子女教育ニュース

      担当: 国際教育相談員 小山 和智  facebook
海外人事や教育関係の実務担当者の皆様に配信しているニュースの一部を、
一般の皆様にも公開します。 教育相談などについては 「教育相談から」を。
2022年 11月10月9月5月〜8月1月〜4月、2021年 9月〜12月5月〜8月1月〜4月。 2020年 9月〜12月

 2023年1月以降のニュースは こちら

 ページトップ、 海外支援センター   ※ ニュースのオリジナル版は、日本人学校・補習授業校にも お送りしています。
【2022-12】

「真珠湾」の季節
  12月7日が近づくと、アメリカ全土で 「Remember Pearl Harbor」の “太平洋戦争の勃発記念行事”が行われます。 小・中学校でも特別授業などが行われて、日本人の子どもは肩身が狭い思いをする時期です。 最近、 「日本の騙し打ちではなかった」という “証拠”等が出てくるにつれ、“追悼”の色彩に変わりつつありますけど。 それに8日は、一連の “記念行事”に異議を唱えていたジョン=レノンの命日。 世界平和を訴え続け、名曲 「Imagine」を世に送った “音楽と悪戯の天才”は、 狂信者の凶弾に倒れました。 あれから42年経った今も、彼の世界平和の願いは 未だに叶っていません。
◆ ロックバンド 「Queen」のフレディ=マーキュリーの命日は 11月24日です((1991年)。 身を持って訴えた HIV撲滅やLGBT解放は、その後 ずいぶん進展しました。 最近、LGBTに "Q" を加えるのは、「Queer」と蔑まれた彼への鎮魂でもあるようです。

仲間同士の駆け引きは延々と
  北朝鮮のミサイル発射実験の頻発に、ようやく日米韓の外交交渉が “正常化”される動きが出てきました。 しかし、韓国では “国内80ヶ所の米軍基地を全て返還させる韓米合意”(2004年)の完遂を求める勢力も健在です。 2019年、戦略物資の貿易に関する国連決議により、日本は韓国に与えていた輸出手続きの優遇措置を停止しましたが、その時点で 在韓米軍基地54ヶ所が返還済み、残りは 環境汚染問題(土壌改良して返還しろと要求)で難航中でした。 今年、韓国の大統領が交代し 若干の方向転換があるものの、未だ落しどころは見えてきません。
◆ 韓国が 日米韓の GSOMIA終了を宣言した際(2019年8月)、米国は 「失望した」とコメント。 ところが 韓国は 「そういう発言は 自制するよう要請する」と反論しました (=外交上の“黙れ!”)。 前代未聞ですが、尹錫悦<ユン・ソギョル>大統領は、前政権の尻拭いをさせられます。

宮台 真司さん、襲われる
  11月29日(火)、社会学者の宮台 真司さん(首都大学東京 教授)が暴漢に襲われた事件は、私たちを震撼させました。 宮台さんが日本人の 「86年 "分水嶺" 説」を唱えて 5年が経ちますが、若者たちの反感を買ったのでしょうか?
  1986年以前に生れた世代(現在、満36歳以上)は 「社会は5〜7年ごとにガラリと変わる」という感覚を持ち、 それ以降に生れた世代は 「社会はこのままずっと続く⇒ 周りに合わせるしかない」という感覚を持つ、という説です。 平成不況の深刻化(1997年頃)以降に思春期を迎えた世代は、物心ついた時からネットコミュニケーションに依存……“仲間外れ”を恐れるあまり “人付き合いが苦手”な一方で、周りに “同調”を求める傾向が強いという分析でした。
  そうした若者へのメッセージとして 次の3点が提示されています。
 1) “仲間はずれ” を恐れてはいけない…… 主体的な行動をとって “他人の目線” から自由になれ。
 2) 他者に対して 想像力を働かせろ…… “指示待ち人間” を脱して、自ら問題提起をしろ。
 3) 必要なことは 丸ごと暗記しろ…… 暗記しておくことで、はじめて思考する余裕ができる。
「何の意味があるのか?」 と合理性を問う前に 先行世代のマナーやルールを身につけたほうが賢い、という趣旨です。
◆ 武道や演奏と同じ 「基本動作を反復訓練」の発想が、ともすると教師/指導者の “刷り込み”や “パワハラ”の温床にもなってきたようです。 しかし、生徒が適正な選択・判断の力を身に着けられるよう助言/見守り/伴走する “大人”を抜きに、主体性や責任感は育ちません。

マサカリ担いだ金太郎
  12月15日は、われらが愛する 「金太郎」こと坂田 金時の命日とされています(新暦 1012年1月11日)。 神奈川と静岡の県境にある足柄山地で “剛勇”に育ち、源 頼光(清和源氏の3代目)に引き立てられて 大活躍しました。 伝説・伝承が多く 浄瑠璃や歌舞伎などの題材にされ、その人気にあやかって各地に “出生地”や縁の地が存在します。 菱形の腹掛けを着けた少年像は 絵本や人形でも人気で、金時豆・金太郎飴なども 子どもの健やかな成長を祈る縁起物です。

偏差値信仰を打破すべき
  わが国で “偏差値信仰”が蔓延することと、企業の 「新卒一括採用」「年功序列(賃金)」とは無縁ではありません。 そして、自分自身の能力や知識の発達・向上を見つめない人ほど、“〇〇に勝った/敗けた”と 周りを気にします。 学校生活も “一斉開始”…… 批判的思考を抜きに競争させると、結果に対する異様な緊張や執着を生みかねません。 知識量や要領の良さは身につくでしょうが、「自他ともに幸せになる」といった倫理感や人間性が育たないのです。 さらにいうと 「非認知能力」も育たないので、20歳くらいで学力が伸びなくなります。
  打開策として、学校では就学進路の複線化や学年制の廃止、飛び級、卒業時期の融通措置などが考えられます。 企業も中途採用や随時入社、在学中からのパート採用、若手社員の学業継続など “時期に対する融通性”が必要です。
◆ 海外・帰国子女教育で最大の障害だったのは、各国で年度の開始時期が異なることです。 随時編入を認める学校は限られますから、国境を跨ぐごとに学年を半年下げざるを得ないケースもありました。 昔の 「免許皆伝」と同様、時期にこだわらず “修了”させる方策があると好いですね。

笹子トンネル天井板落下事故から10年
  笹子トンネルの事故(2012年)…… こんな大事故で 死傷者11人で済んだのは奇跡だと思います。 国土交通省の最終報告書によると、ボルトの強度が不足していたこと等の複合的な要因が事故に繋がったとのことです。 また、ボルトの耐久性に関する無知や 12年間その状態の未確認など、管理会社の体制の不十分さも指摘しています。 しかし、甲府地方検察庁は書類送検された社長ら10名を 「崩落の予見可能性はなかった」と不起訴処分に(2018年)。 被害者遺族は 検察審査会に審査を申し立てましたが、点検作業担当者2人のみが 不起訴不当との議決が出ました。 そして甲府地方検察庁は 再捜査を行い、その2名も嫌疑不十分で不起訴処分としました(2020年)。
  結局、JR福知山線脱線事故(2005年)と同じく、“誰も責任を取らない”という幕引きがなされたわけです。 経営者側が “経営合理化”を名目に安全管理予算や要員を減らし、かつ現場に労働強化を図った点は 無視されています。 なぜ 点検が延期されたのか、なぜその点に関して社内から問題視する声が上がらなかったのか等は、説明されません。
◆ ひたすら 「予測可能性はなかった。責任は痛感している」と言いながら、誰も責任を取らない…… 小泉政権・安倍政権が推進した 「リスク管理」は、危険と補償額とを天秤にかける算術でした。 「本当のことを教えてください!」という遺族の悲痛な声が、いつも事故現場で聞かれます。

