子女教育ニュース

      担当: 国際教育相談員 小山 和智  facebook note
海外人事や教育関係の実務担当者の皆様に配信しているニュースの一部を、
一般の皆様にも公開します。 教育相談などについては 「教育相談から」を。
2023年 7月6月5月1月〜4月、2022年 9月〜12月5月〜8月1月〜4月、2021年 9月〜12月5月〜8月

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【2023-8】

「ごまかし」にご注意!
  19世紀の江戸の町に 「胡麻胴乱」という菓子がありました。 小麦粉に胡麻を混ぜ 焼いて膨らしたもので、中は空洞…… 外見だけで内容が伴わないものを 「胡麻菓子<ごまかし>」と呼ぶ習慣の素になりました。 「ごまかし」は結構手が込んでいて、見抜くのは大変。 下心がある人ほど狙われます。(笑) 他方、「でたらめ」は “筋が通らない言動” “好い加減なこと”で、冷静に見られれば 直ぐにバレてしまいます。
  これらを総称して 「ちゃら」といいますが、英語では 「fake」。 中国語ですと 「胡 <hu2>」(北方の異民族)…… しばしば 音通の 「狐」も登場します。 この点では 欧州も同じ(fox, renard, volpe...)ですね。 ともかく、ニコニコとすり寄ってくる人の 「良い話・儲かる話」にはご用心。
◆ マレー語の 「Cara <チャラ>」は、“方法・方式、手順”です。 日本人が真面目に教えているのに、「そのチャラは…」と言われると、内心穏やかではありません。 余り細かいことを しつこく言うと、本当に “チャラ”にもされますが…。

「海外子女教育」の変容
  7月21日(金)、中京大学の芝野 淳一先生を迎えて 第85回グローバル化社会の教育研究会(EGS)が開かれました。 日本人学校等に派遣され帰国した教師の 内面に迫る分析に基づき、異文化の狭間で頑張る先生方の姿が説明されました。 この問題は 過去30年余り、まともな研究がなされていないし、行政からも見放されたかのような扱いを受けてます。 関係者としては 「やっと…」という気持ちですが、圧巻の内容に、参加者は皆 しばし感動に浸る思いでした。
  その “空白”の裏返しとして、いわゆる 「海外子女教育」の捉え方が 2000年以降、大きく変わったともいえます。 「祖国を出たら 祖国に還る」を前提とした枠組みが、「第三文化の子ども(TCK)」の相対的な観点で捉え直されつつあるのです。
  派遣教師もまた、異文化の狭間で格闘しているわけで、「国民教育」から 「グローバル人材育成」へと関心は変わる…… 芝野先生は 「“移動”をキー(鍵)」と仰いますが、これこそ、異文化同士を対等に捉える基本になると思うのです。 いわば 「TCT」の枠組みを、「越境性」という言葉を用いて説明されました。
◆ 「海外子女教育」は 日本の海外経済活動の必要性から発想された経緯もあり、「政治・経済」に引きずられ易い要因を含んでいます。 まして昨今の 「きちんと分析をしない」 「過去の経緯や関係者の心情等に配慮しない」といった(忖度の)風潮の中では、なおさら露骨です。

全国海外子女教育・国際理解教育研究協議会(全海研)第50回大会
  帰国教師を中心に組織された 「全海研」の全国大会が、8月3日(木) から東京で開かれます。 派遣教師は異文化の中で、限られた教育資源を最大限に利用しながら、ダイナミックな教育実践を展開しています。 国内では奨励されているけど実践できなかった 双方向型・参加型のフィールドワーク教育にも取り組めます。 スポンサーである企業や保護者の理解が得易く、赴任地の特徴や外部資源を活かした多様な教育活動ができるのです。
  こうした経験は 帰国後、帰国生や外国籍の子だけでなく、学習面や生活面に困難のある子の支援にも役立っています。 しかし、その活用は個人レベルに留まっていて、学校や行政レベルで発揮できる機会がない ほとんどないのは、もったいない話です。

笛や太鼓に合わせて踊る?
  新約聖書に 「笛を吹いたのに、踊ってくれなかった(マタイ11章17節)という言葉が出てきます。 宣教に乗ってこない庶民の信仰の薄さを嘆いている部分です。 何かをやらせようと指導者がいろいろと手を尽くしても、まるで反応がないことの喩えです。 「Dance Attendance(笛や太鼓などに合わせて踊ってくれる)の仲間は、何かを為す際には頼り甲斐があります。 もちろん、外部から “ご機嫌取り” と からかわれたり批判されたりすることもあって 気の毒ですけど。
  しかし、“笛を吹く人” と “踊る人” が居ない限り、何も状況は変わらないし、社会の課題を解決できません。 たとえ趣旨に賛同していても、「ただ見てるだけ」は結果として “改革/改善” の足を引っ張っていることになります。
◆ マレー語の 「menari/tari」には “踊り” しか意味がありません。 東南アジアの人たちは、踊らされることには 「Bukan anak-ya!(ガキじゃないんだよ!)」と言うくらい警戒しています。 それでも踊ってくれますけど (笑)。

「全海研」の特定課題分科会の報告は圧巻!
  3日(木)から 東京都府中市で開かれた 「全海研」は、4年ぶりのリアル(対面式)の開催で、懐しい顔が集いました。 とりわけ 特定課題分科会の報告は圧巻で、公立小・中の先生方が研究を深めておられる様子に 心強く感じた次第です。 第1分科会 「教育のグローバル化」では 国際バカロレア(IB)と日本の教育の融合の視点から子どもの学びを保証する…… 「逆向き設計」「育てたい力の意識化」「双方向型の学びのスキル(ATL)」の3点が提案されました。 もとより学習指導要領は IBの理念との融合を基本としており、帰国教師の “活用”は避けて通れない現実なのです。
  第2分科会 「国際理解脅威の再構築」と 第3分科会 「派遣体験のカリキュラム化」では、海外で得た材料や経験を 個人のものとせず、IBも含めて世界中の教材や生きる知恵を 『何処でも 何時でも 誰でも』使えるよう “一般化” していくための具体策が提示されました。
  第4分科会 「日本人学校のインターナショナル校化」では、既に永住者や国際結婚の家庭の子が大半である現実を踏まえ、日本人学校を 「日本語によるインターナショナルスクール」として整備することが、既に現実の問題であるという報告…… 国内校に外国籍の子が急増、JSL指導を要する子どもへの対処をはじめ 多文化共生教育の必要性を先取りしています。 とくに工場の多い地方都市において深刻な問題を生じていて、その対策に帰国教師の経験やネットワークが頼りです。
  一昨年6月 『在外教育施設未来戦略2030 〜海外の子供の教育のあるべき姿の実現に向けて〜』が策定され、昨年6月に 「在外教育施設における教育の振興に関する法律」が公布・施行されました。 しかし、法律ができても、それを内実化できるかどうかは 現場の教員とその周りの関係者の意識改革にかかっています。 「次代の社会を担い、国際社会で活躍することができる豊かな人間性を備えた創造的な人材の育成に資する…」が、こんどこそ “空念仏” に終わらないことを祈ります。

