものです。

4月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
コンテンツ東京 2019--- 4月 3日(水)〜5日(金)、於:東京ビッグサイト(東京都江東区)。 内容:[VR・AR・MRワールド2019] [第3回 AI・人工知能 EXPO] など。 [特別講演] * 未来社会に関する演題が多数。
川崎市の「かなまら祭り」(Utamaro Festival)--- 4月7日(日)、於:若宮八幡宮・金山神社。 内容:御火取祭、例祭、神輿御霊入れ式、大根削り、面掛行列(神輿渡御)、奉納演芸 ほか。 ※ 元々は 鉱山と鍛冶の神様を祀る行事でした。
ASIA-NETセミナー (4/11)--- 4月11日(木)、於:南部労政会館 (東京都品川区)。 講師:ニシダジュンさん (FSコンサルティング社長)。※「Future SWOT」の開発者自身から、KJ法をIT上に展開するような最先端の“共有知の形成術”を教わります。
テンプル大学 Student Film Festival 2019--- 4月12日(金)、於:テンプル大学 麻布校舎。 コミュニケーション学科生(米・独・英・サウジアラビア・印・中・フィリピン・日本出身)が制作した短編映画9作品を上映。
獲得研 公開講演会--- 4月20日(土)、於:日本大学 文理学部。 テーマ 『ここが怖い! 子どものケータイ・スマホ』=目代 純平 (チェックフィールド(株)取締役)。 ※ スマホ依存症の子は93万人いるそうです。 被害者にも加害者にもならない使い方を。
第69回グローバル化社会の教育研究会(EGS)--- 4月16日(火)、於:聖学院中学・高校(東京都北区)。 テーマ 『われらが科学技術立国の行方--- インドとの高度人材交流を通して、日本人材、社会のグローバル化を考える』=西川 裕治(科学技術振興機構国際連携アドバイザー)。 ※ 資源も食糧もないわが国が「科学技術立国」で生きていくには どうしたらよいでしょうか?
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◆ 東南アジアの卒業式・修了式などで よく耳にする 「pa(ha)la」は、香辛料のナツメグのことです。 アラビア語の流れで "メリット・報酬" の意味も…… 動詞だと "功績を残す, 善行をなす" という意味になります。 肉料理に欠かせないツメグには、「マリファナ」に似た向精神作用もあります。 過剰に摂取すると意識がもうろうとし、眠気や痙攣、うつ症状も出ますので ご注意を。 ともかく、香辛料は 微量で楽しみましょう。

◆ 為替の取引で多額の不労所得を得る(同じ額を誰か=ほとんどは貧乏人=が損をしている) ことに、イスラム教徒は抵抗を感じます。 イスラムの教義と現代経済システムを融合させる努力が続いていますが、今月 日本マレーシア協会から、『マレーシアとシャリア--- 憲法とイスラム法の現代的課題』が発刊されました。 正に 庶民の現代的な課題ですね。

◆ インドの支配層(バラモン・クシャトリア)は「印欧語族(IE)」(いわゆる "アーリア人")、つまり白人と同じ血統です。 聖書をギリシャ語やエジプト語に翻訳・編集したのも、ゾロアスター教も 「ゼロの発見」に代表される代数学も彼らの文明です。

◆ 「シリコンバレー インターンシップ」の募集中 (〜5/22)。 募集は4名… 8月の1ヶ月、米国サンノゼ市に滞在可能な大学生・院生・専門学校生(要 Pythonプログラミング能力)。 研修費、渡航費(自宅〜現地間の往復)、住宅費、食費(US$30/日) は (株)インターリンクから支給されます。

◆ 『月刊 海外子女教育』4月号特集は、「我が社のグローバル人材」です。 4つの企業が考える "グローバル人材" とは? "コロンブスの卵" が浮き彫りに……。 もう一つの特集は 「異文化環境での幼児教育」です。

◆ "統一地方選挙の争点隠し" として発表された 「新札発行」のニュース…… あの手この手で 政策の失敗を誤魔化そうとする醜さです。 桜の花の潔さを見習って欲しいですね。

◆ 「ベーコン味のチーズ」なるものを試食しました。 「ベーコンの香料を使用」とのことで、「要は石油では?」と話題に。 私が 「せめて天然ものを使って欲しい」と言うと、「石油は天然ですけど…」との返事……? できるだけ化学物質は口に入れたくないと思う旧人類ですが、若い人たちにとっても "芳しくない" と思います。

◆ 最近、「先生も クイーンファンだったのですね」 と声をかけられます。 歌詞も ライブ等での素行も 憚られるものが多いバンドのため、教育関係者としては 口に出し難かったのですが、初来日から丸44年間、彼らの音楽性の高さと人間讃歌の数々には、大いに励まされてきました。

◆ 平成の時代が終わります。 山一証券破綻に代表される 「日本病("長い物に巻かれて身を守る" 性癖) が、東大出の成績優秀者に蔓延していることを抉り出したNHK番組も、"お蔵入り" が決まったようです。 来たる令和の時代が、皆様にとり 平穏で幸せなものでありますように。

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【2019-3月】

弥生3月は 肉食自粛の時期?
  今年の「謝肉祭 (Carnival)」は、なんと3月1日(金)〜5日(火) です。 昨年に比べ 3週間も遅いわけは、"春分の日の後の満月" が今年は4月19日(金)なので、その直後の日曜の21日が「復活祭 (Easter)」になるからです。「復活祭までの4旬日(日曜を加えて 46日間)は 肉を断つ」と決まっているので、その自粛期間に入る前の数日間、飲めや歌えの大騒ぎをする 習わしです。 肉食自粛の起源は、「ジビエ (gibier, game)」(狩猟肉=sauvage) が2〜3月は肉質も下がるし、繁殖期を控えて親鳥を休ませたいという資源保護の施策でした。 畜産肉の普及した今日、謝肉祭の騒ぎが終わってから 復活祭までの6週間余り、肉食を本当に控えているクリスチャンに、私は未だ会ったことがありません。
◆ 40年前に日本で流行った髪型 「ソバージュ (Sauvage)」は、髪の根元から毛先まで波打つように "自然な(野性味ある)" ウエーブ・パーマです。 柔かい髪質の 白人女性には似合いますが、無造作な雰囲気の中に "女らしさ" を表現したい大和撫子にも、根強い人気があるようです。

