子女教育ニュース

      担当: 国際教育相談員 小山 和智
海外人事や教育関係の実務担当者の皆様に配信しているニュースの一部を、
一般の皆様にも公開します。 教育相談などについては 「教育相談から」を。
2021年 7月6月5月1月〜4月。 2020年 9月〜12月5月〜8月1月〜4月。 2019年 9月〜12月5月〜8月

 2021年9月以降のニュースは こちら

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【2021-8月】

他者からの承認を 全ての目標にしない
  オリンピック東京大会も なんとか順調に進み、“多様性と調和の祭典”の感動に 浸っています。 他方で、一昨年のラグビー・ワールド・カップで感じた感覚や気持ちを、改めて思い出してもいます。 最も印象深かったのは、試合中に監督・コーチが観覧席に座り グランドの選手の判断にゲームを委ねている姿です。 他の競技の監督・コーチがグランドに立って 選手に指図したり 叱咤激励したりする姿とは、好対照で新鮮でした。
  わが国では かつて、野球/ソフトボールが 全ての基本を鍛える役割を担った時代がありました。 体力づくり、ルールと作戦を知悉すること、徒弟制度のような形で技量を磨き、「一糸乱れずに」等も 教えられました。 「野球道」として “心技体の融合”や “行儀見習い”の側面まで期待されていたほどです。 結果として、学業においても 「先生が教えることに疑問を持たず “正解”に素早く正確に達する技術・勘を磨くこと…… そうすれば有名大学に入れ、“勝ち組”になれる」 という共通理解を醸成してきたように感じます。
  しかし、今回のオリンピックで活躍する選手を見ながら、若者の明るさや精神的な強さの根源は何かを考えさせられます。 誠実な努力や他を思いやる心、感謝の気持ちなどは、日々の精進のなかで養われるのであって、強制されてではできません。 「先生(=他者) からの承認を 全ての目標にする」という発想は、国家の力をも殺いでしまいかねないことが明らかです。 スポーツに “行儀見習い”を要求する愚かさの一方で、礼儀や形式美を失った 「JUDO」の姿にも悲しくなりますけど。
◆ グローバル化の中で 「必要以上にルールを守ろうとする日本人」は 決して尊敬されないことを、国際試合を闘った選手は思い知らされます。 かといって、球技でユニフォームを引っ張ったり蹴とばしたりすることが 許されるべきではありませんが。

鳳仙花<ホウセンカ>の季節
  「鳳仙花 <feng4xian1hua1>」は東南アジア原産です。 日本には室町時代に渡来し、観賞用の花として普及しました。 鳳凰が羽ばたくような花弁は見事で、赤・紫・白・ピンク・複色などカラフル。 品種も 一重咲き、八重咲き、椿咲き…etc. 種子からの栽培が容易で(かつ4月に種を蒔くため)、小学校の理科で 植物の育ち方を学ぶ教材にも用いられます。 鳳仙花の実は、熟して乾燥すると 自然に袋が弾け、種が勢いよく飛び散ります。
  ギリシア神話に、ある女神が冤罪でオリンポスを追われ 野垂れ死んだ時に 一本の草花 「Balsam」になった話があります。 誰がその実に触れても 冤罪を証明するために袋を開いて見せる…… と、子ども達の情緒に訴えかけてきます。 ラテン語で 「noli-me-tangere(触らないで), 「Impatiens balsamina(バルサムの "我慢できない")という異名にも…。 だから 花言葉は 「短気」 「触らないで」にされていて、誰かに贈る花としては 不向きなのです。
◆ 鳳仙花は昔、東洋では “夏のマニキュア”でした。中国語では 「指甲花<zhi3jia hua1>」(爪紅,つまくれない)。 夏場に女性が 赤い花弁で指の爪を染めた習慣は韓国に伝わり、「初雪まで その色が爪に残っていたら恋が実る」とされています。

夏の体力維持・回復には
  昔から 夏の体力維持・回復には “う”の付くものを食べると好いといわれてきました。 鰻、瓜(ウリ、キュウリ、スイカ、カボチャ等)、うどん、梅干、卯の花(おから)、薄焼き卵(⇒ 錦糸卵)、ウズラの卵…etc. 要は 水分と栄養の補給なのでしょうけど、これに ホウレンソウ、ナス("ウ"で終わる?)まで加えたりする人もあります。 19世紀半ば以降 わが国では肉食の習慣がどんどん普及して、今では 夏バテ防止の最右翼に上ってきています。
  今回のオリンピックの日本人選手たちが 「焼き肉を食べたい!」というのは、何か理由があるのでしょうか? 前回の東京大会(1964年)では、「分厚いステーキ」や 「フレンチのフルコース」が多かったと思うのですけど (笑)。 なお、還暦を過ぎると 真夏に焼き肉やステーキを食べる元気は出ないし、もし食べたら 身体が火照って寝られません。 とくに羊肉・ヤギ肉は 身体を温める効果が強い上、酒類と共に多量摂取すると 心臓への負担が大きいようで 要注意です。
◆ マレー語で 「Kambing」は 山羊<やぎ>ですが、肉の効果としては羊肉と同じです。 イスラム教徒はアルコールを避けますけど、そうでないと 危険…… ジャカルタ日本人学校の先生が ビールと一緒に食べて亡くなる事件(1984年)もありました。

「チャレンジ」は 物言い?
  最近の「チャレンジ=異議申し立て」の用法に 驚く人も多いようです。 「Challenge」は “競技・競争等への参加勧誘, 果たし状”(難しいことに果敢に挑む)が本来の意味ではあります。 しかし、“証拠の要求を伴う異議/質問”の意味もあり、スポーツでは審判の判定への “物言い”にもなります。 判定に不満な態度をとれば、よけい酷い目に遭うのが普通なので、競技者は我慢を強いられることが少なくありません。 しかし、露骨な “えこ贔屓” や誤審を放置すると 競技自体がシラケますし、選手の生涯の利害にも絡みます。
  「ビデオ判定」の導入は アメラグのNFLで導入されたのが最初(1986年)。しかし、物言い乱発による試合遅延が問題に…… 1990年代は廃止されていたものの、1999年から 「1試合につき3回まで」の条件で再導入されました。 国際テニス連盟は 芝コートのみに導入(2005年)、チャレンジできる回数は 1セットにつき各選手3回までのようです。 米メジャーリーグ(MLB)では 2008年から審判がビデオを参考にしていますが、チャレンジできたのは2014年から。
  国際サッカー連盟(FIFA)では 「ビデオは あくまで主審を補助するもの」ですが、「ビデオ判定をする副審(VAR)」がいます。 目的は 「誤審や見逃しを防ぐ」…… フィールドの審判の眼を盗んで行われた暴力行為も ビデオに残るようになりました。 2014年のサッカー世界盃で ブラジルのネイマール選手がコロンビアの選手に脊椎骨折を負わされた場面…… 主審は 見ていなかったのにファウルを宣告し、録画データもインターネット上に開示されて、世界に衝撃を与えました。
◆ 2014年のネイマール事件、そして 仁川アジア大会での不祥事多発を反省した各競技連盟は、暴力行為や不公正な審判に厳しくなりました。 結果として、ラテン諸国や韓国の勝率が半減したという分析もあります。 国際大会は “平和の祭典”なので、その厳しさを維持して欲しいものです。