「状況を作る」意志を
  約60年前の学生運動が盛んな頃、(革命を起こせる)「状況を作る」という言葉が流行しました。 当時 学生だった団塊世代(1945〜49年生れ)は、社会人になっても 「状況を作る」を心に頑張った人が多いのです。 ヒトは居心地よい空間や作業環境を得ているほど、その能力はプラスに働き、好い業績/効率が出せるものです。 だから、お互いに “居心地よさ” を作り出し/維持することも、職務の大事な側面といえるでしょう。
  ところが、その後の世代以降では、「状況を作る」は “職務ではない” “年長者がやること” と捉えるのが普通です。 先輩が職場では言いにくいことを酒でも飲みながら話そうとすると、“古い価値観の強要” “実質的な残業”と感じます。 先輩が機会を見つけては 説明したり注意を喚起たりしようとしても、聞く耳を持たないのが普通になりました。
  しかし、現在、その世代が組織のトップや管理職のほとんどを占めています。 「状況を作る」経験をした人は限られ、大半が “後輩を虐めるパワハラ人間” と批判を受けているのは、お気の毒です。 職場の仲間を活性化し、互いが安心して働ける環境をマネジメントできる人財は、若い時から鍛えるしかありません。 学校現場では、帰国教師こそ最大の戦力ですのに、潰してしまう管理職が多いのは困ったことです。
◆ 「状況を作る」は 英語で言えば 「Lay out a Situation」「Build one's boats/bridges」で、後に目標(for〜)を伴います。 反対語の 「排水の陣」(Burn one's boats/bridges)も、実は(後に退けない)状況を作ってるんですけど。(笑)

今年の「全海研」全国大会で感じたこと
  率直な感想を3点だけ書かせてください。 ご批判は甘んじてお受けします。
  まず 実践事例発表は いずれも立派なもので、新鮮な驚きや感動を感じました。 特に今回は2020年度派遣者が多く、赴任まで数ヶ月待機しながら 自宅からオンライン授業をした等の報告の数々… 赴任先の状況が二転三転して、文科省の判断もなかなか定まらず、不安やイライラも募ったことでしょう。 着任直後は、宿舎からの外出も学校への立ち入りも制限される中、未だ教科書が配られてない子にどんな授業をするか、音楽や図画工作など技能系の教科では、教具や材料のない子をどうするか、体育の団体学習をどう工夫するか…… 等々、苦労やストレスは国内の比ではなかったわけです。
  しかし、「こうすると上手くいった」式の発表の一方で、「何を教訓/将来の財産として得たか」という面はやや残念。 それは過去の実践事例発表でも同様で、『何処でも 何時でも 誰でも』というレベルまで 深まってないようです。 教訓は すぐに “風化”しますが、「事態を招いた/悪化させた要因は何か」「今も残る危険(risk)と その対策は?」…… 他の学校・地域にも参考になる “失敗談” や教訓・知恵の共有こそ、研究会の意義を大きくするはずです。
  2点目は、「どうやったら事態を改善できるのか/危険レベルを下げられるのか」といった 「状況を作る」方略です。 涙ぐましい苦労や努力をした現実を客観的に捉え 「災害や非常事態に対処する」「選択肢を増やし柔軟な判断ができる」…… それらの共有こそが、日本人学校だけでなく わが国の教育全体の成熟度や許容量を増すことにつながるはずです。
  そして、都海研の講演で登壇された奥野 玉紀さん(日本ガラパゴスの会)のお話しには、魂を揺さぶられる思いでした。 <「Think Globally, Act Locally」…… 日頃の地域ボランティアの活動をする中で学ぶことが国際協力に活きている> やはり身の周りのこともきちんとこなせる人が、国際的な活動の広がりを持てるんだなと思った次第です。 <「状況を作る」ためには日々の身の周りの営みを疎かにしてはいけない> という自己批判の姿勢ですね。 私たち一人ひとりが心すべきです。
◆ 全海研に 海外子女教育振興財団の事務スタッフが参加しなくなってます。 教師を “僚友” だと思えないからでしょうが、教育現場の苦労や課題、悲しみ、そして喜びまでをも 彼らに伝える方策がないとしたら、由々しいことです。 「(彼らに)何をしてもらえるか?」ではなく、「何をしてもらうか? そのためにどうするか?」と発想を転換しましょう。

8月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
全国海外子女教育・国際理解教育研究協議会(全海研)第50回大会 (Hybrid)--- 8月3日(木)〜5日(土)、於:プラッツ 府中市市民活動センター(東京都府中市)。 ※ 日本人学校等から帰国した先生方が久し振りに集まりますが、一般の方も参加は可能です。
TJF 多言語・多文化交流 「パフォーマンス合宿」発表会--- 8月6日(日)、広島県呉市広まちづくりセンター。 ※ 「ひろしまPCAMP2023」で 高校生が3日間の交流で創り上げた “作品” ……若者の無限の可能性を知り、その感動に浸れる一時です。
未来の先生フォーラム2023 (On-Line) --- 7月31日(月)〜8月4日(金)。 ※ 2017年から毎年開催されている国内最大級の教育イベント。 リアル(対面型)のフォーラムは 19日(土)・20日(日)、桜美林大学新宿キャンパスで開催されます。 注)オンラインとリアルとで、参加申し込み方法が異なります。
TABOO―タブーを語る教育サミット--- 8月11日(金)・12日(土)、於:トキワ松学園(東京都目黒区)。 ※ 教育にまつわる “タブーあれこれ” を語り合い、教育を一歩進める場所を作ります。
市民文化フォーラム「8・15集会」--- 8月15日(火) 午後1時半〜4時半、テーマ『日本の「植民地戦争」責任と戦後民主主義の枯死について』。 ※ ここ10年余りで肥大化した政府機能とその恣意的な運用を再認識し、今後はどう語るべきかを考えます。
平和へのつどい--- 8月20日(日) 午後1時半〜3時、於:筑波バプテスト教会。 お話 『「ピカ・ドン」って知ってますか』・朗読 『明日が来なかった子どもたち』ほか= 鶴 文乃(作家)。 ※ 欧米諸国が核武装強化を図るなか 鶴さんの祈りは不滅です。
HLAB 2023の年次総会--- 8月23日(水) 午後6時〜8時、於:六本木アカデミーヒルズ49F。 ※ 高校生の国際交流サマースク―ル(リベラル・アーツ&サイエンス教育の1週間)等の報告会です。
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◆ 岸田首相は 「サラリーマン増税などしない」と言いますが、既に増税してます。 若い頃から 「増税による赤字財政是正」を主張しているのに、首相の座が近づくと それを隠し、給与所得者の手取りを減らす方策を着々と進めてきました。 騙されてはいけません。

◆ 『月刊グローバル経営』7/8月号の特集は 「コロナの後は--- 海外派遣者の健康・医療」です。 パンデミック対策で普及したオンライン交信の利便性と 「リアル(対面式)」の質的な優位性とのバランスを 今後どうとるか、教育現場にも通じる知恵が読み採れます。

◆ 『月刊 海外子女教育』最後の特集は、帰国生受け入れ校を担当してきたライター陣による座談会でした。 現場の先生方や子ども達に取材して感じてきた本音の応酬ですが、媒体の性格から掲載できないものもありました (その内容は読者には有益だと思いますけど)。(笑)
  私たち執筆陣は全員 “お払い箱” となりました。 今後は 「TCKs」をテーマに活動をしようと話してますが、引き続き 私たちにご愛顧とご支援をお願いいたします。

◆ 若者は 「仕事の作業手順や注意事項は、マニュアルに書いてあればいい」と言いながらも、マニュアルを拾い読みするだけだったりします。 何のためのマニュアルかを理解するのが苦手なのです。 だから 先輩は優しく繰り返し、趣旨や目的を説明する胆力も求められます。 幹部クラスは 「上手くやれ」 と口で言うだけで逃げてますから。