映画 『Love Story』の想い出
  クリスマスというと、映画 『Love Story(米1970年)を想い浮かべてしまいます。 名台詞 「Love means never having to say you're sorry.」とともに……。 定訳は “愛とは 決して後悔しないこと” ですけど、この訳でいいのかというのが 50年前の学生には格好の話題でした。 映画の最後、主人公の言葉は 周りの女性たちの泣き声で聴き取れないほどでしたが、万感の想いが交錯します。 “愛してるんなら、後で謝るようなことするなよ”(この偽善者!)という意味まで込められているようです。
  伝統的な日本映画なら 「(あんな人に)惚れるんじゃなかった」と 情感を込めるのでしょうけど…。 だからでしょうか、子どもには 愛していることが判る形で接していないと 指導も逆効果になるんだと私が悟ったのは、ずっと後でした。 親子や師弟の断絶は いつの時代にも話題になりますが、責任の大半が 育ててきた大人の側にあることはもちろんです。 国家の方針を大転換する時に、政府が国民に説明し納得してもらう気がないのも、将来に禍根を残します。

ハーバード大学の街
  『Love Story』の舞台は、ミシガン州ボストンの西の郊外にある 「Cambridge」…… ハーバード大学やMITなど60以上の大学が集まる研究学園都市です。 17世紀 ハーバード牧師が 広大な土地と膨大な蔵書を遺贈したのが出発点です。 彼も初代校長も、当時のボストン総督も皆、英国ケンブリッジ大学のOBだったそうです。
  ハーバード大学は来年7月、ハイチ系移民を親に持つ黒人のクローディン・ゲイ教授(人文科学部長)が学長に就任します。 約4百年の同大の歴史上、初の黒人学長で、女性としては2人目。アイビーリーグ8校では 5人目の女性学長だそうです。

偏差値信仰に染まったマニュアル人間
  昨年から、40歳代の公務員や教員が 逮捕・検挙される不祥事が多発しているのは、困ったことです。 日本人としての倫理観の崩壊は、「X世代」(1965〜80年生れ)から徐々に始まってるのかもしれません。 偏差値信仰(他者との比較で一喜一憂する感覚の醸成)の影響を受けた世代で、宮台真司さんの指摘にも通じます。 しかし、よく見ると “被害を受けた者”の多くは 「Z世代」(1997〜2012年生れ=団塊世代の孫たち)のようです。 「デジタル機器に頼り 読書習慣がない」 「注意力や語彙力が不足気味」 「人間関係を断ち切るのに躊躇しない」等々。
  こうした若者に 下手に注意/助言をすると 「人格否定だ」 「パワハラ/セクハラだ」と騒がれ、告発されかねません。 偏差値信仰に染まったマニュアル人間は、不測の事態(習ったことがない!)に遭うと 思考が停止したりキレたり…… 上司も部下も そうであれば職場がギクシャクしますし、精神障害や刑事事件にも発展しかねません。 やたら演技の上手い(見た目の優秀そうな)偏差値人間だけを採用している職場では、それは仕方ない事態なのです。 『日刊SPA』(9/23)に 『モンスター新入社員の特徴』の記事がありました。 ご参考まで。
◆ 昔なら 「ちょっと飲みに行くか?」で意思疎通を図れたのですけど、今では 「それは仕事ですか?」と 若い人に嫌〜な顔をされます。 そもそも飲酒の習慣がないので 「酒の場は苦痛でしかない」と考える若者が多いのです。 「親父ギャル」も見当たりません。

12月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
IMM 多国籍美術展--- 12月3日(土)〜25日(日) * 水・木休み。 於:仲町の家(東京都足立区)。 ※ 日本に暮らす海外ルーツの人たちの文化背景を紹介する展示会。 絵画や工芸、映像、伝統音楽、料理など、様々な作品と生活の結晶が並びます。
KANKO「Teacher with」(3) 限定配信中--- 12月6日(火)まで。 テーマ 『やり抜く力(GRIT)を2軸でつくる』=小島 貴子(東洋大学理工学部 准教授)・中山 芳一(岡山大学教育推進機構 准教授)。 ※ 情熱・粘り強さ・レジリエンスなど 学びに向かう力/人間性の養成のコツとは?
ENAGEED 探究事例サミット(On-Line)--- 12月13日(火) 午後4時半〜6時、テーマ 『偏差値時代の終焉、探究学習の「これから」を語る』=田代 浩和(常翔学園 校長)・山本 崇雄(新渡戸文化学園ラーニングDir.)ほか。※ そもそも探究学習とは何のためにあるのか、など実践面の協議が行われます。
ENAGEED 探究事例サミット(On-Line)--- 12月13日(火) 午後4時半〜6時、テーマ 『偏差値時代の終焉、探究学習の 「これから」を語る』=田代 浩和(常翔学園 校長)・山本 崇雄(新渡戸文化学園ラーニングDir.)ほか。 ※ そもそも探究学習とは何のためにあるのか、など実践面の協議が行われます。
『これも学習マンガだ!展』 第1期--- 12月18日(日)まで、於:トキワ荘通り昭和レトロ館(東京都豊島区)。 ※ さいとうプロの 「ゴルゴ13」の特設は見納め…… 今のウクライナ紛争に至るまでの世界情勢まで描かれていて 圧巻です。
CFIEC 国際情勢ウェビナー(On-Line)--- 12月20日(火)、テーマ 『ロシア経済の展望と脱ロシアの行方』=中居 孝文(ロシアNIS貿易会 経済研究所長)・松尾 豪(エネルギー経済社会研究所 代表)ほか。 ※ ロシアの経済的な地位の変化・構造的な変化を見据えます。
TJF 地球講座The LIVE「夜のリレー」--- 12月22日(木) 午後6時〜、講師=竹村 眞一(Earth Literacy Program代表)。 ※ 冬至の夜、北海道・ソウル・上海・メルボルン(豪)・コタキナバル(馬) を繋ぎ、各地の様子を「SPHERE」を使った解説とともに味わいます。
TJF テンダーさんの「その辺のもので生きる」第12回講座(On-Line)--- 12月25日(日)、テーマ 『生き物の輪に戻るためにドライトイレを作ろう』。 ※ “50ドル以下で手に入るトイレ”で ヒトと他の生物が生き延びる方策を考えます。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 情けないのは、すべてを“勝った/敗けた”で矮小化して判断する風潮です。それも“勝ち組”とか“勝馬に乗る”とかで煽って、人の生き方まで優劣をつけようとするのは、精神の貧困そのもの。“こっち側”と悦に入っている輩の醜悪さは、見るに耐えられません。
  さらに、「(受験)偏差値」という得体のしれない非科学的なもので 一喜一憂する保護者も情けない。志鷹英男さん(国際高専)からの率直な意見が note に投稿されています。「国際教育博2022」の対談も好かったですけど、こちらのほうが 必見です。

◆ 『月刊 海外子女教育』12月号の特集は 恒例の 「帰国生の我が校紹介」…… 注目の 「国際高専」も紹介されてます。 もう一つの特集は 「司法通訳」…… 駆け引きや “上げ足の取り合い”もある対話で、通訳人は どんな苦労をしているのでしょう?
  会員校訪問は インフィニティ国際学院 高等部…… 初等部は大阪、中等部は北海道と奄美大島に校舎がありますが、高等部は それら以外にも拠点を持ち “4週間ごとに世界各地を巡りながら学ぶ”(旅先すべてが学校)という特異性を どう表現すべきか悩みました。