マスコミに煽られない賢さを
  一年間 「緊急事態宣言をしても感染者は減らない。みんな 『もう出かけてもいいや』と思っている」 と報道されてきました。 マスコミは 国民の不安を煽り、営業自粛をしない飲み屋や そこに集まる “酔客”の文句を都合よく編集して流すだけです。 しかし、肝心なのは 「感染した人は悪くない、その人に感染させた人が問題」と認識し、コロナ禍をどう乗り越えるかです。 マスク着用や手洗い・消毒・うがいの励行、「三密」の回避、ワクチンの重要性を、国民に理解させ 実行させるべきです
  わが国では、マスコミが ずっとその姿勢でいれば、緊急事態宣言を出す必要もなかったと私は考えます。 そもそも 衛生道徳やワクチンの意義・リスク等について、日本人ほど理解している国民は珍しかったのですから。 しかし今、若者たちの余りの無知や“諦め”にも驚かされます。 高齢者のわがままや自暴自棄にも呆れかえります。 これらは 「不安でしょう?」「困ってますよね?」 という取材を続け 不安を煽ってきた報道にも責任があります。 今の状況は、昭和初期の日本に似ています。当時の国民は マスコミにズルズルと引きずられて 戦争を容認しました。 戦争を回避するには、こうした “大衆扇動のテロ”にも対抗できる賢さを 私たちが身に着けるしかありません
◆ ワクチンの調達や配送の “利権”に群がる輩、“仮押え”で儲けようとする企業等を マスコミは黙認しています。 それどころか、広告主という顧客として 依存しているのです。 そして 「ワクチンが足らない!」と煽ります。 政府が悪いわけではありません。

親しい友にこそ 忠告を
  オーストラリアのケズウィック島を買った中国の不動産会社が、昨年2月から地元民の立入禁止や退去要求を始めました。(ブリスベンとケアンズとの中ほどにある風光明媚な島です) この島を “中国人専用の島”として占有したい意図は露骨で、地元民や観光客は 異議申し立てをしています。
  同様の “手口”は発展途上国の各地で行われており、マレーシア国内の経済特区(習−ナジブ合意で成立)も同様でした。 特区内の労働者は表向き 「過半数はその国民」といいながら、高い塀で囲まれた中には査証なしで入り込んだ外国人…… その9割以上が中国人で、武器も含む物資密輸のし放題。犯罪者も特区に逃げ込めば、警察は手が出せませんでした。 結局 ナジブ政権崩壊後の2018年、マレーシアは 「特区の “治外法権”を認めない」と宣言し 警察権を行使しました。 マレーシアの華人たちは賛成なのですが、中国本土にいる人たちは 「周辺各国から虐められている」と感じているようです。
  オーストラリアも ケズウィック島の主権回復を求めるものの、中国への輸出品に高い関税をかけられるなど 難儀してます。 また、中国海軍は アジア太平洋の “制海権”を目論み、武装させた漁船を大量に “戦略的海域”に派遣しているのです。 尖閣列島にも 同様に数百隻の漁船が集結してきていて、日本の巡視船の乗組員は遺書を書いている(?)とか……。オーストラリアのように 真っ向から歯向かうことは勧めませんが、事の成り行きを ただ眺めているのは 黙認と同じです。
◆ 欧州ランドマトリックス社の調査では、2020年までの10年間に中国が海外で囲い込んだ農地・森林・鉱山は 848万ha(北海道の4分の3超)もあるそうです。 将来の資源・食糧不足への対策としても、そこを要塞化し 治外法権となることまでは容認できません。

8月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
地域みらい留学 合同学校説明会(On-Line)--- 8月1日(日) 午前10時〜。 ※ 高2の一年間 “国内留学”するシステムの紹介イベント。 「やりたいことが見つからない」という子に勧めます。
TJF 多言語・多文化交流「パフォーマンス合宿」(On-Line)--- 8月2日から週2回のペースで6日間。 ※ 高校生同士で 多様性に富み 創造力をはぐくむ社会を目指す交流型ワークショップです。
獲得研夏のセミナー2021(On-Line)--- 8月6日(金)・8日(日)、テーマ 「ことばの教育とドラマ技法」 「ホットシーティングを使いこなす」 「リサーチからフォトメッセージへ」。※ 3つのワークショプから参加したいものを選びます。(7/15 〆切)
全海研 第48回 研究大会(On Line)--- 8月6日(金)・7日(土)、テーマ 『世界と子どもをひらき、つなぎ、つむぐ教育をめざして』。 ※ 今年の主管は 富山県国際理解研究会です。
TJF 中高生交流「ダンスダンスダンス」発表会(On-Line)--- 8月15日(日) 午後4時〜。 ※ 今年は日韓9名ずつが参加しています(参観受付 8/14まで)。
帰国子女教育を考える会 第84回研究例会(On Line)--- 8月21日(土) 午後3時半〜5時半、テーマ 『補習授業校を理解する(2)』=森本 昭憲(元ウェリントン補・サンディエゴ補)、中村 衛(元ニューヨーク補)ほか。 ※ 前回(2/27)を踏まえ、より細かな実態や多様なあり方について 小グループに分かれて話し合います。
教育アイデアソン(On-Line)--- 8月21日(土) 午前10時〜、テーマ『小6理科の授業アイデアを考えよう!』。※ 高校生が自身の学びの経験を踏まえ、これからの社会全体に視野を広げて考察し、小学生に理想的と思う具体的な授業アイデアを出し合う 実践型教育イベントです。
外国語教員のためのTPチャート講座(On-Line)--- 8月29日(日)午前10時〜、講師:谷川 依津江(甲南大学国際交流センター)、阪上 彩子(立命館大学国際教育推進機構)。 ※「ティーチングポートフォリオ」チャートの手解き。午後には 振り返りワークショップもあります。
ESN 夏休み緊急会議(On-Line)--- 8月22日(日) 午後1時〜、テーマ 『探究学習、正直どこまでやりますか?!…… 現役教員の本音と建前』。 ※ 今さら聞けない 「探究学習のポイント」の復習、そして 先生方によるパネルディスカッションです。
ASIA-NETセミナー(On-Line)--- 8月24日(火) 午後7時〜、テーマ 『本格的なビジネス折衝へ/効果的な交渉の進め方』=野澤 茂樹(ヒューマンプロファイル研究所 社長) ※ コロナ禍で海外出張に行けない人のための 商談や折衝の手解きです。
TJF 多言語・多文化交流 「パフォーマンス合宿」成果発表会(On-Line)--- 8月29日(日) 午後3時〜。 ※ 今年の夏プログラムには 17名の高校生が参加しています。
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◆ 高校総体(インターハイ北信越)が7月24日から始まっています。 オリンピックの “裏番組”で 原則無観客での実施ながら、2年ぶり見る選手達は新鮮で 躍動しています (8/24まで。総合開会式は 8/13)。

◆ 『月刊 海外子女教育』8月号の特集は 教育相談員の座談会 「異文化での子育てで大切なこと」…… コロナ禍であっても 海外赴任や本帰国などの異動辞令は出ますから、“前例のないこと”に戸惑う相談は あとを絶ちません。 もう一つの特集は 「からだの不思議を工作で体験」…… 夏休みの課題研究で困っている子も、身体に不安を抱える大人にも、楽しいヒントを与えてくれる企画です。
 ※ 特集座談会のページに 私の顔写真が載ったためか、お便りをいただいています。 激励に感謝します。

◆ 日本マレーシア協会から 『ラザック先生 マレーシアと日本の架け橋』(紀之國屋書店)が刊行されました。 ラザック先生には 日本人学校の職員研修にも来てくださるなど 何度かお世話になりましたが、「今の日本人は おかしくないですか?」と聞かれるたびに 襟を正す思いでした。

◆ 「北海道・北東北の縄文遺跡群」が ユネスコ世界文化遺産に登録されることが内定しました。 一万年以上続いた縄文時代の採集や漁労・狩猟による定住生活と豊かな精神文化…… 遺伝子解析では、現在のイルクーツク辺りから北廻りでやってきた人たちのようです。