◆ 私が、ジャカルタやクアラルンプ―ル、上海の日本人学校で ずいぶん思い切ったことができた理由も、EGS研究会を長く続けていられるのも、好い意味の仲間 「Dance Attendance」に恵まれたお蔭です。 ご支援に感謝します。 毀誉褒貶は数多ありますが、甘んじてお受けします。(敬礼)

◆ 私のFaceBookに 「上海日本人学校高等部の最初の教員選考試験は 2010年7月27日」 と書いたら、「7月中旬の学校説明会の時、先生たちは未だ決まってなかったんですか?」 と驚かれました。 皆さんが 高等部開設準備室を信じてくださって、感謝しております。(最敬礼) 13年前の上海も 猛暑でした。

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【2023-7】

「七」 と 「半」
  「24/7 <Twenty-four Seven>」 は “24時間×週7日”…… 「Always(休むことなく)の意味です。 “”には 「七生」「七難」「七変化」など “たくさん”の意味がありますが、何故か “”とセットになり易いです。 「半七」という名前は、お茶の世界では 瀬戸茶椀の陶工、あるいは江戸の今戸焼の陶工が有名。 文学・芸能の世界でも、『半七捕物帳』 『お花半七』 『三勝半七』 など、主人公の名前に使われます。
  「半七」と並び 「半兵衛」「半蔵」も多いです。 「」は “中途半端, 不完全” ひいては “暴れん坊”の印象ですが。 “半”には、「好事 魔多し」(好いことには邪魔が入り易い)の感覚が埋め込まれているのでしょうか? なお、2個のサイコロの目の合計が奇数=“半”になる確率は半分、“合計が7” になる確率は 6分の1もあります。 博打狂いが 「(合計)7で “半”」 に何となく運気が向く気がするのは、理解できないわけではありません (笑)。
◆ 「大吉は 凶に還る」(それ以上の吉はなく かえって凶に近づく)などといって、 “満々”を避けたい衝動は確かにあります。 満月よりも上弦の月、円熟よりも “伸び盛り”のほうを選ぼうとする私たちの習性が、“半”を選ばせるのかもしれませんね。 「お七」の名は “八百屋お七”のイメージが強烈過ぎて、わが娘に付ける例は余りないようです。 お七の生まれ年は “丙午 <ひのえうま>”だったので、かつては 「丙午生まれの女性は 気性が激しい」という迷信までありましたし…。


第85回EGS研究会の話題は?
  21日(金)、第85回グローバル化社会の教育研究会(EGS)の話題提供は、中京大学の芝野 淳一先生です。 昨年、帰国した政府派遣教員の実態調査をされたのですが、この領域の本格的な実証研究は従来 ほとんどありません。 若干あっても、派遣教員の実践経験の特徴(多様性や複雑性)が 体系的に把握されてはいませんし、赴任校での経験が 帰国後にどのように活かされるのかを、解明できていませんでした。 当日は、派遣教員がどのように教育を実践しているか、正面から捉えた調査結果の神髄を、直に伺えます。 それを踏まえて、帰国教員の潜在力を わが国の学校現場で有効に活かす方策について、話し合いたいと思います。
◆ EGS研究会は、海外からのオンライン参加も可能ですが、日本時間の午後2時 〜4時半ですので、時差や夏時間にご注意ください。 万が一、当日のアクセスを忘れられた場合も、参加費はお返しできません(すみません)。

新版 サードカルチャーキッズ』が発刊される
  「Third Culture Kids」=国際移動を繰り返し、様々な国や文化の影響を受けながら 独自の生活体験をしている子ども達…… 親の海外赴任や留学、移民・移転などのため 異文化間を移動させられ、その狭間で翻弄される境遇を経ています。 13年前、『サードカルチャーキッズ』 は TCKの抱える 「落ち着かない、根無し草のような生活感覚」を正面から捉え、 社会学的・心理学的・教育的観点から解決法を探り、新たな道筋を付けようと試みて、世界中で大反響となりました。 このたび原書の第3版に合わせ、日本語でも新版が発行されましたが、今回は大きな工夫がなされています。 TCKと帰国子女の比較のコラムが加筆されるなど、日本の読者にも理解しやすいです。
◆ 海外子女、帰国子女、引揚子女、外国籍生徒…… いずれも 様々な国や文化の影響を受けていることに変わりはありません。 「TCK」という概念で捉えて、その多様性への対応策を考えないと、学校現場は何時までも振り回され続けます。

夏は “食中り”の季節です。
  海外研修に行く生徒に 「かき氷は絶対に食べないように」と厳しく言っておいても、コッソリ食べる子は必ずいます。 案の定、下痢が始まるんですけど、日程を変更もできないので、こんどは学校が コッソリ連れ帰ります (笑)。 本人は照れもあって 「なあに、かえって免疫力がついた」とブログやSNSに書き込んだりもします。 この “慣用句”は 東京新聞の社説(2005年?)に 「キムチは最近、寄生虫卵騒ぎで不評だが…」と載ったのが初出とか。 腐りかけの飲食物の話題が出れば、「かえって免疫力が…」と反射的に口にする若者たちが多いことには呆れますが、賞味期限の終了を過剰に警戒したり、一部傷んだだけ(or虫がいる)の果物まで拒絶したりするよりは、まだ ましです。 しかし、今の時期は コンビニで買って帰ったものでも、冷蔵庫に入れないで長電話などしていると 危険は急上昇します。 若い人たちには、食中毒の危険について注意を喚起していく必要があります。
◆ 中国共産党の幹部と上海の大衆酒場に行った時、決して料理に手を出さないのに呆れました。 「私は(農薬が怖いので)、新宿の高野で売っている野菜と同じ価格の野菜しか食べません」とのこと。 さすが 「上級○○」は違います。

新しい教育振興基本計画が決定
  6月16日(金)、閣議決定されました。 「2040年以降の社会を見据えた持続可能な社会の創り手の育成」と並んで、「日本社会に根差したウェルビーイングの向上」も掲げられました。 「Well-being」とは “心も身体も社会的にも全てが満たされた状態” をいいます。 当然 “永続性”も大事な要素です。 新基本計画では、「“学び続ける人材”の育成」「“全ての人の可能性を引き出す共生社会”の実現」と共に、「“共に学び支え合う社会”の実現に向けた教育の推進」が柱になっています。 しかし、より具体的には 「教育DXの推進」 「計画の実効性確保のための基盤整備・対話」と 経産省の思惑もチラリ。 教育現場としては、この大波に上手に乗っていく(Ride the Waves)賢さが求められています。
  その賢さの一つは、他の学校の先生との交流…… 同じ悩みを持つ者同士が 全国から集まる研修などは 格好の機会です。 公立校なら無数にありますが、私立校でも 日私教研や私大連盟・私大協会、キリスト教学校同盟などで開催しています。 「自分だけが苦労してる」 「この課題は克服なんかできない」と悩んでいたことが、他校の話を聞くことで解消したり、思いがけないヒントを得たり…… ともかく 「なぁんだ…」という前向きな気持ちにもなれるのです。 とりわけ効果が高いのは、日本人学校の政府派遣教員で3年間の研修に出てみることです(私立校の教員も応募可能)全国から様々な文化や習慣、実践経験を持った教師が集まり、日本と異なる環境の中で一緒に苦労する経験は絶大です。 まずは 「全海研」に来てみませんか?
◆ 21日(金)のEGS研究会では、帰国教師の側にも コツや工夫、発想の転換が必要だという話題(批判?)が出るかもしれません。 要は 両方に知恵が必要なのですけど、そうした批判に対抗する論理の準備も必要なのです。