◆ 『月刊グローバル経済』12月号特集は 「ASEANと日本をつなぐ」です。 3年振りに対面で行われた 「第36回日本語スピーチ発表会」…… コロナ禍など様々な困難を乗り越えた若者たちの言葉に 胸を打たれます。 小林恭子さんの随想 「BBC、開局100年」も、襟を正す気持ちで読みました。

◆ 長野冬季五輪(1998年)の “汚職+会計帳簿の紛失”は、大手百貨店を軒並み お家騒動や買収合戦に、さらには ダイエーやセゾングループを解体にまで追い込みました。 有楽町駅前の 「そごう」や池袋駅前の 「三越」が 家電量販店になった時は、呆然としたものです。 2003年に合併した 「そごう・西武」は、どんどん店舗を閉鎖して 約3分の1の数になり、今年 とうとう米投資ファンドに売却されました。 年寄りは 溜め息しか出ません。 東京五輪(2021年)の “汚職”の中心は 電通と博報堂ですけど…。

◆ キリスト教徒は「Advent(待降節,降臨節)に入っています。 何かを “節制/断食”しながらキリスト降誕を感謝し、その意味を噛みしめる4週間です。 “節制/断食”の結果生じた蓄えを隣人に施すのが “プレゼント”…… 施しや献金、援助をさせて貰えることを素直に喜び、神に感謝します。
  「サンタは何歳まで来るの?」という質問を たまに受けますが、私は 「感謝することを覚えるまで」と答えています。 「自分はいつも愛されている」と気づき、それに感謝できれば “卒業”なのです。 欧米では凡そ満12歳…… 「日本人は12歳の少年」(D.マッカーサー)の真意も そこにあります。
◆ かつて 銀座8丁目に 「いわし料理 わらすこ」というグルメな店がありました。 1989年の暮れ、長瀬達郎さん(東京銀行)の海外赴任歓送会+奥出通夫さん(日本航空)の帰国歓迎会…… 集まった酒豪8名で盛り上がったのは好いですが、勘定が…!(しばらく謹慎しました)

◆ 上智大学の同窓会長をされている鳥居 正男さんが、来年2月9日(木)のEGS研究会で話題提供をしてくださることになりました。 製薬業界の国際舞台で活躍されてきたご経験を素に、“日本の為体<ていたらく>”と 育てるべき人間像についてお話しいただきます。 乞うご期待!

◆ サッカー世界盃の日本チームの快進撃は、ランキングや “偏差値”に敗けない精神力の大切さを見せてくれました。 コロナ禍3年目の師走ですけど、前向きの気持ちや挑戦心を失わないでいたいものです。
  それでは皆様、良いお歳をお迎えください。
  Selamat Hari Natal dan Tahun Baru! Joyeux Noel et Bonne Annee!
  Merry Christmas and A Happy New year! 
聖誕節快楽! 新年快楽!

==================================================================================================

 ページトップ、 海外支援センター   ※ ニュースのオリジナル版は、日本人学校・補習授業校にも お送りしています。
【2022-11】

11月は私立学校の “受験祭り”
  私立学校の帰国生入試や 「総合型選抜」、そして小学校入試が目白押しで、「一条校」の秋祭りみたいです。 ペーパーテストの一般入試と違い、学校側の募集方針に基づく様々な選抜方法が採られるので、進路指導は大変です。 しかし、目の前の生徒が 志望校に入って本当に幸せにやっていけるのかを一緒に考えるのも、教師冥利の一つ。 19日(水)、大学通信の 「進路指導教諭が評価する大学」の資料が 今年度のものに更新されました。 「面倒見が良い大学」「教育力が高い大学」「入学後、生徒を伸ばしてくれる大学」の項に どうしても目が行きます。 そして、それらの領域で 金沢工業大学と東京理科大学が トップレベルに入っていることに、私は心強く感じています。
  ペーパーテストの成績で上位15%にいる生徒は、基本的に どんな環境に入っても自らの学びの方向を掴んでくれます。 しかし、帰国生の場合、たとえ能力はあっても、日本語のペーパーテストでは点が取れないことも多いのです。 そうした生徒の場合、“挑戦と挽回の機会”を与えられ 常に見守っていてもらえる環境でこそ、大きく成長します。 だから、その学校の 「Admission Policy(入学者の受け入れ方針/方策)を よく読み込むことが、学校選択の鍵なのです。
◆ 入学試験は、その学校が “欲しい生徒”をどれだけ集められるかに学校の命運が懸かっているのですが、そういう生徒が入学者の1割もいない場合は、「Admission Policy」が不適切です。 決めてもいない/教師が知らない学校は 問題外ですけど。

国際高専(ICT)を考える
  高等専門学校(高専)が 「一条校」であることを知らない教員も多いのですけど、人類の将来が懸かる貴重な存在です。 埼玉・神奈川・山梨・滋賀・佐賀を除く42都道府県に 57校(国立51, 公立3, 私立3)ある “技術エリート校”なのです。 “オタクっぽい生徒”を大事に育て上げる点では、金沢工業大学や東京理科大学以上の教育力を誇っています。 海外に住んでいると 「Kosen」という “英単語”の存在に驚かされるのですが、独特のネットワークがあります。
  第82回グローバル化社会の教育研究会(EGS)は17日(木)、金沢の国際高等専門学校(ICT)について協議します。 テーマは 『グローバルイノベータの育成と 教育プロトタイピング 』。 先日、白山山麓の国際高専を観てきましたが、想像していた以上に素晴らしい学校でした。 しかし、周辺状況として、
 1) ここ数年、インターナショナルスクールが次々と生まれては 行き詰っていること、
 2) 通信制高校やオールタナティブ校/サポート校等の隆盛、
 3) 東海工業地帯にある 海陽学園や名古屋国際の低迷、
 4) 私立で4校目の神山高専(徳島県)が過剰な宣伝攻勢で越えようとする “田舎留学”に対する偏見の壁、
など 見極めたい課題も山積みです。 山岸 稔事務局長の現状報告を素に、率直に話し合いたいと思います。
◆ 国際高専の課題の一つに、米・豪・シンガポール等のトップ大学が認めるクレジット取得の対策もあります。 年収一千万円以上の高給を稼ぐ高専卒業者の多くが、そういう有名大学に編入した経歴を持っているからです。

堀越克明先生と帰国生教育
  11月8日は 日本私立中学高等学校連合会(中高連)会長を長く務められた 堀越 克明先生の命日です。 私学助成振興法(1975年)成立後の 全国私立学校審議会連合会(全審連)会長も10年間され、“私立学校の顔”でした。 和洋学園の創業家でもありますが、私学振興に尽くされる余り 内紛が起こり、手放されたことは、歴史上のタブー。 しかし、帰国生教育にとって忘れてならないのは、1973年の文部省(当時)の「帰国子女教育研究協力校」指定です。 引き受けを渋る私立高校の中で、堀越学園と順心女子学園(現 広尾学園)の2校で “帰国子女受け入れ校”になられました。 その年は 堀越学園創立50周年…… 記念事業の 「芸能・スポーツコース」設置は、学外活動をする子も救済します。
  1992年暮れに 堀越先生に取材を申し込んでいたら、「仙台に行く新幹線車中なら」とOKをもらいました。 松良宜三先生(声楽家。国立音楽大学 教授⇒ 常盤木学園 園長)の一周忌法要だそうで、道中 並んで座って独占取材(?!) 指示された指定席に行くと、奥様は 私と切符を交換して自由席に…(冷汗)、とても緊張した一時間半でした。
◆ 堀越先生にインタビューしながら仙台に着くと、そのまま車に乗らされ 松良先生の法要に…… 常盤木学園関係者への挨拶・取材も 自由にさせてもらえました。 後日、祖母の弟の伊藤武雄が 松良先生と親しかったことを知り、背筋が……。