◆ 北海道の山林を買っている中国人の知人に聞くと、「将来、中国に編入された時に備えた先行投資だ」と煙に巻かれます。 対馬列島の大半、沖縄本島のかなりの部分が 韓国人の所有地になっていると聞いても、心配になります。 16日(月)、防衛省のサイトに 『はじめての防衛白書--- まるわかり! 日本の防衛』が掲載されました。 小・中学生に 国防に関する理解を深めてもらう狙いです。

◆ 76年目の原爆忌を迎えています。 14日(土) 午後11時から NHK-Eテレで 『ひまわりの子どもたち 長崎戦争孤児の記憶』が放送されました。 「平和の鐘・一振り運動」も広がっていくように祈ります。

◆ 「数独の父」鍜治 真起さんが亡くなりました。 米国の 「Number Place(ナンプレ) を 「数独」と命名して 世に紹介(1980年)、今世紀になって爆発的に普及します。 「SUDOKU」の愛好者は 世界100ヶ国に2億人以上いるそうです。 享年69歳、合掌。

◆ 若者たちの夏が続いています。心身共に健やかに 元気であってほしいと祈ります。 今回のオリンピックで印象に残ったのは、10代の選手たちの“技”への果敢な挑戦心…… 大舞台でも 自らの極限に挑む楽しさが中心にあり、その挑戦を国籍を越えて讃え合う様子に胸打たれました。 見ていた子ども達には この上ない“教科書”となったでしょう。

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【2021-7月】

7月 文月<ふみづき>です。
  「七」には “多い”の意味があり “幾重, 何度も, 諸々の”を現わしたりします。 中国語で 「七…八…」の用語は多く、なかでも 「七零八落<qi1ling2 ba1luo4>」は 日本語の “ちりぢりばらばら”に…?
  「七歪<qi1wai1>」 「七曲<ななまがり>」は “道や坂などが幾重にも折れ曲がっている様子/場所”をいいます。 「葛折, 九十九折<つづらおり>」ともいうのは、蔓<つる>を編む時に “あっちに行きこっちに行き”するからでしょう。 スポーツ競技の 「Slalom」の語源は “斜面(sla) に残ったスキーの跡(lam)”⇒“蛇行”or 「Hairpin turns」の意味。 自動車だと ハンドルを左右に回し続けるので、「Winding road/path(回転路)と呼ぶようになったのも頷けます。 でも 「スキー大回転競技」といわれると、なんだか空中を舞っているイメージが浮かぶのは、私だけでしょうか?(笑)
  なお、稲妻のような角張ったZ字形や階段状(雁木)は 「Zigzag」です。 鋭角に曲がることを強調したいからでしょうか? マレー語でも 「Zigzag」で通じますが、優雅に 「Jalan lekok(曲がりくねった道)がお勧め。 ただし、「I-ro-ha」は不可です (笑)。
◆ 「七曲」を <ななわだ> と読むと “立体的なカーブを描く木製の手摺”…… 厚さ1mm程度の薄い板を曲げながら加工し、それを幾重にも重ねて1本の木材のようにしてあります。 柾目調の木目がずっと続いて美しく、日本の大工さんの技術と心意気に感嘆させられます。

第75回グローバル化社会の教育研究会(EGS) 開催される
  6月25日(金)、Zoom にて開催されました。 話題提供は 駒込学園の河合 孝允校長です。 冒頭、「IT教育」から 「ICT教育」へと “理念の変化”があったこと…… そもそも 「ICT教育」が何であるかを、公立学校の教員は理解していない…… という刺激的な発言から始まりました。 昭和16年の 「テーラーシステム型教育(効率的に高品質な人材を大量生産する教育システム)に囚われている現場…… 他方、世界は 「メディア・リテラシー」の時代を迎え、産業構造も大転換(複合分散型の高度情報産業が主体)しています。
  文部科学省は 既に OECDのカリキュラム定義に沿った形で、大学の質的な選別・類型化に着手しています。 河合先生は、それを 「シンガポール方式」(3類型)を例に説明してくださったのですが、理解して対応している学校は1割とのこと。 文科省は その1割に予算の重点配分を始めており、私立学校の教員は 死活問題ですから、嫌でも対応せざるを得ません。 しかし、公立学校では 無関心 or「総論賛成、各論反対」に終始しています。 太平洋戦争後、GHQから 「体系学習」を禁止され、“実用”に偏った教育を続けてきましたが、正に転換の時です。 「私たちの暮らす社会を “Heart on demand”…… “心”を中心にした社会に」 という河合先生のお話は、胸を打ちます。
◆ OECDの定義するカリキュラムが 「何を どのように何時 どこで教え or 学ぶかについての 教育制度の内外からの…(略)…政治的・政策的・技術的な合意である」という観点から出発していることを、改めて確認できました。教育を担う者が、それに無関心でいてよいはずがありません。

欧州のサマータイムは今年が最後
  いよいよ夏も盛りです。 「サマータイム(Daylight Saving Time:DST)」は、わが国には どうも馴染めませんでした。 北米、南米、欧州、大洋州などで実施されてきましたが、中国(1986〜1992年)のように 数年で止めた国も多いです。 欧州連合(EU)で 昨年夏に意見公募を行ったところ、約8割が廃止に賛成したとのこと(有効回答 460万件中)
  当初は 「照明の節約」 「交通事故や犯罪発生率の低下」 「余暇活動の充実・増加による経済活性化」などの “好い効果”が喧伝されていましたが、実際には 思ったほどの効果はなかった模様です。 逆に 「残業増加」や 「睡眠不足」などによる健康への悪影響、コンピュータ―関係の時計調整コストなどが不評だとか…… 欧州委員会は 加盟各国に廃止を提案。 今年の10月で、欧州の “夏の風物詩”の一つが姿を消します
◆ 学校現場では、日の出時刻の変化に合わせて 「夏季の時程」を導入することもあります。 これは 「時差出勤の一種」(出勤/登校の時刻の変更)or 「特別時程」(休憩時間等の短縮など)であって、サマータイムとは異質の制度です。

架空データの作成プログラム
  三菱電機が偽装用プログラムを使用し、何年間も “(〜に照らして もっともらしい)架空データ”を自動作成していました。 安倍政権の時代に常態化した この手の習慣は あらゆる分野で横行し、現在でも蔓延しています。 本来の意味では “大嘘”なのですが、「コンュータが自動計算した」ということにして “客観的”として扱われます。
  その最たるものが 「安倍内閣の支持率」だったことは、昨年やっと報道されたものの、すぐ 尻すぼみになりました。 今の世論調査の 「有効回答数」は 1,000〜2,000名… 以前とほぼ同数ですが、水増しや“修正計算”はしてないそうです。 その点は ましですけど、調査方法や 誰(年齢その他の属性)から集めたものかは不明で、検証できる記録も残しません。 人心の不安を煽らないつもりかもしれませんが、逆効果です。 社会に対し責任を持てる 誇りある働き方をしたいものです
◆ 架空データだけでなく “JIS規格の詐称”や “完成検査の手抜き”も 世間を欺く行為です。 住友不動産、三菱自動車、日産自動車、日本軽金属といった大企業で続発するのは、各界の上層部が 「忖度の要求+責任を取らない上司」を演じ続けてきたことと無関係ではありません。(集中豪雨で生じる被害の多くも……)

NHKの体質を問う事件
  『未和 NHK記者はなぜ過労死したのか』(岩波書店)尾崎 孝史さんが、映画でもこの問題を提議されています。 NHKは 電通の新入社員の過労自殺は85回も報じながら、佐戸美和さんの過労死については わずか7回のみとのこと。 4-5年前、「週刊ニュース深読み」 「あさイチ」等で 過労死の問題を特集した際も、佐戸記者の過労死は無視でした。 否、彼女が音信不通になって後、丸2日間も安否確認をせず、親族からの連絡があるまで放置したことを隠蔽しました。 「働き方改革実現に向け 世論を喚起」という政府の方針とは 逆の姿勢を続け、彼女の死から4年後に やっと公表します。 それも 午後9時のニュースで2分余りのみ…… 若者の成長や頑張りを願う者には 耐えられない悲しみと憤りを覚えます。
◆ 佐戸記者の死に対するNHKの姿勢を、柳川 行雄さん(元 厚生労働省) が 的確に批判されています。「みなし労働時間制なら、記者を過労死するまで働かせても法律違反ではない」というNHK会長の国会答弁に、喝!