夏の風物詩 「ひやむぎ」「そうめん」
  中国語で「面条<mian4tiao2>」は、小麦粉(強力粉)に塩を少々、水でこねて薄く延ばし、細く切った “うどん”です。 動詞は 「抻<chen1>」(引っ張って延ばす)を用い、「抻面<chen1mian4>」で “手打ち麺を作る”の意味です。 日本語では “麺棒で叩く”という原義から “打つ”と表現してますが、実際には手足や麺棒で “こねて延ばす”作業です。 うどんを “細打ち”(こねた後、太さ1.7mm以下に細く切る=切麦)したものが、JAS規格の 「冷麦<ひやむぎ>」です。
  また こねた後、植物油を塗って 細く引き延ばしていき、太さ 1.3mm以下になるまでにしたものが 「素麺<そうめん>」。 ただし、「手延べ素麺」の場合は、太さ 1.7mm未満まで JASでは許容されています。 「素麺」は元々、奈良時代に中国から伝わった 「索餅<suo3bing3>」…… 小麦粉と米粉をねって 縄の形に捻じって油で揚げた菓子です。 宮中では、七夕に熱病除けのお呪いで食べました。 鎌倉時代末期に、中国から麺を手延べする方法が伝わり 「索麺<suo3mian4>⇒ 素麺」になったそうです。
  なお、製麺業界(外国人も多い)の要望で、自民党政権は 「素麺 ⇔ 冷麦」の区別をしない方針を取ってきました。 (素麺と冷麦の どちらを名乗ってもよい という温かい政策!) 本物の素麺は 茹でた後に油を洗う(ぬめり・匂いを取る)手間をかけますが、最近は 「調理法に差はない」が常識(?)。
◆ 七夕の “熱病除け”のゲン担ぎから 「素麺」はお中元の定番になりましたが、私の子どもの頃は、秋・冬になっても 「素麺」を食べることになって、食傷気味でした。 今では(本物は)高級品ですし、薬味の茗荷やネギ、生姜等も高いので、なかなか口にはできません (苦笑)。

英語は “けんか腰の言葉”
  東南アジアにおいて、英語は “けんか腰の言葉”です。 言葉の厳密なやり取りが可能で、互いに相手を理詰めで追い込もうとする際に好んで使われます。 また、人々は 「英語力=知的レベル」という思い込みもあり、英語での発言には 心の中で 「Fighting pose」を執ります。 先日、ある中学校で帰国生を取材した時、「英語には敬語がないから(話すのが)楽です」と言われ、驚きました。 相当な英語力がありながら、相手に敬意を表したり、遠回しな言い方で傷つけないようにしたりができないようです。
  ラテン系の言葉やマレー語と比べて 英語は “尖ってる”分、言葉遣いに気を付けたりユーモアを交えたりも余計に必要。 「相手の目を見て、ゆっくりとかみ砕いて話す」「言い方を変えながら何度も同じことを言う」といった技も必要です。 過去半世紀以上、日本の英語教育では、この部分がゴッソリ抜けて 「一言居士」「馬鹿の一つ覚え」が横行しています。 「文法的に正しい言い方」「相手に一発で分からせる用語」を探し回っている間に、話題から取り残される例も……。 だから、ついつい大声で叫んだり、強圧的になったりもするようです。(話し合いは台無しに…) フランス語・スペイン語・イタリア語・(広義の)マレー語などを少しでも話せたら、ずいぶんと違った展開になります。
◆ 東南アジアで “品がある人間”でいようと思ったら、英語力だけでは難しい…… 英語を口にした途端に、相手は身構えるからです。 極力英語を避けて、その土地の言葉で話す…… ファジーな言葉のやり取りで、ゆっくりと互いの感情の起伏や心のひだを読み解いていくようにすることを勧めます。

7月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
★ ☆ TJF 地球講座 The LIVE 「夜のリレー」(On-Line)--- 7月7日(金)、講師:竹村 眞一(Earth Literacy Program代表)。 ※ 5ヶ国を結び、インタラクティブ地球儀 「SPHERE」を使った解説付きです。
武蔵野音楽大学ウィンドアンサンブル演奏会--- 7月12日(水)、於:東京オペラシティ コンサートホール(新宿区)。 指揮=レイ・E. クレーマー(元 全米吹奏楽指導者協会 会長)※ レイ先生は 毎年夏に来日され、今回は26回目です。
第85回グローバル化社会の教育研究会(EGS)(Hybrid)--- 7月21日(金) 午後2時〜4時半、テーマ 『帰国教師の実態調査から見えてきたこと--- 「越境性」を活かす教師の協働に向けて』= 芝野 淳一(中京大学 准教授)。 ※ 帰国教師が活躍できる環境づくりについて話し合います。
JOBA学校フェア…… 7月22日(土)、於:ベルサール渋谷ファースト(東京都渋谷区)。 ※ 帰国生受け入れ校120校が一堂に会し 4年ぶりに対面式で行われます。 注)早稲田アカ主催の相談会は翌週29日(土)。
KANKO:Teacher with オンラインセミナー--- 7月1日(土)〜配信。 テーマ 『学校力を高めるこれからの学校ブランディングとは』= 森 俊介((社)国際エデュテイメント協会)。 ※ 校名を聞いた時に人々が想起する内容を好転させる、実践的な解説です。 なお、『生徒の可能性や生き方を広げるキャリア教育プログラム導入事例』 もお勧めです。
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◆ 昔、高校生にインドネシア語(注:マレー語の一種)を教えていた時、生徒たちが 「(バイト先などで)英語よりもよく通じたよ!」と興奮してました。 “闘う姿勢”よりも “コミュニケーションをとる姿勢”のほうが、相手も心を許してくれるのです。

◆ 『月刊 海外子女教育』7月号の特集は 「愛と命をめぐるセクシュアリティ教育」…… 現地校等での性教育に驚いてる親御さんも多いでしょうね。 もう一つの特集は、夏の恒例となった只木良枝さんの博物館シリーズ、今回は 「文学への扉をひらくミュージアム」です。 今月の 「顔」は 目代 純平さん…… 全国の小・中学校等から 「スマホやインターネットの安全な使い方」の講演依頼が相次ぐなかを縫って、インタビューさせてもらいました。

◆ 七夕を前に 相原 直くん(広島県呉市)の 『世界中にいっぱいの平和を』ご覧ください。 「ごはん・お米とわたし」コンクール(JA主催)の文部科学大臣賞ですが、岸田首相には この感性は理解できないようです。 メキシコ在住の知人から報告、「岸田は 日本人でも嘘をつくことを メキシコ人に知らしめた」……。 岸田首相の少子化対策の趣旨も 「子どもを産んでもらわないと、日本経済が大変なことになる」では、若い人は ますます 「産みたくない」になりますし…。

◆ 「Well-being」は、心理学では 「前向きな感情」「確実性を伴う約束」「関係性」「人生や仕事の意義、および目的の追求」「何かを成し遂げること」の頭文字を採って、「PERMA」(永続性?)と呼んだりします。 昔は 「エートス(Ethos)」というのもありましたけど、手垢に汚されてしまった感じです。

◆ 『帰国生への学校案内≪関西≫』が休刊との連絡が届きました。 1984年新刊以来 約40年……母親自身が学校を訪ね、母親の目線で得た情報を提供するユニークさは、格別の価値がありました。 ITC時代に向け、脱皮の時なのでしょうね。 頑張れ、帰国ママ!