インド人の才能・活躍に注視を
  国際高専(金沢)の発想は、グローバル企業のトップにインド人が多数就任していることと無縁ではありません。 いつの間にか 製鉄業界では Arcelor-Mittal社が業界トップになって、Aditya Mittal(1976年インド生れ)がCEOに。 Tata Steel社と Tata Motors社の会長は Natarajan Chandrasekaran(1963年 モハヌール生れ)ですが、名車の Jaguar, Land Rover, Fiat などを傘下に入れています。
 そして IT関係では、
 Google/Alphabet社の Sundar Pichai (1972年 チェンナイ出身)Microsoft社の Satya Nadella (1967年 ハイデラバード生れ)
 IBM社の Arvind Krishna (1962年 コスタアンドラ生れ)Adbe社の Shantanu Narayen (1962年 ハイデラバード生れ)
 そして つい先月まで Twitter社の代表だった Parag Agrawal (1984年 アジメール生れ) も。
  小さな頃から二桁の九九を覚えるほどの理数的知能を持ち、広大な国土の共通語として英語を駆使する環境、そして 多種多様な宗教・文化・価値観の混沌と貧富の差の中で 逞しく育ってきた人と 競える人財は滅多にいません。 私たちが国際高専に望みを託すのは、「理数力+英語力+混沌を生き抜く逞しさ」を鍛える条件が揃うからです。 とくに 三番目の “混沌”の環境を整えるため、アジア各地の超優秀な人財を招へいできる条件にも恵まれています。
◆ 金沢の国際高専は インター校ではありません。 「Fabless」(工場を持たない生産)の流れの中で “モノづくり”の核心を手放さない智慧を磨く場なのです。 帰国ママのレポートは必見。 17日(木)のEGS研究会も楽しみです。

「ネクタ」と「アンブロシア」
  「Nectar」は 元々は植物から採れる蜜のことですが、ギリシア神話では “神々が飲む不老不死の酒”です。 最近は“果実をすり潰して作った果肉飲料”(=植物繊維が豊富なジュース)の意味になっていますけど。 「Nectar」とよく対比されるのが 「Ambrosia(神々の食べ物)ですが、本来の意味は “不死”です。 だから、“不死身の効力を持つ”として、飲み物や軟膏などでも 「Ambrosia」と呼ばれる霊薬があります。 英雄アキレスは、踵<かかと>の上部だけ この軟膏を塗り忘れていて、致命傷を負ったともいわれます(Achilles' Tendon)。
◆ 30年前、ネクタに焼酎を加えたカクテルが流行した時 「ギリシャ神話の神々のように美酒に酔い痴れたい」という退廃的願望を感じました。 赤みを帯びるだけに、日本の “モノづくり”に警報ランプが付いたような気がしたものです。

カンコーの「学ぼ ネクト」とは?
  制服の菅公(KANKO)(株) の学校支援事業部が独立して 「カンコー マナボ ネクト(株)」となっています。 “瑞々しい/衰えない学びを!”と言わんばかり…… 新学習指導要領やコロナ禍への対策に苦労している人には 心強い味方です。 「School YouTube」という出前授業の支援ワークショップでは、作品を 「YouTube甲子園」に出品します。 生徒目線で捉えた青春群像には説得力があり、そのまま学校の広報媒体としても使える傑作ぞろいです。 今年の大会は 69校から179チームが参加する大盛況(インターネットで公開中)。 企画動画部門では、金賞に 都立芦花高校、銀賞に 日本文理大附属高校と 宇都宮短大附属高校が輝きました。
◆ 菅公(株)は 学校の制服・体操服等のメーカー…… 「布地から縫製まで全て国内でやる」という顧客本位の姿勢が立派。 教師と生徒の双方の本音を受け留め 寄り添う毎日から、ソフト面でも 「こんなのどう?」という提案をしてくれます。

「高専 (Kosen)」を見直そう!
  第82回グローバル化社会の教育研究会(EGS)は17日(木)、高等専門学校(高専)に焦点を当てて行われました。 いわゆる “専門学校”とは異なる “技術エリート校”なのですが、今年は 「高専」の制度が生まれて60周年です。 中でも ひときわ偉才を放っている 「国際高専」を 今回取り上げたのは、わが国の将来の希望にも つながるからでした。 一言でいうと 「英語でSTEM科目とリベラルアーツを学べ、海外大学の進学も可能なボーディングスクール」!
  人気が集まっている中高一貫校(公立を含む)でも、高校から “進路変更”して他校に移る事例は少なくありません。 他方、高2・3年段階で帰国してくる生徒の受け入れ先は極めて限られ、たとえあっても 大学進学の壁が待ってます。 そんな特殊事情を持つ 個性的な生徒にも、高専から米・豪・シンガポール等のトップ大学への進学の途は魅力でしょう。 STEAMではなく 「STEM+リベラルアーツ」…… 大学に準ずる高等教育機関なので IB校をも超越しています。
◆ 全国の高専OB、高専関係者およびその賛同者で構成される 「HNK(Human Network Kosen)」が 創立30周年を迎えました。 24日(木) のパネルディスカッション 「高専DCON(Deep-Learning Contest)について」等は楽しみです。

11月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
JPRI 教育観アップデート 秋の集中講座(On-Line)--- 11月5日(土)・19日(土)・26日(土)。 テーマ 『これからの教育に とっても大切なコト』=深見 太一(学びの塾/愛知教育大学 講師)ほか。 ※ 人間関係構築と目標達成スキルの実践についての提案です。
CYBOZU DAYS 2022 「宝島 〜DXの勇者たち〜」--- 11月10日(木)・11日(金)、於:幕張メッセ。 ※ これからの10年、情報システムを取り巻く環境は どう変わっていくのかを予測し、話し合います。
全寮協 2022年度合同相談会--- [横浜] 11日(金) @高山ローズホテル、[東京] 12日(土) @フクラシア品川クリスタル港南。 ※ 全国の “寮のある学校”27校+2校が揃います。 金沢学院大附属中は 初顔見世!
第82回グローバル化社会の教育研究会(EGS)(Hybrid)---11月17日(木)、テーマ『グローバルイノベータの育成と 教育プロトタイピング』=山岸 徹 (国際高等専門学校 事務局長)。 ※ 15歳からIT関連分野の実践力を英語で学ぶ“先端性+挑戦”の営みも 完成年度です。
ASIA-NET セミナー--- 11月17日(木)、於: パシフィコ横浜。 テーマ 『台湾IT産業の最新情報を理解する '4つ'のテーマ』。 ※ EGS研究会の “裏番組”ですが 2年半振りの対面式です。
CFIEC国際情勢ウェビナー(On-Line)--- 11月22日(火)、テーマ 『米国政治の変動とグローバル社会への影響』=久保 文明(防衛大学校 校長)・前嶋 和弘(上智大学 教授)・森 聡 (慶應義塾大学 教授)。 ※ 中間選挙が終わって見えてきた傾向や可能性を検討します。
eduJUMP 国際教育博2022 (Hybrid)--- 11月26日(土)、テーマ 『親は知っておきたい9つの教育トレンド』=西山 哲郎(静岡聖光学院)・嶋津 幸樹(山梨県立大学 講師)。 ※ 英語教育のグレート教師が、国際教育の中長期的なトレンドを解説します。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 『月刊 海外子女教育』 11月号特集は 「第43回海外子女文芸作品コンクール」の審査結果と作品です。 <父の日に小さな画面でみるえがお>(香港小4)など胸を打つ作品がたくさんあります。
  「今月の顔」は ブルームバーグ東京支局の田村康剛さん(上海日本人学校高等部2期生)。 超多忙な日程を調整して 取材に応じてくれました。 大島康経さんとのツーショット写真も 「好ハオ」!(背景は日本人学校のテント) 会員校訪問は 大分県の岩田中学・高校…… 児玉洋司校長は 海外子女教育振興財団の海外説明会(アジア)の常連ですが、先生の人柄が溢れる学園です。 親子二代とか兄弟・親族などの同窓生が多いことでも知られます。