アメリカ西海岸のオリンピック
  いよいよオリンピック東京大会が始まりますが、その前に 米国ワシントン州のオリンピック半島について少し。 1788年 英国人J・ミアズが 西海岸を航海中に見えた麗峰を ギリシャの 「Mount Olympus」になぞらえて そう呼びます。 半島の東側は 壮大なフィヨルド群 「Puget Sound」。 「Sound」は氷河(Glacier)が寝食してできた “海峡・入り江”…… “深くて静か”なのが特徴で、“音・雑音”のイメージとは真反対です。 旅行の無事や安眠・熟睡を表現するのにも用いますし、“穏健で妥当 かつ高潔な”の意味にもなります。
  この一帯は 自然の良港でもあり、漁業や材木の集散地のほか 造船、鉱物の精錬など世界有数の重工業地帯です。 ボーイング社の工場(軍用機・旅客機)を筆頭に アメリカ軍需産業の中心でもあり、軍港になっています。 シアトルやタコマ、キトサップなど日本人に 馴染みの地名が多いのは、日本から最も近い “米本土”だったからです。 「あめゆきさん」は もはや死語ですが、かつて アメリカに出稼ぎに行く男女が目指したのは、まず ここでした。 背後にそびえる名峰 「Mount Rainier」を 日本人は “タコマ富士”と呼びます。 水が美味しいので 酒造業も盛んです。
◆ シアトルと同じ湾内のヴァンクーバー(カナダ)は日系移民が多くて、日本総領事館も巨大。 歴代総領事は いずれ 在モスクワ日本国大使となるなど、エリート外交官です。 なお、「シアトル」も 「キトサップ」も、先住民の酋長の名前。 北米大陸の最高峰 「マッキンリー」は、先住民族の呼ぶ 「Denali」(偉大なもの)に名称変更されています(2015年)。

旗を掲げる意味は?
  オリンピックといえば 国旗が付き物ですが、国旗以外の旗で参加する一群も存在します。 「Refugee Olympic Team(難民五輪選手団)」は 五輪旗を掲げて入場しますし、「統一〇〇」の旗で入場する分断国家もあります。 しかし、選手村の宿舎の壁面に大きな国旗を掲げるのは 占領宣言/領有権主張の行為ですので、国際儀礼に反してます。 「Show the Flag!(敵か味方か明示しろ!)は 湾岸戦争の名文句でしたが、戦闘意欲の丸出しで、平和とは真反対です。
  また、「(National)Flag Carrier」は 運輸業界用語で “国旗を掲げた船・航空機”(一国を代表する運送会社)の意味です。 しかし、海運業界では2008年以降 この用語を使わないことになりました。 いろいろ誤解されることを避けたいのでしょう。 航空業界も民営化が進んで、わが国を代表するのは 「全日空(ANA)」だと思っている日本の若者が多くなりました。
  なお、“いまどきの若者”たちが 「フラグが立つ」と言う時は、お定まりの結果を惹き起こす “条件が満たされる”の意味です。 例えば 「ここは俺に任せろ!」と言った人は、「死亡フラグが立った」(死ぬことが運命づけられた)とされます。 「僕 〜しそうな気がする」と悩む生徒には、「勝手にフラグを立てるんじゃない!」と注意が必要かも……。「そのフラグを折ってやれ!」(運命を変えろ)と励ましたり…… しかし、一方的で危ない発言には 慎重に言葉を選びます。
◆ 「Flag Ship」(旗艦)は 司令官やその幕僚が乗って 指令・命令を発する軍艦のこと…… かつて艦隊に指示を出す信号旗を掲げる高いマストがありました。 電子通信技術が進んでも、名前だけは残っています。

7月の諸行事等――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
JOES 帰国生のための学校説明会・相談会の 「学校プレゼンテーション」(Web)--- 6月25日(金)〜7月31日(土)。 ※ 7月下旬の 「個別相談会」(On-Line)の参加者のための学校紹介サイトです。
[動画募集] JOES「わたし発、世界着∞ 」プロジェクト--- 7月初〜8月末、テーマ 「My Idea for The Future」。※ 小5〜高3の海外子女から、全世界的な課題や身近な海外生活における問題等について、より良い未来に向けた提言を募集しています。
ASIA-NETセミナー「B-BRAIN」(On-Line)--- 7月20日(火)、テーマ「思考のクセ/メンタル状況を把握する B-BRAIN」=毎田 亜由美(人材育成コンサルタント)※ 己の脳の個性を把握して ストレス耐性を分析、不安への対処、やる気の維持などに役立てます。
TJF 中高生交流プログラム2021ダンスダンスダンス(On-Line)--- 7月25日(日)から計6回。 ※ グループ毎にダンス練習、撮影・編集などを通じて交流を深め、ダンス動画を制作・発表します。
☆ 国際経済連携推進センターのDXウェビナー--- 7月27日(水) 午後0時半〜、テーマ 『デジタルビジネスで逃れられない中韓との関係』=吉村 英輝(産経新聞経済部 次長)、横澤 誠 (OECDデジタル経済共同委員長)ほか。 ※ ポストコロナにおける日本のデータ保護と流通について考えます。
[復刻] TJF「学びの探究とデザイン」(2020.7月UP)---『教育しか残せない時代に―― 教えで人は変わるのか。学ぶ内容を遊びとして扱えるか』。 ※「ファブラボ」(市民工房) を拠点に活動するテンダーさんのワークショップ報告です。
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◆ 幕末の志士、桂 小五郎(後の 木戸孝允は剣豪…… 河合 孝允先生の快刀乱麻の舌鋒に通じるように感られ、身長五尺八寸(174cm)の体格も似ています。 ただし、EGS研究会で河合先生は 懇切丁寧に話され、なんだか高僧に諭されている感じでした。

◆ 昨年までの世論調査で 「内閣支持率は 〇〇%」と報道していた各社は、「下請け会社がやったもの」として 知らん顔。 それでも 「安倍政権の支持率は高かった」と話す輩が マスコミに登場します。 でも、本気で探究学習をしている生徒には 見抜かれています。

◆ 『月刊 海外子女教育』7月号の特集は 「公立小・中学校における帰国子女教育」…… 帰国する小学生の9割、中学生の7割が通う公立校では どんな帰国子女教育行われているか? を古家 淳さんが取材。 もう一つの特集は 「歴史と文化を救う・伝える」…… 自然災害のたびに危険に晒される文化遺産・資料等を 守り抜く現場の報告です。 なお、「AG5だより」は 今年3月に米プリンストン補習校から帰国された 三井 知之先生の報告でした。 折からのコロナ騒ぎのなかにあっても、着実に継続される教育活動に感動します。