◆ 7月8日(土)は 安倍元首相の一周忌でした。 悪政の連続…… 円安政策で国家と国民の資産を半減させ、軍事費を倍増させ、武器輸出の道を開き、旧統一協会に毎年何百億円も献金して自民党議員を当選させ…… 気が付いたら、国民1人当たりの年収は韓国人よりも少ない “中等国” になってました。

◆ コロナ禍のせいで、オンラインでの会議や研究会等に慣れっこになってしまっていますが、やはり対面式の良さは大きいです。 とくに装置や回線に不具合があると、そちらに気を取られて 中身があやふやになったりもします。 直前になって、「やはり会場に行きます」と言う人は結構あります。

◆ 8月3日(木) からの 「全海研」(全国海外子女教育国際理解教育研究協議会。 於:東京都府中市)ですが、「久し振りに会えますね」の連絡が届き始めています。 帰国後は 全国に散らばっていて 滅多に会えないうえに、コロナ禍まで重なったので、本当に久し振りです。 体調を整えて臨みましょう。

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【2023-6】

広島は政治に利用されただけ?
  世界中が注目する中で 「広島サミット」が開催されましたが、なぜ広島で開く必要があったのか、理解に苦しみます。 核兵器廃絶を訴える “聖地”でもある広島に各国首脳が集まり、原爆資料館まで訪れたのに、虚しさが残りました。 広島で育ったわれらが宰相は 「核兵器禁止条約(2017年7月の国連総会で採択、2021年1月発効)今も反対の姿勢。 他方、既に署名した92ヶ国(批准=締約国 68ヶ国)のほか、ノルウェーとドイツは オブザーバー参加しています。 話し合いの場にも出て行かない日本政府の姿勢は、私たちの大半の感覚からは乖離していないでしょうか?

円安が食料価格を高騰させる
  マスコミは 「物価が上昇中」と他人事のように報道してますが、その理由が円安政策にあることは 指摘を避けてます。 例えば、食肉の自給率は 「重量べ―スの自給率×飼料自給率」で求められ、牛肉9%、豚肉6%、鶏肉8% …… 9割以上は輸入に頼っているのです。 ただし、品目ごとには この計算ですけど、食料全体で見る時は、カロリーベースや生産額ベースを用います。 国内産は輸入物より高いので、それだけ自給率を高く示せる(見た目 約25%に) …… 時の政権には有利に働くのです。
  他方、牛乳の場合、乳用牛は乾草等の国内で採れる飼料を食べる比率が肉用牛の約2倍なので、自給率は26%です。 鶏卵は、飼料自給率を考慮すると12%ですけど、生んでいる鶏は 全て 雛で輸入しているのです自給率 ゼロ!。 円安は(ましてや国際紛争は)、わが国の食料価格を直撃するわけです。
◆ 安倍政権と日銀が11年前に打ち出した 「円安+インフレ政策」を 株高になる! と喜んでいた皆さんには、この 「教育通信」は嫌われました(苦笑)。 しかし、工業用の材料もエネルギーも食糧も、大半を輸入に頼っている国がとるべき政策ではありません。

「中途採用」から「経験者採用」へ
  昨年11月 経団連では 「中途採用」という用語を 「経験者採用」と 転職に肯定的な表現に改めるよう決定しました。 いよいよ日本の大企業も、終身雇用を前提とした人事制度を 「ジョブ型雇用+随時採用」の原則に改めようとしています。 しかし、中間管理職のほとんどは “成長しない偏差値人間”ですから、横合いから参入した “できる人材”を虐めます。 俗にいう 「メンバーシップ型(先に入社した者が幅を利かす)の発想ですが、いまの日系企業の最大の弱点です。 いくら呼び方を変えても、勤務者の “勝ち組/負け組”の偏差値感覚を払拭しない限り、何も変わらないでしょう。 まして 「主婦を(非正規雇用=安い賃金で)労働市場に」という “一億総活躍社会”の本性を見せつけられては…。
◆ 随時採用に呼応して 学校も 「随時卒業」の途を拓くべきでしょう。 既に通信制・単位制高校はそうなっていますが、昔の 「免許皆伝」のように、「はい卒業!」と校長がいつでも言えるようになってほしいものです。

君島 聡さんはギターの名工
  『ギターの友』(隔月刊)6月号の表紙は 君島 聡さん(ギター製作者)です。 世界的な名器 「河野ギター」の河野 新さんの孫で、一昨年から独自ブランド 「So Kimishima」を世に出してます。 大学はシステム情報学部に進学したと聞いた時 「えー?」と思いましたが、卒論のテーマは 「好い音のギターの…」。 叔父の櫻井 正毅さんも 世界的な製作者ですが、電気工学科卒… 世界に誇る名器には 科学技術の裏付けがあるのです。
  弦楽器の名器は、プロの演奏家が何十年も弾き込むことで育っていきます。 河野 新さんの最初の作は1949年、国際ギター製作コンクールでの 「金賞」は1967年。 「世界的な名器だ」と認められたのは、櫻井さんが国際コンクールで最高賞を受賞した 1988年頃でした。 櫻井さんの下で厳しい修行をこなし腕を磨いてきた君島さんも、満40歳。 勝負に出ているわけです。 世界のプロが今 100万円で買う “雛” が 50年後に1億円の名器に育っていることも、夢の話ではありません。
  なお 君島さんは 『月刊 現代ギター』に 「ギター弦測定」の記事を書くなど、筆も立ちます。 その片鱗は、小学4年で彼の編集した学級新聞にも現れてました。 1・2年時の担任だった 井手上 秀先生(児童文学者)の指導もあって、彼の創造性は見事に引き出されたのです。
◆ 「河野ギター」の工房は以前、今の君島 聡さんのお宅の裏手にありました。 池袋モンパルナスの一つ 「谷端川沿いアトリエ村」の霜田橋の北側です。 私たち夫婦は毎朝、その君島邸の前の公園でラジオ体操をしてます。

教育は 能力を引き出すこと
  学校教育の使命は、子ども達が将来社会に出た時に役に立つ能力を “引き出す”ことだと繰り返し書いてきました。 識字力、コミュニケーション力、論理的思考力などの基礎的部分を鍛えながら、常に創造的な能力を伸ばすことです。 それを 教師自らも意識し 自ら成長していくことが、今こそ求められています。 基礎・基本というと 「まず我慢して 〇〇」とか 「黙って言うことを聞け」とか、いつまで軍隊みたいな発想で…? 社会も環境もどんどん変わっているし、「Technological Singularity」は目前なのですから。
  他方、アメリカ野球界には 「アリゾナ秋リーグ」「カリフォルニア冬リーグ」という “教育機会”があります。 そこでは 指導者養成も行うのですが、選手の潜在力を引き出すことが基本です。 今年 WBCで世界一になった日本のコーチ陣も その経験者が多く、選手たちが伸び伸びプレーしていたのが印象的でした。 日本だけに居ると、どうしても 従来の常識に囚われてしまうもので、それを異常だとすら感じなくなっています。 その意味で、ダルビッシュや大谷だけでなく、海外育ちの子たち、あるいは帰国教師の方々は 好い刺激になります。 その刺激に出会うごとに、「あれ?」と思える感覚や謙虚な姿勢が必要なのです。
◆ 子どもが幸せにやっているのに、親がクレームをつけたり騒いだりするのも困ります。 「あんなことさせないで!」とか、「あの子と一緒にさせないで!」とか、ホームステイなのに「先生も一緒に泊まり込め!」とか…。 その人の子は、恥ずかしくて やる気を殺がれているのですけどね。