「蛍の光」は再会の曲では?
  卒業式のシーズンですが、日本で別れの曲の定番は、「蛍の光」です。 元はスコットランド民謡の 「Auld Lang Syne」(Times Gone By)--- 旧友との再会を 「友よ、古き昔のために 親愛のこの一杯を飲み干そう」と 歌い上げます。 つまり、歌う時には若干の酒が入っているのが普通です。 英語圏では、大晦日のカウントダウンで、年が明けると同時に 大合唱が始まります。
  日本では、海軍兵学校(広島県江田島) 卒業式典曲として 歌詞がつけられました。 それが 『小学唱歌集』(1881年)に収められ、 全国の卒業式や "お別れ" の定番曲となっていきます。 "国防色" を払拭したのは、映画 『Waterloo Bridge(米1940年、邦題『哀愁』)で、甘美な三拍子に編曲された 「別れのワルツ」は、戦後の日本で大ヒットしました。 それ以降、国防に関わる3・4番の歌詞は歌われません。(今のところ…)  かつて、このメロディを 韓国やモルディブでは国歌に使っていましたし、キリスト教の讃美歌にも 入っていたのですが、今では姿を消しました。 また、台湾や香港などでは葬儀でも歌われますが、日本が "国防歌" として復活させると、廃れるかもしれません。
◆ 「蛍雪の功」は、車胤と孫康が "蛍の光" や "雪に反射する月光" で懸命に勉強を続け、遂には 政府高官に出世したという中国の故事ですが、「台湾の果ても 樺太も…」 と歌うことは、私は絶対に嫌です!

3月6日頃から「啓蟄 <けいちつ>」です。
  中国語では「驚蟄 <jing1zhe>」…… 元々「蟄」は 動物が地中に冬籠りすることですが、転じて "(人が)世間から身を隠し、潜んでいる" ことも意味します。 つまり、 「蟄居」は、蛇・蛙・虫などが土中で冬眠することのほかに、"自宅に引き籠る" の意味もあります。 江戸時代の武士には、刑罰としての 「蟄居(自宅軟禁)がありました。 今日の 「自宅謹慎」は 買物等の外出までは禁じていませんけど、映画やパチンコに行ったりしたのが判明すると、より重い処罰が待っています。
  なので 「啓蟄」は、晴れて謹慎が解け 出勤することにもなるのですが、しばらくは 「針の筵に座る思い」が続きます。 人事的には "リハビリ" でしょうけど、マレー語では これを 「Cicak makan kapur(ヤモリが石灰を食べている)といいます。 イスラム教徒は、ムハマッドが敵に追われ洞窟に隠れている時に ヤモリが裏切ったとして、ヤモリを嫌がります。 蚊やシロアリなどを食べる益獣なのに、箒の先に石灰を付け ヤモリに食べさせ(フラフラにし)て落としたりします。 殺しはしないものの、いびり・苛めですね。
◆ ヤモリは 中国語で 「守宮 <shou3gong1>」…… "宮" は宮廷の女官です。 ヤモリを煎じて作った赤い染料を 腕の内側に塗っておけば、男の体に触れない限り 赤い色は落ちないと 信じられていました。 つまり、ヤモリは "女官に男を寄せつけない(=守る)" という名前だったのです。

3月8日は エスカレーターの日(日本のみ)
  世界最初の地下鉄は 1863年、ロンドンで開業しました。 蒸気機関車で引っ張るため、換気と煤煙処理が大変ですし、プラットホームやエスカレータまで木製だったので、火災が多かったそうです。 そのために生れた習慣に、「エスカレータでは右側に立つ (急ぐ人のために左側を開けておく)」があります。 せっかちなロンドン子は、煤煙と火災の危険から一刻も早く逃れたかったのでしょう。 この習慣は、エスカレータの普及とともに世界に広がりますが、何故か 東京とオーストラリアだけは 「左側に立つ」が主流となります (「右側が追い越し車線」の習慣から? 1970年ころにテレビでそれを煽ったため、"左派" が関西圏を除く 全国に普及しました)。また、開いている側に立って急ぐ人の流れを妨げる人を 「Escalump(エスカレータの塊り)と呼び、まるで血栓のように蔑む空気も生まれました。
  しかし、片方に寄って乗る人が多いと 片側に負荷がかかることや、急ぐ人が不要な衝撃をステップに与える影響も 深刻です。 機械の不具合が増え (整備回数も増え)、その歪みに幼児や女性の履物が挟まれたり、転倒したりする事故も多くなるので、停止している時間が長くなります。 鉄道各社では、数年前から 「黄色い線の内側に 横に並んでお立ちください」と促しています。 実際、そうすると故障が減り、立って乗る人の待機時間も短くなるため、単位時間当たりの輸送人数は 2〜3割増えるそうです。 ロンドンでも、2015年秋から "二列で立つ" 奨励実験が始まりました。 その内、エスカレータを 「エスカランプ」と呼ぶ時代が来るかもしれませんね。(冗談です)
◆ 日本経済新聞(昨年12/26付)によれば、一昨年 エスカレーター事故で緊急搬送された人は、東京だけで1,396人(東京消防庁発表) もいたとのこと。 鉄道各社は 「並んで乗る」キャンペーンを本格化させています。

アメリカの "特捜": FBI と ATF
  春休みにアメリカに渡航される方も多いようです。 渡米直後は、刑事ドラマで「ATF(酒精・煙草・火器及び爆発物取締局)」がよく出て来ることに面食らいます。 一見 偉そうな口をきくだけで何もしていない連中に見えますが、所轄署や保安官事務所と連携して初動捜査を行う コーディネータ&ファシリテータ の役割なのです。 60年前、刑事ドラマ 『The Untouchables』(1959〜63年)が人気を博しました。 FBI(連邦捜査局)の特別捜査官が活躍しているようになっていますが、正しくは 「ATF特別捜査官」。 ATFがFBIに属していたのは、アメリカ禁酒法(1919年)の撤廃方針が定まった1933年の数ヶ月間のみで、ほとんど財務省管轄下でした(司法省には 1930-33年)。 しかし、このドラマで日本人は 「FBI」を知り、TVドラマ『特別機動捜査隊』(1961〜1977年)にも大きな影響を与えています。 そして、1963年以降、警視庁や各道府県警察本部に 「機動捜査隊(Mobile Investigation Unit:機捜(MIU)」が設置されていきました。 なお、「国税局査察部」(通称「大手町/マルサ」) が、米国のATFに近い機関です。他方、「地検特別捜査部」(特捜) は 法務省管轄下の組織で、政治家汚職、大型脱税、経済事件などを独自に捜査しています。
◆ カルロス・ゴーン氏を逮捕したのは 「特捜」。 ピエール瀧が 「マトリ」(厚生労働省の麻薬取締官) に逮捕されたのも 驚きましたね。 期せずして、日本にも様々な 「司法警察員」がいることを印象づけました。 ただし、警視庁に 「特捜」はありません。あくまでフィクションです。