◆ 『月刊グローバル経営』7/8月号の特集は 「今日より明日へ--- おかげさまで450号」。 1975年創刊というと、広島カープが初優勝した年…… 一市民球団が全国区に躍り出るのと並んで、わが国のオピニオンリーダーとなっていきました。 歴代編集長等の回想記に 思わず胸が熱く…。

◆ 『SK-II STUDIO』の 「アニメーションVSシリーズ」は、6組のオリンピック選手の実体験を素に描かれる 人間賛歌です。 様々なプレッシャーに立ち向い 自らの手で運命を切り拓いていく姿…… 「この子を独りで闘わせてはいけない」という衝動を覚えます。

◆ 「オリンピック開催の意義が分からない」という言説が 毎日のように報道されますが、情けない話です。 そんなことも判らずに 報道に携わり、庶民の不安を煽り続けるのは反社会的行為です。 先週、大谷翔平で一色に染まったマスコミにも呆れましたが、オリンピック気分をもっと盛り上げてほしいものです。 各国選手のスポーツマンらしい健全な活躍・交流を祈ります。

◆ あっという間に 今年も半分終わりました。 コロナ禍のせいで多くの行事が実施されず、節目のない毎日が どんどん飛び去っていく感じです。 でも、お互いに声を掛け合い 明るい気持ちで暮らすようにしましょう。 七夕を迎えるたびに 「子ども達にとって幸せな社会が来ますように」と祈ります。 若者は 元気で頑張っていてほしいですね。 年寄りには 声援しかできませんが……

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【2021-6月】

欧州の6月は「June Bride」
  欧州では 様々な花が咲き、結婚シーズンですね。 「Edel-weiss」は “高貴な白”の意味ですが、映画 『The Sound of Music(米 1965年)で知られる高山植物です。 オーストリアの国花なので 同国を称賛する際の比喩として使われ、歌は日本の音楽の教科書に載るほど大ヒットしました。 ただし、日本の歌詞では オーストリアや花言葉の 「高潔な勇気/忍耐」は消され “純潔な白さ”を愛でているだけです。
  わが国では「ウスユキソウ」と呼ばれますが、高温多湿を嫌いますから、千島列島や礼文島くらいにしかありません。 欧州アルプスやヒマラヤ山脈など 涼しく乾燥した高地に繁殖し、消化器・呼吸器・皮膚の疾患の薬に用いられています。 そのせいで、19世紀以降に乱獲が横行して絶滅危惧種になり、スイスでは採集禁止令(1909年)が出されました。
◆ ある登山家が 地上に舞い降りた天使に叶わぬ恋をして 苦悩していました。 それを天使は憐れんで “大切な思い出”の証としてエーデルワイスを残していった…… という伝説が、スイスには残っています。 それがドイツ語圏に広がって、恋人を想う心情の象徴、さらには求婚の際に贈る花にも使われます。

「パフォーマンス合宿」の高校生 募集
  国際文化フォーラムの多言語・多文化交流 「パフォーマンス合宿」は、オンラインを駆使して 見事な成果を上げています。 生徒同士が協力して 「互いの個性を尊重し、多様性に富み、創造力を育む社会」を創れるようになることを目指すものです。 オンラインでの実施の4回目は 8月2日(月) から週2回のペースで6日間(各回14:00〜17:30=東京時間)。 「多様なことばと文化につながりや関心を持つ高校生」が 世界中から18名程度集まります。(応募締め切り:6月末)
◆ 「パフォーマンス合宿」は アーティスト(振付家・ダンサー、舞台音楽家、美術家、映像ディレクター)の指導や助言を受けながら 表現活動と交流…… 参加者同士で協力し合って作品を創り、発表しますが、過去の合宿経験者が “伴走支援”してくれるのも心強いです。

第75回グローバル化社会の教育研究会(EGS) の開催
  6月25日(金)、オンラインにて実施されます。 話題提供は、駒込学園の河合 孝允<タカヨシ>先生に 『曲り角に来た ICT教育(仮題)』のテーマでお願いしています。 わが国ICT教育の草分け的な実践をされてきた経験を踏まえた、今あるべき学校教育の形について、元気の出るお話し…… もともと 駒込学園は わが国最古の学校の一つで、常に時代を先導する役割を果たしてきました。 また、経済的に恵まれない生徒を支援する面でも、他校とは別格の姿勢が伝統的にあり、注目されています。 コロナ禍が続くなかで それぞれの学校現場が混乱を極めている今、駒込学園はどういう展開をするのでしょうか? 「IT難民を生み出さない GIGAスクールのあり方」についても 慧眼に接して、話し合いたいと思います。
◆ ICTやAIを “偶像”にしてしまわないためには、賢い教師が必要ですから、そのために どうすべきかも話し合えれば幸いです。

「人間五十年」 んて?
  「桶狭間の戦い」は 1590年6月12日(旧暦 5月19日)に、今の愛知県知多半島辺りで起こりました。 織田信長が出陣の際に舞ったとされる能 『敦盛』の 「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり」も有名です。 「下天」は 仏教における天上世界で、欲望に束縛される最下位の世界…… 一昼夜が人間の50年に相当するそうです。 下天の住民の寿命は5百歳だそうですから、彼らの生涯は 私たちの912万年以上。 それに比べたら 人間世界で50年ほど生きていることなど “うたた寝の夢”に過ぎないと謡っているのです。
  なお、「五十」を <いか> と読む理由は よくわからないのですが、「五十嵐」「五十里」など、身近に散見されます。 そして 風にたなびく 「凧」は元々 <いかのぼり> と呼ぶので、五十歳を迎えた奮起の感慨にもつながります。 「凧 遂に風向きとらえたる(高澤 良一)
◆ 旧約聖書 創世記に「もしソドムの町に正しい者が50人いるならば、その者たちのために、町全部を赦そう」(18.26)とあります。また、50年目の年は「ヨベルの年」といわれます (レビ記 8節〜10節)。ユダヤ暦7月10日の贖罪日に 雄羊の角笛を吹き鳴らし、先祖伝来の地に帰省する習慣でした。


白人キリスト教徒の冷笑・辛辣
  テニスの大坂なおみ選手が 全仏オープンを棄権する事態になって、心が痛みます。 冷笑的で辛辣な質問や意見を浴びせるのが “正統”と思っている人たちの餌食にされました。 彼らの “当たり前の言葉”が、白人ではない選手には 刃を当てられるような痛みを伴うことを、想像できないのでしょう。 異性・異民族など “異なるもの”への執拗で陰湿な攻撃は、有能で活躍している人材に対し いっそう激しさを増します。
  「クリスチャンだから平等…」などと信じず、「この人には 平等は “努力目標”かも…」と考えておいたほうが無難です。 とくに個人競技の場合は 風当りが強いので、メンタルな面での “耐性”や “かわし方”を備えていかざるを得ません。 もちろん 陰湿で理不尽な攻撃には、まともなクリスチャンなら 傍で見ていて嫌悪感を覚えますし、腹も立ちます。 被害者を支援し 闘ってくれる白人も たくさんいます。 だって、イエス・キリストは 白人ではないのですから。
◆ 海外生活をしていると、キリスト教徒の言動に 「これでは 他の宗教の人は嫌がるはずだわ」と納得する場面に、何度も出会います。 日本人が 「名誉白人」「バナナ人」(外面は黄色、中身は白)などと言われて喜んでいると、足をすくわれかねません。

2025年からの「大学入学共通テスト」
  従来の科目に 「情報」を加えた 「6教科8科目」となるようです。 国立大学協会が 5月24日に明らかにしたもので、今の中学3年生からが(高校生でも浪人すれば)対象となります。 ところが、早くも 「『情報』は高校での指導体制が不十分なので 慎重であるべき」という意見が出されています。 コロナ禍騒ぎで 否が応でも学校現場は対応を迫られて、「指導体制が不十分な学校」は 既に淘汰されつつあるのですけど。 「GIGAスクール構想」で税金をジャブジャブ使って、結局 何にもならなかったという事態は避けたいものです。
◆ 「GIGAスクール構想」の真意を十分に説明しないまま、電気業界のために税金を大量投入した責任は どの政権ですか? でも、買っちゃったものは 有効かつ適性に利用すべきですから、学校関係者の知恵を結集して 活用しましょう!