◆ 東京工業大学と東京医科歯科大学とが統合…? 国立大学の再編が静かに始まっています。 それより先に、私立大学への文科省OBの天下りが進んでいくわけで、ここにも 文科省OBが何人もお世話になるのでしょうね。

◆ 『月刊グローバル経営』11月号特集は 「インドのこれから」…… オーストラリアの半分もない領土に14億の民が住み、来年には中国を抜いて世界最大の人口となる “巨象”です。 矢野文之さん・西川裕治さんほか 熱気の籠った論考が並びます。 課題は やはり “人財育成”です。

◆ ここ数年、“インターナショナル”を売りにする学校(新設, 学校改組など)が続出しています。 でも、やや乱立気味で、早くも息切れしてきた学校が少なくありません。 宣伝やネット情報に惑わされない賢さが大切です。

◆ ジャズ歌手のロニー・ハーシュさんは 癌の闘病中ながら、元気に振舞っておられます。 ハロウィンの夜、お菓子を持ってご自宅を訪ねました。 ドアをノックして 「Trick, or treat you!(悪戯しろ、お菓子を上げちゃうぞ)と言うと、苦笑いしながら出てきてくれました (笑)

◆ 大学通信の安田賢治さん(常務取締役)が3月に亡くなっていました。 私より4歳も若いのに…。 順心広尾学園の立て直し、上海日本人学校高等部の設立、そして この 「教育通信」も応援してくださいました。 謝謝! 享年65歳。 合掌。

曽我部泰三郎先生が 9月6日に亡くなられていました。 お茶ノ水女子大附中の副校長を定年退職後、東京銀行の教育相談室長、日本在外企業協会の教育委員アドバイザーを歴任。 その後も ずっと私たちを優しく激励してくださいました。 満百歳の大往生です。 合掌。

==================================================================================================

 ページトップ、 海外支援センター   ※ ニュースのオリジナル版は、日本人学校・補習授業校にも お送りしています。
【2022-10】

“新大陸” の発見は誰?
  530年前の10月、コロンブスが 欧州人では最初に “新大陸”(今の「米領ヴァージン諸島(VI)) に到達しました。 しかし、当時のスペイン人は ここを 「Las Indias(東アジア)だと思っていたので、“新大陸発見”とは言ってません。 他方、イタリアの地理学者 アメリゴ・ヴェスプッチが 『新世界』(1503年)の中で、こう指摘していました。
<大西洋を横断した先にあるのはアジアではなく、全く異なる新大陸である>
  ドイツの地理学者 ヴァルトゼーミュラーは 彼こそ発見者だと考えて、“新大陸”を「アメリカ」と命名します。 もちろん “新大陸”には 先住民…… Y染色体ハプログロープでいう "Q" が 既に住んでいたわけです。 白人たち(同 "R")が先住民の男性を殺しては、先住民の女性に自分の子どもを生ませる蛮行が始まりました。
◆ 南北アメリカ大陸の先住民は、いまや少数派になっています。 白人による蛮行を覆い隠す機能を キリスト教が担っていたわけですが、わずかに生き残った先住民も キリスト教を信仰しており、平和が保たれています。

「人それぞれ」 が生きる術<すべ>
  日本人の多くは 「人類 皆兄弟」という言葉に引き摺られ、外国人を “自分たちと同類”だと 安易に思い込みがちです。 とりわけ 東アジアの人々とは 顔つきも似て、漢字文化を基本(漢字自体は既に廃れても)としていますから 余計に。 日本人は 「こうあるべきだ」という集団目標を持った途端、全員がそうするべきだと考え、期待して生きていきます(皆で同じことを 一緒に… の同調圧力が働く)。 だから 期待を裏切られた時の制裁/反発は強烈で、その人が居ないと困るのに絶縁/排除を決め込むことも多いのです。
  ところが、グローバルな世界では 「各々が根本的に違う価値観/発想」の理解を前提に 規則や法制度ができています。 ヒトは生れ育った環境や教育内容で 様々な “個性”を持つからです。 それを前提にして生きる術<すべ>を身につけましょう。
◆ NHK朝ドラで “何度も騙される愚鈍な民”として沖縄が描かれると、私たちは 腹を立てながらも 「日本人だよねぇ」と共感したりします。 何度騙されても 「まあ、そういうこともあるか」で済ませて、さらに信じようとするのです。 制作意図がそこなら許せませんけど。

緩やかな空気の中で学ぶ
  先日、広尾学園高校のOG(32歳)と会食しました。 公立中学では不登校だったのに、高校は 楽しく通っていた生徒です。 現在は 人材斡旋の仕事をしているそうですが、“コミュ力”旺盛! 高校時代の思い出を たくさん話してくれました。 『不登校でも学べる』の太田 敏正さんの 「不登校生徒が生き生きする学校と “進学名門校”は、実は似ている」に……
<実は、中学受験で人気の進学校には発達障害と診断されている生徒や、診断はされていなくても家族や教員からは 「グレーゾーンかな?」と思われるような特性をもつ子どもも多いのです。 先生たちもそういう子たちの扱いに慣れています。>
  広尾学園の教育方針は 「自律と共生」…… 各々の生徒が自己決定の機会を与えられ、“緩やかな空気”の中で学びます。 女子校だった2005年以前には、「この学校に息子を入れて欲しい」という相談が結構あって、苦笑したものです。
◆ 広尾学園(旧 順心女子学園)は1970年代から 帰国生を受け入れていましたが、帰国生に入試偏差値なんて関係ありません。 生徒たちがリラックスして過ごせる学校が、最もその潜在能力を引き出せるのです。 共学化(2007年〜)を発表すると 男子が殺到してきました。

広島県の公立高校の6割が定員割れ
  広島県安芸区にある広島国際学院大学(1999年 広島電機大学から改称)が、今年度をもって閉校します。 山陽本線脇の緑豊かな快適な環境にあって、その校舎は全国の鉄道ファンにも親しまれてきました。 一方、附属の広島国際学院高校は、歌手の矢沢永吉、ゴルフの金谷拓実など 芸能・スポーツ界のスターを数多く輩出。 国公立大学に進学する者も多く、3年前には中学校も開校して 全国レベルの人気を維持しています。
  ところが 県内公立高校の6割(分校を除く85校中 53校)で今年、定員割れ(欠員数計 1,431人)が起きているそうです。 中学3年生が1988年度の半分になっているうえ、農村部の過疎化や私立学校との競争にも晒されているわけです。 新しい学習指導要領は かねてよりOECDが提唱する “世界共通の学力観”に沿っています。 なのに30年間 それを無視して、頑なに “進学実績”に拘り続けてきた県教委や県立高校の管理職の責任は重大です。 確かに 県立叡智学園の試みは素晴らしいのですけど、その価値が理解できない 大多数の教職員こそ問題なのです。
◆ 広島国際学院大学は55年の歴史に幕を下ろし、広島六大学野球連盟の一角が抜けます。 今春の大会は 部員不足のため不参加となりました。 かつての “高校が大学を創立する流行”(1960〜80年代)も “逆流”が始まったのでしょうか?