人生は よく演劇に喩えられます。
  何人もの役者で創り上げる舞台は、それ自体が人生ドラマ…… いつか自分が 主演クラスになるのを夢見る下積みの期間が続きます。 映画『Bohemian Rhapsody』の エンドロール(End Credit)で流れる 『The Show Must Go On』(1991年)は、若い人に知って欲しい 人生の讃歌です。
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   ずっと自分に出番が与えられるよう準備している。 各々が自分の才能の程度を知っていると思いながらも、
   毎日毎日。 僕らが何を求め続けているのか、誰か解ってくれるだろうか?  脚光を浴びる者がいれば、
   愚かな過ちを犯す者もいる。 ショーのために、いつでも交替できるよう 舞台裏で稽古を欠かさない。
   チャンスよ来い… という気持ちで。 僕以上に頑張れる人は いるだろうか? ショーを続けるんだ!
   心臓が張り裂けそうそうでも、メイクが剥がれ落ちそうでも、僕は笑顔を保っている。
    (2番は省略)
   僕の魂は蝶の羽のように鮮やかに彩られている。 昨日の経験は必ず身について、無駄にはならないんだ。
   僕は羽ばたける!(みんな見て!) ショーを続けるんだ! にっこり笑って見せてやる! 決してショーを諦めない!
   僕が主役だ! 目立ってやる! 僕がショーを担う意志を持たなくちゃいけない!
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  これはスポーツの "控え選手" の心情にも共通します。 いつでもプレーできるように準備しておく緊張感は、先発メンバー以上の負担になるのですが、準備していなければ 指名もされません。
◆ 人生を豊かにしてくれるのは、まず自己肯定感 (Self-esteem) ですね。 それなくして興味・関心や意欲も 努力も生まれないし、楽しさや幸福感を感じられません。 だから、成果が出るまで 長続きもしないのです。

3月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
赴任前子女教育セミナー--- 3月7日(木)、於:ホテルテトラ北九州(小倉北区)。 ※ 海外子女教育振興財団主催。初めて海外赴任する家庭向けに、子女の教育に関して大事なことが説明されます。翌日には個別相談会も実施。
TJF 教師対象ワークショップ--- 3月8日(金)、於:関西学院大学 梅田Camp。 テーマ 『外国語教員のためCEFR---「外国語学習のめやす」と共に考察』=奥村 三菜子 (CEFR-日本語教育研究者/実践家)
第7回 JACTFL外国語教育の未来を拓くシンポジウム--- 3月10日(日)、於:上智大学(東京都千代田区)。 テーマ 『多文化共生のための多言語・複言語教育』。 [基調講演]「“人生百年時代”の外国語教育」=亀山 郁夫(名古屋外国語大学 学長)。 [パネルDisc.]「教師ネットワークは 多言語教育推進に どう関われるか」。 ※ 分科会は 文部科学省委託「グローバル化に対応する外国語教育の 推進」事業の3大プロジェクト(大阪大学/慶應義塾大学/名古屋外国語大学) の事例報告。
TJF 教師対象ワークショップ--- 3月24日(日)、於:SHIBAURA HOUSE(東京都港区)。 テーマ 『探究する学びを分析・デザインするWS』=稲垣 忠(東北学院大学文学部教授)。※ 「語る・ほぐす・仕込む」の3ステップで 探究学習の分析と設計に取り組みます。
TJF ワークショップ「つくる。味わう。広告コピー」--- 3月23日(土)、於:TJF 国際文化フォーラム(東京都文京区)。 テーマ 『本の魅力を一行で伝える』=近藤 祐見(電通CMプランナー)。 ※「学校のソトでうでだめし」第2弾! "what to say" と "how to say" の二つの探索とコトバ化に たっぷり時間をかけます。
朗読ユニット『ぽらりす』第8回公演--- 3月24日(日)、於:渋谷区文化総合センター大和田(東京都渋谷区)。 テーマ 『言霊遊美(ことだまあそび)』。 ※ プロローグで 浅草祭座のバナナの叩き売り、ガマの油売り、曽根崎心中。レッスン生は昭和女子大附属高校。お馴染みの朗読も多数。
第18回 高校生プレゼンフェスタ--- 3月26日(火)、於:江東区 深川江戸資料館 (東京都江東区)。 テーマ 『江戸・東京の暮らし再発見』。 ※ 高校生が 一日でリサーチ、討議からプレゼン作り(半即興型))でを経験するプログラムです。
TJF 多言語・多文化交流<パフォーマンス合宿>発表会--- 3月28日(木)、於:大学セミナーハウス(東京都八王子市)。 ※ 31名の高校生が国籍・文化を越えて交流合宿し、その成果を披露してくれます。
TJF「日露交流学習プロジェクト」最終報告会--- 3月31日(日)、* On-Line。 テーマ 『言語学習と文化理解と総合交流を融合した授業づくり』。 報告:日露交流学習プロジェクト(日露教師ペア9組)。 ※ 言語学習・文化理解・相互交流を融合した授業実践の成果及び課題など。
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◆ YouTube で人気の 卒業式のメッセ―ジです。 ☆ 最後の宿題(提出期限なし) 「幸せに なりなさい」
    君たちが宿題を出す頃に おそらく僕は 天国にいるでしょう。 急いで報告に来るな。
    ゆっくりでええから、いつか 面と向かって 「幸せになったで」と きかせてください。待ってるで。

◆ アメリカでは 「Underground Railroad」は、19世紀の奴隷制度に反対する組織の俗称だったため、地下鉄に使えませんでした。 逆に 「Subway」は、英国では 地下の横断歩道(underpass) のことですよね。

◆ 3月2日(土)から JICA横浜 海外移住資料館(横浜市中区)でペルー日本人移民120周年記念企画展示「マチュピチュ村を拓いた男 野内与吉とペルー日本人移民の歴史」(主催:日本マチュピチュ協会)が始まります。 ペルーの日本人移民たちの足跡などが解ります。(5/26まで開催)