「自由な働き方」 のマイナス面
  ジャーナリストの溝上 憲文さんが昨年、コロナ後の「自由な働き方」は勤労者の収入を減らしかねないと指摘されてます。 「在宅勤務 (Remote Work)+出社の混合勤務」「スライド勤務 (Flextime)」「 共有執務領域 (Free Address Office)」…… これらには、働く側にとって 負の側面もあるわけです。 在宅勤務が主になれば 事務所の “各自の机”は不要 ⇒ スペースの効率化、賃料・水道光熱費なども大幅削減が可能。 通勤定期代(週4往復相当額)を出社した時だけの実費精算に変えれば、コスト削減(+途中下車は各自負担)になります。 しかし、通勤手当は公租公課では “報酬”……“平均報酬月額”に対して年金保険料・健康保険料などが算出されています。 就労者にとっては 通勤手当が減るだけ保険料は軽減されるものの、将来受け取る公的年金額も目減りするのです。
  もちろん、“外出自粛”で オンラインの会議や商談・交渉等の有効性を経験できた好い面もないわけではありません。 しかし、在宅勤務に必要なパソコンや機材などの経費、通信費・光熱費などの増加分を、勤務先は負担してくれてますか?
◆ 溝上さんは、今後は 「社会保険料を支払わないで済む “個人請負化”に走る経営者が出てくるかも…」という点も 指摘されています。 社員を雇用せずに業務委託契約を結び、使用者責任を免れる企業も出てくるでしょう。 かつて 自腹で携帯電話を持たされた時代もありました。 不当な負担と感じた人も多かったのですが、公然と “サービス〇〇”を要求される例は枚挙の暇もありません。 「自律的な働き方」と 「正当な権利主張」は表裏一体なのです。

「ダマス」の意味は…?
  ダマスカスは シリアの首都ですが、世界一 古くからある都市とされ、旧約聖書にも出てきます(聖書では ダマスコ)。 アラビア語の正式名は 「Dimashq ash-Sham(北の灌漑された場所)…… 中東には珍しく 緑に恵まれた豊かな土地です。 しかし、大都市の “陰部”も多くあったことから、“騙される” “乗せられて浪費する” といった印象も拭えません。 アラブ圏の人々が 「ダマスカス」と呼ぶのを避けて 「アッシャーム」(北)と呼ぶ気持ちも、なんだか解る気がします。
  欧州で 「Damas(憧れの和泉)は、シリア産の金糸銀糸の織物、ローマの都心にあるホテル、スペインでは名家の名前…。 マレー語の 「Damas」は “浪費して金を失う”ですが、日本語では何故か 「騙す」と他動詞になっています (笑)
  なお、スペイン共和制(1931年)の初代首相ダマソ・ベレンゲールは、“ソフトな独裁者”と蔑称されます。 敬虔なカソリック教徒ながら、“民間人に初めて化学兵器(毒ガス)を使用した首相” でもあります。 また、カルロス・セルドランの劇 『Damaso』(2010年)は、フィリピンにおけるカトリック教会への抗議活動でした。 どんな宗教でも、教団の詐術を見抜き 抵抗していくことは、命懸けです。 勤務先を 宗教団体みたいにはしないことです。

6月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ECER オンラインセミナー--- 6月3日(木) 午前11時〜12時10分、テーマ 『マレーシア東海岸経済地域における投資機会』。 ※ 石油化学産業(カネカ)と自動車産業(三菱自動車) に焦点を当てた内容です。日英同時通訳。
CFIEC 国際情勢ウェビナー--- 6月8日(火) 午前11時半〜午後1時、テーマ 『米中対立と日本の外交・安全保障』=国分 良成(前防衛大学校長)、田中 明彦(政策研究大学院大学学長)ほか※ 経済の視点も交えた外交・安全保障を軸に、世界秩序が大きく変容する国際情勢の変動を俯瞰します。
第75回グローバル化社会の教育研究会(EGS。On-Line)--- 6月25日(金)、テーマ『曲り角に来た ICT教育』=河合 孝允(駒込学園 駒込中学校・高等学校 校長)※ 新しい時代に求められる学力観……「世界で戦うアジアの中の駒込」から次世代のニューリーダーを輩出する“河合マジック”に注目です。
MIDA マレーシア投資開発庁ウェビナー--- 6月24日(木)、テーマ 『マレーシアの航空宇宙産業におけるビジネス機会』。※ 「自分には無関係」と思う人は,「Air Asia X」に無知なだけです。若者に聞いてみましょう。
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木野 雄介さんから NHK-Eテレ 『u&i』を紹介されました。 発達障害などの困難がある子どもたちの特性を知ることで、多様性への理解を深める…… そして “助け合えるクラス”へ向かう番組です。 「私も そうだったんだ」と判ることも…。 一見の価値があります。

◆ 『月刊 海外子女教育』6月号の特集は 「『コロナ帰国』 それぞれの体験から」です。 新型コロナウイルス感染症拡大のため、急遽 帰国せざるを得なくなった家族に何が起こったか?…… 移動手段は? 住んでいた家と 帰国後の仮住まいは どうする? 子どもの学校は休学か、退学か? 一時帰国で通う学校は?..etc.

◆ 『月刊グローバル経営』6月号の特集は 「多文化共生の知恵」…… 世界各地から寄せられた寄稿に 大いに励まされます。 特集以外にも 心すべき秘訣が並び、“永久保存版”にしたいほど。 部下からの 「正当な権利主張」に 素直に耳を傾けられますか?

◆ 5月21日(金)には 改正少年法が国会で成立。 民法の成人年齢が18歳になる(2022年4月施行)のに伴い、刑事事件でも 成人と同じ刑事手続きを執ろうとするものです。 起訴されれば 実名報道が解禁されますし、強盗や強制性交などでも “少年”とはみなされません。 高校は 新たなリスクを抱えることになります。

◆ 5月23日(日)に、絵本の 『The Very Hungry Caterpillar(はらぺこあおむし。米1969年)エリック・カールさん(91)が亡くなったそうです。 世界中の子ども達に愛される不朽の名作は、関連商品も無数にあります(わが家にも3つ…?)。 カールさん、ありがとう。 そして、ご冥福を祈ります。

◆ 5月末に 「寺内貫太郎」」の小林 亜星さんが急死(88歳)とのこと。 カミナリ親父のイメージとは違い、子ども達も愛唱する曲を “多産”する天才でした。 「ハイスクールコンサート」の寺内タケシさんも 6月18日に逝去。 “昭和の巨星”がまた二人、お星様になっちゃいました。

◆ 現代では「人生90年=卒寿(卒業の歳)」とでも言わないと、感慨が伝わりません (笑)。 いつの日か、70歳で死ぬのは 「現稀(現代稀ナリ)」というのかもしれませんね。 “70歳で 頭脳が大丈夫なのは…” といわれないよう気を付けます。
  たいへんな状況のなかで 健気に頑張っている子ども達の姿は 実に頼もしく、観ているこちらが励まされます。 明るい気持ちにしてくれて ありがたいです。