第81回グローバル化社会の教育研究会(EGS)開催される
  10月5日(水)、新渡戸文化学園の校舎をお借りして開催されました。 対面式の開催も3年振りですし、教育現場で 子ども達の熱気に直に触れ合う機会にも恵まれて、感動の一日でした。 「自他の幸せを生み出すために 主体的に学び続ける “自律型学習者”」を掲げている平岩 国泰理事長は、中教審の委員。 そして 話題提供してくださった小倉 良之校長をはじめ 名物教師の多くが、都立高校教員からの転身なのにも驚きます。
  “競争” ではなく “認める” ことで安心感が生まれ、“自分らしさ” を発揮できようにすることで “学び” が伸びていく……「一条校」の枠組みで 学習指導要領を具現化すれば どんな教育が可能なのか、いわば “公教育の王道”の実験場です。 しかし、「クロスカリキュラム」の授業などを見ながら 「公立校でも これはできるんだ!」と感動している私たちに、 <“大学の総合型選抜に有利” という報道は迷惑です。 私たちは全然そんなことは考えないし、世界は 《それを意図的に目指さない限りにおいて 達成の可能性が拓かれる》 というパラドックスに溢れています。> と、小倉校長の言葉が グサリと刺さりました。 “〜に有利” みたいな発想を持った途端に “学び”の崩壊が始まるのだ、という健全な “批判的な思考”です。 さらに驚くことに、この学園の成果は WEB上に公開されているうえ、幹部教員は全国各地に教えに行ってもいます。 「Linux」のような 「Open Source License(無料で公開され、誰でも新しいOSを開発したりできる)の発想なのです。
◆ 「公立校では無理だよ」と嘆く人は、海外の日本人学校で素晴らしい実践をしているのが 公立校の教師であることを知りません。 まともな教育を邪魔しているのは、「どうせできない」と言っている似非教師と、偏差値しか関心のない保護者です。

「マイナ保険証」の経費負担は患者
  政府は13日(木)、現在の健康保険証を2年後の秋に廃止し、マイナンバーカードへ一体化すると発表しました (運転免許証の同カードへの一本化も同時期にすべく、当初予定より半年繰り上げる検討も始まってるそうです)。 今、マイナカード自体の申請数は 全国民の56%(約7,072万枚)、同カードを保険証として登録している人は 約2割。 医療機関などには保険証として利用できるシステム導入が務づけられていますが、運用しているのは34%のみとのこと。
  8月10日(水)、厚生労働省は 「マイナ保険証」を提示した際の患者の窓口負担を10月から引き下げると決めています。 マイナ保険証では4月から、初診料が21円(元の保険証なら 9円)と 設備費負担をさせられていたからです(それを誤魔化すための ポイント・プレゼント2万円)。 今月から マイナ保険証は6円、従来の保険証は12円と、設備費負担は “マイナ拒否組”に転嫁されています。 しかし、よく考えると、マイナ保険証の利用者が増えていけば、早晩20円くらいに値上げせざるを得なくなるはずです。 その時には、どんな言い訳をするのでしょうか? 政治家や公務員の語彙力にも限界があります。
◆ 「マイナ保険証の方が割安になる仕組みにして 利用促進を図る」という説明(方便?)も、化けの皮が剥がれました。 問題の根源に 政府や公務員に対する不信感があることには、誰が いつ気がつくのでしょうか?

若者の語彙力不足の弊害
  石井 光太さんの 『〈いま学校で起こっている〉国語力崩壊の惨状』(文春7/30)の論考に対し、議論は出尽くしたようです。 私としては、「国語」と 「言葉」や 「コミュニケーション」とを混同して使っておられるようで、違和感を覚えました。 「日本でのことに限って言っている」という発想自体が、既に生徒の多様性を無視する姿勢と通底していないでしょうか? それが 「言語=国語」という独善を無意識に生む危険(=国語教師の陥穽)を孕んでいると思うのです。
  阿吽の呼吸、以心伝心、行間を読む…… は 「High Context(同質性が高い⇒ 文脈に頼る)な社会を前提としています。 しかし、多文化・多宗教社会では、言葉や態度で明確に表現しないと 相手に意思/意図が伝わりません(Low Context)。 相手/周りから得た情報を吟味しながら受け取る “批判的な思考”なくしては、まともな意思疎通は成立し得ないのです。
  若者の語彙力不足は 周りの大人の横着が原因…… 自分の感情を上手く言語化できる子は、言葉を浴びる環境にいます。 幼児への語り掛けと “読み聞かせ”、あるいは対話的な授業の展開は、国力の根源を支えているともいえます。
◆ 今年の上半期に高校生たちに人気のあった言葉の調査(numan)で 一位は 「tosツイ」(誰にも読ませない“投稿”)、2位が 「ひよってる奴いる?」(行くぞ!/やるぞ!)、3位は 「限界オタク」(病 膏肓に入る)。 大人には不可解ながら、語彙力は衰えてませんよね?(笑)

10月の諸行事――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
第81回グローバル化社会の教育研究会(EGS)(Hybrid)--- 10月5日(水)、テーマ 『新渡戸文化の学校改革  主体的・対話的で深い学びを目指して』=小倉 良之(新渡戸文化中学校・高等学校 校長)。 ※ 未来社会を生き抜く子どもを育成する現場で、具体策を話し合います。
第1回EDIX オンライン展 (On-Line)--- 10月5日(水)〜7日(金)。 ※ 5月の東京、6月の大坂の開催に続き、オンライン展が今年から始まりました。
Updata DX 22 (Hybrid)--- 10月12日(水):On-Lineのみ、13日(木)・14日(金)、於:ザ・プリンス パークタワー東京。 ※ DXの実践事例やビジネストレンドなど、時代を読み解く 60以上の特別講演があります。
KANKO, SCHOOL SOLUTION FAIR 2023--- 10月18日(火)〜20日(水)、於:EBiS 303 (東京都渋谷区)、テーマ『Think with』。 ※ 「Ancs」「YouTube甲子園」など マナブネクトの学校支援サービスが中心の “エールプロジェクト”です。
第一回 Femtech Tokyo --- 10月20日(木)〜、於:東京ビッグサイト。 『経済・社会を大きく変えるフェムテック』 『女性活躍推進を支えるフェムテック』など講演多数。 ※ 女性のライフステージに合わせ、女性のQOL向上や働き易い環境づくり実現の鍵などを紹介します。
JOES 海外向け講演会(On-Line)--- 10月22日(土)、テーマ 『多文化の中での子育てで大切にしたいこと--- スタンフォード発 家庭教育のヒント』=星 友啓(スタンフォード大学・オンライン高校校長)。 ※ EdTech 相談役でもある星さんが、海外で子育て中の保護者にエールを贈ります。
CFIEC 国際情勢ウェビナー(On-Line)--- 10月31日(月)、テーマ 『ロシアへの経済制裁--- その効果の検証と日本への示唆』=太田 智之(みずほリサーチ&テクノロジーズ)、原田 大輔(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)ほか。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 自転車の悪質な交通違反について、警視庁がようやく 「赤切符」を交付して検挙する方針を固めました。 宮部みゆきの小説 『誰か― somebody』の問題提議から丸19年…… いったい何万人が犠牲になったのでしょう? 「UberEats」などの自転車は、歩道を走行したり信号無視したりして “速さ”に血眼になっています。 しかし、運転者は “個人事業者”なので、事故を起こしても 発注側(UberEats など)は責任を問われず、運転者が保険をかけていないと 犠牲者の家族の多くが泣き寝入りせざるを得ません。