◆ 『月刊 海外子女教育』3月号の特集は 「日本の学校で学ぶ 外国人の子どもたちの思うこと』です。 取材中、日本語でのコミュニケーションに限界を感じつつも、互いに根気強く話し合えたのは、好い経験でした。

◆ 東北大震災から丸8年です。「○○を真摯に受け止め、誠意をもって全力で解決します」と言いながら、何も具体的な手を打たない(打つ気がない)政権……。 小泉八雲の『A Living God』(1896年)を翻案した童話『稲むらの火』 の教訓は 永らく忘れられていましたが、2015年 国連総会で、この逸話の元となった11月5日が 「世界津波の日」に制定されました。

◆ 政府が とうとう 「景気動向指数」が後退していたことを認めました。 年金資金と赤字国債をジャブジャブ注ぎ込んで株価を買い支え、統計数字まで ごまかすことも限界です。 今度こそ 現実に向き合いましょう。 「物価を2%上げます!」と公約したのは 誰だったかも、忘れないで。

◆ 知人のお嬢さんの結婚式に招かれ、マレーシアに行ってきました。 海外巡回をしなくなってから11年振りの訪問でしたが、クアラルンプールは 高速道路と高層ビル群に埋まっていて、浦島太郎になった感じでした。

◆ 春の霞とともに 花粉の煙幕が襲ってきます。 アレルギーのある方は 早目の服薬をお勧めします。 お大事に。
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【2019-2月】

映画『ボヘミアン・ラプソディ』 が人気
  今回のゴールデン・グローブ賞ドラマ部門で、作品賞と男優賞(ラミ=マレック)を受賞しました。 米アカデミー賞候補にも ノミネートされています。 一昨年、『フレディ=マーキュリーの声の音響分析 (Acoustic Analysis)』 という論文が発表され、彼の伝説的歌声の秘密が解明されたことも、クイーン人気の再燃と広がりを 後押ししたようです。
  論文は フレディーの歌声範囲を 「F#2 (92.2Hz)」から 「G5 (784Hz)」の 37半音(3オクターブ強)であることを解明しています。 そして、『Under Pressure』 で F6(1,347Hz)まで出ているように 聞こえますが、彼が歌っている証拠は不十分…… ("奇声" であって 歌声ではない…?)。 さらに、彼の 「Vibrato」(音程を上下に小刻みに変えて振るわせること) は 7.04Hz で、通常のプロ歌手(5.4Hz〜6.9Hz) よりも細かく ユニークな声紋(Vocal fingerprint) を創っているそうです。 声が瓜二つのロックシンガーの咽頭を、高速度撮影もしています。 3分の1の周波数の 「Sub-Harmonics」(倍音)…… 歌う時に声帯を振動させるのと同時に 前庭ひだ(声帯) も振動させて発声していることが確認されました。
  フレディーは、オペラ歌手でも脱帽するほどの絶対音階と "メトロノーム機能"(リズム安定度) を持ち、それらを自由に使いこなせています。 日本の浪花節や演歌で使われる "こぶし" や "しゃくり"、ジャズでいう 「Growl(楽器を吹きながら声を出す演奏技法) まで駆使しているとされます。 クラシックファンもジャズファンも 一目置くわけです。
◆ 映画『ボヘミアン・ラプソディ』を 「史実と違う」「全然似てない」 という年輩ファンも、"オリジナルなクイーンの心" の再現には 涙腺が緩みっ放しです。 もって瞑すべし!
  「しゃくり」は、音楽用語では「portamento」「glissando」「bending(和声英語:チョーキング)、ギターでは「Bottle-neck, sliding」(テケテケ音) などと呼ばれます。 日本の琴では 「連<れん>」といいますね。


「はしたない」は、今や死語?
  クイーンは「indecent」の批判に抵抗していましたが、日本語の 「はしたない」は、今や死語になったようです。 礼儀に外れて慎みがなく "見苦しい・みっともない" と良識ある大人に感じさせてしまうことをいうのですが、肝心の "良識ある大人" の方が居なくなりつつあります。 いつの時代も、若者は既成の概念や感覚を打破し越えようとするものです。 昔の 「傾<かぶ>く」「バンカラ」など、異様で派手もしくは野蛮な身なり・振る舞いとされながら、伝統文化に昇華されたものも少なくありません。 もはや ミニスカートやタンクトップ 等は、斬新でも何でもなくなりましたけど、「何も下着を見せて歩かなくても…」などと言うと、「今の和服だって、元は下着だったのよ」 などと諭されます。
  昨今は 幼稚園や学校が、近くに住む老人から 「うるさい!」 と怒鳴り込まれることは 日常茶飯事です。 そこに幼稚園や学校があることは承知の上で住み始めたはずのに、「子ども達の声が耳障りだ」と平気で文句を言う年寄りの身勝手さ…… その人たちには "はしたない" という感覚はないのです。次の世代を慈しみ育てる本能すら失っているとしか、言いようがありません。
◆ 一昨年の大阪府立登美丘高校ダンス部の 「バブリーダンス」は "はしたない" を逆手に取った見事な演技でした。 音楽や舞踊、演劇は、いつの時代も常識への挑戦要素を孕んでいますから、学問の基本でもあります。

今年の旧正月は2月5日(火)です
  だから、「上元節/灯節(旧暦1月15日) は2月19日(火)です。 元は土俗的な風習なのですが、前漢の内紛後に皇帝に推された文帝が、反乱平定を達成した日を記念して、毎年民衆と共に 「元宵節」として祝賀するようになります (BC108年)。 さらに仏教が伝来すると、仏舎利 (釈迦尊の遺骨) を祭るインドの習慣も習合されました。 怪談 『牡丹灯籠』のネタ元である中国の 『牡丹燈記 (剪灯新話)』は 上元節の話ですけど、日本で翻案される際に 中元節(お盆)に変えられています。 "足音をさせる珍しい幽霊" は中国の名残りでも、やはり怪談は夏が好いですね。
  なお、釈迦尊の没後、"仏舎利" は8等分され、200年後のアショカ王(BC.3世紀)が その内の7つを集めて細かく砕いて、8万余りの寺院に 一粒ずつ再配布したそうです。 鑑真や空海が日本に持ち込んだほか、上座部仏教国との交流で 日本に寄贈されたものもあるようです。 1898年、英国の駐在官が インド北部の古墳から "8つ目の仏舎利" を発見し、シャム王国ラーマ5世 (チュラロンコン大王)に奉呈します。 その一部は日本にも譲られ、覚王山日泰寺 (名古屋市千種区)に安置されています。
◆ タイのラーマ5世は、小説 『王様と私 (Anna and the King of Siam)』(1944年 マーガレット・ランドン作)のモデルにもなった名君です。 映画(米1956年)では、ユル・ブリンナーが演じていました。