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【2021-5月】

風薫る5月といえば、競艇シーズン
  「競艇」といっても、大学ボート部のほうです(笑)。 英国ケンブリッジ大学 St. John's College のボート部に 「The Lady Margaret Boat Club(通称:マギー)があります。 1825年、ケンブリッジで最初の大学ボート部として 12人のメンバーで結成されました。 マーガレット・ボーフォート女史(St. John's College 初代学長)の名を冠した同部は 毎年、国内大会でも大活躍します。 1930年5月のメンバーでは、なんと 日本人の稲葉さんが 「舵手(Cox)」を勤めています。 「エイト+」の舵手は、最後尾で前向きに乗り、左右バランスを取ったり ペース配分など指示したりする重要ポストです。 クルーを引き締め盛り上げるリーダー的な役割なので、頭脳明晰+小柄な学生が選ばれるのですけど、快挙でした。

第74回グローバル化社会の教育研究会(EGS) を開催
  4月28日(水)、1年振りに開催されました。 テーマは 『ドルトン・プランの魅力と可能性』、話題提供は ドルトン東京学園の田邊 則彦先生でした。 「コロナ禍で 分散登校や休校となり、今まで無意識・無自覚だった学校の価値に気づかされている…… 当たり前だった日常が失われたことで、そもそも学校は 『何を担い、何を守り、何を育んでいくのか?』を問い直した……」 田邊先生の率直なお話に 引き込まれました。
  「予測不可能な社会を 真に自立的に生き、自分たちの暮らしや地域や社会を守り創るための資質・能力とは何か?」 「学びのオンライン化・デジタル化の推進」 「高まるリアルな学びの場の価値」 「教室をICTで装備すれば充分なのか?」等々、コロナ禍が私たちに投げかけた問いが、“自立した学びを ICTで支援する”という理想形を 浮き彫りにしています。
◆ 「新しい時代に必要とされる資質・能力を育むカリキュラム・マネジメント」といっても、それを支える哲学なり倫理観が不可欠です。 田邊先生のお話に興味が持てない、あるいは “ノウハウ”としか捉えられない人には、所詮 「馬の耳に念仏」でしかありません。

池袋の高齢者暴走事件の三回忌です
  犠牲になった母娘の慰霊碑の前に立つと、改めて悲憤が湧くのを禁じ得ません。 運転していた老人は、息子さんも慌てるほどの特権意識があり、「お前らとは違う!」の態度は衝撃的でした。 公共交通機関が使える都会に住み、ハイヤーを雇える金もある。 家族からは 「もう運転は無理」と言われていた…… なのに “趣味”で過失事件を起こすのは、幼児のいる公園でサッカーボールを蹴るようなもので、“未必の故意”です。 それは、必要があって車に乗らざるを得ず 慎重に運転している真面目な高齢者ドライバーをも、侮辱する行為です。
◆ 尼崎JR脱線事故は 十七回忌。 行き過ぎた 「経営合理化・人員削減」で 二重/三重の安全対策を骨抜きにしていった当時の経営陣は、皆 “無罪”になりました。 「責任を取らない上司」 「決定過程の記録を残さない」の代表例ですが、日本人の精神文化を捻じ曲げた事件の一つです。

「視力」を どう表現する?
  学校では毎年、身体測定の一つとして視力検査をしていますが、この数値が何なのかは、ほとんど知られていません。 だから、外国人との会話で 「Eyesight, Visual acuity」(マレー語:Penglihatan)の話題には 困惑することがあります。 20フィート(6.1m)の距離で被験者が識別できるものを、健常者が40フィート離れて識別できる場合が “視力 0.5”。 これを 「20/40(twenty-forty(th))」と分数で表わすのが 英語の標準です。 しかし、一般の人は 分母だけ言うことが多くて、「thirty(th)」が “視力 0.7弱”と判るまでは 相槌を打つのにも窮するのです。 (学校現場では A(20以下)・B(30以下)・C(60以下)・D(超60) と “簡略化”が進んで、ますます困惑します) 他方、EUではメートル法が主流ですので 6mが標準となり、「6/30」は “視力 0.2”です。 これを分数だけで言われたら…… 日本では 小数点を用いて表わす習慣になっていて、よかったなぁと思います。
◆ マレーシアのマハティール首相が提唱した 「2020年構想(Vision Twenty-Twenty)」(1991年)……“2020年までに 先進国に仲間入りする”という開発計画でしたが、最初は “視力 1.0の幻?”と悩みました (笑)。

LED電球明るさの罠
  消費者庁が昨年、LED照明の事故は10年間に328件あり、うち23件で火災が発生したことを公表しています。 「従来の照明器具にLED電球を取り付けたら 発火した/ボンと音がして異臭がした」などの情報が 寄せられたそうです。
  LED照明は 省エネで寿命が長いとされ、東日本大震災(2011年)以降は 節電・エコの意識から普及が進みました。 しかし、従来の白熱電球や蛍光灯用の器具に LED電球を取り付けた場合には、発煙や発火の恐れがあるわけです。 それに、LED電球は かなり眩しいものの、学習に必要な照度は不足していることが少なくありません(自転車の眩しいLED灯火が、運転者から見ると 前方は明るくないのと同じ)。 教室の生徒机の高さでの必要な照度を優先すると、生徒が眩しさを訴えて 授業に集中できない事態にもなります。 
◆ 校舎の廊下や倉庫、体育館などはLED電球でも構わないとしても、普通教室や特別教室などは、従来の蛍光灯のままにしたほうが 教育効果を維持できます。 そうかといって LED電球を間引くのも どうかと思います。(笑)

エスカレータでは歩かない!
  これについては、もう何度も触れてきましたし、欧米の改善の先行例も紹介してきました。 エスカレータの片側を空けて利用することも 歩くことも、故障の最大原因ですし、歩行中の事故・事件も後を絶ちません。 歩いている人には “未必の故意”が適用されるのですが、「みんな歩いてるじゃないか!」と言い訳する人も多いようです。
  とうとう埼玉県は 「エスカレータの安全な利用の促進に関する条例」で、立ち止まった状態で利用する義務を制定しました。 摘発は10月からですが、いずれ同様の条例が全国に広まりますので、今から啓蒙の活動・指導を始めるべきです。
◆ 「歩道では、自転車は押して歩く」という道交法の規定も、なかなか守られません。 厳罰化がどんどん進められ、事故が起こってから その重さに驚く人も多いです。 “知らなかった”では許されないので、家計が破綻する例もあります。 子どもには 賠償保険をかけておきましょう。

人間を “鈍化”させる流れに注意を
  最近のテレビなどで、異様な音を小さく入れたり 故意に間違った用語を用いたりして 注意を引く手法がよく用いられます。 「あれ?」と どれだけ思わせたかを 広告主も注視しているからでしょうけど、計算ずくなのが 余計不愉快です。 インターネット社会自体も、「エッ?」と思わせ クリックさせた件数が、収入に直結するシステムで占領されています。 そのため 「より過激で 単純明快で “懲悪的”なものを求める嗜好」を助長する悪循環に陥っているのです。
  報道番組までが、情報の正確さや 被害者の心情への配慮等を二の次にして 「大衆の求めているもの」を競って追い求める…… そんな状態は異常でしかなく、そこでは民主主義も社会正義も忘れ去られています。 生徒に教えるべきは、そうした世の風潮や流行に流されず、為政者や大企業の嘘にも騙されない賢さを体得することです。 短絡的に反応せず、「自分ならどうできるか」を真剣に考える習慣を持たない限り、やがて AIから見捨てられますから。
◆ 第74回EGS研究会(4/28)で 田邊則彦先生が 「教室を ICTで装備すれば充分なのか?」と質されました。 「教科書と鉛筆」を 「ノートPCやタブレットとタッチペン」に置き換えたら OK? 「黒板とチョーク」が「電子黒板やプロジェクター」になったら OK? 今まさに そこが問われています。