『帰国した在外教育施設派遣教員の実態調査』
  中京大学の芝野 淳一准教授による調査は、昨年4月〜10月、日本人学校等からの帰国教師に対し、アンケート(209名)とインタビュー(73名)が実施されました。 「なぜ派遣を希望するのか」 「赴任先でどのような教育を展開しているのか」 「派遣経験をどのように活かしているのか」 「派遣教師の魅力とは何か」…… その結果を素に、文科省の帰国教師ネットワーク構築事業の 『在外教育施設で働く教師の魅力』にも解説されています。
  <派遣経験の活用度は 赴任校で身につけた教育スタイルによって異なる。 また、その活用は 多様なマイノリティの包摂にも向けられている> <派遣教師は、異なる国/地域における教育現場での経験を応用・融合して新しい実践を創造している。 そうした 「越境性」を持つ彼らは、現場の教育課題を解決するチェンジ・メイカーになり得る
  7月21日(金) の第85回グローバル化社会の教育研究会(EGS)では、芝野 先生に話題提供をお願いしました。 テーマは 『帰国教師の実態調査から見えてきたこと---「越境性」を活かす教師の協働に向けて』 です。
◆ 異なる教育現場で培った経験を応用/融合しながら、新しいダイナミックな実践を創出する教師の「越境性」…… 日本人学校・補習授業校を経験した先生方の肩を押してくださる言葉です。 今年の全海研 全国大会は第50回…… 皆さんにお会いできるのが楽しみです。

子ども達に“考える”楽しさを
  関西大学初等部(大阪府高槻市)の教頭、田渕 良二先生は、在外教育施設で延べ6校、通算17年の教員経験があります。 「1校で勤続20年以上」という例は 結構見られますが、ほぼ3年ずつで転勤を重ねた経歴は 極めて稀有です。 インドネシア、ニュージーランド、アイルランド、マレーシア、メキシコ…… 補習授業校では管理職もされてます。
  3年任期の場合、前後を併せて5年度分の派遣教師と “同僚”になりますから、日本全国に多くの知り合いができます。 つまり、設置されている国や地方の文化や習慣だけでなく、日本各地の学校の文化や習慣にも接してこられました(笑)。 そのため 異文化理解や体験学習の指導にいっそう幅ができ、子ども達の興味関心を引き出すレパートリーも豊富です。
  それに田渕先生は「恐竜模型の先生」で全国に知られるほか、極真会空手の黒帯でもあります (これだけでも凄い!)。 英語はネイティブ並み(夫人はアイルランド人)で、スペイン語、マレー語・インドネシア語、中国語も上手。 なお、関西大学初等部には 数年、田邊 則彦先生(元 慶應義塾湘南中学・高校教諭)もおられました。 お二人の間に “化学反応” があったことは、想像に難くありません。 今日の「子ども達に“考える”楽しさを」の “伝道”の出発点なのでしょうね。
◆ この通信を書いている時、先月22日に 田渕先生の奥様が 亡くなっていたことを知りました。 本当にチャーミングな方でした。 ご冥福をお祈りします。 田渕先生には、全国の子ども達のためにも 早く元気を取り戻してもらいたいです。

6月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第2回 日本学校教育学会 オープン実践研究会(On-Line)--- 6月4日(日)、テーマ 『地域とつながる教育実践--- 子どもを育む探究活動のかたち』=水本 祐之(奈良県立国際中学・高校)ほか※ 多田孝志さんの総括だけでも必聴の価値があります。
ITトレンドEXPO 勤怠管理システム徹底比較セミナー(On-Line)--- 6月9日(金)。 ※ ツールベンダーの方々に対し、「使いやすさは?」「打刻方法は?」「連携できるシステムは?」など 導入の際に気になるポイントを深掘りします。
ASIA-NET セミナー(On-Line)--- 6月16日(金)、テーマ 『鴻海のシャープ再建にみる日台のビジネス連携』=山田 周平(桜美林大学 特任教授)。 ※ 『シャープ再生への道』(知日派経営者、戴正呉さん著)の、深堀りセミナーです。
JACTFL特別講演会(On-Line)--- 6月25日(日)、テーマ 『中国の高等学校新学習指導要領における外国語科に関して、及び、中国における日本語教育』=楊 晶晶(西安外国語大学日本文化経済学院講師)。 ※ 日本とは真逆の複言語・多言語教育推進の話です。
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◆ 『月刊 海外子女教育』6月号の特集は、「日本の学校で何が流行っている?」と 「海外に永住する日本人家族--長く暮らすうちにわかること」です。 こういう特集が組めること自体、ボーダレスの時代になったなぁと思います。 会員校訪問は 近畿大学附属高校…… 大規模かつ多様で “教育の百貨店”のようでした。

◆ 『月刊グローバル経営』6月号の特集は 「ラテンアメリカ」…… 食料、エネルギー、鉱物資源の宝庫であり、総人口はASEANと ほぼ同じ6.5億人、GDP5.6兆ドルは ASEANの約1.5倍。 なのに、日本人の多くは関心を払おうとしません。 愚かな自滅思考を打破しましょう!

◆ ジャニーズ事務所の創業者による性加害問題について、現社長が “謝罪”を公表(5/14)。 この問題を “放置”していたマスコミは、やっと 「メディアの取材や報道は十分だったのか」(朝日新聞)などと自戒を込めて報道しました。 しかし、それから2週間以上経っても、「なぜ報じてこなかったのか」という自己検証は出てきません。

◆ 5月26日(金)、日本語教育機関認定法(2024年4月施行)が国会で可決・成立し、日本語教師が国家資格になります。 やっと ここまで来た… という感じです。 “最大の抵抗勢力”だった国語教師たちも 「JSL」という概念を理解してくれる日が、早く来ますように。

◆ このたびカンヌ映画祭で脚本賞を受賞した 『怪物』は、学校現場が舞台。 <ヒトは自分のフィルターを通して情報を取り込む>…… “批判的思考”の大切さを 逆説的に描いてもいるようです。 教師志望者が ますます減らないことを祈ります。

◆ 6月10日は 「路面電車の日」と、今年から日本記念日協会で認定されてます。 日本各地には、世界中から集められた路面車両が走行。 「○○電」「××線」など愛称もいろいろ…… 庶民の “足” ですが、年寄りとブラブラ旅行者には ありがたいです。

◆ 武蔵野音大は 西武池袋線 「江古田」駅の近くですが、職員寮は わが家の近くにあるらしく、レイ先生とは 互いの散歩中に出会います。 「今度は英国パブで」と言いながら、まだ乾杯はできてません (笑)。

◆ 欧州の6月は 様々な花が咲き乱れて、一年で最も華やいだ季節です。結婚式もお祭りも多いし、学校も年度末ですね。 関西の 『かけはし会報』春夏号も 盛り沢山な内容です。

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【2023-5】

風薫る5月です。
  木々の新緑が目に眩しく、藤やリンゴ、サツキ、ジャスミンなどの花々も 競うよう咲いてきます。 学校/職場でウキウキした気持ちでいるのに、なんとなく空回りをしているような虚しい気持ちになってしまう…… 入学や就職、転勤・転居、昇進など 他人が羨むほどの幸せがあっても、翌月には 心身ともに辛い時期が控えているのです。 いわゆる 「五月病」…… 心理学では これを 「不適応症状」と呼びますが、原因は環境の変化にあります。 それまでと環境が変わったことからくるストレス症状で、誰でも多かれ少なかれ起こるのです。 この「誰でも起きる」という法則性を知って、お互いに気を遣い合うことが “特効薬”です。
◆ 「甍<いらか>の波に 雲の波…」は、海外育ちの子どもには理解しづらいです。 ラジオ体操ですら “異様な集団ダンス”と感じる子もいます。 環境の変化が 「五月病」の原因なので、コミュニケーション力が最も求められる季節といえます。