第68回グローバル化社会の教育研究会(EGS) 開催される
  2月5日(火)、森上教育研究所(東京都千代田区)で開かれ、大妻女子大学の 服部孝彦先生から話題提供を受けました。 「大学入学共通テスト」で評価される学力が "思考力・判断力・表現力を中心" となるに伴い、条件付き記述式など 具体的には どういう形になるのか、認定されている英語検定試験の比較対照や入試での使われ方など、教務現場の裏話も多く伺えました。
  大学のAO入試・推薦入試のルール設定と英語入試の改革も進行していますが、ともすると 英語のスキルだけに目が行ってしまう危険も 話し合われました。 言語の裏には習慣や価値観があり、その言葉を話している人々の発想や感覚がわからないと、いつまで経っても習得が進みません。 TOEFLやIELTSは、そうした文化面や他の教科の "深い学び" があってこそスコアが伸びるのです。 また、学校側は受験生に 「こういう教育をするので、こういう生徒が欲しい」という 「Policy」を明示すべきで、受験生も 「入学して何を学びたいか」を考えるべきでしょう。 つまり相互が 「入試は "お見合い" だ」という認識を持つことが大事です。 そして、教師も生徒も 「失敗を恐れず挑戦することが成長になる」と考えること……"Comfort Zone から一歩踏み出す挑戦"を まず教師自身が生徒の目前でやって見せることこそ、最善の指導だと思います。
◆ 従来の日本の学校では、国語教育はするが基本的な日本語教育はしない、つまり "読む人に解り易く 伝わるように" の指導が 疎かにされる傾向にありました。 今世紀初めにそれに気づき 改めた学校は伸びています。 作文の指導をお願いできる先生が 増えていくことを祈ります。

海馬とタツノオトシゴ
  認知症やアルツハイマー、うつ病などで注目される 「海馬」は、脳の部位です。 形が タツノオトシゴ (sea-horse)に似ていて、記憶や学習能力でも重要な役割を担っていますが、心理的なストレスを長期間受け続けると、海馬の神経細胞が破壊され萎縮することが 判っています。 思春期には 性ホルモンの分泌の影響で、イライラや反抗的行動が出るのが普通です。 「自分でもどうしていいか判らない」というストレスに晒されてもいます。 この時期の睡眠は とくに大事で、就寝直前にパソコンやスマホの画面を見たり 食事をしたりするのは、学習面からも 好ましくありません。
  タツノオトシゴの 「落とし子」とは婚外子、つまり "妻以外の女に生ませた子" の意味ですが、父親が身分の高い場合は 「ご落胤 <らくいん>」と呼んで、お家騒動や権力闘争の火種になったりします。 逆に、そうした大事件に付随して生じた物事を 「〇〇の落とし子」とみなす言い方もあります。
  一方、「申し子」は、神仏に祈って授かった子ですから、産んだのは正妻 (おカミさん)です。 ところが、別の "カミ"(霊力のあるもの)や "特殊な社会的背景" から生まれたものも、「〇〇の申し子」と呼ばれます。 本来は誤用ですけど。
◆ 「海龍 (sea-dragon)」も タツノオトシゴの仲間で、ちょっと見分けがつきません。 「Sea Bee」「Sea Horse」「Sea Dragon」と続けば、半世紀前の 夢の宇宙ロケットを思い浮かべる方もあるでしょうね。

中学・高校の教育が変わり始めました
  大学の入試改革に先行する形で 中学・高校の入試も変わり始め、国公立の中高一貫校も、なりふり構わぬ改革に乗り出しています。 しかし、他方で 「(まともな)英語教員が足らない」という声も よく耳にするようになりました。 「生徒の前で格好良く話して見せる/訳して見せる」を理想像とする教員は、生徒の失敗や誤りをことごとく指摘することで委縮させてきた元凶ですが、職務放棄する傾向も出てきたようです。 “天敵”だった帰国生も受け入れざるを得なくなってきました。 とりわけ 「論理(情報と情報の関係性)の吟味・構築」や 「情報を編集して文章にまとめること」に関わる能力は 帰国生に期待が集中して 「進学校=帰国生入試をやる学校」の図式化も蔓延しています。 そういう誤解に振り回されることのない学校選びが、ますます求められる時代です。
  「面倒見の好さ」をセールスポイントにする学校も 多くなりましたが、個々の子供と学校で付き合えるのは、その子の成長過程の一部分に過ぎません。 大人になるまで一緒に居られないのだから、その僅かな期間に何がして上げられるかを 真摯に考え、対処するしかないのです。 もし 親のエゴや拘りに引きずられている子であれば、その親に 代わってやりたい衝動を覚えますが、それはできません。 見えない形で、その子を (心理的に)親から引き離し 解き放ってあげるためにどうしたら好いのか、知恵を絞りましょう。 中途半端な対応では、親子双方から疑われたり 後に しこりが残ったりします。