◆ 『月刊 海外子女教育』10月号特集1は 「現地校に入って」……海外に出たことをチャンスと捉え、その国の文化や言語を学ぼうとする人たちの姿を、松島あおいさんが報告されています。
  特集2は 「個性派書店の魅力」…… 私は 青山ブックセンター(ABC)六本木店が忘れられません。 デザイン書や画集などの品揃えと雰囲気が贅沢でした。 上の階に国際オリエンテーションセンターがあったので、帰りには 必ず立ち寄ってました。

◆ 学校現場では 「荒れる10月」…… 先生も子ども達も 新学期の “疲れ”が出てくるのです。 心理学では これを 「不適応期」と呼びますが、要は “五月病”なので 休養と気分転換が一番。 新しいことに挑戦してみるのも 好いかもしれません。

◆ フレンズ帰国生母の会 『帰国生のための学校案内 2023年度版』 と 関西帰国生親の会かけはし 『帰国生への学校案内 《関西》2023』 が出来上がりました。 帰国ママの目線で集められた情報には、他の資料集にはない “愛情”が感じられます。

◆ 海外子女教育振興財団の関西分室が 9月末で閉室し、業務は東京本部に統一されました。 1974年 「天六」近くの都島に関西分室ができ、梅田の駅前第一ビル(1981年〜)、毎日新聞ビル(2008年〜)と移転したわけですが、48年間の歴史を閉じました。

◆ 京阪神地区の企業内相談員は、三菱電機の細田 正央先生のみに、中京地区ではトヨタの八神 良夫先生、デンソーの鈴木 敏彦先生のお二人だけになりました。 「夏草や兵どもが夢の跡」(松尾芭蕉)の心境です。

◆ NHK朝ドラでの祖母の台詞… <変わりもんば、変わりもんとして堂々と生きたらよか。 周りに合わせんでよか。 自分ば知っとる人間が一番強かけん> 毎日 自然と闘い、かつ寄り添って SDGsそのものの生き方をしている大人の言葉だからこそ、スーッと心が溶かされます。

第82回グローバル化社会の教育研究会(EGS)は 11月17日(木)。話題提供は 金沢の国際高等専門学校の 山岸 徹 事務局長……“世界の変化を起こす側の人材育成”のデザイナーです。 私は21日(金)から、同校の取材で 「English+STEM体験研修セミナー」に行ってきます。 金沢は 秋の味覚と紅葉の季節…? いや、真面目な視察ですので…。

◆ 9月から円相場は 1米ドル=140円台になり、24年振りの円安水準です。 米国の長期金利が上昇したせいだといわれますが、円ベースの株価を高めに見せるため 円安政策を進めてきた政府・日銀の愚策に呆れます。 日本の信用を壊し続けたツケは、若い世代が払わされるのです。

==================================================================================================

 ページトップ、 海外支援センター   ※ ニュースのオリジナル版は、日本人学校・補習授業校にも お送りしています。
【2022-9】

新学期がスタートしました。
  毎年この時期には、編入・転入した生徒に起こる 「五月病」と その対策について書いてます。 “引越し”あるいは “授業開始”から4〜6週間目くらいに、判で押したように心身に変調をきたすからです。 原因は 環境の変化にあるので、薬では治りません。 また、保護者も同じ時期に変調をきたしていることにも 要注意です。(油断していると、クレーマー同然に変貌させてしまいかねません)
  「そろそろ始まりますね」と声を掛け合い、お互いに心の準備をしておくことが 無難に乗り切るコツです。

子どものやる気を出すには?
  他方、夏休みの間に 緩んで(?) しまった子ども達のやる気を 引き出す苦労も待ってます。 そう思っていると、某人材研修会社の宣伝文句に 目が留まりました。
  <社員の成長のために研修や資格取得支援などの制度を導入しても、主体的な学びにならず 効果性が低い…(略)… 「社員が自ら学ばない背景にあること」を理解したうえで、どうすれば 「社員が自ら学び始める組織」を作れるか…>
  この “社員”を “子ども/後輩”に置き換えれば、教育現場の課題になります。 4月に紹介した 『Nudge(実践行動経済学)』(R・セイラー他。米 2008年)を思い出してください。 人は 好きなことには熱心に取り組むので 上達が早い(将来が楽しみ)…… と昔から言われてきました。 最近の心療内科でも、患者の 「悪い/弱い所を直す」から 「その人の強みを生かす」という傾向に変わったとのこと。
  「褒めるばかりでは 人は育たない」という面もありますが、勘所は 「その人の持続性を どう引き出すせるか」です。 「君は 〇〇が得意だね」「○○は 効果的だったね」などと励ますことで 士気を揚げるのは、指導者の基本素養でしょう。
◆ 課題に積極的に取り組まない子に対し、ともすると 怒鳴ったり皮肉ったりしてしまいますが、逆効果です。 指導者は、相手が 「指導されている」とできるだけ感じないように 「nudge」するのがコツ…… 大半が “無駄玉”でも。

中国の労働市場に変化の兆し?
  数年前、中国の若者たちから 「996(文化)<Jiu3Jiu3Liu4-(wen2hua4)>」 という言葉を聞かされました。 中国では “朝9時〜夜9時 週6日勤務”が 大企業でも常態化していて、仕事は体力の競争にもなっているというのです。 コロナ禍は それに輪をかけてもいるようです。 とりわけ IT関連業界で自宅作業を余儀なくされる人は甚だしいとか…。 日本でも、かつて 「24時間戦えますか?」のCMが流行ったことを思い出します。 中国も 経済成長の裏で 「健康で文化的な最低限の生活」から遠のく方向に進んできているようです。
  もちろん、中国の労働法には 「一日労働時間は8時間まで、週平均労働時間は44時間を超えてはならない」と規定。 それでも、「フレキシブルな勤務体制」「成果に応じた報酬」という名目で、なあなあの勤務条件になってしまいます。 当然ながら、若い世代から 「996」への反発/批判が ネット上では “主流”になっています。
◆ 中国では昔から 「入職後3年程度で退職するのが普通」とされてきました。 2年以上担当しないとキャリア・アップにならないことは 本人も了解していますから、私たちも 「そろそろ辞めるな」と分かったものです。 ところが最近は 「裸辞<luo3ci2>」(転職先も決めないで退職)が多く、従来とは異なる世代が現れていることを感じます。

9月16日は伊藤野枝の命日
  伊藤野枝婦人解放運動家で、大杉 栄の何番目かの妻です。1923年、夫と共に 憲兵隊の手で拷問死させられました。 NHKドラマ 『風よ あらしよ』では、改めてその強烈な生き方に圧倒されますが、初回の描き方が雑なのが残念です。
  上野高等女学校(現:上野学園高校)を卒業して帰郷すると、隣家の男との仮祝言まで 知らぬ間に終わっていて驚きます。 隣家に軟禁され レイプされ続けて一週間後、やっと逃げ出せて上京。 女学校時代に思いを寄せていた教師と同棲…… しかし、幼児期からを もっとていねいに描かないと、単なる “尻軽女/貞操感ゼロ” という誤解をされかねません。 日本の“リブ運動”の、先駆者の一人なのですから……。
◆ 「女子会」(女性だけで飲食店などに集まる宴会)は 2010年の新語・流行語大賞の上位に入っていますが、1970年頃の 「ウーマン・リブ」「中ピ連」、1990年の新語大賞 「オヤジギャル」などとは趣が異なります。