上海モーターショーはEV一色?
  4月下旬、4年振りの開催でしたが、圧倒的に電気自動車(EV) の出展が多かったそうです。 実は、リーマンショックの翌年(2009年)以降、中国市場の新車販売台数は ずっと世界一…… 昨年は中国で 2,686.4万台売れたといわれるのに対し、アメリカでは 1,390万台と、中国市場の約半分なのです。 因みに、3位はインド 472万台、4位は日本 420万台。
  「日本人は決断が遅すぎて、中国市場の急激な変化に対応できてない」などと、中国人からよく言われます。 「油改電<You2gai3dian4>」(EV導入)でも、性能からデザインまで 日本車は中国車に凌駕されてしまった… と。 私は内燃エンジンの振動音が大好きなのですけどね。(笑)
◆ ある中国人から、日系各社がEVを 「ガソリン車の変形」と捉えているのは大間違いだと言われました。 中国車は 「動くスマホ」と考え 次々にバージョンアップを図っているので、日中の差は広がる一方ではないか、というのですが…(?)。

上海補習授業校も満10年
  今月は (第二次)上海補習授業校が始まってから、丸10年です。 元の上海補習授業校(1975〜87年) が全日制日本人学校に “昇格”してから 四半世紀振りに、改めて設立されました。 現地校や国際学校に通う子ども達に 「学習指導要領に沿って、国語及び算数を中心とした基礎学力を培う」場です。 それまで、日本の学習塾や日本語学校はあっても 検定教科書では学べないし、運動会や社会科見学もできませんでした。
  2013年5月4日に集まった最初の児童は9名…… 開校式の代わりに、私が絵本の読み聞かせをしました。 翌週から授業が始まり、見る間に子ども達は増えていきますが、講師と教室の確保に お母さん方の奔走も続きました。 手づくりで懸命な運営により 補習校に対する邦人社会の理解が広がっていき、次第に支援も得られるようになります。 そして、ようやく2018年度から、日本政府の援助対象校になりました。
◆ 上海日本人学校高等部を辞めた 小坂 剛史さん(社会科)も、上海補習校の講師に(立教英国学院に赴任まで)…… 本職の教師ですし、社会科学習を一気に充実することができました。 太極拳まで教える時間は取れなかったでしょうけど (笑)。

小塩 節さんの一周忌
  5月12日(金)は ドイツ文学者の小塩 節さんの一周忌です。 国際基督教大学の講師時代から NHKのドイツ語講座を担当され、1970年に中央大学文学部 教授になられました。 中央大学に在職のまま、駐西ドイツ日本公使で赴任(1985-88年)もされています。 他方、牧師のお父さんが杉並区に設立した 「ひこばえ幼稚園」の園長(1982年。2003年から理事長兼務)も勤められ、中央大学を退職された1997年から、フェリス女学院の院長(2004年から 理事長兼務)までされるとは思いませんでした。
  『ファウスト ヨーロッパ的人間の原型 』(1972年)など、ドイツ文学/ドイツ語に関連する著書は数えきれないほどです。 『ドイツ語コーヒー・ブレイク(1976年)は、小塩さんが私と親しくしてくださる契機になりました。
◆ 小塩さんは 21歳も年下の私を 「わが友」と呼ばれました。 仏教徒の私を 「兄弟」とは呼べなかったのかもしれません (笑)。 わが母校の立教大学(聖公会です)から私に 「小塩さんに講演に来て欲しいんだけど…」と相談があった時は、苦笑しました。(その講演会は大盛況でした)

海外の警察官の階級は?
  外国のミステリー小説や刑事ドラマなどで困惑することに、警察官の階級(基本的に 陸軍の階級と相関)があります。 とくに東南アジアでは、旧植民地時代の宗主国の階級を踏襲しながらも、微妙に異なっています。
  「Jenderal Polisi(将官級)は、日本でいう “警視正”以上の上級幹部で、庶民と接することはほとんどありません。 Komisaris Polisi(佐官級)は “警視と警部”…… 警視は “警部の総元締め”なので、「KOM-BES(大警部)・「Kolonel(大佐)とも呼ばれます。 Inspektur Polisi(尉官級)は、別名 「Letenan(原義は "助手")で、“警部補”に当たります。 警部は 「Mayor(少佐)なのですが、「Kapten(大尉)とも呼ばれるのは “警部補の長”だからでしょう。
  他方、警察機構の基底部は 「Brigadir Polisi(警察の実働部隊)です。 巡査部長は、その “頭(Kepala)”で 「Sersan Mayor(曹長)とも呼ばれ、巡査長は 「Sersan Kepala(軍曹)の別名、そして 巡査(お巡りさん)は 「Kopral(伍長)とも呼ばれます (平<ひら>ですけど)
◆ 英国では 「Chief Inspector」(警部),「Detective Inspector」(警部補)という呼び方もしますが、アメリカでは 「Captain」,「Lieutenant」と陸軍的に呼ぶのが一般的です。 なお 「刑事<デカ>」は 巡査部長以下の捜査官の通称です。 でも、コロンボ警部補は “刑事”にされています (笑)。 平時には 「Kopral」(伍長、コップ)が職業軍人/警官の最下層ですが、非常時に民間人から登用/徴用される 「Prajurit/Private」(兵卒)は 「Kopral」の下に位置づけられます。

「きっと好いことがある」と思うこと
  小説の 『David Copperfield(英 1850年)の中身は忘れましたが、下宿屋の主人ミコーバーの言葉は 印象的でした。 どうしようもない貧乏人なのに 楽天家で、「Something will turn up.」と言いながら家族と仲睦まじく暮らしてます。 こういう人は、こちらが悩みや辛い気持ちを抱えている時には、気分を和らげたり希望を持たせたりしてくれます。 たとえ小説や映画、テレビドラマの登場人物であっても…… 決してお金や環境改善につながることはないのに、なぜか元気を与えてくれるのです。
  だけど、こちらが元気になると やや面倒臭くもなります。 しばらく離れていて欲しい、忘れていたい気持ちなのです。 だから指導者は、この距離感に いつも悩みます。 今は伴走すべきか、声をかけるべきか、少し離れて見守るべきか…… もちろん、翼や骨を休めに戻ってきた時は 喜んで迎えますけど。
◆ 吉井 理人さんの 『最高のコーチは、教えない』(ディスカヴァー携書 2021年)が注目されていますが、このタイトルは 一種の 「Tautology」(同義(語)反復)です。 「指導者は 教えるべきではない」というグローバル教育の大原則を鮮明に描いた 教師の “虎の巻”になっています。