2月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第68回グローバル化社会の教育研究会(EGS)--- 2月 5日(火)、於:森上教育研究所(東京都千代田区)。 テーマ 『2020年度からの大学入試改革の行方: 中学・高校・大学における英語教育の何が変わろうとしているのか』=服部 孝彦 (大妻女子大学・同大学院 教授、英語教育研究所 所長/早稲田大学 講師/米国セント・ジョセフ大学客員教授 教授)
グローバルビジネスの人材育成や能力開発を 世界基準で考えるシンポジウム--- 2月 6日(水)、於:東京国際フォーラム(東京都千代田)。 テーマ [基調講演]「日本の企業が成功するために欠かせない革新とグローバル化を導く戦略」澤田 純(NTT 社長)。 [パネル討議] 高岡 浩三(ネスレ日本 社長)、中島 好美(ヤマハ 社外取締役) ほか
第435回 中学受験研究会セミナー--- 2月18日(月)、於:アルカディア市ヶ谷 私学会館。 テーマ 『東大入試「外部試験を要せず」を巡って』。[基調講演] 「中学入試の変化をうけて」=石坂 奈都季(ベネッセコーポレーション)。[シンポジウム] 南風原 朝和(東京大学) ほか ※ 当日 午前中開催の「首都圏中学入試の結果と分析」セミナー第3講を兼ねます。
関西「帰国子女教育を考える会」第80回研究例会--- 2月23日(土)、於:YMCA学院高校 (大阪市天王寺区)。 テーマ 『外国籍の児童生徒に対する取り組みを進める』。 ※「カリーニョ」「オコタック」の愛称で親しまれる2団体の活動報告を素に、現状の課題や具体策を考えます。
言語系学会連合 特別講演会--- 2月23日(土)、於:聖心女子大学 (東京都港区)。 テーマ 『外国語習得を探検する---究極の言語学習者が語る言葉の世界』=高野 秀行(ノンフィクション作家) ほか※「誰も行かないところへ行き、誰もやらないことをやり、それを面白おかしく書く」をモットーとする高野さんの 外国語学習論が主題。
「めやす」目標分解ワークショップ--- 2月25日(月)、於:関西学院大学 梅田Camp。 テーマ 『「外国語学習のめやす」に基づいたプロジェクト型学習のための目標分解---「何でもあり」を実現するために』=山崎 直樹(関西大学 外国語学部 教授)。 ※ 国際文化フォーラムと Let'sめやす の共催です。
平成30年度 IIST国際情勢シンポジウム--- 2月28日(木)、於:東海大学校友会館(東京都千代田区)。 テーマ 『新冷戦か? アメリカ対中国』=久保 文明(東京大学大学院 教授)、香田 洋二(ジャパンマリンユナイテッド顧問)、青山 瑠妙(早稲田大学大学院 教授) ほか※ 貿易研修センター主催の恒例シンポです。
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◆ 世界のセレブに人気の高級下着「Hanky Panky」。 元の意味は 「倫理に反する行為、(性的に) いかがわしい行為、ペテン」です。 それが今や高級品… まあ、「Lip Service」というブランドまでありますから……

◆ 「雌伏」という言葉があります。 人に屈伏して従い、実力を養いながら 活躍の機会をじっと待つことで、チャンスが到来すれば 「雄飛」(大きな志を抱いて盛んに活動) するわけです。 しかし、この前提に「雌鳥が雄鳥に従うように」があり、現在では 芳しい印象を与えません。

◆ 小林聖心女子学院小学校(兵庫県宝塚市)で永年 教鞭を執っておられた森本幸一先生が、『学びの土壌を耕す小学校教育― 共振する感性と知』を上梓されました。 教育の営みを支える哲学を優しい語り口で話される様子は、14年前に 全海研の京都大会でお会いした時と変わりません。

◆ 『月刊 海外子女教育』2月号の特集は 『日本の小学校の「音楽」』…… プロジェクト型学習やアクティブラーニングが推奨される時代に、日本の音楽・図工・体育、そして英語などの "目に見える姿"(Performance) を求められる実技系教科は、どう変わっていくのでしょうか? もう一つの特集は 「日本語が危ない、でも大丈夫!」。 また、会員校訪問は 昭和女子大学附属昭和中・高校……今年、テンプル大学日本校の全学部が移転してきます。

◆ TJF 多言語・多文化交流<パフォーマンス合宿> 発表会(3/28)の参観申込の受付は 2月末までです。 今年も 31名の高校生が国籍・文化を越えて交流合宿し、その成果を披露してくれます。 英語力だけが交流の全てではない証です。

◆ 2月25日(火)は菅原道真の命日で、北野天満宮で「梅花祭」が催されます。 藤原政治の恣意的な運用や、統計・会計帳簿のごまかしなどを指摘して左遷され 客死した "賢人" が、今の政治を見たら何と言うでしょうか?

◆ 2月1日から東京・神奈川の私立中学校入試が解禁となりました。 高校は 10日から。 受験生諸君が 実力を十分に発揮してくれるよう祈ります。
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【2019-1月】

明けましておめでとうございます。
  本年も よろしくお願いいたします。

  亥年です。 中国語で 「<zhu1>」は "豚"の意味で、イノシシは「野猪 <ye3zhu1>」(英語:wild pig/boar) といいます。 『西遊記』の猪八戒も、豚のような容貌で 食い意地の張った好色漢でした。 古代の日本語では、「<wi>」が "猪"、「シシ」は "肉"…… つまり昔から食用で、家畜になったのが豚なのです。 なお、鹿の肉は 「カノシシ」…… 家畜にするほどには 美味しくなかったのでしょうか?

"始めから終わり" は "全て/完璧"
  「A to Z」は、"最初から終わりまで(網羅した)" "完璧に, 完全に" の意味ですが、原点は "造化の神=絶対神" の表現にあります。 「私は α(A) であり Ωである。 最初の者にして最後の者、初めであり終わりである」 と 新約聖書のヨハネの黙示録に出てきます (22章13節)。 「Be-all and the end-all(⇒ 何よりも大事なこと/目的)は、シェイクスピアの戯曲『マクベス』の中の台詞です。 充実した一年になりますよう。
◆ 仏教では、梵語(これも印欧語の一つ) の字母の最初 "a"を万物の根源、最後 "hum"を一切が帰着する智徳とし、対極や対と考え「阿吽(ahum)」といいます。 寺院の山門には 仁王や狛犬が 対で置かれます。 因みに、マレー語で「aum」は "虎・獅子の吠え声、大声でのお喋り"ですけど。

クリスマスシーズンの終わり
  1月6日は 「Epiphany (主顕節,公現祭)」「Twelfth day(クリスマスから12日目) です。 前夜 (=Twelfth Night) には、英国の名士は 子ども達を自宅に招き、「frost cake」をご馳走します。 "霜降り菓子" といっても、"ice" は砂糖と卵白で作った衣(糖衣)で、中に豆または銀貨を入れて焼いてあります。 自分が貰った一切れに 豆or銀貨があった子は "果報者" とされ、「the King/Queen of Bean」と呼んで、その夜の主人公となります。
  昔は、雇い主が年一回、労働者に ご馳走を与える日(Bean-feast/Beano) とされ、お祭り騒ぎ・無礼講の趣向で、召使いが主人の服装をしたり、男女の衣服を取り替えたりしました。 また 一日だけ「Lord of Misrule (無礼講の王)」が任命され、余興の出し物や音楽・寸劇などを取り仕切る習慣もありました。 そのお祭り騒ぎがお開きになると、クリスマスツリーを片付け、クリスマス関連行事が終わります。