「GOAT」と聞くと…
  大リーグの大谷翔平選手の活躍に対し 「It's definitely the GOAT.」など 「GOAT」を使う表現が目につきます。 「Greatest Of All Time(史上最高の(人)) の略ですが、酷い時には 山羊(Goat)の絵まで書かれたりして…(笑)。 かなり古くからある表現ですが、私たち年寄りには ボクシングのヘビー級王者 カシアス・クレイの思い出が強烈です。
  ローマ五輪(1960年)で金メダルを獲得後、プロ転向して数々の名勝負を勝ち抜き、「GOAT」の称賛を得ていました。 ところが、ベトナム戦争への徴兵を拒否したため 世界タイトル剥奪やリングからの追放など、様々な制裁を受けます。 イスラムに改宗し、名前を 「Muhammad Ali」に改めたのも驚きでしたが、米国政府との法廷闘争にも 目を奪われました。 「イエス・キリストは有色人種だった!」という主張に、当時は 白人社会 から強烈な反発がありました。 しかし、現在は バチカンのローマ法王庁も、イエスを白人として描くことを戒めています。
◆ 「Just GOAT things!」(正に 史上最高(の人)の為せる業!)などに対し 「Yeah! I couldn't agree more!」(全く、同感だね!)と返す…。 英語の教員なら 「これは仮定法過去で…」と言いたくなるでしょうけど、止めときましょうね (笑)。

第81回グローバル化社会の教育研究会(EGS) を開催
  10月5日(水)、新渡戸文化中学・高校で開催されます。 話題提供は 校長の小倉 良之先生…… 都立高校の校長を退職後、同学園に迎えられ、学校改革に邁進されています。 この学園には 山本 崇雄、山藤 旅聞、芥 隆司、奥津 憲人、高橋 純司… といった“名物先生”がズラリ…… 未来社会を生きていく子どもを育成するため 「自律型学習の姿勢」「実社会との繋がり」「笑顔」を柱に指導しています。 否、「子ども達が自ら育つことを支援している」というのが、正しい表現でしょう。 個性豊かな先生方に“じゃじゃ馬”(?) も多い子ども達…… まとめていくご苦労も含めて現状を伺い、話し合います。
◆ 今回のEGS研究会は、久し振りに 学校を訪れての開催です。午前中には授業参観(中1・2)もさせてもらい、その空気を オンライン参加の皆様とも共有したいと思います。初めての“ハイブリッド方式”にも 緊張しています。

9月の諸行事―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
ASIA-NETセミナー(On-Line)--- 9月8日(木) 午後7時〜、テーマ 『中国/上海最新事情、ロックダウン後、上海のいま』=野村義樹(愛豊通信科技(上海)有限公司 副総経理)。 ※ ロックダウン中の苦労話、解除後の悲喜こもごも、今後のビジネスに与える影響など、中国ビジネスとの向き合い方を話し合います。
ITトレンドEXPO 2022Summer(On-Line)--- 9月5日(月)〜、基調講演 『混沌とした世界におけるリーダーシップと成長』=ランディ・ザッカーバーグ(Facebook Liveの開発者)。 ※ 長引くコロナ禍におけるキャリア形成はどうしたらいいか? などに悩んでる人は是非!
Vortex セミナー(On-Line)--- 9月12日(月)、テーマ 『激動の時代、強い企業に導くためにリーダーがやるべきこと』=平井 一夫(ソニー 元社長)。 ※ コロナ禍、インフレ、円安などの中、リーダーとしての判断軸や担うべき役割とは?
心の耳を育てるメソッド体験会(On-Line)--- 9月17日(土)、講師:ゆきね(一般社団法人 和編鐘・豊かな心を育てる音の協会 代表)。 ※ 子どもの感覚を育て、それが個性となり自分への自信にも繋がることを、一つ一つゲームを通して体験します。
JOES 海外巡回相談会《北米》--- 9月20日(火):シアトル 四つ葉学院、22日(木):コロンバス(OH) Yokoso Center、23日(金):ニューヨーク日本人学校(Riverside)、24日(土):ニュージャージー補習授業校(Paramus Catholick高校)。 ※ ICU高校と同志社国際中・高校の先生、および JOES教育相談員が対応します。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆ 先日(8月-1) も 「無駄玉」と書きましたが、直接の効果はなくても、言い続けていることの意味はあります。 親の 「早くしなさい!」は その最たるもので、子どもの成長には有害ですらある(殺意を抱いたり…)反面、子どもは愛情を感じてもいるようです。 親の意見と茄の花は…(古い!)

◆ 『月刊 海外子女教育』9月号の特集1は 「キコク中学生たちが描く将来の夢」です。 古家 淳さんの丹念な聴き取りで 子ども達の頼もしさが浮き彫りになります。 特集2は 「"Remember 9.11" 忘れないあの日のこと」…… 福永佳津子さんの渾身の寄稿です。
  「今月の顔」は 医療福祉エンターテイナーの岡 勇樹さん(Ubdobe 代表)……“無から何かを生み出す営み”には、学校を創ったり改革したりすることにも通じるものがあります。 「いろんな人の力を借りながら、人と人とを繋ぎながら…」と伺っているうちに、元気が湧いてきました。

◆ 『月刊グローバル経営』9月号の特集は 「インバウンドが帰ってくる」です。 ウクライナ紛争を目の当たりにして、改めて異文化交流の大切さを痛感しますが、交流そのものは “葛藤+困惑”の連続でもあります。 しかし、それを乗り越えてこそ 人類の未来も拓けるのです。
  なお、同誌の新連載で、『月刊 海外子女教育』「海外校シリーズ」の一部転載が始まりました。 記事全文は QRコードでアクセスして読めるようになっています。 海外子女教育振興財団(JOES)と日本在外企業協会(JOEA)との協働体制です。

◆ 遠山 顕さんの 『いつでも!英会話入門(NHK出版)も6ヶ月目が終わろうとしています。 “秋号”が店頭に並んでいますが、そろそろ “我慢の限界”に近い人もあるでしょうね。 でも、ここから2〜3ヶ月が踏ん張り時で、クリスマスの頃には きっと…。

◆ 「ミライノマナビ」のサイトに 後藤 健夫さん(元 東京工科大学 広報課長)が “大局観で教育を考える”コラムを書かれています。 とくに今回(9/16)、 大学入学共通テストでは 「その場でなんとかする力」が試されている、という分析は見事です。

◆ 溝上 憲文さんが 『手取りがどんどん減っていく…日本企業が社員給与を剥ぎ取るために30年間コツコツ続けた "悪知恵"のすべて』(Yahoo News 9/15)を寄稿…… 安倍政権を含む わが国の保守層の“嘘”の解明は見事です。 いつまで知らん振りしたり 騙されるままでいたりできますか?

◆ 今年は19日(月) が敬老の日。 私ごとながら 満70歳になりました。 昔は 「古代稀なり」だったのですが、現在は “まだまだ〜”と言われます (苦笑)。 そろそろ運転免許証を返上しようかとか、ボラティア活動も 次の世代に任せなければとか 思ってますけど…。

◆ 東京の新宿駅西口の再開発計画に伴い、小田急百貨店本店の本館が10月2日(日)に閉店します。 50年余り ずっと “新宿西口の顔”でした。EGSの事務局会や 『月刊 海外子女教育』のインタビューなどで、喫茶店をよく利用していましたが、寂しいです。

==================================================================================================


2022年8月以前のニュースは こちら

小山和智の執筆記事・コラム等の一覧

※ ニュースのオリジナル版は、日本人学校・補習授業校にも お送りしています。
  万が一、届いていない場合には、こちらまで ご一報ください。

このぺージのトップ
海外支援センター
facebook
H O M E