“いったん打ち切る” は成績向上のコツ
  テニスの松岡修造さんが 笑顔を作るコツとして 「頭の中で 『Stop!』と言う」と話されていました。 くよくよ悩んだり 何かに拘って堂々巡りになっているなと思ったら、一度 打ち切って 笑顔をつくるのが健康の秘訣です。 中学・高校では 中間テストの時期でしょうが、私は生徒には、「ある程度記憶したら 寝なさい」とよく話します。 「何だか忘れそうだなぁ」と不安になる前に寝てしまえば、知識の定着率が かなり高いからです。 数学の問題を解く時などは 「興が乗ってくる」ということはあるのですが、暗記ものは 根を詰めたら逆効果になります。 「これだけしか覚えられない」ではなくて、「ここまで覚えた!」と思って寝たほうが賢明なのです。
◆ これまでの経験上、試験・受験前 あるいは “本番前”に 睡眠時間を削るのは、自滅への道だと 私は実感しています。 もっとも、日ごろから記憶してこなかった罰として、忘れた故の制裁をしっかり受けることも、たまに必要ですけど。(笑)

5月14日は 紀尾井坂の変
  明治政府の重鎮 大久保利通が暗殺された日です。 江戸城(皇居)外堀の西端辺り…… 紀尾井坂の下で襲われました。 坂の上から外堀を渡る土塁には 「喰違<くいちがい>見附」があり、防衛上 ジグザグの木戸が設けられていました。 このジグザグの木戸が撤去された2年後、そこで岩倉具視が襲撃される事件が起きます(喰違の変=1874年)。 さらに その4年後に件の 「紀尾井坂の変」が起こります。 大久保利通が落命した坂下は 「清水谷」と呼ばれていました。 大久保の哀悼碑が建てられた一帯は、後に 「清水谷公園(1890年)となり、皮肉にも 反政府運動の聖地にされます。
◆ テロからは何も生まれないのですが、人間同士の意見の “喰い違い”を放置することも愚かな話です。 とりわけ ここ30年間の日本のマスコミの怠慢は、結果的に それを助長しているとしか思えません。 イスラム教の 「Idul Fitri」(断食明け大祭。5/13〜) 、ユダヤ教の 「Shavout」(七週祭。5/17) を迎えています。 すべての皆様に 平穏の日が訪れますように。

5月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
児童生徒の自殺予防に関する調査研究協力者会議(On-Line)--- 5月7日(金)、テーマ 『コロナ禍における児童生徒の自殺等に関するヒアリング』。
私立中学校の相談会 <完全予約制>--- 5月9日(日) 午前10時〜。 [埼玉] 大宮ソニックシティビル(JR大宮駅)、[千葉] 流通経済大学(JR新松戸駅)、[神奈川] 川崎市コンベンションホール(JR武蔵小杉駅) ※ 東京は 5月15日(土)・16日(日)、東京国際フォーラム(JR有楽町駅) です。
第12回 教育総合展(EDIX)東京--- 5月12日(水)〜14日(金)、於:東京ビッグサイト 青海展示棟。 * 今こそ見直すべき 教育現場の災害・安全対策……“安心安全な環境”で学べるため提案が勢揃いします。
CFIEC 国際情勢ウェビナー(On-Line)--- 5月13日(木) 午後1時半〜、テーマ『米中競争時代の日韓関係』=伊集院 敦(日本経済研究センター 首席研究員)、西野 純也(慶応義塾大学法学部 教授)ほか。 ※ バイデン政権の方向性がやっと見えてきました。
ASIA-NETセミナー(On-Line)--- 5月13日(木) 午後7時〜8時、テーマ 『台湾に見る米中ハイテク分断の最前線』=山田 周平(日本経済新聞社 編集ビジネス報道ユニット担当部長) ※ このセミナーが瞬時で満席になったため、20日(木)に再演されます。
ASIA-NETセミナー(On-Line)--- 5月27日(木) 午後7時〜8時、テーマ 『COMPUTEX 台湾 2021/見どころセミナー』。 ※ アジア最大規模のICT見本市(On-Line 5/31〜)に集まる“最先端〇〇”の解説です。
TJF テンダーさん「その辺のもので生きる」(On-Line)--- 6月6日(日) 午後0時半〜5時、テーマ『雨水タンクを作って、水を自給自足しよう』。 ※ 好評なので 早くも第4回です。
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◆ 事故後に 「〇〇が悪い!」と言い張る人を見ると、この人の栄誉は 他人への責任転嫁で成立していたの? と思ってしまいます。 「お前らとは違うんだ!」は自己誤認であって、自己肯定感ではありません。 自らの足らずを知り、世間の支えがあって生かされていることの自覚と感謝がなければ、成長も成熟もないのです。

長江春子さんが、『小春のあしあと--- 日本と中国の間に生まれた子の不器用な旅路』(e-Nest出版)で 「(異文化間を)移動する子ども」の自らの心情体験を カミングアウト! 多文化共生教育に携わる者が注意すべき点が よく解ります。

◆ 2日(日) 午前5時からNHK Eテレで(再:8日午後1時〜)、『「こころの時代」=戦争孤児の母になる 餅田千代』が放送されます。 戦後の困難な時期に大勢の子どもたちを育てた千代先生の半生は、コロナ禍の今においても参考になるはずです。

鈴木 款さん(フジテレビ論説委員)が 「子どもの一人一台端末は “市の備品”ではなく “未来のツール”」と書かれています(4/30)。 「市の備品だから家に持ち帰らせない」という人は GIGAスクールが目指す教育をまったく理解していない…… 分からないなら 教育現場から退場してほしい、と痛烈です。

◆ 『月刊 海外子女教育』5月号の特集は、読解力の大切さについて 『AIに負けない子どもを育てる』の新井紀子さんへのインタビュー等。 もう一つは 「絵手紙のススメ」の特集です。 教育相談コーナーは、コロナ禍などで一時帰国がままならない場合の学校の選び方などについて、橋本芳登先生がお話しされています。 「顔」は、竹下 隆一郎さん(ハフポスト日本版編集長)…… メディア リテラシーについて、外国で暮らしている人へのアドバイスは、既に帰国した私たちにも有益です。

◆ 立教英国学院から 新年度の便りが届きました。 二度のPCR検査や 約十日間の自主隔離期間も無事に終わり、並行して模試や実力テストも実施されたそうです。 「週に2回のLFDテスト(イムノクロマト法)も順調に行っており、生徒たちの体調はすこぶる良好」とのこと、一安心です。

◆ 日本は またも 緊急事態宣言の発令…… 大災害の際にも思うのですが、マスコミの 「不安じゃないですか? 不安ですよね!」の取材姿勢にウンザリします。 ダメージ、危機感、困惑… と不安を煽るのではなくて、「どう取り組んでいるか?」 「どういう工夫が有効か?」といった 前向きの報道であって欲しいものです。

◆ 「自分はマスクをしない!」と言っていた年寄りほど 「オリンピックを中止しろ!」という意見です。 あれだけ 「おもてなしの心」と騒ぎ、東京開催が決まると 「景気回復だ」と喜んでいたのに…。 誘致した国の責任はあるし、若者のためには無観客でも開催すべきでしょう。 「自分も協力する」という発想が欠けています。

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小山和智の執筆記事・コラム等の一覧

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