お参りの効果は何か?
  人生のいろいろな門出に当たり、あるいは修行の途中で、神社やお寺に成就祈願に行く人は少なくありません。 「神頼み?」 「お参りしたって…」という生徒がいると、私は一応、精神面に及ぼす効果だけは話すようにしてます。 まずは、念じることによる 「自己暗示の効果(Self- Suggestion Effect)」。 自分の気持ちを高めるような言葉を、小さな声でも好いので唱えれば、不思議と “やる気スイッチ”が入ります。 そして、謙虚な気持ちになる効果…… 神仏の加護を受けたいという気持ちから、自然に柔和な顔になるのです。
  その状態で、近くに居る人と笑顔でお喋りできれば効果抜群。 脳の働きが活性化され、血行も促進されます。 そのことが、精神面での活力やゆとりにもつながり、不思議なほど頭の回転が好くなるのです。 なお、お参りでは、最後のお辞儀をしたら胸を張って正面を見上げ、大きく息を吸い込むのもお勧めです(⇒ 丹田呼吸)
◆ キリスト教でも試合前の “必勝祈願”や 研修前の “朝礼/始業礼拝” をしています。 非科学的なようでも、よく見れば 長年の人間観察記録から生れた統計/行動心理学に基づいているのです。 占星術やビジネスの奥義の類も、本を正せばそうしたデータ解析だったりして…。 私は 大柄の先生には 「背中が丸いぞ!」と意識的に声をかけています。 それでなくても 「態度がでかい」などと不当な言われ方をされたりして、萎縮し易いからです。 姿勢を直すことで元気を回復してもらう…… 一種の神頼みです (笑)。

エスカレーターでは立ってて!
  昇降機事業者で組織する (社)日本エレベーター協会は、エスカレーターの歩行禁止に ようやく重い腰を上げました。 接触・転倒の危険だけでなく、駆動部分に対する歪みや不要な損傷が生じるため 調整や修理がよけいに必要だからです。 幼児の靴やサンダル等の先が挟まれる事故は、片側に寄って乗る重心の偏りと歩行・走行による振動が主たる原因。 従来、「多少は壊れないと儲けにならない」という発想もあったのですが、人手不足もあって 追い詰められた形です。 欧州では 「二人並んで乗るほうが輸送力が優れている」という実証実験に基づいて、歩行禁止が普及し始めてます。 「危険・禁止マーク」を貼ったり放送で呼び掛けたりも好いですが、「急ぐ人は階段を利用」を徹底するほうが先です。
◆ 一昨年、埼玉県が 「エスカレータの安全な利用の促進に関する条例」で、立ち止まった状態で利用する義務を制定しました。 政令都市では 名古屋市が今年、同様の条例を制定しましたが、東京都は全然検討もしてないようです。

国連史上初の「ナクバの日」集会
  15日(月)、国連で 「Nakba(大破局, 大災厄)の日の追悼集会がありました。 1948年4月、ユダヤ系テロ組織によるパレスチナ人の大量虐殺が発端となり 恐怖に駆られた人々の大量難民が発生。 5月14日 イスラエルが独立宣言したので、翌日 アラブ連盟5か国が軍事侵攻、難民は約80万人に達しました。 キリスト教徒が大多数を占める英米露仏などや中南米諸国は 「ユダヤ人はイスラエルに還ってほしい」の思惑があり…… 永い間、国連でこの話題を正面から取り上げることはタブーでしたが、一昨年から 様相は変わってきてました。
  パレスチナは現在、2012年に認められた 「オブザーバー」の地位のまま…… 非加盟国は総会でスピーチできません。 しかし、アッバース大統領は 史上初めて 「自分たちの独立国家において自由と尊厳を保障された生活を送る権利がある」と訴えることができたのです。
◆ 中露両国は、イスラエルとアラブ諸国の和解を推し進めるために国連の場を利用してるわけです。 ある意味、国連の本来の趣旨なのですが、模擬国連に参加する生徒たちは、問題の大きさに立ちすくむ思いもしています。

◎ 5月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第14回 EDIX(教育 総合展)東京--- 5月10日(水)〜12(金)、於:東京ビッグサイト 西展示棟。 ※ 正頭 英和さん(立命館小学校)や 工藤 勇一さん(横浜創英) も登壇する特別講演はお勧めです。“井の中の蛙”にならないため、有給休暇を取ってでも行ってみる価値はあります。
International Education EXPO 2023 (Hybrid)--- 5月13日(土)、於:昭和女子大学附属 昭和小学校。 テーマ 『脳から考える国際教育』。 ※ 最近の 「インター校 設立ラッシュ」の意義/影響を考える好い機会です。
日本マレーシア経済協議会 第40回合同会議--- 5月25日(木)、於:ANAインターコンチネンタル東京。 テーマ 『多層的な共創を通じた日本・マレーシアの経済関係深化』。 ※ 日本商工会議所が共催する巨大イベントです。
出版記念 「教育界ヘビー級タイトルマッチ」--- 5月28日(日)、於:大阪工業大学 梅田キャンパス。 ※ 『東大よりも世界に近い学校』の日野田直彦さんと、『友だちの夢に耳を澄ます教室』の池田靖章さんとの ガチ対談です。
多言語・多文化交流「パフォーマンス合宿」公開報告会--- 5月28日(日) 午前10時〜、於:広島県呉市広まちづくりセンター。 ※ 5年間の歩みを映像とトークで振返り、その成果と課題、今後の展望を考えます。
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◆ 『月刊 海外子女教育』5月号の特集は 『教えて先輩! 海外生(帰国生)の悩みに答えます』 の座談会と、『つながる在外校--- オンライン時代の交流の形』 です。 会員校訪問は、滋賀県の近江兄弟社高校…… 「ヴォーリス学園」と言ったほうが、ミッション系の学校を出た人には懐かしいでしょうね。 “近江商人”の故郷でした。

◆ 『月刊グローバル経営』5月号特集は 「経営のグローバル化」……日外協が今年初めに実施した 「経営のグローバル化アンケート」の結果です。 早稲田大学大学院の大滝令嗣 教授が、そこから読み取れる課題を解説されています。 「ちょっとした工夫で好くなるのに…」と本当に思います。

◆ 先月 『世界から学ぶ幸せな子育て』(リーブル出版)を上梓されたノーラ・コーリさんと、久し振りにお茶をしました。 やはり対面は好いですね。 グローバルな時代に生きる子どもを育てるには…… で ひとしきり盛り上がりました。 彼女は今、米国 Redmond(WA)に住んでますが、一度行ってみたい町です。

◆ 『帰国した在外教育施設派遣教員の実態調査』を実施された芝野 淳一さん(中京大学 准教授)が 第85回EGS研究会(7月21日)で話題提供してくださることになりました。 帰国教師の 「越境性」を学校現場で活用する…… 全ての教師の協働に向けた具体的な処方箋を探ります。

◆ 先日、マレーシア人家庭の 「Idul Fitri」の宴に招かれました。 懐かしい料理に舌鼓を打ちながら、日本の高校生が 「故郷<カンポン>ホームテイ」 に早く戻ってくれるよう願いました。 日本では余り経験できなくなった心の交流を知る、好い機会です。

◆ 警察の階級の話題に、様々なご感想ありがとうございました。 とくに インドネシアは16階級(日本 10階級)ですから、どうしても ずれが生じます。 それに 「中級幹部(PAMEN)」(佐官)、「初級幹部(PAMA)」(尉官)、「下士官(BINTARA)」という呼び方もあって、めまいがすることも…(笑)。

◆ 20日(土)の日没から 「Zulkaedah/ Dhu al-Qa'da(イスラム暦11月)に入りました。 イスラム暦は毎年、西暦と比べて毎年約11日早まっていきますが、中国暦では今年 「閏<うるう>2月」があったように、約3年に一度 「閏月」を挟む(1年が13ヶ月)ことで修正しています。

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2023年4月以前のニュースは こちら

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