ワカサギ漁の季節
  穴釣りの 「ワカサギ (Japanese smelt)」が 美味しいですね。 ワカサギ属 (Hypomesus) の魚の一種です。 仲間の北海道の 「イシカリ ワカサギ(pond smelt)」は黒っぽい色で、北米にもいるそうです。 1997年に "発見" された 「チシマ ワカサギ(Chishima smelt)」は、「千島列島は日本ではない」という宣伝に利用されないことを祈ります。 寒冷地の淡水魚ですが、"湧くようにザクザク群れる" が訛って 「ワカサギ」になったといわれます (少し無理があるような…)。 この魚が冬の代表魚になったのは、19世紀初めに 霞ヶ浦のワカサギが徳川将軍家に上納されて、「公儀御用魚」となってから。 100年後には 山中湖や諏訪湖へ移植が始まり、やがて全国の湖沼に普及したそうです。
◆ ワカサギの色は、夏鳥のアマサギ(飴鷺, Cattle egret) に似ているので 「アマサギ」とも呼び、「アマサギは 冬の間は 水の中で群れている」と信じられていたとする説もあります。

スコットランドの独立は?
  英国のEU離脱は遅々として進みませんが、もし具体化すれば、並行してスコットランドの "独立" が話題にもなります。 映画『Stone of Destiny』(英 2008年)は、「Stone of Scone」を スコットランドの4人の学生が ウェストミンスター修道院から "元の場所に移動" した事件(1950年12月)を映画化したものです。 この石は、旧約聖書の創世記(第28章)に記されている 「Stone of Jacob」だと信じられていて、スコットランド王の戴冠式は この石の上で行う慣習でした。 ところが1296年、英王エドワード1世がロンドンに持ち帰って以降は、イングランド王の戴冠式に使われるようになりました。
  それが 654年振りに "移動" されたわけで、その後のスコットランド分離運動やナショナリズムに、じわじわと火を点けていきます。 そして、ついに1996年、"石" は 正式にスコットランドに戻され、翌年には スコットランド分離を問う最初の住民投票が行われました。 主人公が 「(その石は) 我々の自由、我々の独立の象徴だった…… 国家は、私たちがそれを忘れしまったと仮定しているから、時の経過で そうなっていく。 それが歴史だった」 と語ります。 そういう純粋で真っ直ぐな精神を持つ若者が、わが国でも多く育つことを願います。
◆ 英国旗である 「Union Flag/Jack」は、スコットランドが独立すると 「St. Andrew's Cross」(青地に白のX) が抜けます。 1603年以来 (アイルランド=赤のXが入ったのは 1801年) 親しまれてきた国旗が変わると、英連邦諸国の国旗も かなり変更せざるを得ないでしょう。

日銀のETFの原資は 私たちの年金資金
  わが国は、日銀が上場投資信託 (Exchange-Traded Fund)で日本株を買い支えることで 株価を維持していますが、その原資は 私たちの年金基金です。 海外の投資家は アベノミクス当初に 日本株を積極に買いました (2015年の買越額は約20兆円に達した) が、日銀が株価を買い支えている間に売り逃げて、現在の買越額は 半額になりました。 つまり、私たちの年金基金が 少なくとも5兆円以上、海外のお友達に "貢がれた" わけです。 その部分は、若い世代が税金の形で補っていくしかないのですが、確信犯ともいえる愚かな経済政策です。 与党が国会の議席を持ち過ぎると、こういう事態を防げないことを、学校で教えておくべきでしょうね。

第68回 グローバル化社会の教育研究会(EGS)の開催
  2月5日(火)、JR市ヶ谷駅に近い 森上教育研究所(東京都千代田区) を借りて行われます。 話題提供は 大妻女子大学の 服部孝彦先生…… 文部科学省SGH企画評価会議メンバー、国連英検統括監修官、JSAF-IELTSアカデミック・スーパーバイザーなどの役職も 多数務めておられます。
  2020年度からの大学入試改革の中身が発表され、中学・高校の英語教育の変革も 急速に進んでいるようです。 しかし、そもそも英語教育の何を変えたいのでしょうか? 何を課題や障害とし、具体的には どうやって改善していこうというのでしょうか? 様々な現場で入試改革と学校教育改革に携っておられる服部先生に、検討の場での議論の実態や 中学・高校・大学の入試の実情等について 生々しいお話を伺い、それを素に話し合います。
◆ 2月5日は、首都圏の私立中学の入試期間中ですので、どんな入試問題が出たかも ホットな話題になりますね。

チョコバッタは いかが?
  サンタクロースの国から届いていた 「Cricket (コオロギ)」の話題です。 昨年7月、『「循環経済」の旗手フィンランド』の特集が、時事通信から配信されました。 「循環経済」は、Reduce (廃棄物の排出抑制)・Reuse (製品/部品の再使用)・Recycle (資源の再生利用) を進める 「3R環境政策」に 加え、資源を持続可能な形で活用することで、産業の活性化や雇用の促進に繋げるという概念です。 フィンランドは世界で初めて、国レベルで「循環経済の行程表」を策定。 2016年から10年計画で持続可能な食料システムの構築や、森林を基本とする循環資源システムの確立など、5分野に注力しています。
  その一つに 「昆虫を育てて食べるという選択肢」があり、時事通信でも 10月に特集を組みました。 国連食糧農業機関(FAO) でも、昆虫は良質たんぱくのほか、脂肪や食物繊維、ビタミン、ミネラルなどの栄養成分を多く含む一方で、BSE(牛海綿状脳症)や鳥インフルエンザのような 感染症が発生するリスクは低いとしています。 11月10日には、熊本支局から 『「チョコバッタ」いかが?』が配信されました。 チョコでくるんだバッタなど食用に加工した昆虫だけを集めた自動販売機が登場し、意外にも売れ行きは好調とのことです。 若い女性たちも 美味しいと言っていますし、まずは タイから輸入したコオロギ辺りから 試食してみましょうか。
◆ 田中 優子先生(法政大学総長) は 「江戸の町は 見事な循環経済だった」と説かれます。 そういえば かつてはイナゴも食べていましたね。"四つ足" を自粛しないまでも、食の多様性は必要です。

中国人の味覚の変化?
  中国の国家食品薬品管理総局(CFDA) が2016年1月、全国35ヶ所の飲食店が 「ケシの殻」を粉にして料理に混ぜていたと発表していました。 これらは氷山の一角で、“激辛”の四川料理や湖南料理、あるいは 火鍋屋などの店では、客を軽度のアヘン中毒にさせることで常連客にするのが "営業戦略" になっていると噂されます。 一般に、経済発展に伴い 中間所得層や富裕層が増えて、食事も健康志向が強まっているとのこと。 油っこさや塩分・香辛料の刺激性よりも、食材自身の味や出汁<ダシ>など旨みの効いたものを好む人が増えたため、辛い料理をセールスポイントにする店は 苦戦しているわけです。
  中国国家統計局(NBSC) によれば、2017年だけで四川料理店が約4万店も閉店(北京市で4千店、上海市でも3千店が姿を消した!)とのこと。 一方で、中国料理の店は 毎年1割ずつ増え続けているのですから、 私のような辛み好きの身には寂しいことです。 昨年4月も、江蘇省無錫市で 高速道路を蛇行運転していた車を調べたら、親子4人全員の尿にアヘン反応が認められたと、CNNなどが報道しました。 「麻辣湯 <ma2la4tang1>」を食べたのだそうです。 こうした報道が流されるのは、「古い飲食店を淘汰して 大資本による "衛生的な店"に業界を再編したい」 という政府の意向があるからでしょう。

1月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
グローバル化に対応した外国語教育推進事業 報告会--- 1月13日(日)、於:慶應義塾大学 日吉キャンパス(横浜市港北区)。 テーマ 『逆向き設計論にもとづき パフォーマンス評価を取り入れた授業』。 ※ 独・仏・韓・西・中 の外国語教育に携わる高校教師と大学関係者からなるプロジェクト(文科省研究指定)の、授業づくりの報告です。
『7つの習慣 』朝活 交流・勉強会--- 1月13日(日)、於:ドトールコーヒー(JR東京駅一番街)。 ※「主体性を発揮する」「目的を持って始める」「重要事項を優先する」「WIN-WINを考える」「理解してから理解される」「相乗効果を発揮する」「刃を研ぐ」の7つの習慣で、夢の実現を実践的に考えます。
中学生・高校生ボランティアフェスティバル2019--- 1月14日(月)、於:東京都立永福学園(東京都杉並区)。 テーマ 『障がい者スポーツで一緒に体を動かそう!』。 ※ 部活・生徒会等でボランティア活動を行っている中・高生が集合。
千里国際学園 第4年次SGH活動報告会--- 1月25日(金)、於:関西学院 千里国際キャンパス(大阪府箕面市)。 ※ スーパー・グローバル・ハイスクールとIBの授業を見られる絶好の機会です。
グローバル化に対応した外国語教育推進事業 公開授業(ロシア語)--- 1月28日(月)、於: 関東国際高等学校(東京都渋谷区)。 テーマ 『地域に貢献するロシア語人材育成に繋がる教育課程編成』。 ※ 渋谷区との地域連携で進められるプロジェクト。 キリル文字圏は 中央アジア〜中欧に広がっていますが、その教育は中国・韓国からも大きく遅れています。
ASIA-NET 新春特別セミナー--- 1月18日(金)、於:南部労政会館(東京都品川区)。 テーマ 『異文化理解を深める、グローバルな地域的特性』=吉村 章 (ASIA-NET代表)。 ※ 米・仏・独の特徴とビジネスパーソン比較、ベトナム人/インドネシア人/マレーシア人を比較、日本人の特殊性と "強み" の再発見…等の解説など
IIST・中央ユーラシア調査会公開シンポジウム--- 1月24日(木)、於:東海大学校友会館(東京都千代田区)。 ※ 昨年の研究会では 「一帯一路」構想に前向きな報告が多かったようですが、情勢は微妙に変化してきており、現状の見直しが必要です。
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◆ シェイクスピアの戯曲では、男装の麗人がよく登場しますが、逆は "性的な倒錯(sexual perversion)" と捉えられることが多かったようです。 昨年 終盤から注目されているフレディ・マーキュリーも、偏見に苛まれた一人だったようですが、彼の人間讃歌の数々には 心打たれます。

◆ 『月刊 海外子女教育』1月号の特集は、恒例の 『帰国子女OB・OGが語る「私の仕事」』…… 等身大のグローバル人材の生の声が、心を打ちます。 もう一つの特集は 『海外で日本を紹介する子どもたち』です。

◆ 上海日本人学校高等部の一般入試は 1月7日(月)です。 東京の試験会場は、JR新宿駅近くの家庭クラブ会館(東京都渋谷区)とのこと。 暮れの一時期、高等部のWEBページが開かなくなり、心配しました。

◆ 東京外国語大学では、次回2021年度入学者選抜の外国語科目を 英語のみとし、永年続いてきた 仏・独・西・中・朝鮮の各言語を 今年限りで廃止します。 文字通りの "英語偏重入試" で、大学名に恥じる蛮行です。

◆ 猪突猛進は 余り褒められたことではありませんが、「やる時にはやる」という気迫も 責任の一部です。 だから「離婚できないのなら 結婚しない」という子には、それなら止めたほうがよい と言ってしまう私です。

◆ スク―ン(Scone) は、スコットランドの古都パースの近郊です。 シェイクスピア悲劇『マクベス』 で マクベスが王に即位するのも ここ…… 最後の台詞も 「we invite to see us crown'd at Scone」です。 お菓子のスコーンと同じスペルなので、"スコーンの石" と思った生徒は 「?」。

◆ キリル文字は、駅の案内板等で目にすることはありません。 五輪の受け入れ態勢のためにも急務の課題です。 ユーラシア大陸の中央部は、地下資源確保の面から見ても、わが国の根幹に関わる地域なのですけど…。

◆ 久々の日本人横綱だった 稀勢の里の引退は 残念です。 同じ茨城県牛久市で生まれた 「牛久シャトー」のワイン(蜂印ブドウ酒) と地ビールも昨年末に販売を終了していて、寂しさも いっそう増します。

◆ これを読まれる皆様が、健康に恵まれ 実り多き一年でありますよう。
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2018年12月以前のニュースは こちら

小山和智の執筆記事・コラム等の一覧

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